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ヨッチンさんの読書ノート

2007年読了本
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 13

頭のうちどころが悪かった熊の話

著者 : 安東 みきえ

出版社:理論社

発売日:2007-04-02

評価 :

完了日 : 2007年10月20日

07’6.30に予約。「王様のブランチ」で松田さんが紹介していて、面白そうだったので図書館サイトへ。あ~1冊しかないのに、15件予約が入っている。

 ようやく順番がまわってきました。大笑いするほどではないけれど、「クスッ」と笑えて、ほんの少し悲しくなる寓話集。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/10/26)
私も弱いんですよ、マッチョイ。でもこれはチェックしてないなあ。寝坊したときのだろうか・・・。
2.ヨッチン (2007/10/28)
 マッチョイは自分のためでもあるけれど、お客さんの問い合わせ用に要チェックなのです。これで取り上げられると必ず売れますから。この本も全然動いていなかったのに、その後20冊は売れました。ありがとう松田さん。
 

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 4

下山事件最後の証言 完全版 (祥伝社文庫 し 8-3)

著者 : 柴田 哲孝

出版社:祥伝社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年10月20日

07’08.01購入。
 分厚いのとたくさんの引用で疲れた。自殺か他殺かの論争が未だに決着のついていない事件だが、著者は「他殺論」で推察を展開していく。著者の祖父が「下山事件」に関与したと思われる会社に勤めていたことから、身近な人から新証言や証言の裏づけが取れているので、客観的に見ても推察は正しいのかもしれない。けれどもどうしても「そううまく話が転がるかな?」と疑問にも思ってしまう。肝心の犯人(他殺だとしたら)の名前は伏せてあり、「たびたび出てきた人の名前だ」としか書かれていない。誰なんだよ、全然わからないよと悩んでしまった。後味悪いよ。この本を読んだ人たちの掲示板で誰のことかは大体わかったけれど。
 戦後の日本がいかにヘタレでGHQの言いなりだったかがよ~くわかりました。吉田茂や岸信介など、麻生さんや安倍ちゃんの親戚の皆さんが今の日本を作ったのね……。白洲次郎氏のことは「白洲次郎関連の本ってよく売れてるし、洒落てるし、ダンディだし、英雄なのか?」と思っていたけれど、そうじゃなかった。日本のことを考えていたんだろうけれど「紳士」とは思えなかった。「策士」かな?


この感想へのコメント

1.key (2007/10/22)
はじめまして。私も今同書を読んでいる真っ最中で、始まりはスラスラと読んできましたが、只今人物一人一人の紹介の辺りでえらくしどろもどろ状態です。頭に納得させないと進まないというかこんがらがってしまうので。ずっと気になっていた事件(こう書くこと自体が他殺だという視点ですよね)だけに読みきらなければ。早く感想が書きたいです。
2.ヨッチン (2007/10/23)
 Keyさん、コメントありがとうございます。とにかくたくさんの登場人物にCICやらG2やらGHQやらの団体、頭が混乱する気持ち、よ~くわかります。分厚いので時間もかかるでしょうが、頑張って読みきってください。そして感想がアップされるのを楽しみにしています。
 

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 3

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人

著者 : 森下 香枝

出版社:朝日新聞社

発売日:2007-09-07

評価 :

完了日 : 2007年10月18日

 07’10.04図書館にて予約。
人の記憶とはいかにあてにならないものか。この事件が起きたとき、私は小学校の3、4年生ぐらいだったと思っていた。だが1984年当時、私は中学生だった。いやぁ時の流れというのは恐ろしいですね。こうして記憶力がどんどん低下していくのか……。

 各府県警の縄張り意識や警察庁が主導権を握ろうとしたため、捜査を円滑にできなかった。最初の時効、平成6年を間近に控えた平成3年、各府県警が互いの機密捜査情報を包み隠さず報告し、捜査方針を確認しあう連携が生まれた。って遅くないか?被害企業とかい人21面相との取引の際の人員配備の遅れ、キツネ目の男のとり逃がし等、警察側の不手際、失態がひどすぎる。江崎勝久社長をはじめ、グリコ側が捜査に非協力的なのも犯人を捕まえられなかった要因のひとつだろう。そんな態度だから裏取引があったと思われてしまうのだ。私も裏取引はあったなと思ったぞ。
 捜査線上に浮かぶ容疑者が在日韓国人、食肉業者、北朝鮮スパイ、被差別部落出身者、元暴力団組長、同和団体――とまるで小説のようだ。警察の連携のなさも小説のようだ。しかしこれらの容疑者の線も消えてしまう。
 当時の捜査員らに取材を行なうと、どうも捜査線上に「こいつだ」と思わせる容疑者はいなかったらしい。ここに出てくる「自分がやった」と言っていた人も、もうこの世にはいない。彼の周辺を調べても決定的な証言や証拠は出てこない。「真犯人」などとタイトルをつけて煽られて、結果「~かもしれない」だなんて……。
 警察のマヌケさとグリコ社長への不信しか残らなかった。ますますモヤモヤが残っただけ。もう時効になったのだから、犯人グループの誰か、「自分がやった」と名乗り出てくれませんかね。(朝日新聞社さん、この本、誤植が多いと思いますよ。重版分は直してあるのかな?)
 ということでこれから高村薫さんの「レディ・ジョーカー」(一度挫折した本)を読みましょう。


この感想へのコメント

3.船橋胡同 (2007/10/07)
1984年の事件突発時に子供だったなら、犯人ではない。
キツネ目の男に変装でもないと判明。また、犯人不明だ。
たぶん、その後、罪滅ぼしに森永の菓子詰合せ袋(いくらだったか忘れた)をいっぱい買ってもらったのだろう。
*結論が気になるので、最後のページだけ立読みしたいが、
ヨッチンさんの店は「はたきがけ」かしら?
4.船橋胡同 (2007/10/07)
作家の内田康夫氏は、この事件を知り、空想と妄想と創造力
を駆使して「白鳥殺人事件」を発表した。1985年8月
12日、新聞社から、関係者知らないことが書かれていた!
犯行終結宣言が各社に送られた。そして、この日に「日航機墜落事故」の目撃者も体験してるそうだ。内田氏は天才だ。

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 13

沈底魚

著者 : 曽根 圭介

出版社:講談社

発売日:2007-08-10

評価 :

完了日 : 2007年10月10日

07’08.15に予約。第53回江戸川乱歩賞受賞作。

「沈底魚」(スリーパー)は何年もの間、一市民として暮らし、指示があると工作員として活動を始める。
「中国に機密情報漏洩、現職国会議員が関与か、米国亡命の中国人外交官が、重要証言」この新聞記事により、日本の公安外事二課が動く。

 話のあちらこちらで騙し、騙され、騙し合いと、とにかく何がホントのことで何が偽装なのかわからなくなって、最後まで読んでも「はて真実は? 結果どうなった?」と頭の中がごちゃごちゃ。私の頭が足りないのか、いまひとつスッキリとしない。読んだそばから話を忘れてしまうような感じ。公安VS中国大使館員、公安VS公安、世界の裏側ではいろいろな人がいろいろな思惑を持って暗躍しているのだな。このような話、実際にあるんだろうな……。

「中国」は怖ろしい国だ。共産主義+資本主義。相反する主義を融合しようとしているけれど、どうしたってひずみが出てくる。エリートはエリートからしか選ばれず、日本以上の格差社会。大使館員の中に身分を偽装した工作員やスパイがいるなんて。「スパイ天国」と言われる日本。(でも最近じゃスパイの皆さん、中国に活動の拠点を移しているそうで。アジアの中心は日本ではなく中国に変わりつつあるってことらしい)国内で堂々と諜報合戦が行なわれ、世界じゅうから馬鹿にされている日本。公安警察にはあまりいいイメージはないけれど、頑張って! と思った1冊。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/10/11)
あっ・・・やられた・・・笑。先を越されちゃいました。こちらでは未だ未だ先です、図書館の順番。でも☆みっつかぁ・・・あんまり期待しちゃ駄目なのね。でもやっぱり気になる。江戸川乱歩賞って、気になるんですよねえ。
2.ヨッチン (2007/10/12)
 そうなんですよね、○○賞とつくと気になる。特に直木賞と乱歩賞は。乱歩賞の作家にハズレなしと思っているので(福井氏もここからですしね)期待値が自然と高まり、評価が厳しくなってしまうんです。
 

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 83

新釈 走れメロス 他四篇

著者 : 森見 登美彦

出版社:祥伝社

発売日:2007-03-13

評価 :

完了日 : 2007年10月09日

 07.3.30に予約。苦手な作家さんと思いつつも予約。なぜなら原作がどのような森見ワールドになっているか、ちょっと見てみたいから。

「山月記」「藪の中」「走れメロス」のみ読めた。他二編は未読のまま返却期限が……。
 これは面白かった。元の話を知らなくても楽しめる作品になっていたとおもう。なので、もう一度、図書館にて予約。
 もう一度の予約、ようやく順番が回ってきました。森見作品が苦手な私が唯一、最後まで読めたので評価は★を5つ差し上げましょう。それぞれがリンクしていたんですね。(夜は短し~ともリンクしてますよね?)


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 44

吉原手引草

著者 : 松井 今朝子

出版社:幻冬舎

発売日:2007-03

評価 :

完了日 : 2007年10月05日

 祝・直木賞受賞。ということで図書館にて07’07.18に予約。17件待ち。
 以前から「吉原もの」は結構読んでいたので予備知識はばっちり。吉原もので一番好きな作品は渡辺淳一氏の「白き旅立ち」(ああ、昔の渡辺淳一作品はよかった……)これは吉原が中心というのではなく人体解剖、献体についてがメインの話だったのだが、深く心に刻まれた作品だった。と余談はこれくらいにして、本作品の感想。

 花魁の葛城が何をしたのか、どうなったのかまったく読者には知らされぬまま、吉原の茶屋や楼閣で働く人々に、これまた誰だかわからないが「いい男」が話を聞いて回るという構成。ぐいぐいとひき込まれてしまう。「それでどうなったの」と思うのはもちろん、吉原で生きる妓たちや彼女らを取り巻く環境、人々など、まるで自分が楼閣で働いているかのような気持ちになる。まさに「手引草」だわ。

いやぁ面白かった。最後にそういうことかと膝を打つ。直木賞を受賞していなければきっと手に取ることもなかっただろう作家さんだけど、読んでよかった。ほかの作品も読んでみようかなと思った。


この感想へのコメント

5.ヨッチン (2007/10/07)
似子さん、コメントありがとうございます。偉そうに吉原ものをよく読んだなんて書きましたが、実際は「遊郭」ものですね。有名どころでは宮尾登美子さんの「櫂」「春燈」などの一連のシリーズ(これは芸妓を斡旋する側から描いたものですが)岩井志麻子さんの「ぼっけぇきょうてぇ」ぐらいしか思い出せません(泣)。お役に立てずごめんなさい。あとは小説ではないけれど「江戸の色里―遊女と廓の図誌」もよかったです。
6.ヨッチン (2007/10/12)
 ぺこぽんさんは何をお読みになりました? 私は渡辺淳一氏がきっかけで医学モノが好きになったのに、最近は医学の「い」の字も出てきやしない。

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 13

再婚生活

著者 : 山本 文緒

出版社:角川書店

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2007年09月29日

07’06.20に予約。
「再婚生活」というタイトルだからご主人とのラブラブぶりが描かれているのかと思いきや、うつ病との闘いが中心に。
「軽くうつ入った」なんて軽々しく言ってはいけないんだな。「うつ病」がどういうものなのかはっきりと知らなかったけれど、これは確かにキツイだろう。読んでいるうちに私の気持ちまでどんよりとしてきた。
 山本文緒さんの新作小説が刊行される日を待っています。


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 13

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)

著者 : 関根 眞一

出版社:中央公論新社

発売日:2007-05

評価 :

完了日 : 2007年09月27日

 読んでいるだけでドキドキしたりムカムカしたり……。接客業に携わる人にとって「お客様は神様」じゃなくなってきている世の中。お客様を神様だと未だに思っているのは、実際には現場に立たない経営陣のお偉方だけのような気がする。こちらが良かれと思ってサービス精神満点で接すると、付け上がりとんでもない要求をしてくる人だっているし、かといって機械のように接するわけにもいかず、私は接客という仕事が大の苦手です。

 この本の著者・関根眞一氏はすごいなぁとただただ感心。クレームや苦情を、その先のよりよいサービスに活かす、と言うのは簡単だけれど、人間ができていないと実際にはできないと思う。腹が立てば顔に出てしまう私には到底真似できない。

「10年着たブラウスを交換しろ」ってどんな精神構造をしていたら言えるんだ? 半額で買った毛布を定価で返金させるってどんな神経してんだ? まだまだ私の知らない偉大な(?)クレーマーがいたもんだ。ちなみに最近びっくりしたのは「この雑誌、読まなかったから返品したい」って奴。←それはあんたの都合だろ!
思わず「はい?」って聞き返しちゃった。もちろんお受けできませんって言った。最大譲歩で交換ね。読まなかったなんてのはどう証明するのさ!
 国民の義務に「一度は接客業を経験する」と入れてもらえませんかね? 一度でも実際に接客してみたら店員の苦労がわかると思うのだが……。

 この本を読んで「こうすればいいのか」と実際の接客に取り入れてみようと思えたことは、残念ながら私にはなかった。もとのスタンスが違いすぎる。だけどもう少し冷静に、一呼吸置いてから言葉を発するようにはしようと思う。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/09/29)
過酷な本ですね、笑。
ま、世の中めちゃくちゃですね。給食費や保育園代を支払わない親達もそうだし、百均の商品にクレームつける人も多いみたいだし。言いたいこともなかなか言えない私には、うらやましいような、うんざりするような・・・。
冷静に、一呼吸置いてから・・・耳に痛い言葉ですね。
2.ヨッチン (2007/09/29)
 一呼吸置いてから……ってすごく難しいんですね。幽体離脱して自分を冷静に眺めるような気持ちにならないと、できません(泣)まだまだ修行が足りません。
 

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 2

当確への布石

著者 : 高山 聖史

出版社:宝島社

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2007年09月21日

07’07.06に図書館にて予約。
第5回このミス大賞、優秀賞受賞作品。大賞の「ブレイクスルー・トライアル」は途中で、いや読み出してすぐに脱落。私の好みは断然こちら。でも応募作品の全面改稿、加筆訂正だから、単純に比較できないか。
 選挙プラスミステリ。昨今巷でよく耳にする「犯罪被害者の権利」問題、警察と検察、公安、マスコミ等々をからませて、「選挙」という地味な題材をスケール大きく描いている。
 ひとつの謎がすぐ解決するのもいい。あいだに違う話を挿入して引っ張る手法もいいけれど、読者の(というより私の)ストレスは溜まらないから。
 選挙の裏側に興味はなかったけれどこれを読むと、自民党や民主党などの大政党になればなるほど、本当の選挙はもっと生臭く、ドロドロしているんだろうなぁと思う。
 立候補者の熱意や意気込み、評判などに左右されて誰に投票するか決めているつもりだったけれど、実際は選挙コーディネーターと呼ばれる選挙のプロや、党が長年蓄積してきたノウハウに躍らされていたのかもしれない――と思うと、少し悲しい。

 ここで立候補している大原奈津子は無所属で、選挙事務所に集まっているのも彼女の信奉者ばかり。ちょっと宗教がかっていて気持ち悪いなとも思ったけれど、だれかとひとつの目標に向かっていくとこうなるのも致し方ないか。
 ミステリの部分も選挙の部分の描写も満足。期待値が低かった分、満足度がアップしたのかも。おもしろかった。


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 37

楽園 下

著者 : 宮部 みゆき

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2007年09月20日

07’08.05に予約。
 少々ネタバレしてます。
 
 
 読み進めていくと、滋子ってこういう人だったなぁと感慨深いものがある。
 等くんの能力について調べているときは常に中立の立場を忘れず、しかし調べれば調べるほど、滋子の心は変化し――滋子が決心をしたときには私も思わず「よし、行け滋子!」と拳を振り上げる勢いだった。
 滋子と敏子、滋子と誠子、滋子と秋津、滋子と土井崎夫妻――多様な視点で描かれていて、謎に包まれていたことが最終的には明らかに――されてないじゃん! と思った部分も(ドンペリの瓶のことなど)ある。けれども、それは読者である私が推理を働かせて想像をたくましくすればいいのか?

 敏子のような女性は傍から見ていると歯痒くて仕方ない。イラつくというべきか。だから滋子が怒るのも無理はないと共感。そして最後には受け入れて頼りにしてしまう滋子にも共感してしまった。

「それならどうすればよろしいというのでしょう?」←これがこの話でいいたかったことなのだろう。
 本当にどうすればよかったのかなぁ……。
 本を閉じても考え込んでしまう。茜のために土井崎夫妻はどうすればよかったのだろう。本書のようにはせず、別の対応をしていれば茜は更正したのか? 親の態度が少しでも違っていたら茜も違う性質になっていたのか? それともどんなに手を尽くしても結果は変わらなかったのだろうか……。
 土井崎夫妻にとって「楽園」はこうすることでしか手にできなかったということ? でも「楽園」という言葉からイメージする姿からはほど遠いし……。
「支払った代償が、楽園を地上に呼び戻す」――といわれても、私なら耐え続けたかもしれない、いや、わからない。土井崎夫妻と同じことをしたかな? あそこまで鬼畜な娘だと、自分の手で落とし前をつけるしかないか――。

 ラスト30ページほどは、何回も読み返してしまった。かわいそうな子だと思い涙ぐみ、いや己が招いた結果かと思ってみたり――。鬱々とした気分の中で、敏子には救われた。

 揚げ足取りかもしれないけれど、飲酒運転と滋子が昭二になんでもぺらぺら話してしまうのが気になった。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/09/29)
頑張って書いたんだなあと思う反面、☆よっつはあげられるけど、五つは駄目だなってのが私の評価でした。
この作品の中で誰になりたい?と聞かれたら、私は敏子さんです。絵にかいたような日本のお母ちゃんみたいで、なかなか良いではないですか。私のような性格だとイライラしちゃうんでしょうね。あんなふうには生きられない。しかし、周りを癒してしまうやさしさに飢えてますねえ、最近。
2.ヨッチン (2007/10/04)
 私も★4つです。きっかけが等くんの特殊な能力というのが。それがなければ現実にあり得る話だと思うのだけれど。やはり「模倣犯」が偉大すぎたのか? 私はこの作品の中では……うーん悩む。敏子さんはいい人なんだけれど、生きていくのが大変そうで。じゃあ滋子か? でも滋子も大変だと思うしなぁ……。決められません。
 私の癒しはネコです。ネコにスリスリ顔を寄せ、嫌がるのを無理やり抱きしめると癒されます。
 

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 46

楽園〈上〉

著者 : 宮部 みゆき

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2007年09月20日

07’08.05予約。
 来ましたよ、順番が。さすが宮部みゆき。面白いです! しかし、「模倣犯」を読んだのはいつのことやら……。その内容に衝撃を受け、読後は鬱々としたものだけれど、細かな点を忘れてしまっていて……。これから読む人は「模倣犯」の再読をおススメします。(といっても文庫で5巻まであるので大変ですけど)
 まだ途中までしか読んでいないけれど、滋子のパートはもちろん、断章のほうもすごく先が気になる。
 読後の感想は下巻のところに記入する。


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/09/17)
さすがは宮部みゆき。はい、確かに。
面白かったですね。っていうか、読み応えがありました。上手だなあと思いながら、読み進めた感じ。
さて、下巻やいかに!
2.ヨッチン (2007/09/20)
いやぁ読み始めたら止まらない。一気に下巻へ。
それでどうなった? とページを繰る手が逸りますね。これの感想をいかにネタバレせずに書くか……今それで悩んでおります。内容的には私の推理が当たることも多く、それはそれで楽しいのだけれど、どんでん返しもほしいななんて贅沢なことも思ったりしました。
 

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 13

ぼくには数字が風景に見える

著者 : D. タメット

出版社:講談社

発売日:2007-06-13

評価 :

完了日 : 2007年09月09日

07’08.05予約。
 アスペルガーやサヴァン症候群。その名称は聞いたことがあっても、それがどういった症状なのか説明せよと言われたらできない。そんな状態で本書を手に取った。映画「レインマン」をはるか昔に映画館で観たとき、「なんでこの人は瞬時に落ちたマッチの数がわかるの?」「電話帳の電話番号を全部覚えられるってどういうこと?」と驚嘆した。それがサヴァン症候群の特徴のひとつであることとは知らず……。
 本書の著者も数字や言語に対して強い興味を持ち、特異な才能を発揮している。なにしろ円周率を22,000桁暗記してしまうのだから。22,000桁って……想像もつかない。何ヵ国語もマスターしたり、膨大な数字を暗記したり他人とは違う才能を持っているけれども、その代わり人と同じ感覚を持ったり、同じことができない。(それがよいか悪いかは別にして)
 特異な才能を障害としてではなく活かして生きる。その姿は素晴らしい。家族や友人にも恵まれ、自立した生活を送っている。もし自分の周りに彼のような人がいたら、温かく接することができるだろうか……。ああ、温かく接するなんて上から目線ではないか。彼のほうが私よりずっとずっと広い心と温かい気持ちを持っているのに……。


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 17

ソロモンの犬

著者 : 道尾 秀介

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2007年09月06日

07’08.11に予約。
 また楽しませてもらいました。
 出てくる台詞やシチュエーション、それらがみんな何かの伏線であるような気がして、「この台詞は怪しい」「この人のこの行動は……」と推理しながら読み進めていくのはまさにミステリの醍醐味! とかいいつつ、私の推理は外れるのだけれど……。まあそれが心地よくもあるというか推理が外れたほうが楽しい。「ソロモン」「バベル」といった名詞に「何かある? これが伏線?」とワクワク。
 タイトルにもあるように「犬」が出てくる。犬は以前飼ったことがあるが、犬の生態や行動心理に詳しくはなかったので、犬って本当に賢いのねと感心。
 登場人物の中では間宮が好きだな。


この感想へのコメント

3.ぺこぽん (2007/09/11)
うっふっふ・・・予想を外してお先に読んじゃいましたよ。
そうそう、読みなれてくると、これが伏線?ねえねえ、これ?なあんて楽しみがありますよね。楽しませてくれる作家さんです。ど~しても読んじゃいますね。今のところ「シャドウ」が一番好きです。
4.ヨッチン (2007/09/13)
うぅ、負けた……。そんなに厚い本じゃないのに深読みのしすぎで時間がかかりますね、道尾さんの作品は。私は「シャドウ」は未読です。今度読んでみますね。

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 19

文学賞メッタ斬り!〈2007年版〉受賞作はありません編

著者 : 大森 望,豊崎 由美

出版社:PARCO出版

発売日:2007-05-10

評価 :

完了日 : 2007年08月18日

07’07.04に図書館にて予約。
 毎度毎度見事に予想を外すお二人。外さなければお二人じゃない! やっぱり選考委員の選評を茶化す部分が面白いわ。このシリーズに毒されて、ジュンちゃんだのツモ爺だのと心の中で呟きながら品出ししている。芥川賞、直木賞とも選考委員を変えたほうがいいと私も思います。


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 42

夜明けの街で

著者 : 東野 圭吾

出版社:角川書店

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年08月17日

07’7.3に図書館にて予約。
 読み始めたのだが……あまり惹かれていない自分がいる。どう言い訳したって不倫は不倫。既婚者にはちょっとムカつく設定。だからページをめくる手が止まってしまう。
――読み終わっての感想――
 これ「東野圭吾」じゃなかったらまったく売れないんじゃないの? なんだか期待していた分、がっかり度が増し増し。まあ本編あっての上で番外編が面白かったぐらいかな?


この感想へのコメント

1.ぺこぽん (2007/08/15)
私の順番は未だ未だ先のようです・・・。早く読んでみたい作品その1です。ムカつくのか・・・ふむふむ。でも結末は・・・ちょっと待ってね~
2.ヨッチン (2007/08/17)
コメントありがとうございます。なんだか流し読みになってきました。が、謎の部分はじっくり読んでいます。まだ3分の1ぐらいなので、ネタバレはしませんよ。感想もネタバレしないように書いておきます。
 

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 22

九月の恋と出会うまで

著者 : 松尾 由美

出版社:新潮社

発売日:2007-02-21

評価 :

完了日 : 2007年08月13日

 続きがすごく気になったのに、図書館の期限が来てしまい読み終わらなかった(涙)
 今は予約が殺到しているので期限延長ができないけれど、もう少ししたらもう一度借りて読もう。
 もう一度借りて読みました。よかったです! 松尾由美さんの作品は「雨恋」のみ読んだことがあったが、どちらもミステリ要素と恋愛要素がいい具合に絡まって、さくさくと読み進められる。
 この作品は時間軸の歪み? によって主人公が未来のシラノという男性の声と遭遇する。詳しく書いてしまうとネタバレしてしまうので書けないけれど、私の好きなタイムワープ要素が入っているので、それだけで満足。ラストもいい感じ。


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 43

カシオペアの丘で(下)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

完了日 : 2007年08月10日

07’06.03に予約。
シュンが北都に戻り、幼馴染みのトシ、ミッチョと再会。トシとシュン、シュンとミッチョ、トシとミッチョ、それぞれのわだかまりが少しずつ解けていく下巻。
 あの時こうしていればと悔やんだり、もっとこうすれば違う人生になったんじゃないかと誰しも思うけれど、それを含めての人生なんだな……と思えた。
 謝り続ける人生、悔やみ続ける人生、許されたいと思い続ける人生、許したいと思い続ける人生――。何かを思い続ける人生は辛いだろうなぁ。でも最期に許されるのであれば、救われるのかもしれない。

「納得とか正しさとかって大事だけど、それがぜんぶじゃないですよねぇ、そう思いませんか?」川原さんは言う。いろいろな感情が絡まって割りきれない答えが出てしまうのも人間らしくていいじゃないか。

 シュンは「倉田」に縛られ逃れられず苦しんでいたけれど、現実問題、「倉田」のおかげで生活に困らずに、充分な医療を受けられて、遺していく妻子のことも兄さんに託せて……恵まれているぞ。やっぱりそのへんが「ぼっちゃん」なんだよな。

 息子に先立たれてしまう親の描写がもう辛くて、(もちろん先立つ息子も辛いだろうけれど)中盤は涙でなかなか読み進められなかった。
「あえないけど、いるから。ずっとみてるから」と父として息子に遺したシュン。そこからは私も覚悟ができたというか、感情移入していた物語を傍観できるようになったので、「えー、そこでそうする?」「そんなぁ」と思わなくなった。悲しいけれど、前向きに受け入れられるようになった。

 テーマと内容が重くて、なかなか一言では言い表せない。ああも思った、、こうも感じた、ここの台詞がぐっときた、うんうんと頷きながら読んだ……次々と思い浮かぶ感情、感想があるのだが、うまくまとめられない。ただ絶対に読んで損はしないし、自分のこれからやこれまでを考えるきっかけになる1冊だと思う。


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 48

カシオペアの丘で(上)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

完了日 : 2007年08月05日

07’06.03に予約。
 重松清氏の作品は好きでよく読んでいるが、よく読んでいるからこそ「またこういうのか~」とも思ってしまう。手練れとでもいいましょうか、「ほら、どうだ、こうきたら泣くだろ!」と言われているようで(実際は違うと思うけれど)、ちょっとひいている自分もいるが、また見事に入り込んでしまった。(ちなみに一番好きなのは『いとしのヒナゴン』)
 舞台は北海道の北都(ほくと)という架空の市。過去には炭鉱で栄えたものの、今は人口減少、財政悪化等、絵に描いたような衰退ぶり。シュン、トシ、ミッチョ、ユウちゃんの4人の幼馴染みは39歳の今でも親交がある。
 サラリーマンの子ども同士、ちょっとした地方都市の子ども同士だとここまで長い付き合いの幼馴染みってなかなかいないような気がする。
 4人に川原さん、ミウさんらが絡んで、語り手も変わりつつ物語は進んでいくので、誰かに感情移入するのではなく、4人や千太郎、敏彦のお母さん、みんなの気持ちがわかって、それぞれの苦しみや悲しみを読み手である私は1人で背負い込まねばならず、辛かったなあ……。
 
 第九章「哲生」はボロ泣き。もしも自分がシュンだったら、こんなふうに病気と向き合えるだろうか? 愛する家族がいるからこんなに強いのかな? ガンは自分の体内で生まれる病気っていうのも、言われてみればそうだったと気づく。誰かに移されたり感染するわけじゃないから余計に辛いよな……。
 
 第十章「再会」はドリカムの『空を読む』という歌を思い出してしまった。どうして人は空を見上げるんでしょうね……。空を見るとなんだか悲しくなりませんか? ああ、こんなに空が青いってこと久しく忘れていたなとか、空を見る余裕もないほど忙しかったんだなと思い知らされたり……。

 上巻ではまだ何も解決していないし、気持ちにも区切りがついていないので、下巻ではこれらがどうなるのかを楽しみに読み始めるとしよう。


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1.ぺこぽん (2007/08/15)
「またこういうのか~」
おしゃるとおりですね。分かっていながら、またまんまとハマり涙してしまうのが悔しいです。
私はありきたりですが「流星ワゴン」が一番好きです。
 

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首挽村の殺人

著者 : 大村 友貴美

出版社:角川書店

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年07月31日

07’07.06に予約。横溝正史賞受賞作。
 舞台は岩手の寒村・鷲尻村。前任者が死亡したため無医村になり、滝本志門は4カ月という期限付きで村の診療所に赴任する。鷲尻村は冬になると雪に閉ざされる。「先祖返しの儀式」などの伝承行事が残り、忌まわしい過去を持つ村。そこで連続殺人事件が起こる。果たして真相は――。
 殺人事件、村を襲う熊、滝本の過去とその妹・瑠華のトラウマなど謎が次々と出てきて、ぐいぐい物語にひき込まれていく。
 冬の豪雪地帯、余所者のいない村という閉塞感、血腥く陰惨な村の歴史、時代を遡ったような暗く鬱屈した雰囲気……。どれをとっても横溝正史賞に相応しい作品だと思う。この中に金田一耕助が出てきても違和感がない。またそこに高齢化や町村合併など、現代の日本の過疎地に降りかかる問題も取り入れられ、横溝風に作者の色が足されてもいる。
 とてもよくできた作品だと思うけれど、真相が明かされる後半、犯人の犯行に及んだ動機が「?」と思った。少し動機としては弱いかな? 一般的に理解されるかな? 私には理解できないなと感じてしまった。
 映像化されたら面白いのではないかなと思う。というか見てみたいな……。


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6時間後に君は死ぬ

著者 : 高野 和明

出版社:講談社

発売日:2007-05-11

評価 :

完了日 : 2007年07月27日

「6時間後に君は死ぬ」
「時の魔法使い」
「恋をしてはいけない日」
「ドールハウスのダンサー」
「3時間後に僕は死ぬ」
「エピローグ 未来の日記帳」

「時」「時間」をテーマにした短編集。すべてに山葉圭史という、特殊な能力を持った男が登場する。スリルあり、感動ありで満足の1冊。高野氏の作品は「13階段」しか読んだことがなく、今作も手にするまではずっと長編だと思っていた。

 どの作品も先が気になり読み出すと止まらない。タイムトラベルものが好きな私としては、「時の魔法使い」がお気に入り。読んでいる間、胸が苦しくなるくらい切なかった。

 もし子どもの頃の自分に会ったら、あなたはどうしますか? この「時の魔法使い」では主人公・未来(みく)が9歳の頃の自分と会ってしまう。戻るのではなく、会ってしまうという設定がいい。
 未来は脚本家になる夢を叶えるために努力しているがなかなか思うようにはいかず、生活も苦しい。現実逃避からか、「自分の人生はこんなに惨めなのかと思うと、小さい頃に戻りたいと思った。ささいな幸せがどんなに幸せなことかわからなかったあの頃に戻りたい」と未来は思う。
 私も人生30数年生きてきて、未来のように小さい頃に戻りたいと思うことがある。もしも今、9歳の自分に会うことができたら……。今では思い出せない子どもの頃の気持ちを聞きだしてみたい。何が楽しいのか好きなのか、何がいやなのか楽しくないのか。自分のことなのに自分のことじゃないように思うのかな? それとも忘れていたことがぶわーっとよみがえってくるのかな? ほしいおもちゃが買ってもらえないとか逆上がりができないとか、子どもなりの不満や悩みはあるのだろうけれど、両親の愛情をいっぱい受けて、食うことにも困らず生きていることに感謝しろって説教しちゃうかもしれない。
 生きていくために必要なものや場所などのすべてを無償で与えてもらえることのありがたさ。いつか両親と永遠にお別れしなければならない日が来てしまう。だから感謝の気持ちは言葉にして伝えなければいけないな、と反省した作品。

 いい作品だと思っていたら、ドラマ化だそうです。


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