たなぞう

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カーシーさんの読書ノート

絶対再読の約束!
絶対再読しなきゃなぁと思う本。生きる目印になったり、糧になったり、仕事上お手本にしなきゃいない本だったり。

※うーん、血肉本との差別化はからなあかんかなぁ。
一応血肉本は、昔読んだ本しか入れてなくて、こっちは
最近のも入ってる感じかな。
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 25

クライマーズ・ハイ

著者 : 横山 秀夫

出版社:文藝春秋

発売日:2003-08-21

評価 :

完了日 : 2007年03月02日

わなないた…。
電車の中だったが、
わなないて、わなないて、わなないた…。

だから人間は、やめられない。

はばかりながら、書酔いしている。
だが酔っていい。
酔ってなんぼの本だと断言できる。

我知らず息をつめ、じりじりと物語をよじのぼり、
突き抜けると、なんとも爽やかな、
しかし圧倒的なカタルシス。
これがクライマーズ・ハイの境地だ。

作者が読者にたどり着かせたかった境地に
まんまとたどり着き、酔う。
これがすべて。

いっておくが、作中に
作者の作為など微塵も感じない。
読者はただ、どっぷりと時間を忘れて、
ヒリヒリと読み進めることしかできない。

あとは、冷めやらぬ酔いの中で、己を取り巻く命と、
自分自身の命に思いを馳せ、生を深く感じる。
それだけでいい。

酔えなかった人は、少し寂しい。

今日は酔ったまま書く。
書き終わったら、酔いをさましながら
ゆっくりと腹の底にしみ渡らせたい。
そういう作品だ。

ここには、ただ漫然と生きているだけでは、
けして味わえない、憤怒と葛藤、惑乱と焦燥、
そして、希望がつまってる。

どうか、ここにある、作家の命そのもので
築き上げたような山に、一緒に登ってみてほしい。

命の重さを突きつけてくるあのタイミングと、
果て無き命の迷宮に叩き落しては
その命のつらなりにまた、包み返される慈愛の妙。
物書きくずれである前に、一人の人間として
わななかずにはいられなかった。

最後にこれだけ。

普通、自分を含めて、若者たちは戦争で何人死んだとか
聞かされても、その命の重さを身近に感じたことは
ないと思う。
同情や悲哀はもちろん感じるが、それはどこか
遠くのことで、切実な実感としてはせまってこないことが
多い。

だが本書は、読者が、
主人公に一番感情移入してしまうだろうという所で
命の重さについて真正面から突きつけてくるので、
思わず、時間をとめて考えてしまうほど
身近に、そして切実にそれを感じてしまう。
そこに、わななく。

心と心が本当に通い合う、家族や友がほしくなる小説だ。
会社小説であり、山岳小説であり、
緊密で稀有な家族小説でもある。

息が詰まりそうなほどに、
じりじりとした会社での修羅場と、
命がけの岩山の登攀。

その二つの山を乗り越えて主人公と見上げた空は、
スコーンと胸をうつほどに爽快だ。

俺も人生下りずに、このまま戦ってみようと思う。
つながりあう、人々とともに…。


この感想へのコメント

2.カーシー (2007/04/06)
すみません(汗
今読むと恥ずかしいんですが、読んだ直後の
率直な感想ではあります。
ゴリゴリ摩擦する会社小説としても一級品かと。
お気に召したらうれしいです。
3.anokeno (2007/04/06)
いえいえ
半落ちしか読んでいないし
気にはなっていた著者なので
お返事もありがとうございました

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 1

風雲児たち (幕末編1) (SPコミックス)

著者 : みなもと 太郎

出版社:リイド社

発売日:2002-07-26

評価 :

完了日 : 2007年02月16日

よいこのみなさーん。「風雲児たち」をよんだら、
こっちの幕末編に進みましょうねー!

幕末は大好きですが、
みなもと先生にはいろいろ脱線して
いろんな歴史や人物のこと教えてほしいです。

そんな人がそんな活躍してたのか。
歴史では習わなかった、
本当に豊かな生きた歴史がここにあります。
心転がされるユーモアとともに。


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 1

風雲児たち (1) (SPコミックス)

著者 : みなもと 太郎

出版社:リイド社

発売日:2002-03-28

評価 :

完了日 : 2007年02月09日

このシリーズ、本当は地球上で知ってるのは
自分だけであってほしい。誰にも読ませたくないくらい
好き!

でも、やっぱり知って欲しいから、ジレンマを乗り越えて
ここにあげておきます!

授業の歴史が好きになれなかった人、苦手だった人、
どうぞ手にとってみてください。
ユーモアとともに怒涛の歴史劇がスパスパっと
テンポよく心を駆け巡っていきます!

この簡潔さ。本当に頭のよい人でなければ、
こんな漫画は書けない!軽妙洒脱。

そして、人間が、生きてごわす。
歴史が動いちょるでごわす。
その悲喜こもごもの怒涛の人間劇の底流から
立ち上ってくるのは、みなもと先生の歴史を、
いやさ人間を、愛するまなざし。
それが温かい実感をともない、伝わってくる。
なんて深い滋養を持った漫画なんだろう…。

歴史のむごさ、人のおろかさ、賢さ、
けなげさ、したたかさ、愚劣さ、気高さ、
優しさ、強さ、いろんなものが
これでもかっていうほど、つまりまくってます!

何度よんでも目頭が熱くなるシーンがあります。
ギャグってみせてますは、まごうことなき人間がいます。
生き様があります。

こういう大人から歴史を習いたかったなぁ~(´Д`)
……と、悔やんでいても始まらん。
悔やんでる暇があったら、これを読み返そう!
うんうん、そうしましょそうしましょー!


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1.猫野正 (2007/06/10)
うふふふ。私も知ってます。読んでます。関ヶ原からの中央突破のことなどこのマンガから学んだことは多い。画が何とも言えないです。ギャグとシュールと圧倒的な知識に愛情。本当に知って欲しいけれど内緒にしておきたいマンガですよね
2.カーシー (2007/06/11)
>猫野正さん
コメントありがとうございます!
本当によく調べて、人間性が一番にじみでた歴史の瞬間を
すくいとって、面白く語ってくれるから、
肩の力を抜いたまま歴史にひたれるんですよねー。
そして歴史や人間に対する愛情がギャグのはざまをぬって
しみじみ伝わってくるからやめられない。
おっしゃるとおり、画がまたなんとも言えず愛着のわく画ですし。
これからも密かに応援したいです(笑)
 

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 2

ドクター・オボのこころの体操―あなたは自分が好きですか

著者 : 於保 哲外

出版社:素朴社

発売日:1996-09

評価 :

完了日 : 2007年02月05日

本当にこれがあったから生きてこれた。

すべての原因がわかります。
そして立ち上がる方法も。

根本は、自分を大好きになること。
ナルシスト的にではなく、ベースから根こそぎ
好きなること。

アイドル歌手がいたとして、彼女は今売れている。
その時、彼女は彼女自身をすごく大好きといえるだろう。
でも、社会に消費され、見向きもされなくなったとき、
果たして同じように大好きと言えるだろうか?

オボ先生がいってるベースから好きになるといのは、
自分が成功してようと、挫折していようと、
かわらずに、自分の命が好き!といえることだ。

今がどんなにみじめでも、おちこぼれていても
人から嫌われていても、まずは自分が自分を
大好きといってあげられるかどうか。
自分を見る目を温かく。それが基本。

そのほかにも、オボ先生が実際に高田馬場で
数え切れないほど診療してきて、実感として
見つけ出した知恵がたくさんつまってます。

頑張ることはよくないこと。
わがままになろう。
悪い子になろう。
いい加減にいきよう。

心の病で苦しんでる人が、常識の枠をはずして楽になり、
立ち上がっていけるきっかけがつまっています。

心だけ診ても片手落ち。体だけ診ても中途半端。
心と体の両方、精神科と内科、つまり“人間”として
全体を見つめつつアプローチしていこうといのが
オボ先生の治療法です。

心の病をもった方が身近にいらっしゃる方も
どうか読んでみてください。
そもそも家族でなおす病気でもあるからです。
夫婦関係で悩んでらっしゃる方もどうぞ。


この感想へのコメント

1.anokeno (2007/06/30)
ようや読み終わりました。本当にいい本を教えてくれてありがとう。他の本も買ってみようと思います。
2.カーシー (2007/06/30)
>anokenoさん
コメントとても嬉しく思います。
「ドクター・オボの自信が湧いてくる心理学」の方も
内容が少しかぶるところはありますが、すごい本ですよ。
私は毎日持ち歩いて、たびたび眺めてます。
そして日常のプレッシャーから自分を守っています。
よろしければどうぞ^_^;
 

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 1

ドクター・オボの自信が湧いてくる心理学―自分を好きになれば人生は楽しい

著者 : 於保 哲外

出版社:第三文明社

発売日:2002-08

評価 :

完了日 : 2007年02月05日

苦しくなると、これをながめます。

冒頭の近くででてくる
フジコ・ヘミングの言葉を
僕もつぶやきながら生きてます。

ある音楽評論家にひどくこきおろされて、
「ぶっこわれた鐘があったっていいじゃない、
私の鐘だもの。この世に脇役なんて一人もいない。
みんなが主人公」

ここではまず、自分が主役の人生を生きてますか?
と呼びかけられます。
人の目をものさしにして生きてる人、
日本人ならけっこう多いのではないでしょうか?

そのほか、正しい夫婦喧嘩の仕方など
理想の夫婦関係についても言及してありますし
家族の問題にも多くふれています。
児童虐待や、キレる子供、ひきこもりなど、
現代社会にうずまくこれらの問題の根っこにあるものとは
なんなのか?
鋭くわかり易く述べられています。
そして家族は今、どういう関係を結んでいけばよいのかも。

根っこの原因は、500万年前からざっくり遡って
考察されています。
うへー!今人類にそんなことが起こってるのか!?
なるほど! そりゃ人間もとまどうよなぁと驚きました。
こういうのテレビでやった方がいいんじゃないかなぁ。
なんでやってくれないんだろ。

心の問題に興味ある方はぜひ!
今テレビでしゃべってるパネラーのコメントなんぞ
なんの役にもたちませんぜ。


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 24

魔術はささやく (新潮文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:新潮社

発売日:1993-01

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

もしかすると、サブリミナル効果とかトリック的に時代を感じさせる時代になってしまったかもしれないけれど、
僕の中では、宮部作品NO1の完成度かと。

事件をといて、犯人を追い詰めても話は終わらない。
いや、むしろそこで突きつけられる立場に震撼。
うまいなぁ。


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 2

少女パレアナ (角川文庫クラシックス)

著者 : エレナ・ポーター,村岡 花子

出版社:角川書店

発売日:1986-01

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

これがなければ死んでたかも。
ものごとには常に、いい面と悪い面、二面ある。
あるものごとが起きたとき、悲観主義の人間がかならず
悪いほうに目がいってしまう。
それでは必ず行き詰ってゆく。

たとえ何が起きても、いい面を見つめ続けてゆく生き方、
すると自分の気持ちが前向きになり、周りの流れも
本当に変わってゆく。
世の中にはそういう不思議な法則があるのだ。

パレアナはどんな境遇におちいっても
明るさを失わず、いつも目の前の現状を
どう喜んでいけるか探してゆくゲームで
生き抜いていく。
喜ぶことが難しいときもあったけど、
難しければ難しいほと楽しいですわ、とそれも喜ぶ。
そんな命の力に、やがてまわりも変化してゆく。

一生の宝です。謝謝。


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 2

将棋の子 (講談社文庫)

著者 : 大崎 善生

出版社:講談社

発売日:2003-05

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

本当はこっそり秘密にしておきたかった嗚咽本。

田舎をもち、夢をもち、東京に出て、
親を病気で亡くすとか、予想外の出来事に
挫折を繰り返してきた人間なら、
間違いなく嗚咽する!

将棋のノンフィクション小説だったのが
マンガにもなったんだけど、小説の方が
自分でいろいろ想像してオーバーラップ
するぶんだけ嗚咽度は高いっす。

将棋の奨励会というところには
年齢制限があって、たしか26歳まで
4段(プロ)になれないと退会となる。

かつて神童と呼ばれた子達が、26歳になって、
プロになれず、将棋しかしらない状態で
社会に放りだされたら……

うー、あとで感想全部リニューアルするつもりですが、
とりあえずこんな感じで許してください。


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 1

瑠璃の方船 (文春文庫)

著者 : 夢枕 獏

出版社:文藝春秋

発売日:1998-04

評価 :

完了日 : 2007年02月04日

個人的に非常に救われたので。

主人公が動き出すまでの試行錯誤も
読み応えありますが、仲間の将棋指しの勝負も
ヒリヒリします。

いずれ続きの感想書きたいですが(汗


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 6

七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)

著者 : ジョージ・R.R. マーティン

出版社:早川書房

発売日:2006-05

評価 :

完了日 : 2006年10月24日

これ登場人物が半端なくて、
何度も見返す必要があって大変だった。
にしても、読み終わりたくなかった……。
京極本並の中毒性ありやす。

毎回章ごとに登場人物の視点がかわるんだけど、
とにかく人物造詣が抜群でみな人間くさい!

体裁はファンタジー小説に入るかもしれないが、
これは完全に、北方謙三の三国志や水滸伝や
高橋彦の陸奥三部作に通底する
権謀術数ありありの戦国ヒリヒリ小説だ!

続きもので、まだ序盤なのに
とにかく人物が生々しく生きて脈動していて、
読んでるとその世界が濃厚に息づき
ぐわーっと立ち上ってきてゾクゾクしてくる!

ただし、本当に登場人物が半端ないので、
巻末の人物リストを見返す必要があって大変。
そのぶん、おつりがくるほど濃厚な読み応えで
一生読み終わりたくないほど耽溺できる。

これはたまらんぞ!

※ネタばれのところ削って修正して再UPです。


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 12

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

著者 : 我孫子 武丸

出版社:講談社

発売日:1996-11

評価 :

完了日 : 2006年09月01日

こ、これはすごい!
ねっとりと人間の重い暗部をくらっちまう。
すげぇ。

ミステリー的な仕掛けもあざやかだけど、
それなしでもよく書けてるんだわ。
今まで僕が考えたこともない
ヘンタイレベルの高いイメージを
読者にねっとりと送り込んでくる。

プロットもよくて人物も無駄なくよく描けてるから
超好み。

ミステリーだけで終わらずに、人間の暗部、病理が
どぉぉぉおおお~~~んと読後に立体化して浮かび上がってくる感じがすごい。

エピローグから始まるからどうなることかと思いきや
騙されて「え? ええーーーーーーッ!?」
と驚き、当然最初に戻って読み直しましたよ。

読み終わったあと心が重かったです。
友人いわく我孫子先生の最高傑作で、これ以上のものを
彼はまだ書けてないそうです。

でも人間のあんなヘンタイのイメージを描けるなんて
すごい! とても思いつかないイメージだった。
いやはや、降参です。


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 30

魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:1999-09

評価 :

完了日 : 2006年08月30日

1作目は映画でみて、友人に進められこれを読む。
厚さにびびっちゃいけない。これ読まないで死ねなかった。

確かに長いけど、するする読みやすい文体だ。
まだ途中だが素直におもしろいと思う。
ただの薀蓄ミステリかとおもいきや
なんと表現したものか、
まわりくどさをウリにした娯楽文学?

じれったいほどに、真相究明のスト―リーも
京極の講釈もまわりくどいのである。
しかしそこがポイントでぐいぐい
読まされてしまうのだ。
キャラの造詣もよく、合いの手やつっこみが入っていて
長い講釈もゼンゼンあきない。
事件全体がぼんやり浮かんでくるまで
そうとうまわりくどく待たされるが
それが、京極や木場、関口、榎木津などの
丁丁発止のやりとりを聞いてるのが
楽しくてやめられない。

なんなのだこの気持ちイイ、まわりくどさは?
長くてまわりくどいって、
どう考えたってマイナス面のはずなのに。
これはそれを逆手にとって楽しませてくれる。
そこが新しいのだ。個性なのだと
俺は思った。

ただの薀蓄ミステリじゃないぜ。
長いけどセリフのリズムは半端じゃなく
気持ちよさを保っていて、
長いのに無駄がない感じ。
ついつい京極の長講釈を
実際に声に出して読んでしまうほどだ。

それと、バラバラ殺人とか事件については
ややこしくって書かないけど、
いいなと思ったのは、殺人の動機についての講釈。普通の小説でも現実でも殺人がおこれば、
それにもっともらしい動機がつく。

はじめに動機ありき。
いわく、虐待だ、トラウマだ、
あーだこーだ、だから殺した。

そういうレッテルをはり、くくり、
殺人者と自分達がまるで遠くかけ離れた
存在であるかのようにする。
そうやって安心したいために
動機が必要なんだという。

だが実際は、いろいろな原因がつみかさなり、
たまたま環境的に殺せる環境がととのい、
そして魔が差しただけ。
それでも殺人は起こる。

誰でも殺したいとかいう感情はもってるし、
あとはそれを実行できる環境が
来るか来ないかだけの話で、
殺人者と我々には、なんのへだたりもないのだと。

なるほどなーと思う。

最初はちょっと理屈がすぎないかい?
と思ったけど、殺人の動機に
これみよがしに虐待だなんだと騒ぐ
話には確かに食傷気味になってる。
そこから考えると、こういう京極の視点は、
簡単にくくらずにいる立場にいる感じで
なかなか考えさせられる。

……

今読み終わったのだが、
心臓はまだ不安定だし、物語酔いのような
状態になってしまった。

なんたる悩ましい世界を顕現させるのだ
京極夏彦という男は!

後半のクライマックス。
黒衣の陰陽師京極と、
白衣の天才科学者との対決。
そこで読者はなんとも恐ろしい
魍魎という感覚に震撼させられる。

魍魎とは境界、そして人として
行ってはならない向こう側だ。

魍魎にあてられて、人は
自らの闇にとりこまれ、
向こう側へと渡ってしまう。

常人では誘われたら抗えないほどの
引力で。
(陰陽師の京極だけは平気だったけど。
あと木場も大丈夫か)

すべてが紐解かれると、
最初の1ページからの幻想的なシーンが
どーんと魍魎の姿をなして胸の中にあふれてくる。
そこで震える。

この小説こそ魍魎そのものだ。
あけてはいかん、魍魎の匣。
なんという引力!
思いっきり、引き込まれました。

追記:
読了後、魍魎にふれて
どっと疲れたことを書き忘れた。
揺さぶられすぎて、疲れたのだ。

そう、まるで関口くん(登場人物)になった気分。
関口くんだけが、たしか語りが一人称だからかな。
どうしたって感情移入してしまう仕掛けかも。

それから頭の中に浮かんでくるセリフが
昭和戦後のちょっとふるめかしい言葉使いに
なってしまった。尾をひく作品だ。

どうしたって君、そういうことになるのじゃないか?

それから構成の話も。
まわりくどさの文学といったけれど
それはペダンティックなキャラの語り口のうまさと
構成のうまさ両方のことをさしているのさ。

小説内に小説をのせてるメタな作品なんだけど、
これがアッ!という、うまいところで、
ガツンときいてくる。

でも、この辺はこの小説の肝にかかわるので
これ以上は書かないでおく。

ただ、これだけは言っておいてもいいかな(汗

読み終わったあと、

「ほう」

としか言えない生首の存在が、
妙にリアルに、胸の奥に鮮明に
響いてくるのであるよ…。
いやはや、魍魎を実体験させられた日には
降参するしかないでしょ。


この感想へのコメント

1.はな (2007/11/28)
カーシーさん、初めまして!いやぁ、感想読ませていただきました。こんなに上手に文章を書けるのって素晴らしい、うらやましい!私、京極堂シリーズは鉄鼠の檻までしか読んでいないんですが、これがいっちばん面白かった。ぶ厚さにびびらずに読んでよかったと心底思いました。なんか、現実的でもありますよね。また遊びに来ます♪
2.カーシー (2007/11/28)
>はなさん
初めまして! いやぁ、こんな長い感想でも
読んでくださる方がいて嬉しいです(^^♪
京極本は文庫で出てるものはほとんど
もっているのに、実はもったいなくて、
あと絡新婦の理ぐらいしか読んでないんですよ(汗
いずれ京極月間作って読みますよー。

いつでも歓迎いたします。更新遅いですが、
気が向いたときにでもパラリしてにきて
くださいませm(_ _)m
 

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 13

アジア新聞屋台村

著者 : 高野 秀行

出版社:集英社

発売日:2006-06

評価 :

完了日 : 2006年07月18日

そうそう、今ちょうどバイタリティが必要でさ、
こういう本を読みたかったのよ!

この猥雑で、エネルギッシュな世界は
僕がちょうど欲してたものだった。
この作家の別の本も買うぞ!

------
ビンボーフリーライターの家に、
一本の電話がかかってくる。

エイリアンのレックといいますが、
原稿を書いてください

え、え!? エイリアン?

びびるよね?
もうのっけから笑い満載。
それが笑えるのは、本人たち外国人が
真剣に真面目だからだけど。

リュウさんのつくったハチャメチャなアジア新聞社に
ふりまわされるにぎやかな日々に乾杯。
できる女、朴さんとの恋愛未満の、あの感じが
ダントツにいい!
結局、やめて転向しちゃんだけど、
ひきとめるチャンスあったのに、
進展するチャンスあったのに、何もできず
タイミングのがしちゃう馬鹿な男…。

自分の思い出で似たようなことがあって、
何もできなかったなぁと思わず思い出してしまった…。
はぁ~せつねぇ~。
高野さん、わかるよ、オレは分かる!

しかし、アジアに人って、ずぶといし
したたかねぇ。
ナンシーなんか、あっという間に独立しちゃうしさ。
副業あたりまえだし。
まぁ、だからこそ、会社が詐欺でかたむいたときも
生き残っていられたんだけど。

主人公があじわう外国人のずれを追体験して笑ったり、
驚いたり、関心したり、なんだか自分まで
豊かに視野がひろがっていきそう。
感情移入できるのは、この主人公が、マンネリを嫌う性質で会社人間なんて!っていうのが根本にある人
(というか誰もやったことにないことを
純粋においかけていたいパイオニアマン)なのに、
いざアジア屋台村に入ってみると、
あまんりにもデタラメすぎて、
「編集会議ぐらいやろうよ!」っていう
まともな人間の方向にいってしまいざるを
えなかったとこね(苦笑

ま、思い直して、ここはそうじゃないからいんだよな、
って教えられるのはあんだけど、
源泉徴収くらいはやったほうがいいよね(笑

あー、笑ったし、ほっとしたし、
せつなさかったし、エネルギーもらった。
おれ椎名誠さんのこういうのとか、目黒さんの出版の話とか
とにかくこういうの大好き。

熱がある。夢がアル!
自分の実家の家とか大変なんだけど、
あの家に今欠けてるもの、全部あるね。
これを家族に読ませたい。
型破りなエネルギーに脱帽!


この感想へのコメント

3.anokeno (2007/02/06)
読み始めました
まだ著者が顧問になったばかりですが
数ページ毎に吹いています^m^
4.カーシー (2007/02/06)
わーよかったーヽ(≧∇≦)ノ
僕の本は今家族に貸してますですよ。

あの外国人たちの、良い加減で図太くてしたたかで
でも憎めないバイタリティが、ちょっとだけ
僕はほしいのです(・ω・;)

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 1

ハムレット―みなもと太郎の世界名作劇場 (レジェンドコミックシリーズ (9))

著者 : みなもと 太郎

出版社:マガジン・ファイブ

発売日:2006-06

評価 :

完了日 : 2006年06月29日

ハムレットもシラノ・ド・ベルジュラックも
モンテ・クリスト伯も乞食王子も、
この人の手にかかると、換骨奪胎。

短くってオモロくって、何か骨太な
いとおしさが脈打っていてよいのだ。

白眉は巻末の「スターウォーズ・ドンキホーテ」。
少年の心のままジジイになった奴が、近未来を
ドンキホーテさながらにドタバタ勘違いでかけめぐる。

以下、内容にふれちゃいますのでご注意を!



で、現実の壁という奴にこてんぱんにのされて、
正気にもどり、まったくもって向こう見ずじゃない、
しょぼしょぼした弱いジジイになってしまったとき、
今まで現実サイドにいて、じじいを散々迷惑がっていた
姫こと、ドルネシアが、じじいによびかける。

未来を信じろってもう一度言って見せてよ!
果てしない彼方へ突き進もうって!

老人は、ブツブツ…現実はきびしいともらす。
しかし、姫の、ライト兄弟の夢を現実にした話や
その話以上の情熱に触発され、
「ん!? ひ、姫! 姫ではないか!」
と自分が誰で何者だったのか、
思い出してドンキホーテが復活する。

ドンキホーテの夢がこわれて、
現実サイドの人間になりさがって
再就職しようとしてた下男のサンチョが
ドンキホーテの復活をみるや、
何もいわずに履歴書やぶるコマでホロリ。
夢を見ようぜ!

実は、そのあとドンキのジジイは
ガンですぐ死ぬんだけど(´Д`)、
ドンキホーテの灯した向こう見ずなくらい
希望と妄想にみちた炎は、ドルネシアの中に
燃えうつっていて、彼女が、
その世界の中で、初の恒星間飛行を実現させた
ドルネシア博士となる! 
で終幕!

いや最高っす(涙
ぶっちゃけ、仕事のことでめっちゃモティベが
おちてて、落ち込みはじめてたんだけど
これで、熱がもどってきたよ!
ありがとう! みなもと太郎先生!

「明日の自分を捨て去ることが命を粗末にすること」
「人は希望を失ったときに老いる」

そして、最終ページには、宇宙にとけこんだ
ドンキ・ホーテをバックに――

「宇宙は私を包み込み、
私は思考で宇宙を包みこむ」パスカル

で結び。
むぅ~。にくいよこの!




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 12

コフィン・ダンサー

著者 : ジェフリー ディーヴァー

出版社:文藝春秋

発売日:2000-10

評価 :

完了日 : 2006年03月28日

これがまたとてつもなく、読んだらやめられないほど
面白いんだ!

「ボーン」はそうでもなかったから、実は珍しく本を
売ってしまっていたのだ。しかし、コフィン読んで
それを買いなおしちゃったからね。
ボーンのときはなんかふーん、おもろいね、
って感じだったんだけど、今回は人物もひきつぎで
飲み込み安かったし、読みやすかったせいか、
どっぷり入れた。

アメリアとリンカーンだけじゃなく、
飛行機ノリのパーシーに、二挺拳銃の
ローランド・ベルに、デルレイに、
とにかく他の人物もすごくよく描けてて最高。

お話は、天才のリンカーンに、これまた
天才的に人を幻惑するコフィンダンサーが
対決するもんだから、どんでんがえし盛りだくさんで
緊張感が持続するする。

しかも、アメリアの勝手な思い込みだけど
パーシーとリンカンとの▲関係とかもあって
そこもイライラさせて、で、すっきりさせて
よませてくれる。
(以下、内容にふれてますのでご注意!)









あ、今回完全に二人は寝ちゃいました。
一回ライムがこばんだときがあって、それは、
昔の恋人を爆弾で死なせた経験から
アメリアも同じ立場にしたくなかったという
ライムの気持ちがあるんだけど、それがミソだね。

にしても、あの浮浪者が実はダンサーで
パーシーの片腕のロンが黒幕とはね。
パーシーの夫のエディは浮気してるから
おれ(ロン)を選んでくれって頼んだけど
駄目だったってことが裏にあるのね。

いやはや、続編も全部買ってしまいました!


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 1

アンダーカレント アフタヌーンKCDX

著者 : 豊田 徹也

出版社:講談社

発売日:2005-11-22

評価 :

完了日 : 2006年02月10日

こういうのが読みたかった!

レミオロメンの「粉雪」を聞きながら
読むとラストは染み込む。
全然粉雪舞ってはないけど(汗
(今ならいきものがかりのSAKURAでぐわっとくるかな)

誰かのサイトでほめてたのを見て、
僕も探して買って読んだのだが、いやはや驚いた!
マジで、今すぐ本屋に走って買って読んだほうがいい!
こいつはとびきりの大人の傑作だ。

空気だ!
このマンガ、空気が描けてる!
あの透明で、静謐で、
ピンと張り詰めてる空気はなんだ!

波乱万丈の野太い泣かせる傑作とかじゃないの。
全然別のベクトルなんだけど、これもまた
ぼくちんの大大大大ダーイスキなベクトルなのだ!

家業の銭湯をついだ女性がいて、
婿養子ではいった主人とむつまじく
営業してたらしんだけど、ある日突然
ふらっと主人が蒸発しちゃうのよ。

で、手が足りなくて、ぼーっとした男を
ひとり雇うんだけど、この男と恋愛するとか、
そういうことじゃなくて、
なんとも言えない男と女の距離感の中で
一緒に生活するのよ。

このなんとも言えない何か、
空気みたいなものをさ、描けるってことが
表現者なんじゃないかしらん。

一言で言い切れるものを描くんじゃなくてさ、
わりきれないもの、ケツのおきどころにない感情とかさ、
そういう掴みきれない何かを、訳知り顔でくくって
説明するんじゃなくて、
生活の中にただよう空気とか、しぐさとか、
その積み重ねでさ、つかみきれない何かとして、
そのまま運んでくれる、見せてくれる、
それが表現者なんじゃないかと思うのよ。ときどき。
(あ、そういえばこれ、上原隆さんの
ドキュメント・ルポの感じににてる。ウマがあうはずだわ)

この作家が見てるもの、見えてるものが好き。
ものごとの見方が好き。観る角度が好き。
静かな目が好き、届け方が好き。

人間て、実際にしゃべってる言葉とは
違うこと考えてしゃべってたりするし、
本当のことは言わないで、
半分くらいの感情でしゃべってたり。
違うかな?

怒ってる口調でしゃべってみせて、
実はそんなに怒ってなかたりするし、
本当は好きなのに、絶対好きっていわないし、
そんな素振りは微塵もみせないで、
わざとちょっと離れた席に座ったり、
逆に、好きじゃないのに、
すごく好き! なんてほざいてみたりさ、
本質って、表面にはなかったりするものじゃない?

このアンダーカレント、表面の物語の底に、
常に、もどかしい何か、ぴーんと張り詰めた何かが、
たゆたってる。
まさに暗流、底流なのだ。

登場してる人間にカメラはむけられてるから、
コマの上で芝居するのは、もちろん人間だよ。
だけど、ピントはその奥の本質にずっと
あてられてる感じがするんだよね。

はぁ~、こういう豊かで品があって、
鋭くて、揺さぶられて、広がって、
どうにかなっちゃいそうなマンガを
5万冊くらい読みたい!

このマンガ家さん、他には何書いてるんだろう。
つーか、くやしいよ、おいら。
こんなことを描ける人がいるなんて。
神さぁーん、おらに、さいのーをおくでぇー!


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 2

水滸伝 (1)

著者 : 北方 謙三

出版社:集英社

発売日:2000-10

評価 :

完了日 : 2005年12月31日

1巻目のところに水滸伝1~19の感想まとめて
ダラダラかいちゃおうっと。

三国志で北方戦国小説の実力は十分にわかってて、読んだ。
途中からもう早く続きが知りたくて、ページを
めくるのももどかしくなった。

いや序盤からすごいんだけど、でも、感情移入的には
三国志みたいに知らない人たちばかりだったから
エンジン全開するまでちょっと時間はかかったかも。
なにせ登場人物が多いから。

でもこれを見事にかきわけててさ、人物を覚えてからは
もうノンストップよ。

何巻目かで、絶対に死なないだろうと思ってた
○○が死んだのにはびびった!
原作は知らんけどだいぶ違うらしい。設定とかも。
なんせ原作では、108人集まるまで誰も死なないらしいから。
ところが北方水滸伝ではバタバタ死にます。
それも一番おいしいところで!

正直、○キには死んでほしくなかった。
みんな散っていくんだもんなー。
何度目頭が熱くなったか、数え切れない。

こんなおおざっぱなたとえで恐縮だけど、
北方水滸伝には魔法を使える超人とかは出てこない、
ただ、実際にいそうな、それこそシウバとかミルコとか
k1やプライドの頂点にいるような奴らが武将として
登場するのだ。
みんな、地に足のついた人間で、おそろしく強かったり
頭がよかったりするのだ。
で、想像してほしい、シウバやミルコのような
超人武将達が、まるで里美八犬伝のような
シチュエーションでかっこよく次々と死んでいくのを。

里美八犬伝をもっとスケール大きくした感じで、
なおかつ、魔法とかの不思議さはなく、リアルな戦闘で
散っていくのだ。

もうね、これ読み終わったあと、人生で一番困ったかも。
いつもは次になに読もうか、迷うのが楽しくて仕方ない
至福の時なんだけど、このときばかりは勝手が違った。

水滸伝の続き以外、何も読みたくなくなってしまったのだ!
いやまじで。

一応いっとく、続きはあって、今筆者がバイタリティ
よろしく書きつづけているらしい。
もうそれしか眼中なくなってて、他の本選ぼうとしても
活字が目に飛び込んでこなくて、水滸伝のことばっかり
考えちゃうのね。はじめての経験だわ。

結局、前から決めてた書評系の本にしたんだけど
全然頭に入っていかなくてまいった。

ともあれ、それほどすごいぞ北方水滸伝は!




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 7

三国志 (1の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

著者 : 北方 謙三

出版社:角川春樹事務所

発売日:2001-06

評価 :

完了日 : 2005年12月07日

止まらなかった! これからはこれが三国志の
スタンダードになってしまう!
吉川三国志もロマンチックで人情があってよかったけど。
こっちはハードボイルドでまたよいのだ。
何度も目頭が熱くなった。
(漢字を出せなくてカタカナで武将表記する時ありますが
許してちょ。でもって、以下、内容にふれてますので注意)










お気に入りはチョウヒ。
ここのチョウヒは粗暴なだけじゃない、
つーか、粗暴なふりをするチョウヒなのだ!
チョウヒの部下の王安が死ぬ時も泣いたけど、
チョウヒの死もなける。
刺し違えたのがシュウユの下で動いてた幽。

カンウが死んだ時のチョウヒの態度もなける。
カンコウ(カンウの息子)と酒を飲むシーンとか。
抑制が効いてるから、よけいにこらえてる量が
逆に半端じゃなく想像させられて、男泣きしてしまうのだ。

孔明だけが生き残って13巻目はもう
失速しちゃうかなぁと思ったんだけど、
最後にシバイとの手に汗握るかけひきをみせてくれました。

でもホント、孔明ってついてない(涙
勝てるのに、一箇所、作戦的に穴があきそうもないところで
毎度穴があいて勝てないのだ。
で、忙しすぎて過労死…。
キョウイー! 頼むー!
つーか、バチョウてめぇ再ごまでいろよ!
モウタツもぶっころす。
ごめん、読んだ人にしかわかりません!

曹操は怜悧でかっこいいし、にくめない。
でもソウヒは嫌だ。戦はへただし。
それよりわがままなソウエイはもっといや。
ま、生まれた時から帝だもの、しゃーないよね。
才能もちぐされだ。

ジュンイクー!
曹操の傍にいながら助け、しかしあくまで
帝の臣下だったお前に拍手。
死に際はかなしい。
曹操の考えと一致することなく自殺…。

あとホウトウ早く死にすぎ!
お前さえいきてりゃ、カンウの作戦は成功してた。
あとバショク、てめぇは調子こいてんじゃねぇ。
才気ばしって大迷惑だ。勝てたのに…。

カコウトンももちろん好き!
勇猛な奴じゃなく、オールマイティな
武将として描かれてるけど、彼が出てくると
曹操じゃないけど、安心する。

そういう意味では寡黙なボディガードの
キョチョもいい! 言葉は短いけど深いのコイツ。

あ、孫権軍は好きになれんなぁ。
シュウユは別だけど。
チョウショウのチョウリャクはうざいし、
孫権は天下より、守りばっかでおもしろくないし。
まぁ、堅実なんだけど。
ソンサクのころはよかった…。

チョウロとチョウエイの兄弟があんなに
書きこまれるとはおもわなかった。
つーか、チョウエイてめぇとちくるって
バチョウにぞっこんのエンリン(遠術の娘)に
精をはなってんじゃねぇ!

シバイがマゾで、ソウヒがサドっつー設定もよかった。
ちゃんとリアリティあるし。
あと酒飲みカンヨウがいい味だしてたなぁ。

いやぁ、とにかく止まらなかった!
これ以上の三国志はないでしょ。
つーことで次は北方水滸伝だ!

追記:
なんか、箇条書きがでてきたので、備忘録として残す。
序盤読んでたころ、感想まとめて書くつもりだったのに
我慢できずにメモったものだと思う。
・ちょうせんでてこなかった。
・りょふがまざこんぽかった。
・かんう、ちょうひ、しぶい。
・りゅうび、ちょっぴりずるい。
・そうそう怜悧でかっこいー。
・てんいは軍人。きょちょ早くでてこい。
・ちょううん、早く活躍しろー。
・じゅんいく小ざかしいくていい。
・そんけん、しんだ。そんさくいきおいある。
・しゅうゆ、頭いーぞ
・かくか、活躍しろ
・とうたくしんだ。ざまみろ。
・いまんとこ一番いーのだれだろ?
・かこうとん、そうそうの右腕でよい。
・そんさく、しゅうゆの、二僑誘拐とプロポーズ、痛快!
・五斗米道のちょうえーとせんこう。父子関係?読み応えでてきそう

以上。


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 3

G戦場ヘヴンズドア 1 (1) (IKKI COMICS)

著者 : 日本橋 ヨヲコ

出版社:小学館

発売日:2003-03

評価 :

完了日 : 2005年07月26日

漫画家を目指して葛藤し、懊悩し、悶絶し、
それでも前を向いて駆け抜ける少年たちの物語。

モノ作りを目指す人が読んだら、
ほっぺたをグーでぶん殴られるぐらいの衝撃が
あるんじゃないでしょうか。

震えるです。心が動くです。
ボクは思わずこの本に土下座してしまいました。
降参、参った。

思わず嗚咽を漏らしちゃう嗚咽本、
目からうろこが落ちちゃうロコポロ本、
世の中、いろいろあるけど、これは思わず
尊敬して土下座してしまう稀有なドゲザ本です。

欠点はあるといえばあります。
こんなこと書くと、 じゃぁいやだなんていう御仁が
いらっしゃるかもしれませんが書きます。
日本橋ヨヲコも業直球なんで、
僕も直球で書きます。

設定は記号的な気がするし陳腐だし、
登場人物のつながり方も強引だし、
お話だってご都合めいたところがないではない。
さらに言えば絵だって線だって、
今ウケするものとはいいがたい。
すくなくとも、このマンガで
ジャケ買いしようなんて人はいない気がします。

だが! だがしかし!
そんなことなど、もうどうでもよいのです!!
この本から繰り出される、こちら側の
命の奥んところをかきむしるような
セリフ、セリフ、セリフ!
微妙な心の動きを、いや、
人間そのものに内在する命のうごめきを
ヴィヴィッドに切り抜いてみせる
カット、カット、カット!
そいつがこちらの魂の底をゴリゴリッと
かすめて飛んできやがるんです!

絵の好き嫌いはあるでしょうが、
もしもまだ味読な方がいたら、
ぜひ、堪能してみてほしいです。

サイコダイブして、この日本橋ヨヲコとういう作者と
対面してみれば、何がいいたいか
分かってくれるはずです。

読み終わった瞬間、 「こうしちゃいられねぇぞ…」
そんな言葉が思わずほとばしっちゃうかもしれません。

臭いといえばあまりに臭い。
ストレートといえば、これ以上の剛直球はないっす。
でも、日本橋ヨヲコにとってこのマンガは
「描かずにいられなかった」マンガだったはず。
そしてだからこそ、「G戦場」は
日本橋ヨヲコにしか描けないマンガになったのだと
思います。

※もしこの手の作品がツボなら(私はドつぼだ)
夢枕獏の「瑠璃の箱舟」(小説)も必読かも。
なぜか将棋シーンが熱い!


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 2

私を変えた一言

著者 : 原田 宗典

出版社:アクセスパブリッシング

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2005年04月25日

苦手なことにどうしても挑戦しなきゃなくて、
でも不安で、この不安を拭おうとして本を読む。
この本がきいた。

なかでも、199Pの
医学者エミール・クーエの章がきいた。

「想像力は、必ず意志の力を上回る」

これはどこかで聞いたことあるかもしれんけど、
自己暗示の話がおもろい。210P。

長さ10M、幅30センチの厚板を地面に置いて
上を踏み外さずに歩くのは簡単だ。
だけど、これを大寺院の屋上の高さ(何十メートルも上空)
に置いたなら、果たして同じように簡単に渡れるか?
という話。

まったく同じ板を渡るのに、前者はたやすく感じ、
後者は無理だと感じてできない。
これは、「難しい」と無意識に思い込んでるからなのだ。
とするならば、逆を言えば、どんなに難しいことも
簡単だと暗示でき、そう思い込めれば、
より簡単にクリアできるのではないか?
という。
だって、やることは同じ大きさの板を渡るだけなんだもの。

オレは大丈夫!と力むように暗示するのではなく、
あくまで自然に、難しいとか簡単とかも思わずに
あたりまえにできるものと、思い込めらるかが
ポイント。

このクダリは、僕の今の不安や緊張を和らげてくれた。
難しくてできないと思えばできないし、
無意識であたりまえにできることと思えてれば
いつもよりは楽に、クリアできるはずなのだ。

難しいなぁと萎縮してれば、普段なら簡単なことも
なぜか失敗してしまうし。

とにかくこの本に救われた瞬間があった。

------------
元国連難民高等弁務官、緒方貞子に著者が
今の日本の若者に足りないものを
インタビューした時の話もはっとした。

緒方「好奇心が足りませんね」

この一言にガツンときた。そうかもしれない。
いつのまにか、失敗を恐れ、はみだすことを恐れ、
いい大人になりさがって、人生を縮ませていたかもしれない。
「勇気の量で人生は伸縮する」とはよく言ったものだ。
失敗したらどうしようとか、嫌われたらどうしようとか、
そんなことを考えてしまうより先に好奇心で飛び出している。
そんな心持ちを取り戻せれば、
今よりきっと何倍も豊かな人生を味わえるのかもしれない。

蛇足だが、私の好きな人物には、子供の面と大人の面が
両方バランスよく配置されてる気がする。
ダウンタウンの二人は時に子供に見えるし、
神助もそうだ。ブラジルのロナウジーニョも。
一流になるための秘訣は、どうも子供心にある気がしてきた。
転げまわるように貪欲に遊ぼう。そんな今日この頃ではある。


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