たなぞう

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カーシーさんの読書ノート

絶対再読の約束!
絶対再読しなきゃなぁと思う本。生きる目印になったり、糧になったり、仕事上お手本にしなきゃいない本だったり。

※うーん、血肉本との差別化はからなあかんかなぁ。
一応血肉本は、昔読んだ本しか入れてなくて、こっちは
最近のも入ってる感じかな。
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 1

中国の大盗賊―天下を狙った男たち (講談社現代新書)

著者 : 高島 俊男

出版社:講談社

発売日:1989-11

評価 :

完了日 : 2008年03月03日

こんな面白い資料本、読んだことない。

なるほどの連続。
削って削って、整理したものだけあって
論点も集約されてて読みやすい。

中国の盗賊の流れなど
コンパクトに軽妙洒脱に理解できちゃいます。

使えます。


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 1

遺跡の人 (アクションコミックス)

著者 : わたべ 淳

出版社:双葉社

発売日:2007-12-12

評価 :

完了日 : 2008年02月18日

これは、個人的に、
どうしようもなく好きな実話漫画。
遺跡発掘、というドカタみたいな泥臭い話なのに、
透明感がただよって、しみじみ浸れる。
吾妻 ひでおの「失踪日記」にいいけど、
これもいいぞ。

とくに自分の歴史とかぶり、
心穏やかには読めなかった。

「アンダーカレント」と同じくらい好きだ!

夢をもっていて、
まだうまくいってない人。
静かな勇気をもらえるはず。

有名マンガが食えなくなって
遺跡発掘バイトにせいだす日々。
それがしみじみ輝いている。


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 5

楊令伝 一

著者 : 北方 謙三

出版社:集英社

発売日:2007-04-25

評価 :

完了日 : 2008年01月25日

読み始めてしまった…。
楊令がどうなっているのかで
引っ張られまくる序章。

それぞれ生き残った梁山泊の武将たちが
あの負け戦をどうやって生き延びたのか、
今何を思っているのか、
その憤り、やるせなさ、変わらぬ志など
点描されてゆく。

無論、警戒をといていない宋の連中も
描かれ、緊張感は持続してゆく。

北でおこった女真族の国、金の動きがはげしい。
そこに見え隠れする楊令の幻。
金は遼と戦争になるのか。
一方、南では、梁山泊が再生しつつある。
死んでいった有能な将軍は少なくない。
しかし、若い芽も少しずつだが
花栄の息子など、育ちつつある気配も見える。

いやはや、文句無しの序章。
早くでてこい楊令!と叫びたくなる。
続いて二巻も読んでしまったぞよ。
とりあえず四巻まで行かないと
気持ちが済まなさそうである。


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1.ryoukent (2008/02/05)
ようやく読み出されたのですね。
私は、北方『水滸伝』はハードカバーで全部読みました。終わった時にこの『楊令伝』へ続く、と知って大喜びしました。でも、まだ1巻と2巻しか読めてないです。私も早く次を読もう。
2.カーシー (2008/02/05)
ryoukentさん
コメントありがとうございます。
私も、え! あの続きが読めるのか!
と知ったときには喜びました。
北方さんの読み出すと、止まらないんですよね。
今、時間ないなかでも、2巻おわりそうなところまで
進みました。終わったら3巻いきます、はい。

 

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 4

小説家になる方法

著者 : 清水義範

出版社:ビジネス社

発売日:2007-11-07

評価 :

完了日 : 2007年12月08日

ファンタジー月間で、小野不由美さんの
十二国記読んでたんですけど、
ちょっと一休みしてこれを一気読みしました。

清水義範がいかにして作家にになったか、
これ以上ないほど平易かつ平明に、
飲み込みやすく書かれています。
元々、分かり易く書くのが天才的にうまい人でしたけど、
あいかわらず偉大な力量でした。

内容もしかり。
私の運命を変える本になったかもしれません。
これこそ、私が探していた本でした。
私が今躓いているところと同じところで
清水先生は当時躓いていた作家さんでしたので。

しかし、この本を読んで
それが解決したわけじゃありません。
読んでわかるのは、清水義範がどういう経緯で
その躓きから解き放たれたかだけ。

ただ、そのおかげで、自分が躓いてる部分を
自分で明確に認識することができました。
そして、そのことをずっと意識的に
考えるようになりました。

そんなある日、本屋にふらりと立ち寄って
背表紙をみながらブツブツ考えごとをしていた瞬間に
天啓を得たようにひらめきが訪れました。

これまでの自分の歴史のパーツが、
実は初めから、ある一点を目指して
重なり合っていたというのが見えた感覚です。

おっと、これではいったい、
私が何を言ってるのか
まるで分からないですよね。

「自分が本当に書きたいことは何か?」
それが、私がずっと悩んできたことでした。
清水さんもプロとして書き始めていた頃、
この問題をずっとひきずっていました。

私も、などというのはおこがましいのですが
実際、会社で会社から頼まれる
エンターテイメント系のお話を書いて
お金をもらって食べているので、
ちょっと似ている状況なのでした。

現状、どんなお話も出来る限り、
ない知恵をしぼって
ベストを尽くして書いてますが、
本当に書きたいことはそれなのか?
と問われると、答えに困ってしまっていました。

が、運命の歯車が回りだしてしまったのか、
この本と出会い、私は
本当はずっと前から出ていたのに、
近すぎて見えてなかった答えに
気がついてしまいました。

これまで少なからず映画を見てきたこと、
いろんな芝居をみてきたこと、
そして、遅読ながらもできるだけ
本に触れてきたこと、
それらが全部、実は一つのキーワードで
繋がっていたというこの衝撃。
清水先生が本書内で言及されていた感覚と
おそらく同じ感覚が、私の体の中を
突き抜けたのでした。

※確かにこの本には解決策は書いてませんが、
読むことで清水先生の体験を追体験し、
頭の中を一度整理するのには役立つかも。
そしてそれは、もし私のように同じところで
躓いている人がいるなら、なにかしらの答えが
浮かび上がりやすくはなるかもです^^;

その答え自体は、私だけに通用するものなので
ここに書きませんが、この本に、
そして青春時代からお世話になってきた
清水先生に最大級に感謝をしたいです。

今やっと、スタート地点に立てた気分です。

この本は、私にとっては
そういう効果が“出てしまった”本でしたが、
他の人にも同じように出るかどうか
ちょっと断言しかねます。

ただ、恐ろしくサクサクと読みやすい本
(いつも感心してしまう)ですし、
役に立つアドバイスもいくつかありました。
興味のある方は読んでみてください。
※アドバイスの説明が長くなったので、
割愛しました。
mixiの方には全文のっけますm(_ _)m

※蛇足。「小説が書ける方法」ではなく、
「小説家になる方法」というタイトルに
しているのが本書のミソでした。
一度は書けるようになる、ではなく、
小説を書いていける人になるには?
という切り口で書かれてあります。


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7.フィリップ・まろ (2008/08/30)
盟友、ryouさんの名前を発見したので、ここに不時着。
僕も、若い頃は、小説作法とか文章読本を立て続けに読んだものです。結論。とにかく、書くこと、と悟りましたね。書いて書いて書きまくっている間に、自分の味、が解ってくる。他者ではない、自分、です。そして、こうして、立派な賞金稼ぎに相成ったわけであります。あれっ?
8.カーシー (2008/08/30)
フィリップ・マロさん、
コメント、ありがとうございます。
すでに書いて書いて書きまくり、
悟達なさっていてすごいですね。
私は読書量も書く量も全然まだまだで、
本当の意味でのスタート地点に
たったばかりでございます。
そして早くも行き詰まっております。
あれっ?

でも、書いていくしかないですよね(汗

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 2

将棋の子

著者 : 大崎 善生

出版社:講談社

発売日:2001-05

評価 :

完了日 : 2007年12月07日

本当はこっそり秘密にしておきたかった嗚咽本(T_T)

田舎をもち、夢をもち、東京に出て、
親を病気で亡くすとか、予想外の出来事に
挫折を繰り返してきた人間なら、
間違いなく嗚咽する!

将棋のノンフィクション小説だったのが
マンガにもなったんだけど、小説の方が
自分でいろいろ想像してオーバーラップ
するぶんだけ嗚咽度は高いっす。

将棋の奨励会というところには
年齢制限があって、たしか26歳まで
4段(プロ)になれないと退会となる。

かつて神童と呼ばれた子達が、26歳になって、
プロになれず、将棋しかしらない状態で
社会に放りだされたら……

うー、とりあえずこんな感じで許してください(汗
嗚咽がもれたところは書かないでおきます。



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 2

黄金拍車―異次元騎士カズマ (角川文庫)

著者 : 王領寺 静

出版社:角川書店

発売日:1988-03

評価 :

完了日 : 2007年12月04日

異次元騎士カズマ シリーズ(黄金拍車 全5巻)はご存知でしょうか?
昔、ある個所でボロ泣きしました!

「王領寺 静(おうりょうじ・しずか)」こと
藤本 ひとみが描く、異世界ファンタジーです。

普通の高校生・桜木カズマが
中世ヨーロッパに似た世界に飛ばされてしまい、
何がなんだかわからないうちに
「伝説の勇者」に仕立て上げられてしまうという
よくある話――

ですが、孔明みたいな天才軍師(オリビエ)や
弁慶みたいに強い戦士(ロラン)が両脇をかため、
もちろん美少女ヒロインもでてきて、
ストーリーは紆余曲折ありつつ、カズマの成長を描き、
テンポよく、一気読みさせてくれる出来栄えです。

古本屋で手に入るでしょうかねぇ~。
思い出したので、載せてみました。


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 1

レプラコーンの涙―ソード・ワールド短編集 (富士見ファンタジア文庫)

著者 : 水野 良

出版社:富士見書房

発売日:1990-01

評価 :

完了日 : 2007年11月12日

WEB本の雑誌の「作家の読書道」で
乙一さんが紹介してた本。
私も久々に再読(何度も読んでる宝物)

「レプラコーンの涙」も個人的に大好きだけど、
「ジェライラの鎧」にはまた泣いてしまった。
一気読みできる完成度の高い短編。

平明な文章で読みやすく、鎧職人の仕事の
ディテールにもうならせられるものがある。
リーダビリティが高く、それが終わるまで持続される。

なんといっても主人公の女騎士ジェライラと
鎧職人のルバートの人物造詣がいい。
その心の機微に、こちらの心もチクチクしたり、
もどかしくなったり、いちいち悩まされる(楽)。

冒頭から終りまで、
「それでそれで? 次はどうなるの!?」
と目が離せず、自然に引っ張られてゆく。

オーソドックスかもしれないけれど
しっかりカタルシスを味わえる構成で文句なし。

もしかすると、心理描写が端的でわかりやすいので、
対象年齢を感じて、表現として物足りない大人たちも
いるかもしれない。
でも、大人でも十分泣ける、骨太な心情が、
ドラマが、せつない熱が、ここにはある。

この本が15年ほど前くらいの多感な時期に、
私の心を耕してくれたから、今の私がある。

一時期、現実主義というか、ある意味
強迫観念的な思想にとりつかれたことがあった。
それはたぶん、概ね、こんな思想だったと思う。

「我々は一分一秒ごとに死に近づいている。
だから一瞬たりとも無駄なことはできない。
ゲームしたり、娯楽本やらを読んでる暇があったら、
一流と呼ばれる長い歴史を生き抜いてきた文学を読みあさり、
現実に根ざしたドキュメント、あるいは
今を生きるために必要な、
心震えるノンフィクションを読み、
死ぬまでの間に、とにかく自分の現実人生に
確実に役に立つような、豊かにするような、
また、魂を高めるようなことにのみ集中していくべし」

確かに一理あったとは思うのだけど、
この勢いでガツガツやってたら、いつしか
自分というものに、“うるおい”や“優しさ”に
似たものが、すっかりなくなっていた。
厳しく、冷たく、偏りの激しい、
ガリガリした人間になっていた。

この本は、確かに架空世界の話しだし、
現実には多分ありえないような、
ヘビの怪物もちょろっと登場する。

しかし、架空世界には、架空世界の
リアリティというものがあるのだ。
少なくともこの本にはそれがあり、
人々が暮らす空気と、血の通った人間たちが
そこかしこに息づいている。

「根も葉もある嘘」と言ったのは佐藤春夫だったか。

ここに出てくる人間の心の機微は、我々と同じ、
現実を暮らす中で揺れ動くそれとなんら変わりは無い。
人間がいるのだ。
だから、架空世界といえども、
そこに息づく生の息吹は、限りなく本物だ。

ファンタジーを苦手な人はいると思う。
私自身、一時期はまったく手にとらなくなったこともあるし、
なんと言っても、この大変な現代を生きる上で、
直接的に役立つしろものとは言えない。

しかし、私のガリガリに干からびた心を豊かに耕し、
うるおいを取り戻してくれたもののひとつは、
間違いなく、この無限に広がる架空世界のお話だった。

胸のすくような、ドキドキするような、
キラキラと輝やいている痛快な読み物たち。
人間が、本当に人間らしく生きていくには、
心躍らせる物語も必要なのかもしれない。

時には、想像の羽をのばし、
架空世界で逞しく生きる人々に思いを馳せ、
感受性の世界に浸ってみるのも
悪くないのでは?

この長い人生の道行きで。




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 1

D&Dがよくわかる本―ダンジョンズ&ドラゴンズ入門の書 (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)

著者 : 黒田 幸弘

出版社:富士見書房

発売日:1987-07

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

ずっと昔、テーブルトークRPGを
やってた頃に読んだ本。

ここの黒田幸弘がマスターやってる
リプレイが面白くて、何度も
読み返してます。

今やってる仕事の資料として
また読み返した。
やっぱりいい。

黒田さんの人柄を反映して
すごくユーモアがあって
バランス感覚にすぐれてて、
人間らしい間違いもあって、
全然かっこつけてなくて、
素敵で素朴なリプレイになってる。

またプレイヤーたちが人間くさく
暴走してるのもいい。
それに対応するマスター黒田さんの
心理がまた読ませる。

実は、乙一さんの作家の読書道のあとの
米澤穂信さんも、乙一さんに続いて
このテーブルトークをかじったというの
読んで、自分もまた思い出そうとして
読んだのだった。

あの頃の自分があるから、
今、エンターテイメント系の仕事が
続けてられるのだなとつくづく思う。

本書の中身の半分はルールとか武具防具等の
資料とかだったかも。
それでも自分には宝物です。 


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 10

エンプティー・チェア

著者 : ジェフリー ディーヴァー

出版社:文藝春秋

発売日:2001-10

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

【紹介文】
「リンカーン・ライム」シリーズ第3弾。
本作は本拠地ニューヨークを離れて、
ノースカロライナ州を舞台とする。
四肢麻痺であるライムが脊髄再生手術のために
訪れた病院で、突然、捜査協力を求められる。
土地勘のない未知の環境では、
さしものライムも「陸に上がった魚」だ。

2人の女性が誘拐された。
容疑者は16歳の少年ギャレット・ハンロン。
拉致現場に居合わせた青年を殺して
逃走したとみられる。
通常「婦女誘拐の場合、発生から24時間が勝負」だ。
「それを過ぎると、誘拐犯の目に被害者は物として
映るようになり、殺すことに抵抗を感じなくなる」。
事件発生からすでに4時間が経過している。
少年が逃げ込んだのは広大な森の中の湿地帯。
タイムリミットが刻々と迫る。

今回も捜査のパートナーはアメリア・サックス。
車椅子から動けないライムの手となり足となる。
しかし事件は拉致監禁にとどまらなかった。
事件は四方八方へ広がり二転三転する。
本作で、アメリアは、ライムの指令を振り切って
単独行動に走る。
証拠分析を真髄とするライムと、
直感を頼りにするアメリアとの直接対決が
見ものだ。
互いに相手のやり方を知り尽くした2人が
出し抜き合う頭脳合戦。
抜群のキレをみせながら、なぜだか
アメリアの気持ちは読めないライム。
2人の恋心もモノローグに終始し、
関係が少しも進展していかない。
気持ちを伝え合わないもどかしさに重ねられて
対決はスリリングに展開する。

-------------

もうこれ以上、言うことは無いんだけど(汗、
予想外の真実が浮かび上がったときに
田舎の町全体がおぞましくぐわっと
立体化してきます!

むろん、サックスが正しいのか!
ライムが正しいのか!
ハラハラドキドキに拍車がかかっていて
その展開も存分に楽しめる。

完璧だ!

といいたいが実は、個人的に
気になったところがあった。

捜査を妨害してくる連中のなかに、
密造酒製造の男連中が3人ほど出てくるんだけど、
どうしたことか、いまいちビビッドに
胸にその人間たちが飛び込んでこなかった。

細部の人物描写にも余念がない
ディーヴァーだから、別に手抜きしたわけでは
ないと思うんだが、彼らの輪郭がそれぞれ
はっきりしなかった。

3人いるんだったら、3人いる意味をもってして、
グイグイ怖がらせてほしかった。
私には誰が誰だか、途中からわからなくなるほど、
誰でもよくなっていた。

私だけだろうか?

ともあれ、そんなものは、
あったとしても小さい瑕に過ぎず、
物語は間違いなく5つ星で楽しめることは請合う。




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1.take9296 (2008/10/30)
身体に悪いぞ、あのエンディング寸前のどんでん返し。その一点だけでもこの作品は花丸でしたね。このシリーズ、私としては、二作目と三作目が大好きです。
2.カーシー (2008/10/31)
>take9296さん
おお! 嬉しい! 2作目が一番で、3作目が2番です! どれも面白いですが、「石の猿」だけは私の中では、ちょっと落ちますね。

ああ、情けないことに「ウォッチメーカー」がまだ積読でございますが、優先順位は常にトップクラスでございます!
 

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 1

いまを生きる

著者 : 咲山 琴美

出版社:文芸社

発売日:2007-04

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

生きる事も死ぬ事も出来ない両方への恐怖感。
次の日が来る事への恐怖感。
孤独のような気になる恐怖感。
全ての事が怖かった。
精神の病で自殺を図り、
九死に一生を得た著者が家族に支えられ
克服した自らの辛い体験を綴ることで
同じ病に苦しむ人にエールを贈る。

第1章 臨死
第2章 生い立ち
第3章 自傷行為
第4章 結婚・出産・育児
第5章 発症
第6章 闘い
第7章 初めての入院
第8章 境界性人格障害
第9章 蘇生・年齢退行
第10章 価値観を大きく変えた旅行
第11章 いまを生きる
琴美おめでとう

-----------------
<感想>
妹の友達の実話。
そしてここに登場する精神科の先生は
私や妻の主治医。

ひょっとすると、ベタなタイトルで
敬遠する方がいるかもしれないが、
読んでみると、そのタイトルの深い意味が
改めて感じられ、納得できるはず。

ここには、いじめや精神疾患や
児童虐待や自殺などのさまざまな問題が
ひとりの人間に、ひとつの家族に
巻き起こったこととして、真摯に描かれている。

すべて、胸をうつ真実。

今、問題をかかえている
たくさんの方々に読んで欲しい一冊。
(でも、そんなに部数出てないから
アマゾンとかでないと手に入らないかも)

自殺を繰り返した著者に主治医がいう。
「生きていて本当によかった。
これからは生まれ変わったんです。
(自立のため、自分を自分で安心させるため、
長期のじっくりな入院をすすめて)
もっともっとありのままを生きるんです」
中略――
(入院が決まらずに、再び主治医に受診)
「すべて必然性です。
入院ではなく、生きるための入塾です。
生命の塾に通うと思ったらどうかな。
あと入塾の間に大切なことは、
0か100ではなく、50にいつも何事も考え、
50出来た自分を褒められるようになること。
それから不安はどこからやってくると思う?
不安はしてしまった過去を考えるときと、
これから起こりうるであろう未来を
考えすぎると起きてくる。
だから、“いまを生きる”んです。
眠いなぁ。寂しいなぁ。ご飯おいしいなぁ。
一人って楽しいなぁと。
いまだけを生きていくんです。
そうして安心することから、
知らずと希望の未来が待っています」

今、この生き方を練習中の私だが、
すでにこの法則が、実は一番近道で
一番確実で、正しい道だと断言できる。

これからも自分を安心させるように声かけを続け、
未来を考えすぎず、過去に囚われ過ぎず、
今を生きていこうと思う。


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3.ちっこいの (2008/09/19)
雨って憂鬱ですもんね。私は朝が憂鬱です^^;寝てたい、でも寝てしまったら、起きてからなおさら憂鬱になるのが分かってるのでエイヤ!と何とか動いてる感じです。(でも時々寝てしまう・・・)カーシーさんはお勤めされてるだけでじゅうぶん偉いなあと私なんかは思いますよ。ぼちぼち行きましょ~♪
4.カーシー (2008/09/19)
>ちっこいのさん
私も朝が駄目なんですよね^^; 会社行きたくないし。でも、働かなきゃ食っていけないので、なんとか起きます。いつも、「開き直って悠々と。そのまんまでいい。自分、大丈夫、大好き」と言い聞かせてから行きます。
そうですね、よく会社行けてると思って、褒めてあげるようにします。ぼちぼちで100点満点です。

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 1

五代ゆう&榊一郎の小説指南 (ホビージャパンMOOK)

著者 : 五代 ゆう/榊 一郎

出版社:ホビージャパン

発売日:2007-07-05

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

あの五代ゆうがここまで偉くなっていたのね。
私も年をとるはずだわ(´Д`)。

これを読めば、小説が書けるということはない。

ただ、商業作家として食べていくには、
たとえ偏りはあったとしても、
古今東西のたくさんの作品を知っていて
それを引き出しに持っている、
本物の、頭のいいオタクにならないと
駄目だよー、というのはよくわかる。

面白いのは、この本のなかで、
落語の三題噺のように適当に三つの題を出して、
そこから実際に、一本の小説をつくってみる
という挑戦をしているところ。

それがさすが! と言わせるほどに
五代ゆうがうまくまとめて書いているんだわ。
お題からの思考の発展のさせ方から、
実作品の結果まで見れるから
一応参考にはなると思う。
私もだいたい同じような感じでやってる(汗

その小説以外のところは、
ほとんど五代 ゆうと榊 一郎の
会話文の講義になっていて、
まぁ、わかりやすく、
自らの思考の断面を教えてくれている。

五代ゆうは、直感型(電波型)の天才肌の
作家として(こっちはあんまり役に立たないかも^_^;)、
一方榊は、ロジックを大切にする
緻密な計算型の作家として、そして、
それを受ける編集者側の意見も入りつつ、
三者三様の視点で一応説明してくれてるから、
講義としても、あまり独善的なものには聞こえない感じ。

ラノベ書きたい人は、一度
読んでみてもいいかも。


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1.NYPD (2007/12/29)
既にご存知かも知れませんが、五代ゆう氏は『創作サポートセンター』っていうNPO法人の小説講座で、非常勤?の講師をされています。私は、一度だけ受講しました。
2.カーシー (2007/12/29)
>NYPDさん
おお、そうでございましたか!
私はただの読者で、たぶん処女作の「はじまりの骨の物語」(富士見ファンタジア文庫)を、当時彼女がファンタジア小説大賞に入選したばかりの頃読んだことがありました。美しい物語でそつなく書かれていた記憶はありますが、追いかけるほどの熱はなかったのでそれっきりだったと思います。それがずいぶん腕をあげたように見受けられて、なにやら嬉しく、感慨深くもありました^^;
 

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 1

超日本史―こんなに歴史がわかっていいかしら

著者 : 藤井 青銅

出版社:扶桑社

発売日:1995-03

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

教えたくないあんちょこ。

歴史ってやつは、まず、
流れをおさえてからでないと
細部にはいけない。

学校の教師が、こんな風に
教えてくれてたら、
勉強もっと好きになってたと思う。
少なくとも日本史に関しては。

しかし、再々読しても、
まだ頭に序盤の歴史しか入らんぞ(゚∀゚;)

また機会をみて、読み返そうっと…(。・ω・)_


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 1

君だけの物語

著者 : 山本 ひろし

出版社:小学館

発売日:2006-07-21

評価 :

完了日 : 2007年10月19日

小説書きのハウツー本としても
父子の物語としても読ませる逸品。

こんな人でも書けるようになるのか?
信念と努力と自分を謙虚にかえりみる
気持ちさえあれば誰でも書けそう、
と思わせられるので勇気がわく。

できれば秘密にしておきたい作品だ。

いつかもっと詳しく書くかも。


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 1

レ・ミゼラブル (3) (新潮文庫)

著者 : ユゴー,佐藤 朔

出版社:新潮社

発売日:1967-08

評価 :

完了日 : 2007年08月28日

仕事の隙みて感想かきます。

とりあえず3巻はてごわかった。
挫折しかけるくらい。
でもしなくてよかった。
後半ついに運命がかちあいやがった!



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 1

終わりなき即興曲(トッカータ)―ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編 (3) (ドラゴンブック)

著者 : 山本 弘,グループSNE

出版社:富士見書房

発売日:2006-09-20

評価 :

完了日 : 2007年08月07日

完結編の三巻。

一巻から続いているケインのあの魔法が、
まさかラストのオチに結びつくとは
予想だにしてなかった。

いつまでもいてほしいし、
本当にいてほしい、
愛すべきドタバタの冒険者たちが
ここに生きてます。


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 1

モンスターたちの交響曲(シンフォニー)―ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編〈2〉 (富士見ドラゴンブック)

著者 : 山本 弘,グループSNE

出版社:富士見書房

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2007年08月07日

これはリプレイ集の2巻で続き。

この巻でほろっときてしまいました。
ここに出てくる怪物たちへの思想が、ずっと、
今でも、色あせずに心の中に居座っていて
気がつくと、同じようなことを書きたくなってしまってます(汗


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 1

盗賊たちの狂詩曲(ラプソディ)―ソード・ワールドRPGリプレイ集スチャラカ編(1) (富士見ドラゴンブック)

著者 : 山本 弘,グループSNE

出版社:富士見書房

発売日:2006-07

評価 :

完了日 : 2007年08月07日

レ・ミゼラブル(三)をちょっと休んで、
これを数年ぶりに再読。

WEB本の雑誌の「作家の読書道」のコーナーで
乙一さんが、刺激を受けた本としてあげていて
嬉しくなったので再読してしまった。

自分も原点に返って、執筆パワーを涌かせたかったし。

この本を初めて読んだのは、
15年以上前になるかもしれない。
今、こうして、曲がりなりにもどうにかこうにか、
話を書いたり、設定を書いたりして
食い扶持を得て生きていられるのは、
あの時、この本のシリーズを読んでいたことが大きい。

はばかりながら、乙一氏と原風景が似ていて
とても嬉しく感じた。

『スレイヤーズ』は自分も燃えたし、
『レプラコーンの涙―ソード・ワールド短編集』では
世界に引き込まれた。

ただ、乙一氏が、テーブルトークRPGを知らずに
入っていったのに対し、
僕の場合は、ソード・ワールドを体験しつつ
入っていったという違いはあるけれどね(汗

ちょっとまずかもしれないけれど、抜粋してしまうと。
※まずかったら、削除しますm(_ _)m

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――テーブルトークRPGとは?
乙一 : ごっこゲームのようなものです。
5~6人くらいでテーブルを囲んで、それぞれ、
戦士だとか魔術師だとか精霊使いなど、
自分のキャラクターを決める。
それからルールブックにのっとって
ゲームを進めていくんです。

――「レプラコーン~短編集」は
そのノベライズだったんですね。
ほかの作品はというと…。

乙一 : 『盗賊たちの狂詩曲―ソード・ワールド
RPGリプレイ集スチャラカ編〈1〉』は、
そのごっこ遊びを録音して文章にしたもの。
キャラクターたちの発言が、戯曲のように並んでいるんです。
それが小説と同じようにドラマティックで、
そこで僕の中で価値の変換が起こりました。
小説や戯曲は人が作ったものだけど、
これは数人の人がアドリブで発言しているもの。
なのにこんなに面白いなんて、
物語って一体何なのだろう、と。
TRPGのシステムのむこうに、物語づくりのヒントが
かくれているような気がしました。
後で大塚英志さんも
「小説を書きたい奴はTRPGをやるといい」と
言っているのを知って、なんか嬉しかったです(笑)。

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なんてコメントされてるんですが、
確かに、テーブルトークの経験がなかったら、
僕も今の仕事にはつけてないと思う。

もっとも僕の場合は、本当は
演劇や声優で表現して食べていきたかったのだけれど。

最終的には心の弱さで挫折して、
それでも表現の世界にかじりついていきたくて、
なんとか人運で今の仕事につけたのだった(汗

でも、どうにかこうにか続けてこられてるのは、
このリプレイ集とか読んで、やっぱり娯楽って面白い!
表現するのは楽しい! 
という気持ちを培ってきたからだと思う。

再読、再々読、再々再々読、したかわからないけれど、
何度読んでも、楽しい。
ここには、人間という生きものの
面白さ、奇抜さ、純情さ、間抜けさ、
いろんなものが生々しく詰まっている。
だから、飽きない。
ゲームのリプレイ記録集なのに泣けるし。

また、この本の中で繰り広げられる冒険は、
サイコロの運で左右されてて、
実にどっちに転がるかわからず、
ハラハラとさせられる牽引力がある。

ああ、また十何年ぶりに、テーブルトークRPGが
やりたくなってきたぞ、おい(笑)

ともあれ、今の僕を作ってくれたこの本たちに感謝。
一巻ではナイトウィンド様に萌えます。

乙一氏の本、読まなあかんやろなぁ(恥

追記:
まさか、あの頃夢中になってた本たちが、
今のこの身を、これほど救うことになるとは
予想していなかった。
私の仕事場には、あの頃なけなしの金で買い集めた、
ファンタジー系の資料がたくさんある。
少しでも金が入ったら、とにかく本を買ってた。
あまり読まなかったけど(汗
でもそれが今の財産。

人生何があるかわからないし、
何が役に立つかなんてわからない。
でも、無駄なことなんて何もなかったのだなぁと思う。


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レ・ミゼラブル (2) (新潮文庫)

著者 : ユゴー,佐藤 朔

出版社:新潮社

発売日:1967-06

評価 :

完了日 : 2007年07月01日

レ・ミゼラブルの特徴でもあるのだろうけれど、
ジャン・ヴァルジャンだけの話を追わずに、
ワーテルローの戦いや、修道院についてなど、
細かく克明に述べる時がある。それも半端じゃなく長い!

だから、「おーい! 早くジャンをだせ!」
と言いたくなってしまう。
ひょっとすると、その辺で挫折する人も
多いのではないだろうか?

確かにそれを一文字ずつ追っていくのはつらい。
でも、つらいときは私のようにパラパラと
読み飛ばしてでもいいから、ぜひ読み進めていってもらいたい。

再び囚人となったジャンが、おぼれた囚人仲間を救うために
海に飛び込み、救ったあとにそのまま消えてしまう。
捜索しても見つからず、力尽きて死んだのだろうと
判断がなされるが、ジャンは生きており、
隠しておいた金を掘り出してファンチーヌとの約束通り、
あの可哀想なコゼットを迎えにいく。

寒い道を裸足で重たい水桶を持っているコゼット。
テナルディエのかみさんに言われて、
水汲みに行かされたのだ。その水桶に手を差し伸べるジャン。
この待ちに待った二人の出会いに胸が震える。
その前の、コゼットの克明な不幸ぷりが効いているのだ。

今まで冷たい人間にしか飼育されてこなかったコゼットが、
ジャンと出会って、なぜかすぐに安心できる人だと感じ、
萎縮してた心が温かく包まれたように
徐々に人間の喜びを得ていく様を見てほしい。
これが書ける巨人なのだ、ユゴーは。

その後、コゼットをにっくきテナルディエから
もらいうけ、安全なところに向かおうとするが、
なんと、ジャベールがまた現れる!

ジャンは死んだと記事に載ったので、
ジャベールはもう注目してはなかったが、
乞食に金をあげる乞食のような男がいると不思議な噂を聞き、
その嗅覚が騒いで張ることにしたのだ。
そして、ドンピシャ。
その不思議な乞食こそジャンだった。

そこからコゼットとジャンの逃亡劇がはじまる。
後半、修道院に逃げ込み助かるが、修道院の説明箇所は
前述した通りパラパラでも大丈夫。
ここの読みどころは、修道院に入ったジャンとコゼットの運命。
そのサスペンス?

ジャベールはまだ近くを嗅ぎ回っている。
修道院に入ったはいいが、そこは男子禁制。
見つかればすぐに通報される。
が、その修道院には、以前馬車の下敷きになっていたところを救った
じいさん(唯一入居が認められた男性)が働いていて、
この庭番のじいさんがジャンたちを匿ってくれるのだ。
身体が不具になったじいさんに
この庭番の仕事を提供したのもジャンだったのだが、
本人は覚えてなかった。(が、思い出して感謝)

さて、じいさんが匿ってくれるにしても
いずれバレてしまう可能性がすごく高かった。
中にいる子供らがあっちこっち駆け回っており、
彼らが男を見つけたらひとたまりもないのだ。

なので、合法的にここに住めるように作戦をたてる。
それには一回外に出て、外からやってきて
「じいさんの弟です、一緒に働きます」
というワンアクションをとらなければならない。

ここの展開がちょっとした読みどころなので
端的に書くにとどめるが、ちょうど修道院で亡くなった
尼さんの棺を使って、ジャンが命がけのトリックを仕掛けて、
ギリギリ作戦通りになる。
その後、コゼットとジャンは数年、ここで安全に暮らすことになる。
で、三巻へ続く。

ワーテルローや修道院の話は長く、本当に苦しいと思うが、
この長い歴史を生き抜いてきた本には、
それだけのものがあるのでぜひ挑戦してほしい。

克明なのは、戦争描写や歴史の講釈だけじゃない。
本物の人間の描写があるのだ。
ここには巨人のような存在感をもった人間がいる。
蛇のような人間が息づいている。
それらを介して、どんな哲学書や思想書を並べても敵わない、
真実が脈動している。

なぜ、それが真実と分かるのかというと、
それは理屈を超えた胸の奥の深いところで、
魂が共鳴して震えるからとしか言いようがない。

目には見えないが、この大宇宙に確かに存在する
力ある真実の旋律に触れ、我知らず、
己の卑小な魂が共鳴し、命の根っこの方で
「おお!」と震えるように呼応してしまうのだ!
これは巨人の本だ。まさしく。

「人間の想像力というものは、自分の器以上に膨らむことはない」
と書いてあったのは宮本輝のエッセーだったと思うが、
この器は半端じゃない。
こんなに、人間が心に息づいた小説はめったにない。
ジャンが私の中で、くっきりとした輪郭をともない、
立っている。歩いている。守っている。そして生きている。

仕事でつらい時も、思い出せばいつもそばにジャンを感じる。
なんて人間臭く、温かい巨人だろう。
あんな巨人が心にずっといてくれたら、
誰だって萎縮せずに、伸び伸びと自分を表現できるはずだ。

私も器をでかく、そして限りなく美しく磨いていきたい。
何様だって思われそうだが、私もいつか、
いつまでも「人間」が心に残る作品を作り上げてみたい。


この感想へのコメント

1.madi (2007/07/02)
鹿島茂「パリの王様たち」でユーゴーがなんでこんないらんことだらけを書いたのかがわかります。コゼットの母親がでてくるところで女が3人ずつでてくるところとか、原稿料が文字数ででてきたことへの反抗だったのかもしれません。
このあとの下水道やこの巻の修道院のはなしは当時ウンチクエッセイで金がとれなかったので小説に挿入するしかなかったみたいですね。
2.カーシー (2007/07/02)
>madiさん
コメントありがとうございます!
文字数換算の原稿料への抗議ですか(苦笑
いやぁ全然知りませんでした。
ウンチクは物語の背景として、微妙にリンクしてますけど、
まぁ流れを早急に追いたい読者としてはあれはつらいですよねぇ。
ウンチク自体だけみると、克明でやはりすごい力量だとは思いましたけど(汗汗
 

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レ・ミゼラブル (1) (新潮文庫)

著者 : ユゴー,佐藤 朔

出版社:新潮社

発売日:1967-05

評価 :

完了日 : 2007年06月20日

ディーニュ司教のミリエル氏の振る舞いひとつひとつに
人の道を感じ、ひたすら感動する。
このミリエル氏が、牢獄で心がすさんでしまっていたために、
放免後、再び盗み(銀の燭台)を働いてしまう
ジャン・ヴァルジャンをかばい、
改心させたのは有名なシーンだ。

ここからのジャンから目が離せない。
市長のマドレーヌ氏(元ジャン・ヴァルジャン)となってからも、
ミリエル氏より、悟りきってないぶん
揺れ動く弱い人間らしさがあって、どんどん感情移入できる。
(※でも、ミリエル氏の温かさと強さは今でも心に残っていて、
挫折するたびに思い返してしまう。
それほどにすごい影響力がある。この本には生きてる人間がいる。
血が流れ、呼吸し、息づいている。
まるでホイットマンの草の葉(未読だが)だ。
「仲間よ、これは本なんてものぢやない、
これに触れるものは人間に触れるのだ!」
人間ミリエル氏なら、今のこんな私でもけして愚弄せず、
温かい目で見守り、受け止め、安心させ、のびのびと、
あるいは開き直って悠々と、自分の足で歩き出せるようになるまで、
辛抱強く、褒めるところなどないにもかかわらず褒め称え、
優しく、傍で励ましつづけてくれるはずだ。
実際、私はおちこむと、ミリエル氏が見える。
私の右腕を優しくにぎって、微笑む顔が見える。
「君はそのまんまでいい。大丈夫。きっとできる。
自分を信じて悠々と生きなさい」
そうして私は何度でも立ち上がるのだ。
ていうか、こんな長い注釈ありえないな。でもこれが私なのだ)

閑話休題。

コゼットの母親であるファンチーヌの
不幸っぷりのひどいことったらない。
もともとはとても奇麗で純粋な女性が、
男に捨てられ、髪も歯も売って、
ボロ雑巾みたいな体になってるのに、
さらに金よこせ!とひっきりなしに言ってくる
強欲なテナルディエ夫妻のもとに金を送るため、
売春婦にまで身を落として稼がなきゃいけないんだから。
すべては夫妻に預けた愛しの娘、コゼットのために。

街頭にたって客引きしてる最中に酔っ払いに
背中に雪を入れられたり、とことんいじめられる。
それでブチ切れて暴れたら、厳格なジャヴェール刑事につかまって、
ぶちこまれそうになってさ。

それをマドレーヌ氏が市長命令で救うのだけれど、
ジャヴェールはこのマドレーヌ氏を
ジャン・ヴァルジャンだと疑っているから油断がならない。

ようやっと、マドレーヌ氏によって
不幸なファンチーヌとコゼットが引き合わされるのかなぁと思いきや、
ジャン・ヴァルジャンがどこかで捕まって
死刑判決を待ってるという情報がもたらされる。
「(そんなバカな、そいつはジャンなんかじゃない。
ジャンはここにいる私なのだから…)」と愕然とするマドレーヌ市長。
もたらしたのは、あのジャベール。
あなたをジャンだと勘違いしてた私を免職にしてくれと
頼みにきつつ、その情報をもたらしたのだ。
コゼットを迎えに行こうとしていた矢先のこの情報、
いい人になって生きようと、心の師匠である
ミリエル司教に誓って行動してきたジャンは
ここで大いに葛藤する。今捕まれば…。

風貌や、出身地が同じだったりしたために
自分の身代わりになって殺されようとしている囚人がいる。
しかし、ファンチーヌはもともと弱ってた体に
あの雪を浴びて病をこじらせ、いまや虫の息。
コゼットさえ呼び戻せば、希望がわき、回復するかもしれないが…。
この岐路にたった時の葛藤を、たっぷり一緒に
味わえて濃厚なのだ。

やがてジャンは決断し、囚人の命を救いにいく。
この迷いながらも立ち向かう生きざまが
心にしびれるように流れ込んでくる。
裁判所で証人たちが、似ている偽のジャンに向かって
確かにあいつがジャン・ヴァルジャンでさぁとか
言ってる所に現れ、最後の最後まで迷いつつも、
「私の顔を忘れたのか! 私が本物のジャン・ヴァルジャンだ!」と
ついに言い放つ。胸に響く。

すぐに帰ってファンチーヌのもとへ行くジャン。
「コゼットはどこです? 迎えにいってくださったのでしょう?」
もしショックや絶望を与えては、このまま息を引き取るかもしれない
ファンチーヌに、すぐ近くで遊んでるよ、
もうちょっと元気になったらあわせてあげると
嘘をつくジャンたち。

そこにやってきたのはジャヴェールだ。
裁判所での告白事件を知り、追ってきたのだ。
ファンチーヌの目の前で、神さまの如く感謝してた
マドレーヌを貶め、愚弄し、
囚人ジャン・ヴァルジャンとして捕らえるジャベール。
娘さんを迎えにいく猶予を3日くれと懇願するも相手にせず。
ファンチーヌはジャヴェールがもたらした
恐怖と絶望によるショックでついに絶命!
ジャン・ヴァルジャンはジャヴェールに捕らわれてゆく。
さぁ、二巻へGO!


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プラネテス (1) (モーニングKC (735))

著者 : 幸村 誠

出版社:講談社

発売日:2001-01

評価 :

完了日 : 2007年03月07日

その昔、その道の先輩に
「クリエイター必読本だぞ」と言われ、
貸してもらい、その日のうちに全巻本屋に買いに走った本。

ここに登録しておかないのは、冒涜に値すると思い、
登録しました。

設定(ユニーク)、話(しょっぱい)、
テーマ(深い)、人物造詣(人間臭い)、どれもドツボ。

個人的には、中年オヤジキャラにやられた。
こんな中年書けるようになりたい。いつか。

きっとずっと色あせずに残っていくマンガです。

しかし、「ヴィンランド・サガ」はこれを超えられるのか?
今から心配です。まだ超えられてないです。
幸村さん、頼みますよ。
また表現の向こう側に連れてってください!


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