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ヨッチンさんの読書ノート

2008年読了本
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 1

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

著者 : 黒井勇人

出版社:新潮社

発売日:2008-06-26

評価 :

完了日 : 2008年07月23日

「電車男」につづくか?
SE業界の方ならば、共感大なのかもしれない。コンピュータシステムについては明るくないので、出てくる言葉や専門用語がよくわからない。けれど、いやぁ大変な業界であることはよーーーく伝わってきた。
電車男のような盛り上がりはないけれど、一人の男が社会に(ちょっと特別だろうけれど)揉まれて大きくなっていく姿は頼もしい。


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 63

流星の絆

著者 : 東野 圭吾

出版社:講談社

発売日:2008-03-05

評価 :

完了日 : 2008年07月22日

 東野圭吾氏の作品はこういってはなんだが、当たりはずれがあると思う。で、これは当たり。「白夜行」系の話といいましょうか。読者をぐっとひきつけて離さない。読み始めたらやめられない。でも終わってしまうのはちょっと淋しいみたいな……。
ネタバレしてます。









 犯人は誰か? 容疑をかけられている人物は真犯人じゃないだろうなぁと思いつつ読み進め――真相がわかると、まあそんなにびっくりはしないけれど、なんだかなぁと疲れてしまった。
 事後の展開も理想的だけど、現実だったら戸神行成の両親に反対されるんじゃないの? 柏原――自殺なんて逃げだ! とも思うけれど、まあ丸くおさめるにはこの展開がベストなんだろうなあ。

 で、ドラマ化だそうです。二宮和也に錦戸亮に戸田恵梨香。ん~どうでしょう。 脚本・宮藤官九郎に期待。


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 7

僕たちのミシシッピ・リバー―季節風 夏

著者 : 重松 清

出版社:文藝春秋

発売日:2008-06

評価 :

完了日 : 2008年07月20日

 春編を読んだので一応夏編も。
 途中まで読んだのだが、春編に出てきた人たちがまた出てくるわけでなく、新たなお話なんですね。

 親知らず
◎あじさい、揺れて
 その次の雨の日のために
 ささのは さらさら
◎風鈴
 僕たちのミシシッピ・リバー
◎魔法使いの絵の具
 終わりの後の始まりの前に
 金魚
◎べっぴんさん
 タカシ丸
 虹色メガネ

 の12編収録。◎がついているものがよかったかな。


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 16

虚夢

著者 : 薬丸 岳

出版社:講談社

発売日:2008-05-23

評価 :

完了日 : 2008年07月18日

08’5.26 図書館にて予約。
著者3作目。こんどは刑法39条関係?

序章からきつい内容。つい最近の秋葉原の通り魔事件を思い出す。自分の目の前で肉親を殺されたら、気が触れたっておかしくはないだろう。

 刑法39条については以前、日垣隆氏の『そして殺人者は野に放たれる』(本書の参考文献にもなっている)を読んだとき、改正の余地、大いにあり、と感じた。
 酒や麻薬で酩酊していたら責任能力なしとか、精神に異常を来していたら罪を問えないとか減刑とか、違和感を覚えたのだ。その違和感を薬丸氏は明文化してくれた。
 この本のキャッチフレーズにもなっている「人を殺そうとする時点で、その人間の精神は病んでいるのではないだろうか」という一節が非常に心に残った。

 薬丸氏の作品だから、きっとどんでん返しがあるだろうなと構えて読んでいたが、またやられたなあ。そうきますか。希望を持てる終わり方でよかった。いや、よくない? 実際の刑法改正に繋がるようになれば、さらによいのかな。。。


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 6

文学賞メッタ斬り!〈2008年版〉たいへんよくできました編

著者 : 大森 望,豊崎 由美

出版社:PARCO出版

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年07月05日

 これは一応読んでおかないと、という作品です。今回はお二方の予想が当たってしまうという椿事があり、芥川・直木賞発表後のコメントがあんまり面白くない。いつもいつもボヤいていたのが面白かったのに……。
 それにしても石田衣良。字面だけで見るとすごく悪印象なんですけれど、実際に見て、聞いているとそうじゃないのかしら? すごくゴーマンに取れてしまう。。。でも嫌いじゃないけれどね(小説は別にして)


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 81

悪人

著者 : 吉田 修一

出版社:朝日新聞社

発売日:2007-04-06

評価 :

完了日 : 2008年07月02日

 芥川賞受賞作「パーク・ライフ」がそれほど私の心には響かなかったので、それ以来、吉田氏の作品は手にしていなかった。「悪人」すごくよかった! それでどうなるの、どうなってるわけ? と先が気になって仕方がない。格別、珍しい話ではないのだが、ある男の心理があまり描写されていないために、こちらの想像力がかきたてられる。その男は周囲の人物が評すような人物なのだろうか? それとも本当はこんな男ではないのか?
 以下、ネタバレ。







 タイトルの「悪人」とは? 何か佳乃もバカで祐一もバカでアホな奴ばかりだけれど、憎めないというか、佳乃が見栄を張ってしまう気持ちは理解できるし、祐一なんてなんでこんなことになってしまったのかと同情してしまう。「悪人」とは増尾のことなの? それとも誰の心にも「悪」の部分があるってこと? と思って読んでいたら、最後の最後にわかるんですね、タイトルの意味が。
 切なかった。祐一のことを憎めないので、終わり方が哀しい。殺人は事実だけれど、殺された佳乃にも落ち度はあったわけで。いろいろな角度から見れば誰もが「悪人」なわけで――。


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1.ぺこぽん (2008/07/04)
このタイトルは深いですよね。
そうか・・・そう落としたか・・・というラスト。
でも誰にも親があり家族があるんですね。つながってるんだ・・・と再認識させられたりして。
で、その他の作品はどんなもんでしょう。
お薦めありますか?
2.ヨッチン (2008/07/07)
吉田修一作品はこれと「パーク・ライフ」しか読んだことないんです。「パーク・ライフ」はしっくりこなかったので、お薦めできる作品は読んでおりません。ごめんなさい。
 

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 14

ロック母

著者 : 角田 光代

出版社:講談社

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2008年06月23日

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 24

スタンド・バイ・ミー

著者 : 小路 幸也

出版社:集英社

発売日:2008-04

評価 :

完了日 : 2008年06月19日

 待望の(?)3作目。これから読むぜぇ~!
 やっぱりシリーズものというのは続けるのが難しいものなのでしょう。もともと多い登場人物、それも主要でない方のお名前はつい忘れがち、今回「これって誰? まえにも出てきたっけ?」とまったく覚えていないことやうろ覚えの部分があって、あんまり楽しめなかった。けれどこういう話は嫌いではないので、まだ続くのならば、お付き合いするでしょう。

 堀田家の朝ごはん、いつも美味しそうでおなかがすきますね。特にみそ汁の具、私の中では、「みそ汁の具としてはどうでしょう」というものばかり。いつかチャレンジしてみようかな?


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 11

ブルーベリー

著者 : 重松清

出版社:光文社

発売日:2008-04-22

評価 :

完了日 : 2008年06月05日

 純然たる小説(作り話)ではなく、私小説なのかな? きっと重松さんと同年代の方ならば共感大なのだろうが、私はそれより下の世代だし、上京して一人暮らしという経験もないので……。
 

 東京に門前払いをくらった彼女のために
 恋するカレン・みちのく純情篇
 マイ・フェア・ボーイ
◎走れ! 東上線ターボ
 洗いざらしの幸運
 4時間17分目のセカンドサーブ
 君の名はルイージ
◎僕と少女とブルーベリー
 さらば愛しき牛丼
 黄昏のイエロー・サブマリン
 人生で大事なものは(けっこう)ホイチョイに教 わった
 ザイオンの鉄のライオン
 
 の12編収録。「BRIO」に連載されていたので、購買層に合わせた内容なのだろう。誰もが経験した、するであろう青春の1ページ。共感が大きくなくても、なんとなく学生時代を思い起こさせるお話ばかり。ちょっと胸が苦しくなる。◎のついているものがよかったかな……。


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 6

読むのが恐い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

著者 : 北上 次郎,大森 望

出版社:ロッキングオン

発売日:2008-04

評価 :

完了日 : 2008年06月05日

 北上次郎氏の書評や帯の推薦文を読むと、私の好みに近いなぁと思い、今回は豊崎×大森ではなく、北上×大森の書評漫才とやらを。ほんと漫才だわ。
 北上さんの「人が死ぬ話は嫌い」って流れから、「重松清の『流星ワゴン』は死なないぜ」の台詞に、大森さんの「最初から死んでるじゃん!」の突っ込み。声を出して笑っちゃったじゃないか。
 そして、読みたくなった本が増えてしまった。


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 2

ドブロクの唄

著者 : 松尾 スズキ

出版社:新潮社

発売日:2008-04

評価 :

完了日 : 2008年06月02日

 松尾ちゃん、ブログやっていたのね、知らなかった。精神的に参っているときに読むと、やられてしまうので健全なときに読むと楽しいかもしれない。
 松尾ちゃん、1962年生まれ? フミヤとタメ年?本当にお体ご自愛くださいませ。


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 27

ビター・ブラッド

著者 : 雫井 脩介

出版社:幻冬舎

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2008年05月27日

07’10.6図書館にて予約。蔵書数4、予約件数56件。いつになることやら……。
 ようやく来ました順番。雫井さんてこういう作風だった? 「虚貌」「火の粉」を読んだ記憶があるけれど、両方とももっとハラハラで怖かったような……。頭の中で郷ひろみのジャケット・プレイがエンドレス。。。
 ネタバレ注意。






 



 まあ面白かった。ちまちまと読んでいたために、登場人物と事件とが何だかわからなくなって途中挫折しそうになりつつも、明村のためだけに読んだ。明村ファンになっているのか? そして相星のことも気に入っていたのに、ああ、こんなことってあり? ありなのか? 夏輝と相星で、刑事と探偵コンビの物語シリーズになるのかと思っていたのに。それを期待して読んでいたのに。ああ、悲しい。


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 5

3月30日

著者 : 千原 ジュニア

出版社:講談社

発売日:2008-03-29

評価 :

完了日 : 2008年05月15日

 こ、これは……はたして本にしていいのか? 1470円もとるのか? いいなぁ印税生活。ネット上でアップすりゃいいじゃん! ってぐらいの駄文。酷い。『14歳』のほうはまだ「本」の体を成していたが、これは字は大きいし、行間も広いし……。「本」として私は認めない! よって評価できません。


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 42

ザ・万歩計

著者 : 万城目 学

出版社:産業編集センター

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

 天気の悪い日にコインランドリーへ行く。その待ち時間に本を開く。洗濯物の乾燥終了時間を気にしていたはずなのに、すっかり忘れて読みふける。それがこの本だった。
 
 万城目さんエッセイ上手だ! 小説は独特の世界観で「ホルモー」も「鹿男」も「んな馬鹿な!」という設定だけれど、その世界を生み出す彼の素の部分が垣間見えるエッセイ。「こういう人なら、あの物語も生まれるわな」と合点。
 今まで彼の小説世界に入り込むために少々の努力が必要だったけれど、これからはすっと入っていけそうな予感。


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 90

赤朽葉家の伝説

著者 : 桜庭 一樹

出版社:東京創元社

発売日:2006-12-28

評価 :

完了日 : 2008年05月12日

 07’12.05図書館にて予約。
 桜庭一樹。ライトノベル作家というイメージが強く、一般文芸書のスタイルになってからも敬遠していた。しかし今や「直木賞作家」である。偏見は捨てようじゃないか。『私の男』はあらすじで拒絶。こちらは「たなぞう」でも感想が多くついているし、ということで手にとる。
 「げっ、二段組かよ」
 でも「サンカ」「女三代記」と魅力的な設定。

「よぉく」「すこぅし」ああ、嫌な表現方法だ。
でも我慢。しかしあれだな、壮大な前振りだな。これのどこがミステリ? あんまり長くて、なんの謎もないし退屈だわと飛ばし飛ばし読む始末。第一章の万葉の話は面白かったけれど、だんだん尻すぼみ。第二章、毛毬からはいよいよ退屈。まず名前からして受け付けない。作者は、名前をつけることにこだわりを持っているようなことをインタビューで語っていたけれど、最近の親と同じ感覚なのか? 変な名前をつけるってのは……。最終章になってようやく「殺人者」の文字が。
 誰が誰を殺したのか? その真相が明らかにされたとき――ああ、ここでこうびっくりさせるために、この長い長い長い振りがあったのかとガックリ。ミステリとして捉えずに、別の組み立て方でこういうことがあったと瞳子が知ったのなら、「女三代記」として十分に堪能できたのに。でもそれでは万葉の孫としての瞳子を際立たせられないのか……。
 とても疲れたわりには収穫がなかった。


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 9

陽だまりの彼女

著者 : 越谷 オサム

出版社:新潮社

発売日:2008-04

評価 :

完了日 : 2008年05月05日

08’04.27図書館にて予約。越谷さんの作品、好きなので楽しみ。
『ボーナス・トラック』『階段途中のビッグノイズ』ときて、これが3作目。なんだこれ? 純愛? いや、バカップル? いやいや、なんだか様子がおかしい。純然たる恋愛小説ではないな、だってこんなバカップル、恥ずかしくて読んでいられないもの。と思ったら、やっぱり。なるほどね、そういうことだったのね。泣かせようと思っているわけではないのだろうけれど(実際泣かなかった)、こういう話(詳しく書くとネタバレになるため書かない)が好きな人にはぐっとくるのでは。


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 7

越境者 松田優作

著者 : 松田 美智子

出版社:新潮社

発売日:2008-01

評価 :

完了日 : 2008年05月03日

08’05.01図書館から借りてきた。松田美智子さんのノンフィクションは何冊か読んだことがある。松田優作の奥さんだった人ということも知っている。

 松田優作に関しての書籍は何冊か読んだことがある。そして思ったことは「今、生きていたら彼はどうしていただろう」ということ。テレビドラマも映画もみな似たり寄ったりのキャスティングで、自主規制という自殺行為で表現の幅を狭め、原作があるものばかりでオリジナリティの欠片もない。そんな中で孤軍奮闘したか、それとも迎合したか、はたまたハリウッドで大成したか――。
 40歳の若さで、きっと最後まで自分が死ぬとは思わずに亡くなったのだろう(胡散臭い宗教にはまっていたために)。そして今際に悟ったのだろう、自分は死ぬんだと。こんなはずじゃなかったと。
 本書は元妻である美智子が優作との出会いから離婚、そして最期のとき、死後を綴ったもので、何冊か出ている本の中でも最も身近な人が書いたものだろう。
 松田優作のことを知るというより、美智子の壮絶な人生を見た。いつも芝居のことを考え、家に仕事を持ち込む夫。妻のことよりも自分や仕事仲間が第一。役者バカでトラブルも多く、息つく暇さえなかっただろう。どんなに体調が優れなくとも、家事や食事の用意をし、手を抜けば叱責され、時には殴られる――挙句「別れてくれ」と告げられ、不倫相手と、自宅の優作の書斎で向き合わされる。それでも彼女は「妻の座に胡坐をかいて、優作の変化に気づかなかった、迂闊だった」と言う。なんと強く、聡明な女性なのだろう。しかし男は賢い女より、賢そうに見せるのが上手な女を選ぶ。美智子自身、離婚してから「愛憎半々」の気持ちだったと書いているが、女の意地というか「優作を支えてきたのは私、私がいたから優作がスターになれた」と自負していたのではないだろうか。だからといってそれを嫌悪する気持ちは起こらない。むしろ何故、優作は美智子を裏切ったのか? と自分のことのように悲しい。美智子と暮らしていたときは「ひとところに定住したら駄目になる」と、引っ越しばかりしていたくせに、再婚したら家を建てる。宝石なんかくだらないと言っていたのに、美由紀には指輪を贈る。悲しくて、涙が出そうになった。
 病魔に冒され、入院した病院の先生も変だ。医師のくせに「優作さんとは心が通じ合っていた」「会話はなくても、心で話し合っていた」って!? オカルトじゃん! 優作がはまっていた胡散臭い新興宗教+オカルト医師=治るものも治らない。(優作の場合、治る見込みは絶望的だったけれど)
 もし自分がそばにいたらこんなことにならなかっただろうにと、美智子は思っているだろうな……。(敬称略)


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 11

花まんま (文春文庫)

著者 : 朱川 湊人

出版社:文藝春秋

発売日:2008-04-10

評価 :

完了日 : 2008年05月01日

 直木賞受賞作というのに読んでいなかった朱川さんの作品。待望の文庫化ということで、買いました。
 1篇目から私の心を揺さぶります。帯に、解説を担当した重松さんのお言葉があるのですが、その通りだと。
 ――曰く
「懐かしさの「懐」とは、「ふところ」である。頭の知識や記憶ではなく、そのひとのふところに深く根ざした――まさに〈このへんがシクシクする〉懐かしさを、朱川さんの小説はそっと取り出してくれるのだ、と。

 朱川さんのお話は本当にうまい! 人には知られたくない暗部を描かせたら右に出る者はいないんじゃなかろうか? 「トカビの夜」ではユキオがチュンジとチェンホに対して抱く気持ち、私にも同じような経験があり胸が痛くなった。
「花まんま」は切ない。切なくて悲しくて……加藤家のお母さんが可哀想で涙、涙。
「妖精物語」は人間のグロテスクさにげんなり、ドーンと落とされ、「摩訶不思議」でフフフと笑わされ、いや~絶妙な配置です。
東日本生まれ東日本育ちの私。「パルナス」の歌とは? とちょっと検索。――なるほど、これは……トラウマになっているという人の気持ちわかります。


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2.ヨッチン (2008/04/18)
 早く読みたいのに、図書館で予約した本が一気に4冊! ほかにも積んである本がたくさん。いつ読むのでしょう? トホホ……。でもなるべく早く読もうと、ぺこぽんさんのコメントを読んで思いました。泣いちゃうのね? この本の内容とか皆さんの感想など全然知らないので、ちょっと楽しみ。
3.ぺこぽん (2008/05/06)
「トカビの夜」だけでやられちゃうんだったら、これは決まりかもね。私は「花まんま」が一番。「送りん婆」と「凍蝶」も好きだな。どれも切ない・・・。ヨッチンさんの読了後の感想が楽しみです。

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 13

みなさん、さようなら

著者 : 久保寺 健彦

出版社:幻冬舎

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2008年04月30日

08’1.19図書館で予約。「ブラック・ジャック・キッド」の著者なんですね。王様のブランチの松田さんチョイスです。
 物心ついた頃からずっと団地住まい。それも広大な、ひとつの町のような団地。主人公・悟はなぜ団地から出られないのか? 部屋からではなく、団地の敷地から一歩も出られない悟。その理由は途中で明かされるのだが――。母や周囲の人たちのサポートがあればこそ、可能だったのだろうな。でも……なんだか現実味に欠けるというか、周りに引きこもりもいないし、外出しない日のない私にとっては想像できない。
 でも私も子どもの頃は団地に住んでいたので、柵で囲まれた敷地内にある安心感というのはわかる。住んでいる場所も学校もずっと一緒の友達に対する悟の気持ちもわかる。ほかの友達とは何となく違う仲間意識があるんだな。
 この物語はいったい何を言いたかったのか? 優しすぎる人は駄目ってこと? トラウマの克服は気張りすぎちゃ駄目、気長に待てってこと? 人と同じように成長しなくてもいい、「うちはうち、よそはよそ」でいいんだよってこと? 何が訴えたかったのか、私には読み取れませんでした。


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 32

ジーン・ワルツ

著者 : 海堂 尊

出版社:新潮社

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年04月26日

08’3.25図書館にて予約。海堂先生もついに新潮社から本を出しました。
 読む前に「波」という新潮社から出ている小冊子(?)に載っていた海堂氏のインタビューを読んだ。いつもは東城大学、桜宮市を舞台にしているが、今回は医療の地域格差を描くために「東京」を舞台にしたとのこと。そして現実に起こった医療事故・問題をベースにしている。
ネタバレしています。











今までの海堂作品の中で一番よかった! 「医学のたまご」読了後、すぐにこの本を開いたのだが、「医学のたまご」と対になっているような内容でびっくりした。
 現在の医療崩壊のきっかけや、それに対する医師たちの気持ち、相変わらずの厚労省の的外れっぷり、本当にこの先、この国の医療はどうなってしまうのでしょうか。医者に診てもらわずに生まれて死ぬ人なんていないのにね。。。現実に起きている医療問題を、「小説」という形でわかりやすく私たちに訴えている海堂氏。そのたびに官僚ってのはどうしてこうもお馬鹿さんばかりなのかと憤る。
 今回は登場人物も少なく(他の海堂作品に比べれば)、テーマも出産(不妊治療)ということで、私にとっては身近なテーマ。
 理恵のとった行動、考え、うなずける部分もあればそうでない部分もあったけれど、やっぱり出産ってすごいことなんだなぁ。海堂氏の作品で初めて涙してしまった。
 医療技術がどんどん高度化して、生命の誕生というある意味「神の領域」までも操作できるようになったのはいいことなのか? 好ましくないことなのか? 理恵はなぜあそこまで踏み込むのだろうか? ちょっとやりすぎなのではないか? 結果オーライならなんでもありか?

 「かおる」と「しのぶ」、山咲さん……「医学のたまご」読了後すぐだったので、「そういうことなの!」と思わず呟いてしまった。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2008/06/15)
うっ・・・
なんも知らんと、先にこっちを読んでしまいました。
今から読んでも遅くない?「医学のたまご」
2.ヨッチン (2008/06/16)
 遅くないですよ、どっちから読んでも「おぉっ!」と驚嘆すること間違いなしですから。。。ぜひ「医学のたまご」も読んでくださいね。
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