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カーシーさんの読書ノート

ごめん、好きかも嫌いかも。
期待してなかったのに傑作だった本に、ごめん! 期待してたのに期待と違ってやっぱり、ごめん! 他と比べるとどうにも愛せなくて、ごめん! 内容思い出せなくて、ごめん! とにかく、そんな感じでストレートにお付き合いできなかった本たちをここに集めておきました。
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 2

回想のシャーロック・ホームズ (創元推理文庫 (101-2))

著者 : コナン・ドイル,阿部 知二

出版社:東京創元社

発売日:1960-08

評価 :

完了日 : 2008年10月24日

ここでは、阿部版について印象を改めた事と、
延原版との比較について述べたい。

阿部さん訳は私のツボではなかった。
妙に上から目線のホームズが鼻につき、
えばっているようでイヤだったのだ。
フォローで、明朗で軽快な味わいがあると言ったこともあるが、
よくよく見てみると、けしてそんなことはなかった(謝)。
基本的には、きどりすました淡白なキャラだった。

絶対的客観性というものは存在しないので、
私が抜粋したところを読み、
むしろ延原訳のホームズの方が冷たい、
と思う方もおられるかもしれないが、
独断と偏見をお許し頂きたい。

ではお二方の「緋色の研究」にて比較し、
気にとめた箇所を見ていく。

・例えば、ワトスンがホームズの観察と推理の理論の記事を、彼の記事だと知らずなじったあと、どうして観察と推理が実用的なのかを、ホームズが自ら探偵と明かすことで悟らせるシーン。

<阿部版>
「まあ、これは、世界じゅうにおそらくぼく一人でしょう。君にはわかるかどうか知りませんが、ぼくはいま顧問探偵をしているわけです。このロンドンには国家の刑事や私立探偵がたくさんいます。この連中が失敗すると、ぼくのところへ相談にくるから、彼らを正しい方向に向けてやるのです」

↑私はここに、つんとすましたような上から目線を感じ、それが鼻について癪だった。

<延原版>
「この職業をもっているのは、おそらく世界中で僕ひとりだろうが、じつは諮問探偵なんだ。といっても君にはわかるかどうか。いまこのロンドンには国家の探偵や私立探偵がたくさんいる。これらの連中が失敗すると、みんな僕のところへやってくるので、僕はどうにかして、ほんとの手掛りを得させてやるのだ」

↑フランクな感じになってるせいか、サラっと鼻につかずにいれた。

・例えば、ホームズの部屋に報告にきた、乞食少年探偵たちの扱いは?

<阿部版>
「いいか、これからはウィギンズ一人だけが報告に上がってきて、あとは道で待っているんだぞ。ウィギンズ、見つかったか」
「まだだよ、旦那」少年のひとりが答えた。
「あまり当てにもしておらなかった。見つけるまで、ねばるんだぞ。さあ、日当だ」一シリングずつ渡してやった。「さあ、もう帰るんだ。このつぎは、もっとましな報告を持ってこい」

↑淡白なせいか、冷たく感じる。

<延原版>
「これからはウィギンズひとりを報告によこすのだ。ほかのものはここへ上ってくるんじゃない。そのあいだそとで待っている。ところでウィギンズ、めっかったか?」
「いいや、まだだよ」少年のひとりが答えた。
「どうせそんなことだと思っていた。めっけるまでやってなきゃだめだよ、さあ、お駄賃をやる」とホームズは少年たちに一シリングずつ渡してやり、「では、もう帰ってよろしい。こんどはもっといい報告を持ってくるのだよ」

↑あったかい! 大人が子供を扱っているには違いないんだが、表向き“上下関係”に見えても、その実、“仲間関係”で結ばれてるような空気がある。
「お父ちゃんの入れ歯めっかった?」(とは言ってないが(笑)的なフレーズや「お駄賃」という言葉を選んでるセンスで、牧歌的な味わいが出て、風通しが抜群!

・例えば、①ホームズの偏った知識(太陽系の知識がない!)にワトスンがショックを受けるが、それを受けてのリアクションと、
②そのワトソンが「しかし太陽系くらい・・・」と抗議したあとのシーン――

<阿部版>
①「君、おどろいたようですね」彼は私のあきれた顔を見て、微笑しながら言った。
(中略)
②「ぼくにとって、そんなものがいったいなんの役に立つかな!」ホームズはじれったそうに私をさえぎった。「君の話では、われわれは太陽のまわりをうごいているそうですが、かりに月のまわりをうごいているとしたところで、ぼくの生活や仕事はいっこうに変化しないでしょう」

↑微妙だが、丁寧なだけに上目線のとりすました嫌味を感じてしまう。

<延原版>
①「ふふふ、驚いてら」彼は私の驚いたのを見て微笑しながら云々
(中略)
②「そんなものがなんになるものか!」彼はせきこんで私の言葉をおさえた。「君は地球が太陽の周囲を回っているというが、よしんば地球が月の周囲を回転しているとしても、そんなことは僕や僕のやっていることに対して、なんらの相違もおこさせはしないんだからね」

↑ワトスンの言葉をおさえ、ズケズケ言ってるのに気にならない。釣りバカ日誌のハマ&スーみたい。彼らは上下目線でなく、対等に言い合える仲間として結ばれている。
※また「驚いてら」が効いている!

“人間”という字は、人と人との間と書く。
延原版の温かい味わいは、ホームズ一人でかもしだしているわけではない。
ホームズと、それにからむ人物たちが織り成したものだ。
人と人との間に、人間の温もりがほっくり満ちている。
延原ホームズに触れるものは、知らず人間に触れているのだ。
延原謙という人間に。

※以上はほんの一部。他色々あるが省略!


この感想へのコメント

3.Tetchy (2008/10/22)
いわゆる品川庄司の品川チックなホームズってことでしょうか?(ちょっと違うか)

しかし、2000字限定って、ホント字数足りませんよね。
私もいつも泣く泣く文章削ってます。
長い感想になるとA4用紙4ページぐらいになりますので、どこを削ろうか、途方に暮れちゃいますね。
4.カーシー (2008/10/22)
>Tetchyさん
あわわ! 勉強不足で、品川チックなホームズというのが
わかりませんでした。
まだ仕事中なんですが(汗、時間みて、具体的に
提示できればと思います。

しかし……、文字数が足りないですね。
Tetchyさんも削っておられましたか!
僭越ながら、かなり親近感を覚えてしまいます(^^;

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 2

シャーロック・ホームズの冒険 (創元推理文庫)

著者 : コナン・ドイル,阿部 知二

出版社:東京創元社

発売日:1960-07

評価 :

完了日 : 2008年10月16日

「緋色」を読む前に少しだけ、第一短編「冒険」の
『ボヘミアの醜聞』を読み始めてしまった。

すると、序盤で何かひっかかった。
これまで触れてきた、新潮や光文社の訳文と
何かが違っていて、憎めないホームズに違和感が…。

なんだろう?
気のせいかもしれないが、鼻につくなにかが
一瞬胸の内をかすめていったような?

新潮のは古めかしいけれど、そのぶん格調と、
なんとも言えない奥行きのある味わいがあって、
嫌みな感じがせず、
光文社のは古めかしさはいくらか柔らかくなって
読みやすくなっているのだけれど、
それでいて、ホームズ特有の憎めない個性みたいなものは
新潮と同じような輪郭で、留めているような感じがあり、
これといった違和感もなく平行して読んでこれた。

どちらのホームズも、お約束のように
たいていワトソンや依頼者について
ズケズケと言い当てるんだけど、
それが嫌みにならない感じで、たえず、
エレガントなユーモアに包まれたまま
ほっこり笑えてくるような何かになっている。

そういうキャラの核?ともいうべき部分が、
今ちょっと読んだだけだけど、
えらぶりたい青さなのか、はたまた、
強烈すぎる自負のせいか、
かすかに鼻についた気がした。

語尾、かしら?
うーん、これはもう、ただの好みなのかもしれない。
最初にどの訳から入ったか?というのも、関係してくるかもね。前知識がヘタに入るとアレね(汗

創元版の「回想」があったら、ぜひ読んでみたいんだけど、
たとえば、新潮の(「思い出」の)延原さん訳、
『白銀号事件(名馬シルヴァー・ブレイズ)』の冒頭は――

「ワトスン君、僕は行かなきゃなるまいと思うよ」
 ある朝、いっしょに食卓についているとき、ホームズがいった。
「行くって、どこへ?」
「ダートムアへさ――キングズ・パイランドだ」
べつに驚きはしなかった。いな、むしろ私は、いま全イングランドでうわさの種になっているこのとんでもない事件に、ホームズが関係しないのを、不思議にさえ思っていたのである。

第一声、「ワトスン君、僕は行かなきゃなるまいと思うよ」なんてしびれるね~。
そして「いな、むしろ私は~」なんて古風でなんか赴きあるじゃないの!(そこはワトスンだけど)
つーかタイトルが「白銀号事件」だもん、
なんか全体レトロでいいのよねぇ。

そして、光文社の「回想」の日暮さんの
『名馬シルヴァー・ブレイズ』の冒頭は――

「ワトスン、ぼくは行かなくちゃならんようだよ」
 ある朝、朝食のテーブルについたホームズがいった。
「行くって、どこへ?」
「ダートムアさ――キングズ・パイランドだ」
わたしは驚かなかった。いやむしろ、英国じゅうでこれほど話題になっている事件に、彼がいまだに乗りだしていないことのほうが、不思議だったのだ。

こっち、ずいぶん整理されて読みやすくなってますね。
でも、新潮のいい意味での古めかしい回りくどさがクセになってると、ちとライトで物足りない時も(笑
光文社のは全編こうして読みやすくスマートになってます。
でも、ホームズの持っている感じは、自分の中ではそれほどブレずにいれた。挿絵もいいし。

「ボヘミア」の冒頭をパラリした感触だけで
決めつけはしないけど、ホームズは頭よくて、
どうかすると嫌みに受け取られかねないキャラだから、
あんましえばんない感じでやってほしいな。
といっても、これは訳文だけの問題じゃないかもね;;

あとは、最後まで読んでから判断しようと思うけど、
阿部さんの訳がフィットしてくることを祈る。

追記:
「ボヘミア」のみ読了。
ホームズが、とある女性に翻弄されるという珍しい一編。
小気味よくて、クスっとできる。
アイリーネ・アドラーおそるべし!

翻訳問題については、少し慣れてきましたが…(安;
極私的な判断では、阿部さんのホームズは
他のホームズと比べてやや淡々とクールにきどった傾向が強い印象。
(上記はボヘミアだけかもしれず、他の話では別の顔を見せてたりするかも?)

延原さんのは、もっと落ち着いてて私の大好きな故広川太一郎がハマリそうな趣きがある。
うちに秘めた推理と正義への烈々たる情熱はあるのだけど、
どんなにがむしゃらになっても、がむしゃらにみえない
飄々とした紳士の風味があって、
そこに孤高の天才のアイロニーと強烈な自負がかいまみえる感じも加わると、
もうたまらない。
「思い出」の『最後の事件』なんかは最高!

日暮さんのは、どちらかと言えば落ち着きがあるホームズの線で、
だけど言葉遣いがもっと近代チックに洗練された感じ。多少まろやかで緩くなった印象?

訳者の生年月日を調べてみると、私の予想通り、
延原さんが一番年上だった。
あの味わいは熟年の味わい、まなざしなのだな。
きっと。
延原さん:1892年生まれ
阿部さん:1903年生まれ
日暮さん:1954年生まれ


この感想へのコメント

1.Tetchy (2008/10/17)
色んな訳者のホームズを読んでいらっしゃるんですね!
すごいですね!
とても勉強になります!
私も他の作家の作品ですが、特にフィリップ・マーロウとかは訳者によってガラリと印象が変わるように思います。
中身の濃い感想を読めて、とても嬉しかったです♪
2.カーシー (2008/10/19)
>Tetchyさん
私のダラダラと長い感想読んでくださって恐れ入ります。l

訳者によって、ガラって変わるのって、
いい面と悪い面があるかもしれませんね;;
趣が違って、ほほう、となる面と、
ええ! このキャラはこうしてほしくない!
と違和感を感じてしまう面と。

同じ作品が違う訳者で複数でている場合、
自分にあった訳者を見つけて読んでいくのが
いいんでしょうかね。
見比べてみる作業も面白いですが。
 

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 25

忍びの国

著者 : 和田 竜

出版社:新潮社

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年08月26日

これも映画向き?
三池崇史と、バトル部分は北村龍平でどうだろ。

のぼうと違っておやおやと思ってしまったのは
視点の扱い。
のぼうのときも、三人称神視点のようだったけれど、
のぼうでは、そんなにコロコロと視点が変わる印象はなく、
ストレスがなかった記憶がある。

丹波だったら丹波、三成だった三成の視点で
じっくりうまく描きつつ切り替わっていたはず。
ところが、今回のはカメラの切り替えが多くて
散漫になってる印象。

コロコロと視点が飛ぶ読みにくさと、
神視点だからこその緊張感の減退?が
どうにもこうにも存在してしまっていたような。

三人称一視点であれば、
A氏の視点のときは、本来、
A氏が見たことしか語られないはずで、
読者はドキドキしながら
A氏にスムーズに追体験していけるはずなんだけど、
「A氏は知るよしもなかったが」的な感じで
俯瞰的に、A氏の気づいてないB氏の行動なんかが
入ってくると、テンションが↓に。

いや、読者しか知らない俯瞰情報で、
早くにげろ~!とかハラハラさせる方法も
あると思うんだけど、
ここでは、冷静な距離となって感じられて、
マイナスだったかなと。

落ち着いてキャラに感情移入したかった?

また、戦場点が3つに分かれて描かれる部分が
あるのだけれど、
同じような神視点の語り口ものだった
「偽書信長伝」では地図付きだったので
その辺、はるかに分かりやすく
面白かったから辛口になってしまったかな。
地図なしでもわかるように、
端的書いてはいてくれていたんだろうけれど、
アホなわしには、地図がほしかった;;

でもでもでも、それでも4ツ星つけてることに
ご留意いただきたい。
この人の描く人物は、やっぱ面白いし
魅力的です。引き込まれる。
また設定がゾクゾクする。

伊賀の里が本当にそうだったか知らないけれど、
そこにはちゃんとした太守というか
守護がいなかったらしく、
数十の地侍たちが勝手に砦つくって
牽制しあい、殺しあいをかさねていたらしい。
もう「バトル・ロワイアル」の世界ね。
※嘘なんだろうけど、参考資料とともに
それを読者に現実感をもって
読ませる腕がすごいじゃないか。

地侍たちが扱ってるのが
小作人兼、忍びの下人で、
こいつらに戦わせてる。

下人たちは、幼い頃から
人を出し抜き、卑怯に騙してなんぼ、
殺してなんぼの世界で生きてきたから
人間の感覚がすっかり麻痺している。

A砦の領主がB砦の領主をせめて
下人たちが砦内で大殺戮をしてるんだけど、
地侍たちの重要な会議を知らせる鐘がなると、
はい、終了~!
となって、やれやれ、お疲れさんといった感じで
散会していく。
それまで殺しあってたはずの人間たちが、
肩を組んで、談笑しながら
会議所に向かってゆくのだ。
※地侍たちには盟約があり、外敵があらわれた場合には
会議し、一致団結してこれにあたるようになってる。

バトロワで、ビートたけしが、
「今日はみなさんに殺しあいをしていただきま~す!」
とかいって、生徒に島内で殺しあいさせて、
ピンポンパンポーンと放送をならし、
何時何分、3年に2組のなにがし君が
亡くなりました~、残ってるみんさんは
生き残りをかけて頑張ってくださいね~
とか、いってたと思うんだけど、
あの怖い感じに似てた。

ともあれ伊賀者は、ほんと、金に目がなくて
命の重さにうとくて、びっくりするくらいの連中なのだ。

で、話の軸になってくるのは、
「こいつら人間じゃない」と思ってしまった
伊賀のしのびの一人、無門。
無門は、伊賀のなかでも一番の使い手で
当初は、何事もなく、さばさば
やってのけていくのだけれど、
地侍たちがしくんだ作戦の駒として操られ、
信長の次男信雄との戦をしていく中で、
命がけで何かを守ろうとしている人間たちと出会い、
人間として成長していく。てか、
実は最初から無門は見失ってはならない何かを
求めていたということだったんだけど。

お国という、美人でぴしゃりとまっすぐな性状の
武家の女をさらい、妻にした影響が一番大きかったかも。

と、書いていくくと、なんだかよくありそうな
時代もの青春系と受け取られそうで嫌なんだけど、
ラストもスタイリッシュに決めてくれるし、
結果として、主軸の男が成長してしまっただけで、
中身は忍者VS武士のおもしろ合戦小説だから大丈夫。
視点のことがあるので星4つにしたが、
十分楽しめる娯楽小説です。

<追加メモ>
※日置大膳の弓がすごい。弓で遠くから
人の胴体まっぷたつにします。
人物もスカっと大物で気持ちいい。
※石川五右衛門は、これからに期待かな?
※平兵衛は無門と互角で、無門より先に、
人ではない忍びの生き方に気づいた男。
映画になったら、この男との対決場は見物だなぁ。
※忍術がおもろい。本当のどとんの術も出てたし、
無門にいたっては肩だけでなく、あばらの骨まで
はずして厳重な縄を抜けて逃げてた。
幼い頃から、骨を絶えず折られる訓練をし、
むしろ折れてる状態が普通にするのが極意だと!


この感想へのコメント


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 2

デバッグ・ガール

著者 : 北島 行徳

出版社:ポプラ社

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年08月26日

この人の作品は初めて。
もともとの作風とは全然違うらしい。
働く女性をテーマに書いてくれ、みたいに
頼まれて書いたっぽい。

ただ働く女性書いても芸がないってんで、
派遣で「ゲーム会社」に勤めることになった
女性をヒロインにして書いてみたと。
他人事じゃない業界に身を置いているので
「ああ、わかるわかる」的な楽しみ方もできた。

お話としては、派遣で渡り歩いて
単にいい男を見つけようとしてた合コン女が
ゲーム会社に勤め、奇天烈ではあるが、
情熱あるオタクたちとまじわることで
仕事というものの楽しさを知り、
人として成長する部分がメイン。

そこが、そこそこ読ませます。
ゲーム会社ってどんなところなんだろう、とか
興味がある人ならこの本読んでも損はないかな。
ほか、思ったことが3点あるので記載しとく。

1、女性の描き方
いろいろヒアリングして、ヒロインの
派遣社員像を作ったと思うんだけど、
これって女性が読むと本当に共感できてるのか
知りたくなった。
ファッションのこととか、かなり気を遣って
綴ってるんだけど、それは男が書いているから
女性を描こうと意識しすぎて、
ムダに記述してる部分もあるんじゃないかなと。
なんか男が勉強して書いてる感じが少しして
頑張ってさらっと自然に挿入してるように見えるけど、
実はこれスマートじゃないんじゃないかと。
妙にその辺がチクチクと気になった。
でも、勉強してるなとも思った。

成長小説としてのうねり感は少なめ。
サラっとさわやか系?
当初のプロットではもっと波瀾万丈に
想定してたみたいだけど、
書いてるうちにこのヒロインが
作者の中で生きだして、今のさらっとした
自然でリアルな成長話に収まったらしい。
食い足りないような気もしたので星3つ。

女の親友の話や、ゲーム会社での人間関係で
もうちょっと波乱や掘り下げがあって、
それが終盤集約していく流れがあると
もっとぐいぐいキタかしら?

ま、正直ちょっとこのヒロインに
感情移入できてなかったから
あれ以上読まされるのもつらかったかも。

派遣で渡り歩いて男捜ししてる女性で、
外見や金を重視でしょ?
あんまり気持ちのいい人じゃないのよ。
けど、それがリアリティなのかも。

いや、そもそも初めはそうだったから
ゲーム会社に入って心のデバッグができて
成長しました!って言う話なんだけどさ。
ヒロインの成長するきっかけや課程・機微も
あいまいだったから及第点。

2、もみゅー
このゲーム会社で作ってるゲームに出てくる
萌えキャラがしゃべるセリフだ。
これが至るところに出てくる。

その「もみゅー」を、発売するゲームに
セリフとして入れるか入れないかで
大いにもめるわけだけど、笑いとして弱い。
もうちょっと客観的にみて使わないと笑えないなぁ。

まぁ、ゲーム会社では確かに
そういう一言に命を賭ける感じがなくはないが…。
なんというか、例えばマキメの「ホルモォォオオ」は
きちんと笑えるように持っていけてたのに対し、
こっちの「もみゅー」は、
意図が見えすぎてて笑えない感じ。

笑いって難しい;;

3、アイの物語?
ゲーム会社の社員で、もみゅーを
入れてくれないことに腹をたてて
出社拒否するオタクがでてくる。

そのオタクを呼び戻すための手法が、
やや、お!と思わせる。

そいつが自宅でハマってる
オンラインゲームに乗り込んで
バーチャル世界で交渉し、励まし、説得するのだ。

惜しい。ここはもうちょっと広げて
遊んでもよかったんじゃないか?
ひとつのクエストをパーティ組んで
一緒にこなすなりしてさ。

山本弘のアイの物語的な興奮を味わえるのか?と
期待しちゃったから拍子抜け。

全体、サクサク読めるのはいいとして、
派遣で働く女性に興味がある人よりも
ゲーム会社に興味がある人が読むと
少しは楽しめるんじゃないかなと。

ゲーム会社で働く人の物作りの情熱は
そこそこ伝わってくるから。
作者がゲームのシナリオライターでもあるから
そこは浅いけどちゃんある。

どうせなら、よくあるタイプの
駄目駄目だと思われてたプロジェクトチームが、
ど素人の派遣社員が入ったことで
とんでもないゲームを作って
成功するストーリーが読みたかったかもしれない。
そんで、なんか小気味いいオチがついて
サラっと終わるの。

本当に駄目人間チームからスタートして
派遣社員のヒロインがきてぶつかり、
目覚め、成長し、才能を開花させてもいいか…
(フラガール系?)

人間的には社会不適合社ばかりのチームで
会社の片隅に追いやられてたんだけど、
派遣社員の女性ヒロインが光の当て方を変えると、
一人一人が実は一騎当千の才能をそなえた
化け物クリエイターたちだったとわかり、
プランナー、プログラマー、デザイナー、
モーション、テクスチャー、サウンド等、
それぞれ専門分野のエキスパートとして
ぶつかり合いながら、天下をとるソフトを
作り上げちゃうとか?
特効野郎A? ナヴァロンの要塞? うーん。


この感想へのコメント

3.anokeno (2008/06/26)
感想でした(激汗
待ってます
4.カーシー (2008/06/27)
あ、はい。
意味はわかりましたので大丈夫ですよ(^^;

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 2

壜の中の手記 晶文社ミステリ

著者 : ジェラルド カーシュ

出版社:晶文社

発売日:2002-07

評価 :

完了日 : 2007年11月13日

いやぁ、前にどこかで書いたけど、
実は一度挫折してます(汗

不思議系な話の資料的な意味合いで
購入したんだけど、そのときは
全然心のツボが違う方を向いていて
無理やり読んだので、全然物語りに入れず、
退屈して投げ出してしまったのだ。

ところがどっこい、不思議な味わいのが
読みたくなったときに、ちょろっと
試しに手を伸ばしてみたら、
やめられないのなんのって!

とにかく、冒頭の短編、「豚の島の女王」の
あまりにも残酷で美しい世界に
あたしゃぁ感動しちまったんですよ。
なんでこれを投げ出したのか、
今もって分からないんだけれど、
感動の反発で、そのときの自分を呪ったし、
なぐったし、謝りまくりましたよ(゚∀゚;)

滅茶苦茶、とっぴょうしもない話なんだけど、
なんとも言えない語り口で、
どんどん引き込まれていって、
奇妙にねじれていく物語に
え? それで? どうなるの!? 嘘、マジで!?
と、心地よく踊らされて、もう病みつき。

どこかB級ニュース的なんだけど、
語り口がなんとも軽妙で、雰囲気たっぷりで
会話も皮肉がきいてて、無駄が無くて、
語感もリズムよくて、更にどんでん返しもあって、
絶妙に粋でうまいから、
A級の奇譚として堪能しまくれる。

その、吸い込まれるように、
奇妙な話に入っていく感じは、
いつだったか、江戸川乱歩の「心理試験」とか
「押し絵と旅する男」とか、彼の短編を
読んでいた感覚に似ていた気がした。
趣のベクトルはじゃっかん違ってるかもしれないけど、
やられた感は、あたしの中では、同じ感じだった。

おすすめはどれだろう?
全部いいので迷ってしまうけど、
やっぱり残酷で、悲しいほど美しい
「豚の島の女王」ははずせないなぁ。

ありえないような運命のめぐり合わせが、
絶妙な悲劇を生み、無期刑囚にしみじみとした
感慨を抱ける「ねじくれた骨」もおすすめだ。

最後の一行でアハ!体験できる
「骨のない人間」も捨て難い。

もちろん、徐々にぞわぞわしてきて、
その意味が分かった時にハッとしてしまう
表題作の「壜の中の手記」だって大好きだ。
のっけから、ずるずると引き込まれてしまったもの。

まるでリンカーン・ライムみたいに
毒舌で、辛らつで、でもめっちゃ憎めない、
カームジンというひねくれ者が活躍する
「カームジンと『ハムレット』の台本」も
見逃しちゃもったいないな。

――とやってくと、きりがないが、
あたしゃぁ全部、それぞれ好き。
全部、標準以上に楽しめる作品だった。
CDアルバムなら、絶対お買い得な感じ。
アルバムで、全部の曲がよかった時って
めっちゃ、得した気分なるでしょ。
あれです、あれ。

ぶっちゃけ、ジャック・リッチーの
「クライム・マシン」より好きだったなぁ。

その手のものが好きだという人は、
文庫も出てるっぽいので、
お試しになってはいかがしらん?

二冊目の短編集も買ったほうがいいのかな?
でも高いんだよなぁ。
でも一度読むとやみつきなもんがありやす(汗

---
追記:野生時代11月号について

どこにも書くところがないから、
ここに合わせて書いておくとしよう(汗

新宿に居を構える作家、桜庭一樹さんの日記には
「ああ、近くで桜庭さんも頑張ってるんだなぁ」
と勇気付けられ、助けられた日々がある。

その桜庭さんが、野生時代の11月号にのってた
SF短編「リンカン・トレイン」を読んで――

モーリーン・F・マクヒュー作、柴田元幸訳。
ヒューゴー賞、ローカス賞など受賞。

――ビビッたみたいなこと言ってたので、
メシのついでと、
あとゲームいくらで売れるのかの
リサーチ(汗)のついでに
本屋によって立ち読み。
※ゲーム売らないと何もできなくなるほど貧乏!

おお。確かにすこぶるいい!
もしもあのリンカーンが死んでなかったら?
というもしも設定のSFで、
そこでは銃撃されて死んだはずの
リンカーンが命をとりとめていて、
独裁者っぽくなってるのだ。

それで、人々をセントルイスまで、
まるで収容所に送り込むように
列車に牛詰にして運んでいくんだけど、
話は、その連れていかれる人々の中の
とある母子に焦点があてられる。

この母親は、旦那が死んだショックからか、
もうろくして錯乱してて、娘に向かって
「ねぇ、どこへいくの?」
「ねぇ、もうおうちにかえろう」
などど、子供みたいにおびえていうのだ。
それも、何分かすると忘れるものだから、
何度も繰り返す。
娘は、腹立たしくも、大きな赤子のような
母親を守るしかない。

殺伐した空気の中、この親と子の関係の描写が
圧倒的にグロテスクに、せつなく胸に響いてくる。
終わり方も小憎らしいほどに粋でキレてる。

ああ、世の中には、
すげぇイメージを書く人いるんだなぁ。
がんばらなぁあかんわ。マジで。
――と思った今日このごろ。

以上。


この感想へのコメント

5.ちっこいの (2007/11/30)
読みましたよ!!
まさに「びっくり」&「納得」の「アハ!体験」でした。
良書の紹介、ありがとうございました^^
6.カーシー (2007/11/30)
>ちっこいのさん
おお! フィーリングがあったようですね!
何よりです。一つ一つ、粒だったよい作品でしたよね。
お気に入りがあったのなら幸いです!

もっと読む(6件)

 

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 20

あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

著者 : ローリー・リン ドラモンド

出版社:早川書房

発売日:2006-02

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

あとがきがすべて。

「読みながら何度も震えた」とかいう
帯がおおげさすぎると思ったが、
あとがきで震えた。

ミステリー的な要素はほとんどない。
女性警官たちのねっとりまとわりつくような
臨場感たっぷりの日常の活動や苦悩や葛藤。

ホルスターの銃の重さによって、
こすれてアザになっている腰脇の痛みさえ、
まるで自分ごとのように重くリアルに
響いてくる、そんな小説。

死体の匂いが、本当に
鼻にこびりついてきそうなほど
濃密なディテールと臨場感。

ハリウッド映画のような
テンポのいい作品ではなく、
ミニシアターで、女性警官たちの
等身大の生き様をねっとりと追った感じの作品。

息苦しくなるようになりながら、
全編読んだけれど、特に震えるほどのことはない。
確かに、せつない生き様が胸に響いてこないことは
ないし、彼女たちの苦悩はリアルに
届いてくることは間違いない。

だが、前述したように、本当に震えたのは
あとがきで、だ、

あとがきには、本編中に、
心に深い傷をおった女性警官に、
とある老女がスペイン語で語った
語訳がのっているのである。

本編中では、それはスペイン語(カナ)で
綴られており、
「なんだよ、訳をふっておけよ!」
と腹がたった箇所だ。

それがあとがきにのっているのだ。
彼女たちの背負ったひきこもごもすべてを
胸に通してから、このあとがきの言葉に触れると、
我知らず、嗚咽がもれそうになってしまった。

それは、私自身の人生経験なども加味されて、
どうしようもなく響いてくる言葉だった。

以下にその訳をのせるので、
未読の方は、ここからは読まないでください。



---
「恐怖を抱えていたら、自分を赦すことも
希望を持つこともできない。
多くのことを知っているつもりでも、
本当は少ししか知らない。
何もかもわかっている者などいないと
理解するまで、幸せにはいきられない。
自分が強いとうぬぼれてはならない。
人は自らの弱さを抱きしめるとき、強くなれる」


「人は自らの弱さを抱きしめるとき、強くなれる」

とにかく、この一言に尽きる。
これは、若輩者の私自身がここ数年で
実際に体感した、究極の法則でもある。
30過ぎるくらいで、色々経験ある人が読むと、
しみじみ響いて味わえる作品かもしれない。


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 1

家はあれども帰るを得ず (文春文庫)

著者 : 関川 夏央

出版社:文藝春秋

発売日:1998-11

評価 :

完了日 : 2007年06月20日

上原隆が紹介していた関川夏央本の3冊のうちの
最後の1冊。

これは絶版じゃないので、普通の書店で買えるはず。
32編の私コラム

電車の中で、疲れがひどくない時だけ、
1、2ページずつ、かなり間をあけながら読んだ。
読み方としてまずかったせいか、
三冊目のこれが一番印象が薄い気がした。

あいかわらずうまいことはうまい。

あとがきだか解説だかに、前の二冊より、
こっちの方が虚構部分が多くなってるかもと
書かれてあった。
技術的には最高の虚飾なんだろうけど、
本当のことが少なくなった分、
響く量も少なくなった可能性はないだろうか?

いや、本当に私の読み方が悪かっただけかもしれないが。

お気に入りは、
・「仕掛け花火に似たいのち」
・「神戸で死ねたら」
・「かつて魚になりたいと念じた」
・「北陸旅行」
・「おとうさんは自己嫌悪」

この辺がせつなくて、著者お得意のリアルな会話も盛り込まれてて好み。


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 21

シャングリ・ラ

著者 : 池上 永一

出版社:角川書店

発売日:2005-09-23

評価 :

完了日 : 2007年02月18日

時間かかったー!
大変だったけど、まぁ読み終わってよかった。

アニメみたいって言われてるようだけど
確かにそのとおり。
ない胸の美少女が、ブーメランで戦闘機や
戦車をぶったぎったり、スーパー格闘家の
ニューハーフがムチを道路の中にボコボコはわせて
敵兵の中を暴れまくったり。

うーん。

正直なかなか入り込めなかったし、
傑作とはいいがたい、かな。
視点が、神の視点で、1章ごとの中で
パラパラ切り替わって説明しちゃうのがダメ。

Aさんの視点のときは、Bさんの心の中までは
わからないのがいい。
そうすれば、Bさんのしぐさや言動から、
Bさんが本当は何を考えてるか、
Aさんと一緒に考えたり感じたりする“のりしろ”ができる。
だから飽きさせずにすむ。(と僕は思うんだけど)

でもここでは、出てくる登場人物の視点が
ぱっぱと切り替わって、いろいろ説明されちゃうから
さめちゃうのだ。

プロット自体は強引(男塾のようによみがえったり)
だけど、アニメ的には大丈夫で楽しめるものだと思う。

なんだかんだいっても、主人公の少女の
ピンチにニューハーフのモモコさんが
きてくれたときにはホロっと泣いた。
あのモモコがこのシャングリ・ラで一番のキャラだ。
賢くて、したたかで、しなやかで、グラマーで
優しくて、包容力があって、ユーモアがあって
シモネタが好きで、男に変身すると無敵。
このモモコさんだけは、本当に読む価値があったかも。


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 35

半落ち (講談社文庫)

著者 : 横山 秀夫

出版社:講談社

発売日:2005-09

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

わかるが、物足りなかった。

いつか書ければ続き書きますm(_ _;)m


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 1

将棋の子 3 (3) (ヤングチャンピオンコミックス)

著者 : 大崎 善生

出版社:秋田書店

発売日:2004-03-25

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

悪くないけど、小説の方がいいす。


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 1

将棋の子 2 (2) (ヤングチャンピオンコミックス)

著者 : 大崎 善生

出版社:秋田書店

発売日:2003-12-11

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

悪くないけど、小説の方がいいす。


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 1

将棋の子 1 (1) (ヤングチャンピオンコミックス)

著者 : 大崎 善生

出版社:秋田書店

発売日:2003-06-26

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

悪くないけど、小説の方がいいす。


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1.madi (2007/02/20)
小説のほうがいいという意見に賛成。
将棋のコマの描写もちょっとリアリティが欠ける。もっといいコマをつかってね。
2.カーシー (2007/02/20)
>madiさん
コメントありがとうございます。
ええ、ぜひ、小説版をお薦めしたいですね。
マンガの方が読みやすいから、こっちから入る人も
いると思うんですが、話を知ってから小説読むと
インパクトが減っちゃいますし、もったいな気がします。
自分は、まず小説をぐるぐる想像しながら読んだんですが
嗚咽をもらして泣き崩れた個所が…(;_;)
 

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 8

蒼穹の昴〈下〉

著者 : 浅田 次郎

出版社:講談社

発売日:1996-04

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

うーん、やっぱりごめんなさい。


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 8

蒼穹の昴〈上〉

著者 : 浅田 次郎

出版社:講談社

発売日:1996-04

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

ごめんなさい。僕の勘違いでしたので評価低いっす。
もっと火怨とかみたいな合戦小説+権謀術数の
物語かなとおもいきや、
確かに権謀術数はあるものの、合戦というより
チュンルや梁の成長出世物語なのだ。

あと西太后の素顔とか(これは意外でおもろい)。
中に出てくる武将や文官にもキラリとひかる
やつはいるけど、火怨系の話を期待してたからさ…

下巻の後半で巻き返しがあるのか?


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 5

体の贈り物 (新潮文庫)

著者 : レベッカ ブラウン

出版社:新潮社

発売日:2004-09

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

ごめん。僕にはピンとこなかった。
響かなかった。


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 3

瞳の中の大河

著者 : 沢村 凛

出版社:新潮社

発売日:2003-07

評価 :

完了日 : 2007年01月15日

壮大な歴史ロマンときいて、手を出してみたものの、
出だしから文体と、主人公のキャラが気にいらなくて挫折。
ちょうど、北方謙三節をたっぷり読んだあとだったから
この文体のリズムに耐えられなかったのだ。
で、まずそれをわびよう。すまぬ。
我慢して読んでいったら、確かに傑作だった。

途中まで読み進めれば、あとはやめられない。
この真面目なんだか秀才なんだかわからない
テミズ大佐を応援したくなる。

国軍と賊軍があって、テミズは国軍ね。
冒頭、賊軍(オーマ)側にとらわれ、接触し、
賊軍には戦う理由(貧しさや、貴族とかの横暴)があると
わかる。
この話の流れからするに、テミズはきっと
国軍から賊軍になるのだろうなぁと予想してしまう。

ところがあにはからんや、民が貴族に苦しめられてる
現状を知っても、彼は大まじめに国軍の言い分を貫き通す。
と、思いきや、更に欲張っちゃって、賊軍の言い分まで
引き受けて、両方面倒みようと頑張るから面白い!
普通、どっちかに生きるだろ!
だってその方が楽だし(笑
でも、それをしないのがこのテミズ大佐なのだ(゚∀゚)ゞ
物語が個性的で面白いのはそれのせいかな?

実際、本当の理想の道って左でもなく、右でもなく
中道なんだと思う。でもそれの舵取りってすんごい
困難でしょ、現実問題さ。
それを目指すのだな、このテミズという男は。
(以下、内容に触れていきますぞ。ご注意あれ)


後半は一時賊軍になったけど、それだって、
あくまで内戦をおわらせる手段として選んだだけ。

最後は、採石場で囚人として働かされて、
賊の仲間の助けで脱走するんだけど、危険な採石場での
毒がまわって自宅であっけなく死んでしまった(泣

でも国は、彼と地震のおかげで一歩前進したのです。
60年に一度の大地震というのが、
ずーっと前フリであって、後半、ちょうどいいタイミングで
それがおきて、政治の実権者みんな死んじゃうから。
で、継承権の低くて未来もなにもなかったメイダン殿下が
王になって、内々で考えつくされていた布告を発表し、
ひどい内戦を終わらせた、と。
この殿下は、頭いいんだけど将来がないから、
将来があったらこんな布告するのになぁと
ずっと考える遊び?をしてて、人知れず腐敗した
政治を立て直す方法を模索してたのね。
それがちょっとづつ本気になり、やがて現実になったと。

あと、終盤の謎解きでわかるのは、一番あくどいことを
してた賊から賄賂をうけとっていたのは
ずっと尊敬してて、テミズにとっては伯父である
南域将軍だったってこと。
あとオヤジは、息子とどう接していいかわからない、
どこにでもいる弱い人間だったってこと。
この本は実は父子の物語でもあるのだ。これが実にいい。

さて、テミズ大佐が死んでも、内戦がおわっても
まだまだ確執は続いているという。
でも義理の息子のシュナンが、
メイダン王の暗殺を阻止して活躍したっていうし、
賊軍のカーミラとの間にうまれた、実の娘も
活発に生きてるっていうし、希望はある。
このカーミラとの関係が燃えたね。
3回しか愛し合ってないんだけど、
敵味方こえて激しくまじわったよ。
そしてカーミラは捕まった時、よく拷問によくたえた!
めちゃ犯されまくったのに(ひわいでごめん)m(__)m

あ、げんこつのセノンが中盤から仲間になったのが好き。
最初敵対してた強い奴が、味方になると頼もしい
っていうパターン大好きだからヽ(≧∇≦)ノ
そして肝心のオーマ(賊軍の棟梁の一人)は
ひょうひょうとしていつまでもつかみどころが
なかったなぁ。最後おいしとこちょっと持ってったかな?

確かに血湧き肉踊る、北方謙三のような
合戦の模様なんかは、描かれてないっす。
でも、確実におもしろかった。
国軍でありながら、賊軍の思いも受け取り、
とにかく国民のために命をつくそうと、
白黒はっきりさせないまま生き抜くスジだてが
生々しくて、勧善懲悪でなくてよかった。
そしてカーミラ(女)の造詣がよくて、愛しいのだ。


この感想へのコメント

1.たま (2007/02/08)
カーシーさん
はじめまして。
同じ本を読んでいる人がいて、嬉しくて書き込みしました。
しらばらく前に読んだのですが、カーシーさんの感想で一気に思い出しました。
2.カーシー (2007/02/08)
しとさん、コメントありがとうございますヽ(≧∇≦)ノ
自分はすぐ内容忘れちゃうので、備忘録もかねて
ついダラダラと書いちゃうのでした。
皆様にはネタばれになって申し訳ないのですけれど、
でも、これで思い出してくださる方もいらっしゃると知って
安心しましたε-(´▽`)フッ
 

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 14

アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ)

著者 : 古川 日出男

出版社:角川書店

発売日:2001-12

評価 :

完了日 : 2007年01月06日

誰か教えてくれ。最後どうなったっけ?
途中からもうすっとばし読みで忘れてしまった。
けっこう我慢強いほうだけど、冗漫すぎて駄目だった。

エジプトにナポレオンがせめてくるんだけど
それを阻止するために、その地域でナンバー3くらいの
位置のやつがとある企みをくわだてるのね。

そのナンバー3の部下にアイユーブってのがいて
こいつのいう話では、災いの書っていう
伝説の書があって、これをよんだものは
とりこになって戦争どころじゃなくなるという。
だからその本のフランス語版をつくって
ナポレオンに謙譲しようってんだな。
そしたらやっこさんが、戦争突入しないだろうと。

ところが翻訳もなにも、実は原本もない。
上司にうそついたの? 口からでまかせ?
かとおもいきや、ズームルッドという女性の語り部に
毎夜会いにいって、その女の語る千夜一夜物語を聞いて
その場で書き取って、リアルタイムで災いの書的なものを
作ってるんだよね。

読者は一緒に、ズームルッドの話を聞いてくことになるから
そのめくるめく物語についつい引き込まれていくって感じ。
まぁとにかく確かにその話自体は波乱万丈で、
王子や姫や魔法の剣や呪いや妖術や迷宮がでてきて
面白いんだけども、いかんせん語りだから
「ああ、なんということでしょう、そうなのです!
ついに、ついにそれが現れたのです! これこそ~」
みたいに、冗長というか、無駄なあおりが多い。
だから僕にはきつかった。

以下、ネタバレ注意!












で、話はもどるけど、ナポレオンの前に、
書物好きの上司のナンバー3にこれを
読ませちゃったものだからナンバー3は、
これの中毒になってしまった。
3は、ナポレオンがきたときにはもう
ボロボロになって役立たずなわけ。
だったよね?

で…ごめん。
途中からすっ飛ばして読んだから
じつは最後はあまりよくわからん。

どうやら、アイユーブはもともと
悪知恵のきくナンバー2が用意した刺客だった
ということらしい。
違ったら誰か教えてくださいね(汗

アイユーブ自身小さいころに洗脳されてて
わかんないけど、ナンバー3の役に立つように
ふるまいつつ、実は自滅の道へさそいこんでいたと。

でもその刺客を育ててもぐりこませてた
ずるがしこさ最高のナンバー2も
ナポレオンにやられたし意味なかったよね。
やられたよね?

で、語り部だけが残って、やがて、数奇な運命をたどった、
そのアイユーブの物語も今度から語られていくだろう
って感じのEND。
じゃなかったけ?^_^;

肝はその千夜一夜の部分なんだろうけど、
僕はみんながほめてるほどいい読者じゃなかった。
確かにひきこまれちゃう所がないではない。
京極っぽく酔える感じで。
でもやっぱ冗長冗漫でよんでられなくなる。
なので評価はいまいちです。


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 1

魔術師の帝国 下  ハヤカワ文庫 FT 61

著者 : レイモンド E.フィースト

出版社:早川書房

発売日:1984-01

評価 :

完了日 : 2006年12月18日

どうもデビュー作らしんだが。
うーん。つまらなくはない。

ベタなファンタジーではあるけれど。
人物もそこそこかけてる方だとは思う。
エイモスとか好きだし。

でもねー。
七王国とか読んだあとだとね。まだるっこしくて。
特に人物視点がころころかわるんだ。
一章の中で、視点がかわるのが
どうにも気にくわない。

最初っから神の目ならいんだけど、
中途半端にそこにいる人物の視点で
きりかわるからどうもおかしい。

おちこぼれだと思ってたパグは
別世界で大魔法使いとなって帰ってくる。

トマスは呪われた鎧で強くなるんだけど、凶暴になる。
でも呪いがとけて、性格のいい最強剣士になる。
でもでもそれは、マクロスっていう
大魔法使い全部運命でわかってたことになってる。
それが更につまらなくさせてるよね。
まぁ、仕事の資料的な価値はあったかと


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 1

魔術師の帝国 上 (1) (ハヤカワ文庫 FT 60)

著者 : レイモンド E.フィースト

出版社:早川書房

発売日:1984-01

評価 :

完了日 : 2006年12月18日

どうもデビュー作らしんだが。
うーん。つまらなくはない。

ベタなファンタジーではあるけれど。
人物もそこそこかけてる方だとは思う。
エイモスとか好きだし。

でもねー。
七王国とか読んだあとだとね。まだるっこしくて。
特に人物視点がころころかわるんだ。
一章の中で、視点がかわるのが
どうにも気にくわない。

最初っから神の目ならいんだけど、
中途半端にそこにいる人物の視点で
きりかわるからどうもおかしい。

おちこぼれだと思ってたパグは
別世界で大魔法使いとなって帰ってくる。

トマスは呪われた鎧で強くなるんだけど、凶暴になる。
でも呪いがとけて、性格のいい最強剣士になる。
でもでもそれは、マクロスっていう
大魔法使い全部運命でわかってたことになってる。
それが更につまらなくさせてるよね。
まぁ、仕事の資料的な価値はあったかと。


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 3

コズミック―世紀末探偵神話 (講談社ノベルス)

著者 : 清涼院 流水

出版社:講談社

発売日:1996-09

評価 :

完了日 : 2006年09月19日

最初ね、とにかく人が死ぬばっかりで
物語が進まないから、いつ推理はじまんだよ!
ってちょと退屈なんだけど、
中盤から、凄腕の探偵たちがでてきてなんかワクワク。

でも、実際のところは、核心のところは
さすがにみんな言わないから、設定的な
はったりになってるところもあるんだけど。

ただそれでも、必ず推理がはずれる
ピラミッド・水野ってのはインパクトあった。
必ずはずれるってことは、その逆もまた真なりで
その反対を考えるとあたってるんだよね。
まぁ、水野は推理を思いついてこれからってときに
密室卿に……(汗)

うーん、本格の人がみたら、
びっくりのトンデモ本なのかもしれないけど
それなりに楽しめたなぁ。

ただ、冒頭の殺人が長すぎて退屈だった(´Д`)

人物もいっぱいいすぎてちょっと掘り込みが
記号的になりがち。必要最小限だけ。
いや、これは本人もそこに重点おいてないと思うから
いいと思うけど。

同じ分厚さでも、京極のように
ずっと読みつづけていたい!
っていう酔いはなかったっす。


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