たなぞう

WEB本の雑誌

RIESLINGさん > 読書ノート

RIESLINGさんの読書ノート

小説格納庫
純文学・文芸、ホラー、ミステリー等、小説の格納庫。

SF,ファンタジー、ラノベ等、専門ノートを設定している物に関しては各所にあります。
<前のページ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 1

コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (宝島社文庫 603) (宝島社文庫)

著者 : 上甲 宣之

出版社:宝島社

発売日:2008-01-11

評価 :

完了日 : 2008年12月30日

題名がヤバすぎる(笑)。ゲテモノだと思っていたけど、それなりに読めた。紅蓮女は幽霊だけど、本物ではなくて幽霊のコスプレをした生身の人間である。その正体は根暗な女教師なのだが、溜まりまくったストレスを幽霊コスプレで発散しているという、かなりの問題教師なのである。

コスプレ素材となる紅蓮女は、自らが時間をかけて流布した都市伝説という気合の入り方。普段は駄目教師なのだが、変身すると性格まで変わるという強烈な電波さん。そんな彼女が口裂け女と出合った!?

口裂け女? との対決、電波入った猟奇事件犯人との対決、鄙びた村での鏡伝説、呪いの手紙と続いて、最後に白いメリーさんに似た電話男との決戦。連作短編みたいになっているが、ラストで一本に繋がる。繋がるどころか、紅蓮女だけで完結せず、他作品にまでリンクしている……。しまった、図書館に置いてないから、執筆順に読んでない。

紅蓮女の火炎攻撃が人間業とは思えないし、ちょっと強引なのでミステリーとして読むには物足りないかもしれないが、都市伝説を上手く取り入れていて面白い。作中に火の玉アイスが出てくるのだが、実在するらしい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

天女湯おれん (講談社文庫)

著者 : 諸田 玲子

出版社:講談社

発売日:2007-12

評価 :

完了日 : 2008年12月23日

若き主おれんの銭湯には秘密があった。隠し部屋があり、そこで行われるのは……。要は、売春銭湯な訳だが、エロ小説ではない。貧乏だがしたたかに生きる人々の、大江戸人情物語といった感じか。

辻斬り事件が起こったので、これをおれんが華麗に解決するのかと思いきや、ミステリー風にはならず、銭湯での盗難事件も後味の悪い結末になってしまい、どうも中途半端。おれんの過去や、ライバル大黒湯との確執の謎、語られない事も多々あり。迷い込んできた謎の浪人が抱えるお家騒動の顛末も気になる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

桃の向こう

著者 : 平山 瑞穂

出版社:角川グループパブリッシング

発売日:2008-09-26

評価 :

完了日 : 2008年12月21日

男子二人に女子一人なので三角関係物なのかと思ったら違った。前半はそれぞれの視点で物語が進むのだが、過去の回想シーンが終わると、真ん中にいたはずの女子は出てこなくなる。

バブル崩壊後の世代なのだが、一人がオーナー会社社長の息子で羽振り良すぎ。女子も雇われだとはいえ、社長令嬢。最後の一人は普通の人だが、受験は一番難しく、バブルが弾けて波にも乗れず、就職難で散々と、全く良い事が無かった世代の悲壮感が全然無いじゃないか。

バブル崩壊後もバブルの寵児継続中みたいな金持ち息子はもちろん、グダグダと頭だけでモノを考えている喪男子も好きになれない。最悪なのは、天然で八方美人になってしまっている女子である。怪しい宗教にのめり込んだりして、意外に頭悪そう。途中から退場してしまうので、どんな目に遭ったのかは不明だが。

一番貧乏な喪男ですら様々な面で恵まれすぎである。これではバブル崩壊後の貧乏クジ世代を使う意味ないじゃん……。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

肝心の子供

著者 : 磯崎 憲一郎

出版社:河出書房新社

発売日:2007-11-16

評価 :

完了日 : 2008年12月18日

第44回文藝賞受賞作。

文藝賞だから、またショボいんだろうと侮っていたけど、これは別格らしい。女子高生が適当に書いてみました的作品とも、純文学厨が自慰行為で書いてみました的な作品とも違う。

歴史上重要な役割を担うブッダから三代に亘る物語。これは、ブッダである事も重要だと思う。イエスではここまで嫌味なく読めなかっただろうし、架空人物を使った小説なら、文藝賞によくある単なる自慰行為作品で終わっただろう。

他の受賞作と比べたら悪くはないけど、会話文が少なく淡々と進むのに加えて、短い内容で無理やり一冊の書籍として出すためなのか、文字サイズに対して行間が大きくて読み難い。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 7

レヴォリューション No.3 (角川文庫)

著者 : 金城 一紀

出版社:角川グループパブリッシング

発売日:2008-09-25

評価 :

完了日 : 2008年12月16日

これがゾンビーズの最初になるのか。別の物語を先に読んでしまったので、まだヒロシが生きている話があって、この先に起こる結末を知っているだけに……。やはり読む順番間違えてるし。

SPEEDで謎だった部分はスッキリした。レヴォリューションNo.3→SPEEDの絡みはあるけど、当然ではあるが逆の流れは無い。これを出した時点で、SPEEDに至る伏線が入っていたら神なのになぁ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 66

映画篇

著者 : 金城 一紀

出版社:集英社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2008年12月15日

短編だけど、同じ世界を共有しており、「ヒルツ」というレンタルビデオ屋とその近所が物語に出てくる事が多い。自作が映画化されるまでになった小説家と、恐らくもういないであろう友人に関わる物語、夫が自殺してしまった妻の物語、父から現金を強奪しようと企む女子高生を助けようとする同級生、両親が離婚寸前の子供が中年ライダーに出会う物語、祖母のために「ローマの休日」を上映しようとする孫達。それぞれが独立した短編だけど、少しずつ別の物語と重なっている。

復讐を遂げるため、ペイルライダーとなった中年女性の覚悟は好きだな。「自力救済の禁止」なんて綺麗事を言っても、国家や法律が頼りにならなければ、自分自身で“正義”を貫くしかないだろう。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 12

対話篇 (新潮文庫)

著者 : 金城 一紀

出版社:新潮社

発売日:2008-06-30

評価 :

完了日 : 2008年12月15日

死と隣り合わせになった恋愛ばかり三編。

恋愛小説
死神に魅入られたかのように、周囲にいる人々が死んでいく少年は、誰とも関わらずに生きているが、ある日、階段から彼女が落ちてきて「親方~、階段から女の子が~!」
恋に堕ちる。しかし、呪われた運命が発動してしまう。


永遠の円環
末期患者となった主人公が、彼女を死に追いやった教授を殺そうと画策するが、もはや体力が残されていないので、誰かに手伝ってもらおうとするのだが……。これは、長編の「SPEED」とリンクしてるのか!


いきなり病に倒れた青年は、退職を余儀なくされるが、死と向かい合うことなく、頭に爆弾を抱えたまま、目をそむけて生きている。そんな彼が、九州まで車で旅行するというアルバイトを引き受ける事に。依頼主は長年戦った冤罪事件で勝利を勝ち取った弁護士。目的地は、別れた妻の遺品があるホスピス。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

偏路

著者 : 本谷 有希子

出版社:新潮社

発売日:2008-09

評価 :

完了日 : 2008年12月15日

小説かと思っていたら戯曲だった。またしてもキ印な人がたくさん出てくる。駄目人間だらけの家族模様。家族を犠牲にしてまで東京に出たけど、鳴かず飛ばずで出戻りしたい娘。それにキレて、帰ってくるなら自分が仕事辞めて代わりに東京へ行くと言い出す親父。一番酷いのは、仕事もせずにダラダラと人生を浪費した挙句、妹が貯めた大金を勝手に使って車を買い、直後事故ったクソ男。もう人間失格そのものである。

駄目な人だらけなのだが、本谷有希子本人の体験をそのまま使っているシーンもあって驚く。特別付録に登場する本谷父が強烈すぎる。星一徹に対抗出来そうなキャラだと思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 9

フライ、ダディ、フライ (The zombies series (SECOND))

著者 : 金城 一紀

出版社:角川書店

発売日:2005-05-31

評価 :

完了日 : 2008年12月14日

これもゾンビーズなのか。こっちは女子高生じゃなくて中年男が主人公なので少し萎える。出だしから、悪党に娘がボコられて酷い目に遭い、さらに萎える。

相手はボクシングでインターハイ・チャンピオンの高校生なのだが、不当に圧力をかけてもみ消そうとする相手側のクソ教師がムカツク。こういうキチガイはすぐ警察沙汰にして選手生命終わらせてやらないと……。

復讐するために刃物を持って高校に乗り込む父親だったが、何故か間違えて別の高校に行ってしまい、ゾンビーズに襲い掛かってしまう。かくして父親は朴舜臣のトレーニングを受ける事になってしまう。

ただのおっさんが、インターハイ・チャンピオンに挑む。決戦日は9月1日。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 22

SPEED (The zombies series)

著者 : 金城 一紀

出版社:角川書店

発売日:2005-07-01

評価 :

完了日 : 2008年12月14日

あれ? ゾンビーズ・シリーズ最新作って書いてある……。読む順番ミスった!?

真面目で平凡だった筈の名門女子高生、岡本佳奈子が、家庭教師の死に不信を抱き、調べ始めたところ、周囲を嗅ぎ回られると都合の悪い男どもが出てきて拉致され、危うく強姦されかける。そこに登場して華麗に姫を救出するゾンビーズ。とはいってもアンデッド・モンスターじゃなくて、ちょっと規格から外れた不良っぽい高校生集団なのである。不良っぽいけれども、こいつらは良い不良(笑)。世間の常識と規格からははみ出ているけど、こういうのはアリだろう。

一方、大学の学園祭で巨万の富を得ようとする邪悪なる大学生。こいつらは逝って良し! レベルの悪党である。一緒に事件を解き明かそうとするゾンビーズは、平凡女子高生に戦いの技まで教え込むが、油断したところで佳奈子が再び拉致されてしまい……。

ゾンビーズ最強の男、朴舜臣が格好良い。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 9

ハピネス

著者 : 嶽本 野ばら

出版社:小学館

発売日:2006-07-14

評価 :

完了日 : 2008年12月12日

「世界の終わりという名の雑貨店」に、自ら捧げたオマージュ。万人にとっての世界が終わる訳では無いが、当事者にとっては文字通り世界が終わってしまうという事。残された時間は、僅か一週間。思い残す事の無いよう、ひたすら終末へと向かって行く二人。高校生なのに強すぎます! 全米のロリータが泣いた!!

乙女の教祖、またしても死んでしまう系純愛物である。嶽本野ばらは、死んだり壊れたりしてしまう話が多いな! 愛や恋は生ものですから、いつか鮮度が落ちて死んでしまうので、純度100%を保つためには新鮮なうちに殺してしまうしか無いのでしょうけど。

真実の愛は、死んだ愛だけだ!

それにしても、女が死んでしまう話は泣けるのに、男が死んだ場合は全然キレイじゃないのは何故だろうか。やはり、男が残された場合は引きずりそうだけど、女が残された場合には、ケーキを食べる別腹の如く、過去は過去と割り切って新たな恋に走るからだろうな。

『純愛物は女を殺せ』
これ鉄則。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 13

やさしいため息

著者 : 青山七恵

出版社:河出書房新社

発売日:2008-05-16

評価 :

完了日 : 2008年12月05日

ちょっと上手くなって来た。少なくとも山崎ナオコーラよりは読める。しかし今回も主人公は根暗な感じの喪女である。金太郎飴戦法で同じなのばかり書いていると飽きられるので、そろそろ他の方向にも挑戦しないと不味いのではなかろうか。

友人がいない社会人5年目の女性が主人公。失踪していた弟がいきなり目の前に現れて部屋に居つき、姉を観察して日記をつけ始める。特筆すべき事など無い姉は嘘を吐き、日記は虚偽報告で埋められて行く。

いつも主人公が喪女で、盛り上がらない淡々とした話ばかりだな。ひょっとして、書いている本人も喪女!?


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 14

長い終わりが始まる

著者 : 山崎 ナオコーラ

出版社:講談社

発売日:2008-06-26

評価 :

完了日 : 2008年12月05日

金原ひとみと同じく、もはやナオコーラにも期待しておらず、単なる消化試合なのであるが、とりあえずカツラ美容室よりはマシだった。とは言っても、大学の音楽サークルを舞台に、狭い世界で男女がゴタゴタしているだけで、読み終わって何も残らないような、どうでも良い話なのは従来と変わらない。

陳腐な会話文でダラダラと行数稼ぎするのはヘタなラノベクオリティである。何でこの人は文章も中身もスカスカなのに売れるのか謎。これも図書館で借りたから良いけど、自腹なら1ペソでも要らない。新古書店でラノベ12冊買ってきたほうが幸せになれる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

僕の好きな人が、よく眠れますように

著者 : 中村 航

出版社:角川グループパブリッシング

発売日:2008-10-30

評価 :

完了日 : 2008年12月03日

ひたすらラブラブなバカップルモードなのだが、問題は女の方が既婚者、つまり不倫な訳である。全然出てこないけど、これでは夫が可哀想だ。恋愛に拙いまま、この人だと思って若いうちに勢いで結婚してしまった人によく訪れる悲劇である。不倫男女が東京で、夫は北海道なのでひたすらバカップル状態で突き進むのだが、結末は描かれない。

アルバイト先で知り合った、本名なのかすら疑わしい木戸さんという濃い人が登場するのだが、頭のネジが飛びすぎて、主人公とまともに会話が成立していないのが笑える。あと、主人公の妹が、兄のためにぐるぐる回ってくれて可愛い。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 6

終わりは始まり

著者 : 中村 航,フジモト マサル

出版社:集英社

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年12月03日

中村航の文章も良いし、フジモトマサルの魅力的な絵も良い。上級者仕様の回文に、中村航がストーリーを、フジモトマサルがイラストをつけて完成したものである。小説とは少し違う気がするのだが、題材となる回文のレベルが高すぎて驚く。トマトやシンブンシやタケヤブヤケタどころではない。そんな長いのよく思いつくな。多少、強引だったり意味不明な文章だったりするけど。

いろいろあるけれども、回転画廊のみどりさんが売っている絵には驚いた。描かれた作品の題名が回文になっているだけかと思いきや、みどりさんが客にすすめる際の会話そのものが全部……。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 11

空を見上げる古い歌を口ずさむ (講談社文庫)

著者 : 小路 幸也

出版社:講談社

発売日:2007-05-15

評価 :

完了日 : 2008年12月01日

第29回メフィスト賞受賞作。

メフィスト賞なので、またゲテモノなのかなぁと思いつつ借りてきたのだが意外に良作。ノスタルジックな雰囲気漂う不思議な物語だった。

子供の1人が他人の顔がのっぺらぼうにしか見えなくなってしまう。20年前に姿を消した兄に「いつかおまえの周りで、誰かが『のっぺらぼう』を見るようになったら呼んでほしい」と言われていた男は、兄を探す事に。

出だしは弟なのだが、兄が現れた後は最後まで兄視点で物語が進む。自分たちが育った町で起こった出来事を兄が語り出す。急にのっぺらぼうが見えるようになってしまった兄。その後、次々に事件が起こる。仲良くしていた警官が拳銃で自殺したり、遊んでいた仲間が行方不明になったり、一見バラバラに思える出来事が次第に繋がっていく。

人知れず、正体不明の何かが戦っているというのは、恩田陸の「オセロ」っぽい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 39

ブラックペアン1988

著者 : 海堂 尊

出版社:講談社

発売日:2007-09-21

評価 :

完了日 : 2008年11月26日

海堂尊をもう一冊。バブル経済が崩壊して日本が奈落の底まで落ちていく寸前、絶頂を極めて奢り高ぶっていた頃。主人公、世良雅志はまだ国家試験の合否判定すら出る前の駆け出し研修医である。これって、チームバチスタの番外編? 本編が予約埋まっていて読めないのですが……。

腕は良いけどクセのある医者がたくさん出てくる。手術前後の描写はリアル、素人にはここまで書けないだろう。医者同士のプライドを賭けたせめぎ合い、学内の権力抗争も絡むが、患者の生命さえ手のひらで躍らせるのは如何なものか。一番大切なのは患者を救う事であり、この点が欠落してした医者は、どんなに技術を持っていても失格だと思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 34

ジーン・ワルツ

著者 : 海堂 尊

出版社:新潮社

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年11月25日

チーム・バチスタが売れまくりで人気爆発、いつも図書館に無いので東野司よりも攻略し難い海堂尊。とりあえずこれが返却されていたので借りてきた。チーム・バチスタは未だに予約が入っているので当分は無理だろうな。

帝華大学の医学部で教える美貌の産婦人科医、曽根崎理恵。人呼んで冷徹な魔女(クールウィッチ)。白い巨塔の権力そのものである教授の圧力にも屈せず、言いたい放題なのが心地良い。役立たずな厚生労働省にも痛烈な批判を加えるが、正義の味方と言うわけでも無いようだ。

自身がやっている事も法律スレスレ、或いは違法行為か!? 最後は大学を辞めて華麗なる転進。まあ、これくらいやってしまう人がいないと、高級官僚がズタボロに壊してしまった現在の医療制度が立ち直るとも思えないだけに、ちょっとやりすぎではあっても気分が良い。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 40

バスジャック

著者 : 三崎 亜記

出版社:集英社

発売日:2005-11-26

評価 :

完了日 : 2008年11月16日

題名が嫌な感じなので躊躇したのだが、ネオ麦茶事件を彷彿させるような内容ではなく、やはり妙な話だった。この作者は妙な物語を考えるのが得意だが、文体が淡々としすぎで設定厨っぽいところが多くて微妙。これは短編集なので、表題作以外にもいろいろ入っているのが良い。

表題作の「バスジャック」は、バスジャックが認められており、様々なルールのもとに乗客参加型で行われるという妙な物語。バスジャック初デビューの人々が乗っ取りを試みるが乗客の抵抗で失敗、しかしその後で……。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 33

木洩れ日に泳ぐ魚

著者 : 恩田 陸

出版社:中央公論新社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2008年11月10日

出だしは良くても、また後半はグダグダになって中途半端なまま煙に巻かれるんだろうと思いながら読み始めたのだが、この作者には珍しく、ちゃんと結末まで導いてくれた。

登場人物は引越しを控えた男女二人だけ。今後は別々の人生を歩むという事で、最後の夜を過ごす部屋の中が物語の舞台となり、ほぼ回想シーンで進行するが、実際の時間は夜更けから夜明けまでの間である。

最初に出てくる小道具が一枚の写真で、この男女の他に三人目の中年男性が写っているのだが、すでに故人である。そして、この第三の男を殺したのが相手ではないかと互いに疑い、真実を突き止めようと腹を探り合うのである。

最初は別れる寸前の男女に絡んだ殺人ミステリーなのかと思ったが、一緒に住んではいるけれども、実は恋人同士ではなかった。真実を解き明かそうと記憶を探るうちに明らかとなって行く二人の関係。いつも通りに淡々と物語が進んでは行くけれども、後半ダレる事無く、最後でさらにもう一段階サプライズが用意されていたのが良い感じである。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.