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リベさんの読書ノート

2007年に読んだ「本」たち
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 69

ホルモー六景

著者 : 万城目 学

出版社:角川書店

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2007年11月29日

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 8

人形の部屋 (ミステリ・フロンティア 39)

著者 : 門井 慶喜

出版社:東京創元社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月28日

次々と繰り出される薀蓄の雨あられに何度「へぇー」と呟いたことでしょう。
表題作は豊富な薀蓄を論理的に且つ明確に繋げ、鮮やかなラストに持っていき、本当に面白かったです。

表題作以上に二つの短編が印象に残っています。
特に「外泊1-銀座のビスマルク」がシンプルで切れ味鋭く良かったです。
うまく薀蓄を謎解きに用いて、これまた鮮やかなラストに持っていきます。

ただし、表題作以外の2つの中篇にイマイチ乗り切れませんでした。
ともに豊富な薀蓄を繰り出してくるのですが、それが読むリズムを損ねているように思えました。
そのせいか話が冗長に感じました。

改めて考えてみますとそれぞれが30Pぐらいの短編向きのテーマだったように思えます。
そうすればもっと大胆に薀蓄が使え、さらに切れ味も増したのではないでしょうか。
とても惜しい作品だと思いました。


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 40

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

著者 : 近藤 史恵

出版社:東京創元社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月24日

次々に出てくる魅惑の料理にお腹から悲鳴が(笑)。

料理に関する薀蓄を使い謎を解く話といえば、先日読んだ「厨房ガール!」と一緒でした。
しかし「厨房ガール!」は読んで「これを応用して料理を作ってみたいな」と思ったのに対し、「タルト・タタンの夢」を読んだら、今すぐ<ラ・パル>を探し出し予約し食べに行きたくなるほど胃に脳に体の全てが「食いてぇ」と信号を出してくるのです(笑)。

一番良かったと思うのは「割り切れないチョコレート」の話でしょう。
チョコレートの繁盛店で出されるチョコレートは、2,3,5,7、11、13…31、37、41個いりと何故か素数ばかり。
この理由がまたいい話で、心があたたかくなるのです。

本当にどこかに<ラ・パル>みたいな店はないのかい?
近所にこんな店があったらいいなぁ。
食後にはもちろん「ヴァン・ショー」(温めたワインにレモンやオレンジなどの果物が入っている)を。


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 8

厭犬伝

著者 : 弘也 英明

出版社:新潮社

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2007年11月23日

ひどく乱暴な言い方をすれば「和風伝奇+バーチャファイター+ポケットモンスター」のような小説です(なんのこっちゃ)。

奇想天外でとても魅力的な世界が描かれているのですが、世界設定が多すぎて物語の世界に入り込むことができない人もいるかもしれません。
物語の肝となる「合」と呼ばれるバトルシーンも長すぎて読み飛ばしてしまいたくなります。作者の力が入っている場面なのはわかりますが、(漫画やアニメならともかく)これは小説なのでもう少し簡潔に纏めるほうがよかったように思えました。
このシーンに割きすぎた影響で、登場人物の掘り下げが少し足りなかったように思えました。

しかしながら、これだけ独自の世界観、設定を作り上げそして完成させている力量は並大抵のものではありません。
作者がこの1作に賭ける思いも充分伝わってきました。

この賞の受賞作家の多くは受賞作で燃え尽きてしまったのか、見かけなくなってしまう人が多いように思えます。
この作者も受賞作にかなり多くの「道具」を使い果たしてしまったのではないかと心配してしまいます。
できるだけ早くに2作目を出してもらい、自分のくだらない杞憂を木っ端微塵に消し去ってほしいと心から願っています。


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 6

株式会社ハピネス計画

著者 : 平山 瑞穂

出版社:小学館

発売日:2007-07-31

評価 :

完了日 : 2007年11月22日

主人公に加え、脇役に至るまでそろって魅力的だと思う人物も出てこないし、どことなく不条理な人物と物語。
何度も読むのを断念しようかと思いましたが我慢し、何とか読み終わることができました。

それは「フジワラのカタマリ」と呼ばれていた藤原たまりの存在が大きかったと思います。彼女の話が出てから少しずつ読む意欲が湧いてきました。

細かい不満はたくさんありましたが、ラストがとても良かったです。
その分、後味が非常に悪かった「冥王星パーティ」よりは良かったかな?

しかし作品としては良くもなく悪くもなくといったところでしたか。


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 71

図書館革命

著者 : 有川 浩

出版社:メディアワークス

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2007年11月19日

甘い!
甘すぎるぞ!!
だけど、この甘さがたまらなくいいのだ。
「甘い」本をこれで充分味わったということでしばらくは「甘い」本を読まないようにしようと思います(笑)。

まず、このシリーズで語られるテーマである「善意の押しつけ」と「差別用語」について。
前者は日頃の自分もそれをしていることに気づき考えさせられるものがありました。後者については、生前祖母がよくここで取り上げられたような言葉を用いて会話をしていた思い出や、放送禁止歌など極端な締め付けにより失われる文化があることを改めて考えさせられました。

うだうだ書いていましたが、この小説のメインはやはり4者4様の恋愛風景。ここまで読んでいる方が赤面したくなる小説はないでしょう。あの二人に関してはいつもと変わらず爆笑もの(!)でしたが、今作クローズアップされたのは手塚と柴崎の関係でしょう。
あんな冷静で頑固な手塚が兄どころか柴崎にも弄ばれる様子は憐れですが、「担保」と称してのアレとか、ついクスクスと笑ってしまいました。

ラストはこれぞ大団円!
そしてエピローグもニンマリ。このシリーズ恒例の読み終わった後の表紙チェックも楽しめました。

シリーズの宿命か、1作目ほどの驚きと新鮮さは失われてしまいましたが、この作品はこういうノリじゃなくっちゃいけません。

勝手に番外編の妄想をしていたところ、
来月創刊の「電撃文庫MAGAZINE」にスピンオフ読みきりが掲載されるという話を聞き狂喜乱舞(笑)。
これも読まなきゃネ♪


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 7

迷宮のファンダンゴ

著者 : 海野 碧

出版社:光文社

発売日:2007-10-20

評価 :

完了日 : 2007年11月17日

じっくり読ませるミステリーなのかなと勝手な予想をしていましたが、ハードボイルドミステリーだったとは。
自分はこういう小説も結構好みであり、そして久々にハードボイルドを読んだこともあり熱くなりました。

アメリカから戻ってきた主人公が日本でしていた事が、その後の物語の展開のために都合よく作りすぎているとか、謎そのものがあっけなさすぎるとか、かなり瑕があると思います。

ただし、ぐいぐいと読ませるパワーがこの小説に満ち溢れていたと思います。これはハードボイルド好きな自分だからこそかもしれませんが、この作者はまだ荒削りながら将来途方もないほどの傑作を作るのではと感じてしまうのです。

今後、どのような作品を読むことができるのか海野さんの今後の作品も非常に楽しみにしています。

読み終わった後に「水上のバッサカリア」(未読)の続編だったことを知り意気消沈中…


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 13

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター

著者 : 五十嵐 貴久

出版社:双葉社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月15日

♪ジャッジャッジャー ジャッジャジャジャジャーン ジャッジャッジャー ジャッジャジャーン

洋楽には疎い自分でも知っているほど有名なこの前奏。これ以外にも作中で出てくる音楽、そしてカルチャーはどれも懐かしいものばかり。
30代以上の方に必見!!
きっと楽しめて読むことができる小説だと思います。

この物語の主な登場人物は、品行方正でそれなりの幸せな暮らしをしている主人公・美恵子。美恵子の幼馴染で自由奔放な暮らしをし魔性の女・かおり。美恵子の旦那で無口な幸輔。美恵子と幸輔の一人息子で高校受験で躓き中学浪人になってしまった真人。

親友のかおりに振り回され、家では真人のことで悩む美恵子。
そんな美恵子がかおりの借金の肩代わり、そして家庭からの逃避をする為にコンビニで働き出します。
ここから物語は徐々に動き出します。このコンビニで新たにコンビニの若社長、バイトのやんちゃな高校生と出会います。そして、とあるきっかけで主婦・雪見と知り合います。
大人しいけど、子どもっぽい一面を持つ雪見との出会い、そして突然かおりが「バンドをしよう」と持ちかけます。

ここから、一気に物語が楽しくなりました。
美恵子、かおり、雪見、そして第4のメンバー元・プロの肩書きを持つ新子との出会い。
家族、周囲に秘密の辛い特訓の日々。そして晴れ舞台。

徐々にRock'n Rollに染まっていく美恵子たち、そして美恵子だけでなく…

最後の美恵子のRock'n Rollな言葉に痺れました。
とても爽やかで読み応えがある楽しい小説でした。

これもオススメです!


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 11

渋谷に里帰り

著者 : 山本 幸久

出版社:日本放送出版協会

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月12日

山本さんの前作「美晴さんランナウェイ」も決して悪くなかったけど、この新作はその数倍(!)面白く感じました。

職場で期待されながら芽が出ず鬱屈した日々を過ごす稔。
そんな稔が結婚し退社することになった千明の仕事を引き継ぐことに。
千明が営業担当している地域は渋谷___ここは稔にとって近寄りたくない"鬼門"の場所だった。

中盤のサプライズにはビックリしました。
あの人と昔、付き合っていたんだね、稔って。ここから稔がやる気を出し始めます。
そしてここから物語が俄然と面白くなっていきました。

何を聞かれても「はあ」と気が抜けた返事しかできない稔が千明と一緒に仕事をすることにより再生していく過程に非常に勇気を貰いました。

そして最後のサプライズには更にビックリ!
と言うより大爆笑と言った方がいいかもしれません。
ただし、その場面を想像するとおぞましく感じてしまったのはきっと自分だけではないはずです(笑)。

何はともあれ、非常に楽しめました。山本さんにはこういった物語をずっと書き続けて欲しいです。


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 7

ラットレース

著者 : 方波見 大志

出版社:ポプラ社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月09日

中島と片里名の関係がなかなかいいです。
片里名の「下僕」と周囲から見られているけど、本人が認めていないようにちょっと違います。
かといって恋人同士かというとお互いに好意があるようだけどこれもちょっと違います。
友達以上恋人未満の先輩後輩の関係。この微妙な関係がたまらなくいいのです(笑)。

物語はファンタジー風味のミステリーの様相が出てきます。ミステリー的にビックリしたのは中盤の場面。これはあっと驚きました。確かに変だなと思っていましたが騙されました。

しかし、ここからミステリー的には尻すぼみ。ファンタジーというのも違う。全く物語の様相が変わってくるのです。

言うなれば青春小説。「○○○」(ネタバレになるので伏字にします)がキーワードになってきます。これがなかなかいいのです。
最後はきれいにまとまりすぎた印象がありますが、結構じーんとくるはずです。

めちゃくちゃ良かったとまではいかないまでも、なかなか良かったです。この作者を追いかける価値アリです!

最後に一言。
悪いことを「宇宙人」のせいにするには彼らに悪いと思います(笑)。


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 21

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)

著者 : 海堂 尊

出版社:東京創元社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

海堂さんがはじめて「医療」以外の分野に取り組んだコンゲーム小説。
「ナイチンゲールの沈黙」に出てきたあの懐かしい人物も出てきます。
ただ自らの専門分野を描いたからか、少し粗が目立った気もします。
(例 マルコポーロが世界一周の旅を成し遂げたのも P6より)


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 2

世界の果てに生まれる光

著者 : 明川 哲也

出版社:角川書店

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

大好きな明川さんの小説。
今まで読んだ明川さんの小説とは違い、収録された全ての話に大人の薫りがしました。
そこに少し戸惑ったかな。


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 29

つくもがみ貸します

著者 : 畠中 恵

出版社:角川書店

発売日:2007-09

評価 :

完了日 : 2007年11月03日

はじめに辛口な感想になることをご容赦ください。

安心して読める畠中さんらしい小説なのですが、とても成功した小説とは言い難かったです。

店に住みつく「つくもがみ」---何だか「しゃばけ」に似ている設定です。ただ「しゃばけ」とは違い、「つくもがみ」達は容易く人間側に近寄りません。一線を越えない間柄を保ち続けるのですが、その分がどうもぬるく感じてしまったのです。(ネタバレになりますので詳しい説明は省きますが)二人の関係も同じように一線を越えない…
確かに「ふんわり温かい」物語なのですが、「ふんわり」しすぎた印象が残ってしまいました。
どうも「しゃばけ」を意識しすぎるあまり仇になってしまったようにしか思えないのです。

不満ばかり書いていますが、「蘇芳」を巡る人々の複雑な感情、そして可愛いイラスト!
このイラストが絶妙でした。

★2つにしようかと思いましたが、このイラストそして(この終わり方だと難しいと思いますが)続編に期待して★一つオマケです。


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 1

対話篇

著者 : 金城 一紀

出版社:新潮社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年11月03日

収録されている3つの話とも「死」と隣り合わせの人々が織り成すお話です。またどの話も一対一の「対話」から物語が進んでいきます。決して3人以上にならない会話、一対一の会話でのみ感じることが出来る緊迫感、そして真剣さがよく出ていたと思います。

どの話も良かったですが、読み終わったときに一番余韻が残った「花」が印象的でした。ロードムービー的で淡々としながら徐々に盛り上がっていき、最後は感動しました。ただ、涙までは出なかったです。

しんちゃんの話で思い出しましたが「永遠の円環」に出てくるKは「映画篇」で出てきたあの人物だったのですね。
また「永遠の円環」は「SPEED」と深く関わりがある話だったんですね。読み終わったあと気づきました。

またもう一つ「映画篇」と共通しているところがあります。「対話篇」も「映画篇」も最初の話が作家希望の男性が語り部ということです。経歴が違うので同じ人物とは限りませんが、著者の金城さんご自身を投影しているのではと思いました。

「しっとり」とそして「じんわり」くる金城さんの物語。ゾンビーズシリーズとは違う一面を出す、金城さんの懐の深さそして上手さを感じました。


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 5

うちの一階には鬼がいる! (sogen bookland)

著者 : ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

出版社:東京創元社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年10月28日

空を飛んだり、背が縮んだり、無生物が動き出したり、透明になったり…家の中はてんやわんや。読んでいる自分も一緒に子どもになって無邪気に遊び、時にはハラハラしました。
とても賑やかになったけど、一緒に住むものは堪ったもんじゃありません。良識のある親なら「コラッ!」と叱るものでしょう。
そうなんです。子どもたちから「鬼」と呼ばれる父親は決してひどい人間じゃないのです。ただ、子どもたちとのコミュニケーションの方法が下手なだけなんです。

この物語の主人公は決して一人ではありません。読む人により兄弟のうちの誰か、はたまた「鬼」か誰を主にして読むかにより印象がかなり異なってくるでしょう。

また読んでいると翻訳小説に慣れ親しんでいない自分にとって、突然わからない単語(「タフィー」など)や、想像力が乏しい自分にとって想像できない箇所が出てきます。しかしそういった場面には必ず楽しく可愛らしい挿絵があり、これは非常に良かったです。

翻訳小説に対する経験不足のためか、どうも話と話の間のつなぎの場面などで引っかかるところがありましたが、子どもにも大人にもとても楽しめて読める上質なファンタジーだと思います。


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 10

悦楽の園

著者 : 木地 雅映子

出版社:ジャイブ

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年10月25日

主人公の少女の描写が何て瑞々しいこと! 
発達障害を持つ同級生との接し方。考えさせられる内容で心にズシンとくる重みがある1冊でした。

前半部分は辻村深月さんの小説に似ているかもしれません。ただ辻村さんのとは違い、主人公はそんなに嫌な性格でないので安心を(笑)。後半は浮き沈み激しく、楽しい学園小説になるかと思えば、幻想的な世界になったり…もう作者に絶えず揺さぶられ放しでした。

青春小説でも恋愛小説でも学園小説でもない既存の枠組みに収まらない小説です。「凄い」の一言で言い表せない、いままで見たことも聞いたこともないとてつもない小説でした。

この作品でぜひ木地さんにスポットライトを当ててもらいたい。そして、これほど濃く心に残る小説を出来るだけ多くの人に読んでもらいたいです!


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 14

オチケン!―Rakugo Club The Key to Solving Mysteries (ミステリーYA!)

著者 : 大倉 崇裕

出版社:理論社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2007年10月21日

こういった小説はキャラクターがいかに立っているかが重要でしょう。もちろんその条件をこの小説は満たしております。
飄々としながらどこか奥があり落語の才能が抜群な落語研究会部長の岸、一見爽やか青年でありながら何か腹に黒いもの(?)を蓄えていそうで落語の才能は?な中村、こんな二人に振り回され典型的な「流されっ放し」君タイプの主人公の越智。

YAなので多少、難易度を落とし読みやすくしているのでしょう。
謎そのものは、あまりに良く出来すぎていて「そんなバカな!?」なんて思ってしまいましたが、時折出てくる落語の話も楽しくためになりますし、一癖も二癖もある他のサークルの学生たちとのやりとりもなかなか読み応えがありました。
ミステリーとしてではなく落語を用いた青春小説として充分楽しめることが出来ました。

どうやら既に続編が出ることが決定しているようです。物語の最後で出てきた騒動、そしてなかなかの「○○」ぶりで気になる「折り紙の会」の部長の岩下さん、そんな彼女に何やら曰くありげな岸…などその後の展開が気になります。

気軽にサクサク読めるライトなミステリー小説です。そういった小説が好きな方にオススメです!


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 19

警官の血 下巻

著者 : 佐々木 譲

出版社:新潮社

発売日:2007-09-26

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

派出所、そして駐在警官として「街のお巡りさん」として親しまれた清二。その息子・民雄はそんな父のような警官になりたかったのに公安の仕事へ、孫・和也は問題警官の素行を調べる任務に就く。はじめは似たり寄ったりの新人警官だったのに関わらず、就く部署により彼らがその「色」に染められていく…

清二たちが追いかけた謎は案外かんたんに見抜くことができました。しかし、この小説は謎そのものより、謎を追いかけるうちに出会った地域の人々との交流、そしてそこで巻き起こる事件はそれぞれがその時代に反映していて彼らの息吹、活気を直に感じることができる…これが、この小説に厚みを持たせたのだと思うのです。

清二、窪田、香取のように警察の「光」を歩いた者もいれば、民雄、和也、早瀬のように警察の「闇」を歩いた者もいます。
人々は「光」に憧れ「闇」を軽蔑します。しかし、世の中を生きていくには奇麗事では済まされないことだってあります。それにより、耐えられた者は生き残り、その逆に挫折することもあります。自分もかつてそういう挫折を味わったことがあるので民雄らの悩み、そして苦しみに親近感を感じました。

濃厚な警察小説、そして大河小説を味わいたい方に是非オススメです!


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 21

警官の血 上巻

著者 : 佐々木 譲

出版社:新潮社

発売日:2007-09-26

評価 :

完了日 : 2007年10月18日

感想は下巻で。


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 12

厨房ガール!

著者 : 井上 尚登

出版社:角川書店

発売日:2007-09

評価 :

完了日 : 2007年10月16日

読み終わった後に、無性に料理を作りたくなってしまう気持ちになれる小説でした。

主人公の理恵を含め、元・ヤンで思ったことをすぐ口にする"凶悪なマシュマロマン"こと楓、ちょっと世間知らずで理恵のことを"姉"と慕う理江子、すぐ何かあると突っかかるけど理恵のことが何となく気になる(?)料理人経験が豊富な正木など同級生やシェフと呼ばれる料理学院の教員、そして理恵の警察時代の後輩・三品までみなキャラが非常に立っています。
誰が話しているか明確に書かれていなくても会話文を読めばすぐ分かってしまうほどでした。このためリズムよく最後までサクサク読むことが出来ました。

料理やレストランに関する薀蓄も役に立つものが多く、これらに絡ませたミステリーが一番の見所でしょう。ただそれほど凝った作りになっていないため、容易にその謎がわかる人も多いことでしょう。

誰にでも気軽に読めるデザートみたいな小説です。ちょっと重い小説を読んだ後の息抜きの小説としてオススメです。
卒業したあとの彼らが登場する物語ができたらまた読んでみたいものです。特に理恵と正木のその後に興味津々です(笑)。


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