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神崎さんの読書ノート

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 30

ボトルネック

著者 : 米澤 穂信

出版社:新潮社

発売日:2006-08-30

評価 :

完了日 :

恋人を弔うために東尋坊を訪れていた嵯峨野リョウは、気が付けば金沢に戻っていた。家に帰ってみればそこには、居ないはずの「姉」が居た。そう、リョウは自分が生まれなかった世界にやって来ていたのだ。
そこで過ごす、辛くて重たい三日間は、彼にすべてを突きつけた。青春は楽しいだけではない、現実はこんなにも痛くて辛くて容赦ない。それを最初はなんでもないようなコミカルな風に描いているが、最後にはやりきれない、どうしようもない気持ちが残る。こちらは短編だが、この間「世にも奇妙な物語」でドラマ化されていた、朱川湊人『昨日公園』とはまったく対の話なのだと感じて、いろいろ考えさせられてしまった。とにかく、傑作だ。


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 10

都市伝説セピア (文春文庫)

著者 : 朱川 湊人

出版社:文藝春秋

発売日:2006-04

評価 :

完了日 :

主に都市伝説を集めた短編集と聞くとおどろおどろしいかもしれないが、これは良作が見事にまとまった一冊と云って良い。
『アイスマン』でちょっとした恐怖をあぶり出したかと思えば、『昨日公園では何をどうやっても失うことを認められず東奔西走する主人公の真剣さがじんわりと伝わって来て、なんとも云えない気持ちになったりと、読者の気持ちをさらりと変えてしまう。だがどこにでも孤独と云う淋しさがあって、つい感情移入をしてしまうのだ。
ホラーと書かれて躊躇された方、是非お手に取って『昨日公園』だけでも読んでみてはどうでしょうか。淋しさが募る一方で、ほのかな優しさがじんわりと満たしてくれるでしょう。


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 114

重力ピエロ (新潮文庫)

著者 : 伊坂 幸太郎

出版社:新潮社

発売日:2006-06

評価 :

完了日 :

氏の作品では代表作とも云われるものですが、ここであえて書いておきたい。こんなに素晴らしい家族小説があっただろうかと。何度読んでも、いや、読む度に感動が味わえる贅沢な一冊。
ミステリとしての評価が低いのは正直どうでも良く、ただひとつの家族の物語として、先入観なしに読んでもらいたい。


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