たなぞう

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カーシーさん > 読書ノート

カーシーさんの読書ノート

ダメ男に浸る…
苦しければ苦しいほど、どうしようもない感じに浸りたくなるのは
なぜなんでしょうか? そんなことありませんか? 僕はあるのですが、
そんな時手にとりたい、実にどうしようもない感じのものをここに。
でもそこから人間て再生したり復活したりできるから…(゚∀゚;)
まずはこの本で底をうつべし!

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 21

赤めだか

著者 : 立川 談春

出版社:扶桑社

発売日:2008-04-11

評価 :

完了日 : 2008年08月26日

夜中の3時から読み始めて、
朝6時半まで一気読み。

何度か本気で吹き出し、夜中に大笑い。
そして、気がつくと腹の底に
開き直ってありのままに生きる元気が
むっくり湧いている。

「落語は人間の業の肯定だ」
至言だと思った。

よく知りもしないくせに
急に落語が聞きたくてたまらなくなった。

怖いようで、情にもろい、
揺れる落語の天才、
立川談志の人となりが
ほっこり憎めない像となって
こちらの脳裏に浮かび上がり、
それがいつのまにやら
懐奥をさわやかに暖めてくれる。

※一緒にいたら胃がいくつあっても
足りなそうだけど、そのまんまでいてほしい人。
後にも先にもあらわれないであろう
めっぽう人間くさい、御仁だ。

師匠クラスの人の逸話も面白いし、
なにより弟子たちのやりとりも
笑えて、泣ける。
語り口が落語家だけに
メチャメチャよくて
立て板に水が流れるように
すらすら読めて止まらない。

どもりの志らくが好きだったなぁ。
師匠から言われたことでも
自分のやりたくないことは
絶対やりたくないんですと断って
認めさせた。つわもの。
談春の弟弟子だけど、
談春より早く真打ちになっちゃった人。
志らく以外の前座仲間もみんな
おかしかったけど。

立川談志と、その師匠の小さんとの
からみもよかった。

なんというか、
人間と人間が本当に
ぶつかったときに
何かが生まれるんだなって感じる。

そして、人はなにもビビって
生きる必要はなく、
あるがまんま、腹くくって、
これがわしなんだから
しかたねぇじゃねぇかと
開き直ってあっけらかんと生きることが
幸せなんだと思えてくる。
じゃなきゃ、別々の人間に生まれた意味もないし、
個性があっても萎縮して出るモノも出なくなる。

どうせ生きるなら
なにか自分だけにできる
おもしれぇことして生きたいと思った。

談春の前座時代は
もうそのまんま現代落語ですな。知らんけど。
本を置く暇がないとはこのこと。

元気出したい方や
日々、なにかしら緊張して生きてて
疲れ切ってる人なんかにいい処方箋本かと。

※私は元気出過ぎて、そのあと一睡もできず、
次の本を読み始めて、そのまま会社へ
行くことになってしまった。眠い!
けれど肩の力が抜けていて良い気持ちだ。


この感想へのコメント

1.anokeno (2008/11/14)
読んでみたくなりました
2.カーシー (2008/11/14)
>anokenoさん
いらっしゃいませ~。
自信をもってお薦めしますよ。
元気も出ますし。
 

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 1

子供の眼

著者 : リチャード・ノース パタースン

出版社:新潮社

発売日:2000-09

評価 :

完了日 : 2008年06月25日

自殺か?他殺か?検察は後者と見た。
恋人テリの夫・リッチーの殺人容疑で、
なんと辣腕弁護士・クリストファ・パジェットは
逮捕される。
群がるマスコミ。息子・カーロやテリにも
芽生える不信。深まる孤独。
証言は次々と覆され、陪審員の心証は
日々入れ代わる。
そして、息詰まる公判はすべて終わったが…。


*****
前作「罪の段階」で、殺してやりたいくらい
憎らしいキャラだったリッチー(駄目男)が
なんと冒頭で死んでくれる!

やったー! 
今までさんざんテリーをいじめてたから
胸がスカッとしたぜ。
それにテリーはパジェットと
お付き合いして愛し合うことになっていくし
バンバンザイだぜ~……
と思ったんだけど、
やっぱり世の中そんなに甘くない、
パジェットのアリバイがどうにも怪しくて
なんか本人も隠してるし
とうとう殺人容疑で逮捕!
子供関係も恋人関係も仕事関係(上院議員選挙に
出馬するはずだった)もボロボロになってく。

でもでもでも!
その土壇場でサポートしてくれるのが
なんと「罪の段階」で、大岡裁きを
見せてくれた名女性判事のマスターズ!
彼女が弁護士として、敏腕ぶりを
これでもか!っていうほどみせてくれる!
もう本当にかっこいい! 大好き!

コップに入った半分の水も
ある人からみれば、もう半分しかない、
しかしある人から見れば、まだ半分ある。

そんな感じで、舌鋒鋭く
陪審員の印象を二転三転させて
覆していく快刀乱麻ぶり。ほれぼれ。
ここの手に汗握る
陪審員制度の裁判シーン読まなきゃ
死んでも死にきれなかった。

それだけ言えばもう
なにもいうことないんだけど、
あと3点だけ書いておく。

ひとつは、犯人はわりと序盤の方で
察しがついてしまう。
叙述トリックが使われているといえば
たぶん使われてると思う。
でも、ミステリーではないから全然大丈夫。
察しはついても、最後の方まで
確信もてない情報の入れ方してあるから
サスペンスとしてはしっかりしてる。
ぐいぐい読ませます!

もうひとつ。
この作者の書いてきたシリーズ作品の流れが
見事に読者の気持ちをつきまくってて驚く。
「罪の段階」を読んで、私は
次は、リッチーとテリ(パジェットのサポートを
していたキュートな女性弁護士)の夫婦関係を
メインに掘り下げたものが読みたいぞ!
と思ってたら、
なんと「子供の眼」がまさにそういう作品で、
さらに「子供の眼」を読み、
マスターズの弁護士としての活躍にも
ほれぼれしてしまったのだが
その肝心の彼女の過去は語られてないので、
次はマスターズの生い立ちを知りたいぞと
思ったら、「最後の審判」が
まさにそれだったのだ。

確信犯なんだろうけど、いやはや
本当に至れり尽くせりな作家さんだと思った。
※確信犯の使い方間違ってるかも。

最後に一番大事なこと。
この本を読んだ感覚なんだけど、
なんて表現したらいいんだろう。

本当に質の高い、不朽の名作映画を
5,6本続けてみたぐらいの
濃密な充足感があるのよ。

いい映画やいい舞台を思い浮かべたとき
その画や空間が、まったく過不足なく
役者の芝居や、リアリティのあるセットや
調度品や照明効果などの空気感で
緊密に埋まってるのがわかると思うんだけど、
この作家の本はまさにそれなの。

登場人物たちが今どういう心理なのか、
それが血の通ったきめ細かいしぐさや
芝居(いや、芝居じゃないんだけどさ)で
丁寧に描かれてるんだけど、そこをきっちり
はずさずカメラで抜いてくれているのね。
いいカメラマン使ってるし、
演出も無駄がなくてうまいの!

そして、建物や調度品や土地の空気まで
すっかり手に取るように緊密に画面にとらえて
伝えてくるものだから
そこにぐわっと立体化する物語は
これ以上なく、濃厚で濃密で現実的に
なっているのだ。
※小道具さん、大道具さん、そして
ロケハン隊のみなさん、本当にご苦労様でした!
と言いたくなってくるくらいすばらしい。

サクサクっと展開するスピード重視の
映画もいいけど、じっくりとつぶさに
人物を描ききって、多層・多重的に
豊かに深く、味わえる映画もいい。

濃厚ではあるけど、「罪の段階」も「子供の眼」も
三人称多視点のベストな構成で
切り替わっていくから全然飽きないし、
訳文のリズムも素敵だから
もう流れるように止まらずに読める!

つーか、サスペンス的にも気になって止まらせて
くれないんだけど(汗
登場人物にどっぷり浸かって入れ込んじゃうから、
どうなるの! どうなるの!って感じで
常に宙づり状態! いや、うまいうまい!

ともあれ、最高のリーガルサスペンスに
間違いないですから、
未読な方は今すぐ読んでください。
文庫本で出てるみたいだから幸せです。

私は、単行本で買って、8年?積んでました。
後悔してます。

いや、常に優先枠に入れてたんだけど、
なかなか(自分の中の)運命の歯車がこの本に
スポットライトをあててくれなくて…;;

とにかく、本好きの方であれば、
読まずに死ねない本だと断言できます!
今更ですが、ぜひ!!


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 1

遺跡の人 (アクションコミックス)

著者 : わたべ 淳

出版社:双葉社

発売日:2007-12-12

評価 :

完了日 : 2008年02月18日

これは、個人的に、
どうしようもなく好きな実話漫画。
遺跡発掘、というドカタみたいな泥臭い話なのに、
透明感がただよって、しみじみ浸れる。
吾妻 ひでおの「失踪日記」にいいけど、
これもいいぞ。

とくに自分の歴史とかぶり、
心穏やかには読めなかった。

「アンダーカレント」と同じくらい好きだ!

夢をもっていて、
まだうまくいってない人。
静かな勇気をもらえるはず。

有名マンガが食えなくなって
遺跡発掘バイトにせいだす日々。
それがしみじみ輝いている。


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 2

将棋の子

著者 : 大崎 善生

出版社:講談社

発売日:2001-05

評価 :

完了日 : 2007年12月07日

本当はこっそり秘密にしておきたかった嗚咽本(T_T)

田舎をもち、夢をもち、東京に出て、
親を病気で亡くすとか、予想外の出来事に
挫折を繰り返してきた人間なら、
間違いなく嗚咽する!

将棋のノンフィクション小説だったのが
マンガにもなったんだけど、小説の方が
自分でいろいろ想像してオーバーラップ
するぶんだけ嗚咽度は高いっす。

将棋の奨励会というところには
年齢制限があって、たしか26歳まで
4段(プロ)になれないと退会となる。

かつて神童と呼ばれた子達が、26歳になって、
プロになれず、将棋しかしらない状態で
社会に放りだされたら……

うー、とりあえずこんな感じで許してください(汗
嗚咽がもれたところは書かないでおきます。



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 1

家はあれども帰るを得ず (文春文庫)

著者 : 関川 夏央

出版社:文藝春秋

発売日:1998-11

評価 :

完了日 : 2007年06月20日

上原隆が紹介していた関川夏央本の3冊のうちの
最後の1冊。

これは絶版じゃないので、普通の書店で買えるはず。
32編の私コラム

電車の中で、疲れがひどくない時だけ、
1、2ページずつ、かなり間をあけながら読んだ。
読み方としてまずかったせいか、
三冊目のこれが一番印象が薄い気がした。

あいかわらずうまいことはうまい。

あとがきだか解説だかに、前の二冊より、
こっちの方が虚構部分が多くなってるかもと
書かれてあった。
技術的には最高の虚飾なんだろうけど、
本当のことが少なくなった分、
響く量も少なくなった可能性はないだろうか?

いや、本当に私の読み方が悪かっただけかもしれないが。

お気に入りは、
・「仕掛け花火に似たいのち」
・「神戸で死ねたら」
・「かつて魚になりたいと念じた」
・「北陸旅行」
・「おとうさんは自己嫌悪」

この辺がせつなくて、著者お得意のリアルな会話も盛り込まれてて好み。


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 1

森に降る雨 (文春文庫)

著者 : 関川 夏央

出版社:文藝春秋

発売日:1992-11

評価 :

完了日 : 2007年04月04日

上原隆が紹介していた関川夏央本の3冊のうちの1冊。
こちらも絶版で、アマゾンで買い求めた。

エッセイが43篇。

今回もあいかわらずうまい。
紋切り型の比喩や表現がまるでない。
どうしたらそんな表現が思いつくのか、と
羨ましくて仕方がない。

ものを見る距離感とか、関川独自の
「哀愁やさぐれフィルター」と呼んだらよいのか、
ものの見つめ方自体も嫌いになれない。

彼の書くものは、本当のことにしか思えないが
嘘も混じってるらしい。
本当のことを下書きにした創作コラム、エッセーなのだ。
そういう意味では小説(フィクション)ともよべる。
父や母の話など、まったく本当のこととして捕らえていた。
いや、そこにある本質は真実なのだとは感じるが。

母親がずいぶん神経質でヒステリックな印象がある。
そのうつ病の母親にとっちめられる父親とか、
それを見ている関川少年とか、家族のことを書いた作品は
妙にそわそわして穏やかに読めない感じがある。
母親にビクビクしていたのが伝わってくるのだ。

その母親が寂しく死ぬシーンとか、想像すると胸にくる。

森鴎外や、樋口一葉の話などもこの人に書かせると
しみじみとうまい。

独断と偏見で選らんだ9編はこれ。

・授乳の時間
・夏の儀式
・蒼ざめた豚
・不運な彼女
・森に降る雨
・ルナアルの『にんじん』
・栗の花がかおる
・この場所以外のどこかへ
・ちゃんとしなきゃ駄目よ

この9編読むだけでも、アマゾンで買う価値が十分あった。

すごさをわかってもらうために2箇所だけ、
抜粋させてもらう。

イチオシは不運な彼女と蒼ざめたブタだけれども、
紹介するのは表題作の森に降る雨だ。

関川の学生時分のできごと。
体育館へと続く渡り廊下に貼られていた数枚の絵の中の
一枚に目が吸い寄せられ、ふと足が止まる。

「そこには雨の降る森が描かれていた。
暗い青色をした森は果て知れぬほどに深く、
雲は重くて寒そうだったが、なぜか陰惨の印象はなかった。
どの色もごくごく薄く塗ってあったから、
画用紙の細かな凸凹が透けて見えていた。
それさえもすでにひとつの色だった。
(中略)
多量の水分は絵具の色素を四方ににじみださせて拡散し、
絵そのものがあたかも水のみで描かれているような感じを受けた。
わたしはその絵からはっきりと、雨と森のにおいを嗅ぎあて、
しばしその場に立ちすくんだ。
そしてそのときのわたしが抱いた感情は、おびえと安らぎが
奇妙なバランスをとってぶるぶるとゼラチンのように震えていた」


なんて表現を使いこなすのだろう、この人は。
あとひとつは、この場所以外のどこかへから。

大学5年生の関川青年は、中国人がいとなむ
北青山のラーメン屋で皿洗いのバイトをしていた。
学校の教授と馬があわず、不遇をかこっていた関川。

その教授から研究室に通えと言われたので
もうバイトはできないと嘘をついてやめる関川。

口うるさい20代の中国人の女主人は、苦々しげに
働いたぶんのお金2万円を関川に渡す。
ニンニクを包丁で切りながら、出てゆく関川を睨む女主人。
嘘ばっかり、どうせどっかへ遊びにいくんでしょ、
学生なんか信用できないんだから、とその目が語っていた。

その夜、普通列車をのりつぎ、
彼は友人と遊ぶため因島へ向かった。

「わたしはどこかへ行きたいとつねに強く望んでいた。
自分がいる場所以外ならどこでもよかった。
将来の展望は見えず、自分の適正も皆目わからなかった。
ヨーロッパ人の教授たちとの折合いは最悪で、
わたしは彼らを侮りつつ嫌い、
彼らはわたしを憐れみつつ嫌っていた。
かといって放浪に出る気力もなく、
切れない包丁で 菜っ葉を刻むようにして
時を刻んではいらだっていた」

脱帽。
最近はmixi病でなかなか読書が進まないが、
もっと書を読み、修練していかなくては。


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 1

水のように笑う (新潮文庫)

著者 : 関川 夏央

出版社:新潮社

発売日:1990-12

評価 :

完了日 : 2007年03月16日

上原隆が関川夏央を敬愛していて、自分の著作の中で
彼の文章をいくつか載せて紹介していたのだ。
それを読んですぐさま欲しくなり、
紹介されてた本をアマゾンで買い求めた。
3冊のうち2冊は絶版なのか売ってなかった。

エッセイが48篇。
これを読むと、自分の文才の無さや、
表現力の無さに愕然とする。
文章がきれているのだ。

比べちゃあかんと思いつつも、読んでいると
うまいなぁ、まいっちゃうなぁと感心し、
そののち、自分の冗長な文章を思って滅入ってくる。

まぁそれは仕方がないとして。
出てくる会話の何気ないうまさには本当に舌をまくし、
何かを否定する時の舌鋒の鋭さと皮肉には
恐怖すらおぼえる。
ものをはかるモノサシもけして狭くないし、
欧米・アジアが視野に入った深い洞察がある。

リズムがあって、ユーモアもあって
一語一語、研ぎ澄まされてて無駄もない、
それで立ち上ってくる内容もむろん濃い。
批判であれ、郷愁であれ、感傷であれだ。 

好きなのは
「大衆食堂小景」
「一九七三年のストライキ」
「美しかるべき五月」
「九月になっても」
「原稿屋稼業」
「彼女のオートバイ、彼のヒマ」
かな。

そんなにイイと言うのなら、どこか一部抜粋してみろよ、
と思われてる方もいるだろう。
選ぶとしたらここかな、やはり。

『美しかるべき五月』

雨の夕方、新宿ルミネの階段を登りかけて
わたしは立ちどまった。
人混みのなか、階段を降りてくるひとに
見覚えがあった。相手も一瞬遅れて気づき、
ステップ上で凍った。人の流れが割れた。
彼女もわたしも、急流に打ち込まれた棒杭のようだった。
水滴がコウモリ傘からぽたぽた垂れて床にひろがり、
階段につたい落ちた。

17年ぶりの昔の彼女と偶然再会するシーンの冒頭。
なんとまぁ鮮やかで叙情的なシーンだろうか。
たまらんなぁ。かなわんなぁ。

全部が全部、自分にぐっとくるエッセイではないし、
どうしたって時代を感じさせるので星は4つ。
でも内容的な古さはあって、文章のうまさは関係ない。
関川さんの視点、何をどう見てるのか、という
フィルター自体も好みだった。
さみしくて、偏屈で、怜悧なおじさんはいい。


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 2

雨の日と月曜日は (新潮文庫)

著者 : 上原 隆

出版社:新潮社

発売日:2005-05

評価 :

完了日 : 2007年02月23日

読んだことあるなぁと思ったら、
「1ミリでも変えられるものなら」を
文庫化して改題してたやつだった。

でも再読するぐらいの価値あるものだから
よかった。

そのうちもうちょっと感想かきます。


この感想へのコメント

3.take9296 (2007/03/04)
ありがとうございました。2冊とも書店にはもうないようなので、いつか図書館で探してみたいと思います。
エッセイ集の新刊にも期待しています。
4.カーシー (2007/03/05)
>take9296さん
ああ、そうだったのですか。
調査不足ですみません。

もし読む機会がありましたら、感想など書いて
いただけたら読みに行きたいと思います。

もっと読む(4件)

 

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 2

心が雨漏りする日には

著者 : 中島 らも

出版社:青春出版社

発売日:2002-10

評価 :

完了日 : 2007年02月05日

いずれ感想書きたいです。


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 2

将棋の子 (講談社文庫)

著者 : 大崎 善生

出版社:講談社

発売日:2003-05

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

本当はこっそり秘密にしておきたかった嗚咽本。

田舎をもち、夢をもち、東京に出て、
親を病気で亡くすとか、予想外の出来事に
挫折を繰り返してきた人間なら、
間違いなく嗚咽する!

将棋のノンフィクション小説だったのが
マンガにもなったんだけど、小説の方が
自分でいろいろ想像してオーバーラップ
するぶんだけ嗚咽度は高いっす。

将棋の奨励会というところには
年齢制限があって、たしか26歳まで
4段(プロ)になれないと退会となる。

かつて神童と呼ばれた子達が、26歳になって、
プロになれず、将棋しかしらない状態で
社会に放りだされたら……

うー、あとで感想全部リニューアルするつもりですが、
とりあえずこんな感じで許してください。


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 12

今夜、すべてのバーで (講談社文庫)

著者 : 中島 らも

出版社:講談社

発売日:1994-03

評価 :

完了日 : 2007年02月02日

これはなんだか身にしみた。
読むのが重苦しくなるくらい。
アル中の作家の、ケツの置き場のない
不安ややるせなさが充満してる。

繊細で透明感のあって読みやすいし、
らもさんってやるじゃん。

こんなんだから薬に頼っちゃうんだなぁ。


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 5

うつうつひでお日記 (単行本コミックス)

著者 : 吾妻 ひでお

出版社:角川書店

発売日:2006-07-06

評価 :

完了日 : 2006年08月14日

これはきた。ちょうど会社がどうなるかわからん時期で
自信も揺れてたし、うつうつとしてたところに、
このうつうつとした日記でしょ。

なんだろね、この気持ちをなぞりたくなる感じは。
このひと、失踪日記が売れなかったら
またやばかったんじゃないかな。

毎日笑っていいともみて、図書館で本かりて、
寝て、なんか食って、ウツウツとして、
安定剤のんで、散歩がてら図書館いって、
ちょっと仕事してウツウツって感じ。

でもその感じがわかるんだよね。
ひきづられちゃうねこのテンション。

でも本だけはすごく読んでるし、
なぜかお笑いと、爆笑問題のバラエティと
格闘だけはチェックしてんのね。
それもよくわかるなぁ。

あとこの人の食ってる卵納豆キムチご飯ってのが
うまそうでうまそうで腹がへってくるのだ。

今少し持ち直したけど、
これ読んでる時はまじでウツウツした。

でもさ、こんな人もかわいいし、
輝けない時期がきても、またそれが
自分を強く豊かにしていくしさ。
カエルだって跳ぶときはいったんしゃがまなきゃ
いけないんだからさ。

浮き沈みはけして悪いことばかりじゃないよ。
うん。ありがとう俺。


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 12

失踪日記

著者 : 吾妻 ひでお

出版社:イースト・プレス

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2005年10月10日

なんだか疲れて電池切れの時よんだら
ますますブルーになった(笑

でも名作かも。
デフォルメしたまるっこい絵で
怖いことやってくれる。

本当に失踪してコジキになったり
アル中になったり。

すっごい悲惨なんだけど
それを一度飲み込んで咀嚼して
たんたんとユーモアをまぜて
吐き出したものだから、けっこう明るくて怖い(汗

別のベクトルだけど、すっごい内面的な情報量を
ギャグ漫画でこなしてみせる、みなもと太郎先生を
彷彿させた。
みなもと先生も大好き。歴史の師匠です。

場合によっては、ブルーになるからわけあり本で。


この感想へのコメント

3.ちっこいの (2007/09/10)
カーシーさん、お返事ありがとうございます。
恐縮だなんて…こちらこそ恐縮です(汗)
ご夫婦での闘病、大変でしたね。でも、得られたものもとても大きかったようですね。私も病んでみて、初めて分かったことがいろいろありました。お互い無理せず行きましょう♪

吾妻ひでおさんも、どん底で得たものを描いてるから、嘘がないですね。真実は強い、と思います。
4.カーシー (2007/09/11)
ちっこいのさん、ありがとうございます。
つらい時は、本当に死ぬほど苦しかったり、
投げ出したくなったり、絶望してしまいますけど、
生きてその先に行き着ければ、それらがすべて
闇の財産として自分の血肉になっているのが
わかりますよね。

苦しいですけど、この道を通ってよかったと思います。
闇が深ければ深いほど暁は近い。それは真実な気がします。

もっと読む(4件)

 

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 81

流星ワゴン (講談社文庫)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2005-02

評価 :

完了日 : 2004年06月10日

設定的にドラマチックなようで、しかし、現実には
そんな甘い奇跡はおきない。甘い奇跡で震えるような
カタルシスを期待しちゃってた僕が悪い。
でも期待通りの話ではなかった、という意味で
わけありカテゴリーにしました(汗

いや、これは僕が悪い。リアルなベクトルを選んだ
この本が正しい。だから傑作になったのだとも思う。

ともあれ、まがうことなき重松はんの濃厚な家族小説だ。
やるせねーぞ。まず、ど頭が好き。

リストラされた主人公がもう疲れたといって
死にたくなってるところへ、いつのまにか
ワゴンがあらわれて、中から「おそかったね」
「ずっと、待ってたんだよ」という声がする。
そして長い長いドライブにでるわけ。

もう長くはないはずの父親に、金をせびりにいく
みじめな自分。
ところが、その父が若くなって自分の目の前にあらわれる。
あーだこーだ、本当の父親とは言えなかったことを、
本音をぶつけあう主人公。
そこに友情とは違う何かかがかよいはじめる。
(以下、内容にふれますのでご注意!)







ドライブしながら、自分の息子が、いじめられてた原因や
受験のプレッシャーのすごさや、自分自身のいたらなさや
息子がパチンコでキケンな遊びをしていたことや
妻がテレクラと知り合った行きずりの男と
たびたびSEXを繰り返していたことがあきらかになる。

でも、このドライブはそれをやり直すためじゃないんだな。
やり直せないの。
そしてドライブが終わり再び、あの時の自分の時間に戻る。
なにも変わってない。
妻はやはりテレクラでやってるだろう。
息子はだんまりを決めて、キケンな状態だ。

いや…、変わっている。
自分だ、自分の意志のベクトルが変わっている。
あの大切な瞬間瞬間、なんにもできずに
漫然とすこしていた自分ではない。
大切な瞬間とは、いまこの瞬間なんだ!
ここでなんとかすれば、状況はいくらでも
かわっていくんだ!

そして主人公は、たったひとつ歴史改変である
ドライブみやげの黒ひげゲームで
息子と本当のところで触れ合おうとし、
妻とも性根で交わろうとするようになる。
運命の歯車が、プラスの方へかわっていく音が
聞こえてきそうだ。
(これくらいの奇跡がちょうどいいのだね。
やりすぎるとだいなしだったかも)

想像してた感動とは違ったけれど、やっぱ最高でした。
妻帯者としては、妻の浮気とかのシーン読むと
なんだかつらい(汗
でもそのあとの主人公と妻とのSEXを見ると
なぜか興奮する。男の性なのかしら?
「どうだ! あいつらのほうが気持ちいいのか!
どうなんだ! あいつらにどんな顔をして
お前は抱かれるんだ!」って泣きながら抱く、
みたいな(汗

あらやだ、私ったら何をいってるのかしらん(恥


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 1

火宅の人 下  新潮文庫 た 5-4

著者 : 檀 一雄

出版社:新潮社

発売日:1981-07

評価 :

完了日 : 2001年03月07日

ちょっとまって(゚∀゚;)


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 1

火宅の人 (上巻) (新潮文庫)

著者 : 檀 一雄

出版社:新潮社

発売日:1981-07

評価 :

完了日 : 2001年03月07日

ちょっとまって(゚∀゚;)


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 3

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)

著者 : つげ 義春

出版社:新潮社

発売日:1998-02

評価 :

完了日 : 2001年03月06日

ちょっとまって(゚∀゚;)


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 2

パタゴニア―あるいは風とタンポポの物語り

著者 : 椎名 誠

出版社:三五館

発売日:1993-02

評価 :

完了日 : 2000年09月04日

僕が読んだ数少ない椎名誠の作品中で、個人的に
一番好きな本です。今も昔も…。
等身大の椎名誠は夢想を追い求めたがゆえに、
どうしようもなく、その代償を引き受けねばならなかった。
その記録がここにあります。
(以下、昔の手書きノートから掘り起こし)

--------------
くー! あとがきで泣くとは。
青い!せつない!重い!せつない!
そして、風…。

やっぱりこの人(椎名誠)は等身大ですごい人だ。
人間として、なんと赤裸々で、気持ちのいい人だー。
あなたの心の中を教えてくれてありがとう。
あなたの奥さん、もう大丈夫かい?
なんだかすごくよくわかって、困った。
(私の妻もケースは違うが似たようなことがあって…)

椎名のうちにかかってくる電話。
(仕事やセールス関係かな)
うちにいて、椎名の留守をあずかる奥さんのストレス。
椎名に電話のことを伝えるが、仕事の忙しさに流され、
余裕を失っている椎名は「んなもんほっとけ!」と
怒鳴って終わり。
それから奥さんは、椎名に留守電の話をしなくなった。
というより、あまり話をしなくなった。
椎名は旅ばかりで家にいないことが多い。

そんなある日、奥さんが
「頭の中でベルがなってるの…」
と言い出す。
これはなにか、とんでもないことが起きてるのではないか。
(ここで気が付くのは遅いのだけれど、
人間てそこまでいかないとダメなものなのかも)

しかし、椎名はノイローゼの妻を置いて、
旅(仕事)をしなくてはならない。
その旅が「パタゴニア」だ。

常に不安に襲われ、自分を呪う。
今この瞬間、妻が家で死のうとしているのではないか?
暗雲が胸の奥で立ちこめる。

すべてから解放された人生というものを夢想し、
追ってきた。その代償がこれか。
男なら誰でも抱くかもしれない夢想。
世の中のすべての煩わしいことから解き放たれて
自分の好きなことだけに夢中になれたら
どれだけいいかという願望。

しかし、それを決行しようとしてみると、
家族関係という歯車はきしまざるをえない。


パタゴニアへ出発の日の話。
その日、奥さんは椎名より先に勤め先に向かうために
自転車で家をでる。椎名はそれを見送る。
遠くの路地を曲がる瞬間、ひらりと振り返って
椎名の顔を見る奥さん。
その白くて頼りなげで弱々しい顔…。
車のトランクには、なぜかひしゃげた黄色い花が
入っていた。
これは、ひょっとすると妻の別れの挨拶?

なんかもうね、僕にはそのシーンがはっきりと
頭に浮かんで困ったのです。
胸が苦しーよー。

そしてパタゴニアから椎名が帰ってくる日。
椎名は道中、ひしゃげた黄色い花と
頼りなげな白い顔がちらついて、
奥さんがもう死んでいるかもしれない、
と不安でたまらない。

空港におりたつ椎名。

「――すると、ごったがえすロビーの
ずっとうしろのほうに、ひっそりと一人で立っている
妻の姿が見えたのだ…」

これがね、あとがきのところなんだけれども、
もうね、奥さんが生きてたとわかって
ホッとしたと思ったら、もう理屈抜きで
ボロボロ涙が出てきちゃって。

パタゴニアの旅が、不安なお話の背景と
すごくマッチしてて、雲や、荒れた海や、風が、
椎名の心とオーバーラップしてる感じでたまらんのだ。
というか、不安におびえる椎名の精神状態という
フィルター通しての風景だから、そう見えてたのかも
しれないけれど、とにかく奥さんの話と
この旅の風景が相乗効果をうんでいて最高なんです。
パタゴニア! ぜひ一読あれ!

---------
(ここから現代の僕です)

ああ、これも読み返したくなってきたぁσ(゚ω゚*)

このあとこの本をしばらく立てかけて
眺めてました。読み終わったやつは
ダンボールにいれることになってたんですけど、
表紙を見るたびに思い出して、いい気持ちになってました。

青臭くない、抑制のきいた大人の物語です。
興味のお持ちになった方はぜひ。


この感想へのコメント

3.NYPD (2007/12/29)
苦悩する椎名誠を初めて知った時、あのワイルドで逞しい風貌とのギャップに驚いたのを覚えています。短編『コッポラコートの私小説』では、その苦痛から立ち直る姿が描かれていてホッとさせられるのと同時にこちらも勇気づけられました。
4.カーシー (2007/12/29)
『コッポラコートの私小説』家の中探して読みました。もしかすると読んだことあったかもしれませんが、すっかり内容忘れていたので、新鮮でした。一度だけ小さな出版社にと勤めた経験があるですが、その時ほとんど本書の椎名さんのような状態だったので、今読むと感覚がすごくよくわかってつらくもあり、また、しみじみとした静かな勇気も湧きました。やっぱり椎名氏はいいですね!

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 1

クルー

著者 : 石和 鷹

出版社:福武書店

発売日:1994-04

評価 :

完了日 : 2000年08月11日

昔読んだ、相当なダメ男小説。
正直にいいます。嗚咽もれました。
ボロボロです。それだけは覚えています。
我慢できなかった…。

しかし、これは血肉本だろうか(-.-;)

(以下、昔の手書きノートから…)
----------
まじでやられた。
溜めるだけ溜め込んで、ラスト間近、そこに小さな光。
そこをはけ口にドバッとくる。

そこまでは本当に落ちるだけ落ちぶれてゆくような
どうしようもない男の話。

独特の文体からにじむ哀愁。憂い。
この本の中で人間が生きて、うごめいてやがる。
どうしようもない情欲が渦巻いてやがる。
悔しいけれど、我慢できず、泣いてしまった。
嗚咽。

途中で何度やめたくなったことか…。
それほど読んでいてブルーになる話なのだ。
主人公の男がね、まぁ、言葉では“不倫”という一言で
片付くのだけれど、そこには子供がいるし、
奥さんがいるし、家族がいるわけだよ。
本当にみんな生きてるようなかんじだから
(いや、生きてるんだけど)
とにかく生々しく痛々しく響くのだよ。

だからさ、あまりにも気が気でなくて
ついついやめたくなるのね。耐えられない。
ま、結局、やめられないくらい、ぐいぐい
読ませられちゃうんだけど。

でも、「お前、いい加減にしろよ!」と
絶対何度も叫びたくなる。

女の描き方や、性描写なんかは、
独特の文体も手伝って絶品!
(女性の方、女、だなんていってごめんなさい。
でも、やっぱり“女”と書くしかないのよ)

そして繰り返すが、ラスト間近で
どっとこみ上げてくるもの。
人間の中にうずくまる、ほのかな強さとでも言おうか?
(うーん、この表現あってないような…)

読んでくれ。とにかく。

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(ここから現代です)

うーん、万人が嗚咽をもらすとは保障しかねますが、
ダメ男小説を求めてる御仁がいたら、
一度手にとってみてはいかがでしょうか。

あ、東野圭吾の「手紙」ってあるじゃないですか、
あれは、弟に迷惑かけるのも知らずに、
兄が刑務所からどんどん手紙送ってきて、
そのたびに弟が不幸をこうむって、
とにかくすんごくフラストレーションたまって
イライラするじゃないですか?

でもラストで、その溜まるだけ溜まった何かが
一気に噴き出すように、ドバーってくるじゃないですか。
あんな感じに似てるかもしれない。
まぁ、ぐっとこない人はこないでしょうけれど^_^;

そして手紙は不満もあるので4つだが、
クルーは変更してほしいような個所はない!
読むのがつらくなるほどうまい!満点です。

実はこれ今、感想読み返してて、自分ですごく
再読したくなっちゃったんですけどΣ(ノ∀`)ペチッ。
そんな暇ないなぁ~と。

いや、皆さんの中でもいらっしゃると思うんですけど、
本がもう数百冊は軽くたまってて、その、あのう…。
うー(-.-;)


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 7

罪と罰 (下巻) (新潮文庫)

著者 : ドストエフスキー,工藤 精一郎

出版社:新潮社

発売日:1987-06

評価 :

完了日 : 1999年06月14日

これは忘れられない作品になりそうだ!

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以下、過去の感想ノート(当時手書き)から書き写す。

話の内容をずらずら説明すると、膨大になってしまうので、
もし、思い出したかったら、解説を読むべし。
だいたいすべて書いてある。
ラスコーリニコフが殺人をおかし、自首するまでの
物語が。

友人は、ダメだこの本って言ってたけど、僕は
さすが古典、すげぇ!と思った。
まぁ、僕も「貧しい人々」で何度も挫折していまだに
読めてないからどうかなとは思ってたけど、
これが意外とグイグイ読めちゃう!
(確かにつらいとこもある)

友人は、主人公のラスコーリニコフが好きになれん!
って言ってたけど、僕は感情移入できた(やばい?)
そりゃ、太宰の人間失格まではいかなかったけどさ。
あの時は、恥ずかしながら、「すげぇ、この本の中に
オレがいる!」なんて思っちゃったもんね。
「罪罰」もそれに近いものがあった。

JOJOに出てくるDIO(ディオ)みたいで、
こいつがイカすんだ。
じめじめして陰気な奴だけどさ、すっげー思想もってんの。
人間は凡人と非凡人とにわかれていて、
非凡人は、世俗の法に、なんら抵触しないから
いつでも線を踏み越えられる、つまり、
人殺し可、みたいな。

ま、結局、非凡人になりきれず、
改心するんだけどね。
それにしても推理小説みたいだったな。
コロンボの原型ってのは嘘じゃないんじゃない?
倒叙型だっけ? 犯人ばらしておいて
それがどうあばかれるかを見せる奴?
あれだよね。

一点だけ文句があるとすると、名前が
わかりにくかった。
同一人物名なのに、呼び方かわってたりして
混乱するときがあったんだよね。
まぁ読んでればそのうちわかるから、
前のページひっくり返してでも挑戦する価値あるよ。

恋愛もあるし、当時の風俗小説とも言えるし、
宗教もあるし、いろいろだ。
とにかく人間が面白い! 描写もこまかいし
うまいのだ。

ドキドキするのは、やっぱりポリフィーリイとの
対決かな?
それとも、ドーニャがスヴィドリガイロフに
閉じ込められたところかな?

あ、おいらはラズミーヒンが好きだな。
これはドストエフスキーの兄がモデル?

ソーニャはかわいそうな女だったけど、
最後はソーニャの勝利だったのねん。
信仰の勝利といってもいいかな。

ソーニャのけなげな一途な思いが、
硬い硬い岩のようなラスコーリニコフの心を
溶岩のようにとかしてしまった。
それまでにすごい年月がたってるけど…。

結論! 罪と罰は、人間復活の物語だ!


-------------

というようなことを書いてました。

罪と罰は、ドストエフスキーの問題提起だった?
という話をどこかで耳にした気がします。
彼は4年間とばっちりかなにかで、刑務所に入って、
1回、死刑宣告までされてシベリアにいってるらしいのね。

「本人が、自分は正しいと思ってる行為(犯罪)を
誰がどういう尺度で裁くのか? 裁けるものなのか?」

というか、これに答えはあるのかどうか、
それを小説の形式で表現してみるとこうなった、とか。

罪と罰の中では、ラスコは金に汚いばあさんを殺して
たしか、金も奪った?
これは、彼にとっては正義なのだ。
みんなに迷惑をかけてるばあさんを殺して、
知性の高い自分がそれを有益(学費とか)に使う。
いったい何が悪い?と。

これを読むと、今では誰もがオ○ムのサリン事件を
想像するんじゃないかな。
オ○ムのやったことはあの人たちの中では
正当化されていたかもしれないものね。

だが、人が人を殺していいという時点で、
一番はずしちゃいけない部分から外れてるのでは?
大前提として、すべからく生命は尊いものだ。
生命を大事にしない時点で、そこに正義はないぜよ。
僕はそう思う。

ともあれ、そういう高尚なテーマが含まれているから
普遍的に読み継がれているのもあるけど、
実際おもしろいエンターテーメントな部分もあるから
やっぱりこうやって語り継がれていくんじゃないかなぁ。
たまには古典の深さと楽しさもいいものですぞ!


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