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ヨッチンさんの読書ノート

ノンフィクション
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 7

越境者松田優作

著者 : 松田 美智子

出版社:新潮社

発売日:2008-01

評価 :

完了日 : 2008年05月03日

08’05.01図書館から借りてきた。松田美智子さんのノンフィクションは何冊か読んだことがある。松田優作の奥さんだった人ということも知っている。

 松田優作に関しての書籍は何冊か読んだことがある。そして思ったことは「今、生きていたら彼はどうしていただろう」ということ。テレビドラマも映画もみな似たり寄ったりのキャスティングで、自主規制という自殺行為で表現の幅を狭め、原作があるものばかりでオリジナリティの欠片もない。そんな中で孤軍奮闘したか、それとも迎合したか、はたまたハリウッドで大成したか――。
 40歳の若さで、きっと最後まで自分が死ぬとは思わずに亡くなったのだろう(胡散臭い宗教にはまっていたために)。そして今際に悟ったのだろう、自分は死ぬんだと。こんなはずじゃなかったと。
 本書は元妻である美智子が優作との出会いから離婚、そして最期のとき、死後を綴ったもので、何冊か出ている本の中でも最も身近な人が書いたものだろう。
 松田優作のことを知るというより、美智子の壮絶な人生を見た。いつも芝居のことを考え、家に仕事を持ち込む夫。妻のことよりも自分や仕事仲間が第一。役者バカでトラブルも多く、息つく暇さえなかっただろう。どんなに体調が優れなくとも、家事や食事の用意をし、手を抜けば叱責され、時には殴られる――挙句「別れてくれ」と告げられ、不倫相手と、自宅の優作の書斎で向き合わされる。それでも彼女は「妻の座に胡坐をかいて、優作の変化に気づかなかった、迂闊だった」と言う。なんと強く、聡明な女性なのだろう。しかし男は賢い女より、賢そうに見せるのが上手な女を選ぶ。美智子自身、離婚してから「愛憎半々」の気持ちだったと書いているが、女の意地というか「優作を支えてきたのは私、私がいたから優作がスターになれた」と自負していたのではないだろうか。だからといってそれを嫌悪する気持ちは起こらない。むしろ何故、優作は美智子を裏切ったのか? と自分のことのように悲しい。美智子と暮らしていたときは「ひとところに定住したら駄目になる」と、引っ越しばかりしていたくせに、再婚したら家を建てる。宝石なんかくだらないと言っていたのに、美由紀には指輪を贈る。悲しくて、涙が出そうになった。
 病魔に冒され、入院した病院の先生も変だ。医師のくせに「優作さんとは心が通じ合っていた」「会話はなくても、心で話し合っていた」って!? オカルトじゃん! 優作がはまっていた胡散臭い新興宗教+オカルト医師=治るものも治らない。(優作の場合、治る見込みは絶望的だったけれど)
 もし自分がそばにいたらこんなことにならなかっただろうにと、美智子は思っているだろうな……。(敬称略)


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 1

死刑囚の記録 (中公新書 (565))

著者 : 加賀 乙彦

出版社:中央公論新社

発売日:1980-01

評価 :

完了日 : 2008年04月23日

 1980年初版、1955~57年4月末まで東京拘置所の精神科医官だった加賀氏。昨今の死刑判決の増加と、確定死刑囚の増加、死刑制度の賛否についての議論等、私の中でも死刑囚や死刑制度への興味・関心が増している。この本の中に出てくる死刑囚は、50年もの前の死刑囚たちで、帝銀事件、三鷹事件、おせんころがしの栗原源蔵等、なんだか歴史上の出来事のようだが、死刑囚の置かれている立場というのは、今も昔も大差ないのだろう。(最近、小菅は建物が新しくなり、冷暖房が完備され、人権についてもうるさくなったので少しはよくなっているのだろうけれど)
 加賀氏は精神科医なので、その方面からの観察・描写だが、あまり知られることのない拘置所や死刑囚の様子を知るための入門書としてはお手軽なサイズなのかもしれない。ただ如何せん、内容が古いので物足りない。

 死刑囚の最大の苦痛は、刑の執行ではなく、それまでの独房で味わう。だから拘禁ノイローゼになり、動物の如く退行してしまうのだろう。
 加賀氏は死刑は廃止すべきと言っている。私はどちらかと言えば存置派だ。よく犯罪の抑止力にはなっていないから死刑は廃止すべきという意見があるが、終身刑のない日本には、死刑はあるべきだと思う。ただし、現在のように刑の執行までが長すぎるのは考えものだ。独房で味わう苦痛を減らし、なおかつ抑止力云々を考えるならば、法に則り刑確定後、6ヵ月以内に執行されるべきだと思う。税金で罪人を生かし、また更生させるのならば(有期刑の場合)、そこのところをきちんとするべきだと思うのだ。あくまでも私の意見であるけれど。


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 2

津山三十人殺し―日本犯罪史上空前の惨劇 (新潮文庫)

著者 : 筑波 昭

出版社:新潮社

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2008年02月29日

「八つ墓村」のモデルとなった事件ということは知っていたが、いつ、どこで何が起きたのか? ということは知らなかった。そして「八つ墓村」以外にもこの事件を下敷きにした小説がたくさんあることも知らなかった。「夜啼きの森」(岩井志麻子さんの作品)を過去に読んでいたのに、この事件が下敷きだったことは忘れていた。
 「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだ。帯に書いてある「その狂気、やむことなし!」だ。しかし、都井睦雄が死んでしまっているので、真相はわからずじまい。すべてその時代が起こした事件と言ってしまえば終わりだけれど、閉鎖的な村社会、結核が不治の病だった時代、軍国主義が色濃く、男はみな兵隊にとられていく時代……すべてがパズルのピースのように嵌ってこの事件が起きたように思う。今の時代ならば、もっとたくさんの人が犠牲になってしまう殺害方法があるだろうけれど、そこまでの憎悪や狂気が生まれる時代なのかどうか……。


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 2

刑場に消ゆ―点訳死刑囚二宮邦彦の罪と罰

著者 : 矢貫 隆

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2007年10月29日

07’09.25図書館にて予約。前から読んでみたいと思っていたが、書評を見て「読もう」と決意。

二宮邦彦という死刑囚が、点訳本を1500冊あまりこの世に残している。彼はなぜ点訳奉仕をつづけたのか? 死刑が確定してから13年後の昭和48年5月11日に刑は執行されている。
 拘置所の中で改心しキリスト教の影響を受けた二宮の姿は、真面目で誠実で、盲目の方々に届けたいという素直な一心で点訳をつづけている。それだけを考えると「なぜこんな人が死刑囚に?」と思ってしまう。が、彼は間違いなく殺人を犯している。共犯の男と供述が食い違い、彼は最後まで自分は主犯ではないと主張したのだが、主犯だろうと従犯だろうと被害者遺族にとっては変わりはないだろう。
 たしかに彼の功績は素晴らしいと思う。そう思うが、周りの人が美化しすぎているきらいがある、と思ってしまうのは穿った見方かしら?
 本書の中に出てくる冤罪で拘置された免田栄氏をはじめ、内田英夫、西武雄、山口清人などの死刑囚にもちょっと興味を持った。昭和20年代~40年代は戦前・戦中の名残か、拷問により自白を強要している事件が多すぎる。
 死刑制度については支持でも不支持でもなく、でも死刑制度廃止にはちょっと疑問を持っている私としては、この本を読んでやはり「終身刑」が必要だと感じた。現在死刑囚が100人を超えているという現実、法相が執行のサインをしない現実、さまざまな事情を考えても法の改正は必要だろう。


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2.船橋胡同 (2007/10/01)
つぶやきが面白く立寄りしました。本好きで且つ納得できる
書評を書かれるヨッチンさんが、本屋にお勤めでうらやましいと思いましたが
<本が商品>が分ると経営者でもなく、
接客業のお立場での感想は一段と興味深い内容でした。
お菓子屋が好きな出来たて菓子を試食するのとも違うな?
<クドカン>も初めて知りました。何か意味あるお名前の
ようですね。
3.ヨッチン (2007/10/04)
コメントありがとうございます。接客業は大変です(涙)
 クドカンに意味はありません。宮藤官九郎(くどうかんくろう)さんの名前を略したものです。

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 2

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人

著者 : 森下 香枝

出版社:朝日新聞社

発売日:2007-09-07

評価 :

完了日 : 2007年10月18日

 07’10.04図書館にて予約。
人の記憶とはいかにあてにならないものか。この事件が起きたとき、私は小学校の3、4年生ぐらいだったと思っていた。だが1984年当時、私は中学生だった。いやぁ時の流れというのは恐ろしいですね。こうして記憶力がどんどん低下していくのか……。

 各府県警の縄張り意識や警察庁が主導権を握ろうとしたため、捜査を円滑にできなかった。最初の時効、平成6年を間近に控えた平成3年、各府県警が互いの機密捜査情報を包み隠さず報告し、捜査方針を確認しあう連携が生まれた。って遅くないか?被害企業とかい人21面相との取引の際の人員配備の遅れ、キツネ目の男のとり逃がし等、警察側の不手際、失態がひどすぎる。江崎勝久社長をはじめ、グリコ側が捜査に非協力的なのも犯人を捕まえられなかった要因のひとつだろう。そんな態度だから裏取引があったと思われてしまうのだ。私も裏取引はあったなと思ったぞ。
 捜査線上に浮かぶ容疑者が在日韓国人、食肉業者、北朝鮮スパイ、被差別部落出身者、元暴力団組長、同和団体――とまるで小説のようだ。警察の連携のなさも小説のようだ。しかしこれらの容疑者の線も消えてしまう。
 当時の捜査員らに取材を行なうと、どうも捜査線上に「こいつだ」と思わせる容疑者はいなかったらしい。ここに出てくる「自分がやった」と言っていた人も、もうこの世にはいない。彼の周辺を調べても決定的な証言や証拠は出てこない。「真犯人」などとタイトルをつけて煽られて、結果「~かもしれない」だなんて……。
 警察のマヌケさとグリコ社長への不信しか残らなかった。ますますモヤモヤが残っただけ。もう時効になったのだから、犯人グループの誰か、「自分がやった」と名乗り出てくれませんかね。(朝日新聞社さん、この本、誤植が多いと思いますよ。重版分は直してあるのかな?)
 ということでこれから高村薫さんの「レディ・ジョーカー」(一度挫折した本)を読みましょう。


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3.船橋胡同 (2007/10/07)
1984年の事件突発時に子供だったなら、犯人ではない。
キツネ目の男に変装でもないと判明。また、犯人不明だ。
たぶん、その後、罪滅ぼしに森永の菓子詰合せ袋(いくらだったか忘れた)をいっぱい買ってもらったのだろう。
*結論が気になるので、最後のページだけ立読みしたいが、
ヨッチンさんの店は「はたきがけ」かしら?
4.船橋胡同 (2007/10/07)
作家の内田康夫氏は、この事件を知り、空想と妄想と創造力
を駆使して「白鳥殺人事件」を発表した。1985年8月
12日、新聞社から、関係者知らないことが書かれていた!
犯行終結宣言が各社に送られた。そして、この日に「日航機墜落事故」の目撃者も体験してるそうだ。内田氏は天才だ。

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 13

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)

著者 : 関根 眞一

出版社:中央公論新社

発売日:2007-05

評価 :

完了日 : 2007年09月27日

 読んでいるだけでドキドキしたりムカムカしたり……。接客業に携わる人にとって「お客様は神様」じゃなくなってきている世の中。お客様を神様だと未だに思っているのは、実際には現場に立たない経営陣のお偉方だけのような気がする。こちらが良かれと思ってサービス精神満点で接すると、付け上がりとんでもない要求をしてくる人だっているし、かといって機械のように接するわけにもいかず、私は接客という仕事が大の苦手です。

 この本の著者・関根眞一氏はすごいなぁとただただ感心。クレームや苦情を、その先のよりよいサービスに活かす、と言うのは簡単だけれど、人間ができていないと実際にはできないと思う。腹が立てば顔に出てしまう私には到底真似できない。

「10年着たブラウスを交換しろ」ってどんな精神構造をしていたら言えるんだ? 半額で買った毛布を定価で返金させるってどんな神経してんだ? まだまだ私の知らない偉大な(?)クレーマーがいたもんだ。ちなみに最近びっくりしたのは「この雑誌、読まなかったから返品したい」って奴。←それはあんたの都合だろ!
思わず「はい?」って聞き返しちゃった。もちろんお受けできませんって言った。最大譲歩で交換ね。読まなかったなんてのはどう証明するのさ!
 国民の義務に「一度は接客業を経験する」と入れてもらえませんかね? 一度でも実際に接客してみたら店員の苦労がわかると思うのだが……。

 この本を読んで「こうすればいいのか」と実際の接客に取り入れてみようと思えたことは、残念ながら私にはなかった。もとのスタンスが違いすぎる。だけどもう少し冷静に、一呼吸置いてから言葉を発するようにはしようと思う。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/09/29)
過酷な本ですね、笑。
ま、世の中めちゃくちゃですね。給食費や保育園代を支払わない親達もそうだし、百均の商品にクレームつける人も多いみたいだし。言いたいこともなかなか言えない私には、うらやましいような、うんざりするような・・・。
冷静に、一呼吸置いてから・・・耳に痛い言葉ですね。
2.ヨッチン (2007/09/29)
 一呼吸置いてから……ってすごく難しいんですね。幽体離脱して自分を冷静に眺めるような気持ちにならないと、できません(泣)まだまだ修行が足りません。
 

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 13

ぼくには数字が風景に見える

著者 : D. タメット

出版社:講談社

発売日:2007-06-13

評価 :

完了日 : 2007年09月09日

07’08.05予約。
 アスペルガーやサヴァン症候群。その名称は聞いたことがあっても、それがどういった症状なのか説明せよと言われたらできない。そんな状態で本書を手に取った。映画「レインマン」をはるか昔に映画館で観たとき、「なんでこの人は瞬時に落ちたマッチの数がわかるの?」「電話帳の電話番号を全部覚えられるってどういうこと?」と驚嘆した。それがサヴァン症候群の特徴のひとつであることとは知らず……。
 本書の著者も数字や言語に対して強い興味を持ち、特異な才能を発揮している。なにしろ円周率を22,000桁暗記してしまうのだから。22,000桁って……想像もつかない。何ヵ国語もマスターしたり、膨大な数字を暗記したり他人とは違う才能を持っているけれども、その代わり人と同じ感覚を持ったり、同じことができない。(それがよいか悪いかは別にして)
 特異な才能を障害としてではなく活かして生きる。その姿は素晴らしい。家族や友人にも恵まれ、自立した生活を送っている。もし自分の周りに彼のような人がいたら、温かく接することができるだろうか……。ああ、温かく接するなんて上から目線ではないか。彼のほうが私よりずっとずっと広い心と温かい気持ちを持っているのに……。


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 1

御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年-<DVD>

著者 : 米田 憲司,米田 憲司

出版社:宝島社

発売日:2005-06-23

評価 :

完了日 : 2007年08月26日

 日航123便の墜落から20年――。墜落原因はいったい何だったのか? この本を読んでみても結局は推論だけで、はっきりとこれが原因とわからない。それは垂直尾翼を相模湾からきちんと回収していないからなのだけれど、どうして回収しないのか? 政治的な思惑が絡みすぎて亡くなられた方々のことを蔑ろにしすぎている。日米関係、ボーイング社の売り上げ至上主義、日本の航空事故調査委員会のいい加減さ……。読んでいて腹立たしく憤りを感じる。この日航機の事故があって以来、飛行機に乗っていない私。幸い海外旅行には興味がないので困ることはないけれど、関東から九州や北海道にもフェリーで行きましたよ。
 事故原因の真相究明をきちんとして今後の安全対策に役立ててほしいのに、もう終わったこととして再調査もしないなんておかしくないか? 恥ずかしくないか? 懸命に操縦して亡くなられた機長をはじめ乗員の方々、想像を絶する恐怖に晒された乗客の方々が浮かばれないだろうに……。
 墜落した機体の発見が遅れた(作為的に遅らされた?)理由や墜落した原因がこれだ! と断定的には書かれていないので、モヤモヤしたまま。。


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 10

遺品整理屋は見た!

著者 : 吉田 太一

出版社:扶桑社

発売日:2006-09-26

評価 :

完了日 : 2007年06月23日

 「遺品整理屋」初めて聞いた職業。その言葉からは、故人が残していた品から要るものと要らないものを分ける仕事なんだろうなとイメージした。しかし実際には、孤独死などで死んでしまった人の部屋の後片付け。つまり腐敗臭が満ち、時には蛆虫が溢れ、血溜まりや血しぶきで汚れた部屋を消毒、消臭、元通りにしてから形見分けを行う。人間の腐敗臭といわれても実際に嗅いだことがないから、読んでいてもぴんとこない。きっと凄まじい臭いなんだろうなとは思うけれど(近所から苦情が殺到するぐらいなのだし)想像できない分、読み進められたのかもしれない。それより何より驚いたのは、飛び降り自殺をしたら、その現場の後片付けは遺族がしなくてはならないということ。警察は後片付けはしてくれないんだって。あくまでも事件・事故現場しか片付けてくれないのね……。山で遭難することと飛び降り自殺だけはすまいと固く誓った。
 ある日突然、自分が死んでしまったらどうしよう。ああ、人に見られたくないものがたくさんある。だけどそのためにそれらを捨てることはできないし。突然死だけは避けたいけれど、それだって自分でコントロールできないし……。できることなら、病気で余命がわかって告知してもらえて、人生の片付けを自分でできる最期でありたい。

 この本はブログを書籍化したものということだが、いくつか気になった言葉遣いがあった。たとえば「お金のほう」の「ほう」というつかい方。まあ接客業の一種だから、接客用語の典型的なパターンが自然に出てきてしまったのだろうが、書籍化の際にはそのあたりを直したほうがいいのではと、揚げ足取りみたいだけど思った。私の場合、そういう部分が気になって中身が頭に入らなくなってしまうので……。


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 12

心にナイフをしのばせて

著者 : 奥野 修司

出版社:文藝春秋

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2007年05月12日

 06.10.25に予約。

 非常に後味の悪い作品だった。
 今から38年前に起きた、少年による同級生殺人事件(それも被害者は全身をめった刺しにされ、首を斬り落とされている)のその後を記したルポルタージュなのだが、加害者・少年Aの動機がまったくわからないのと、未だに謝罪がない、この2点が後味を悪くさせているのだと思う。
 本書の4分の3は被害者家族のその後の人生を記したもので、加害者の側に迫る内容ではない。少年による凄惨な事件はなぜ起きたのか、少年Aはいったいどうしてこのような凶行に及んだのか? を知りたかった私にとっては、物足りなかった。(ただ本書はそのような趣旨で書かれたものではないと知らなかったので、私が間違った解釈をしていただけなのだが)

 「少年法」は誰のためにあるのか? 罪を犯した少年のためにあるのだろう。被害者、またその遺族側には一切のケアがないのに、加害者側には「国費」を使い、「更生」させる。「人権擁護」の元に分厚い壁に阻まれ、その後、少年がどうなったのかを知ることは容易ではない。それでも最近は、犯罪被害者側への予算も大幅にアップし、以前より改善されているとは思うが、それだって犯罪被害者遺族の方々が努力されてきたからだろう。
 
 苦しいことやつらいことは時が解決してくれる――とよく言うけれど、自分の愛する家族がわけもわからずに殺され、殺したほうは一切謝罪もせず、ではいくら時が経っても何も解決されないだろう。
 謝罪があれば赦せるのか? 心のどこか一点でも穏やかになるのかはまったくわからないが、本書の被害者遺族の方々にはいつか加害者と対峙してほしい。いや、加害者はきちんと被害者遺族と向き合わなければならないと思う。国家予算を使って全うな人間に「更生」したのであれば、その証拠を示せ! 少年Aだった加害者は今、弁護士として法律事務所を構え、地方都市で名士として名を馳せているらしいから。


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 3

凶悪 ある死刑囚の告発

著者 : 「新潮45」編集部

出版社:新潮社

発売日:2007-01-17

評価 :

完了日 : 2007年02月11日

 警察が動いているから、ここに書かれていることは本当なのだろう。しかし凄まじい。人間、金のためならなんでもできるのか? 金さえ手に入れればいいのか? なんでそんなに金がほしいの? 人の命を奪ってまで金持ちになりたいのか?  そりゃわたしだってお金がもっとあればいいと思うけれど、そこまでして手に入れたってしょうがないじゃないの! まったく共感できないし、同情できるような人間でもないけれど、告発したことだけは褒めてやる。読んでいて腹立たしいし、死刑判決を受けた後藤以外の人間にもきちんと罪を認めて、罰を受けてほしい。


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 3

裁判狂時代-----喜劇の法廷★傍聴記

著者 : 阿曽山大噴火

出版社:河出書房新社

発売日:2007-02-03

評価 :

完了日 : 2007年02月11日

 霞っ子クラブを読んだあとだったので、ダブる裁判の傍聴記もある。こちらは裁判傍聴の感想だけではなく、裁判員制度のこととか、東京地裁だけでなく他の地方裁判所の実態なども描かれている。中でも「法の華」の潜入記がなかなかおもしろい。(阿曽山大噴火さんは宗教ウォッチングも趣味)
 ただ、口語体がちょっと……。テープ起こして原稿にしたような書物。


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 2

そして殺人者は野に放たれる

著者 : 日垣 隆

出版社:新潮社

発売日:2003-12-17

評価 :

完了日 : 2004年10月20日

 精神病と偽り、「正常な判断ができなかった」と言えばなんでも許されてしまうわけ!? と憤った1冊。 この国の刑務所はなにしているわけ? 司法はなんのため、誰のために存在しているの? 人権という名のもとになんでもかんでも許したり、見ないふりをし続けるのはもうやめたほうがいいとつくづく思った。


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 2

それにつけても今朝の骨肉

著者 : 工藤 美代子

出版社:筑摩書房

発売日:2006-02

評価 :

完了日 :

 ベースボールマガジン社創立者の娘である著者の回顧録?
 正直、文章はあまり上手くないと思ったが、内容はとても面白かった。


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 2

霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記

著者 : 高橋 ユキ,多岐川 美伎,長谷川 雫,加賀美 はる子

出版社:新潮社

発売日:2006-08-17

評価 :

完了日 :

 裁判傍聴したくなる。
 検事や裁判官、弁護士など、あまり人間的でないイメージのある人びとの人間性が垣間見られ、実際に裁判を傍聴したら「アラ、あの裁判官すてき」とか思っちゃうのかな?
 そして被告人の言い訳が笑える。人間、自分を正当化するためになら、どんなに理論的に破綻していても言いとおせるものなんだな、と笑いながら読んだ。
 霞っ子の皆さんのツッコミもいい。(なんだそりゃ? という陳述には霞っ子の方々もツッコミを入れてくれている)
 1日で読める内容なので、ちょっと暇だなというときにどうぞ。
 


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