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ya_kenさんの読書ノート

2008年 読了
2008年に読んだ本をすべて掲載します。
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 1

鰐の聖域

著者 : 中上 健次

出版社:集英社

発売日:1992-12

評価 :

完了日 : 2008年11月09日

 最後の最後まで読んでこの作品が未完であることを知った。
 結構、淡々と進む印象が強い。決して単純で起伏の無い話ではないが、あえて淡々とした印象を高めているような……。


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 2

ユリイカ (第32巻第4号3月臨時増刊) 村上春樹を読む

著者 :

出版社:青土社

発売日:2000-03

評価 :

完了日 : 2008年11月09日

村上春樹作品に対する評論の数々。
めったに評論というのを読まないが、なかなかに面白く読めた。


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 2

豚の報い (文春文庫)

著者 : 又吉 栄喜

出版社:文藝春秋

発売日:1999-02

評価 :

完了日 : 2008年11月07日

 凄く凄くいい。
 文学らしい文学作品。


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 1

ねじまき鳥の探し方―村上春樹の種あかし

著者 : 久居 つばき

出版社:太田出版

発売日:1994-06

評価 :

完了日 : 2008年10月14日

 あえて、3点をつけます。2点ではなくて、3点。村上春樹のねじまき鳥クロニクルの解説書なんだけど、なんだか徳川埋蔵金探しの番組みたいな解説だった。状況証拠を取り揃えて「あそこに金貨があるに違いない」と騒ぎたて、実際に掘ってみると……。
 いや、この解説が間違っているなどとは思っていません。むしろ大半合っているように思います。俺が言いたいのは、
「だからどうした!」
 という一言に尽きます。古い日本の物語の構造を利用していたり、三島由紀夫を意識した文章が混ぜこんであったりと、興味深いとは思うが、村上春樹が読者にそれを掘り起こしてほしいと思っていたのだろうか。本人の思い入れと、読者へ伝えたい内容には差異があって当然。
 読みたいように読めばいいのです。

 と、ちょっと批判的に書いてはいますが、結構楽しんで読めました。都市伝説や世界の7不思議といったものを興味深く見聞きできる人は楽しめますよ。ただし、作品の理解とは別問題。
 この作品は「解説書」という名の「徳川埋蔵金的エンターテイメント本」なのです。


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 12

哀愁的東京 (角川文庫)

著者 : 重松 清

出版社:角川書店

発売日:2006-12-22

評価 :

完了日 : 2008年10月14日

 う~ん、なんだろう。
 なにか物足りないんだよなぁ。主人公が同じで、四系列的にも繋がる連作短篇集。結構ありきたりな「東京の哀愁」をさらっと書いている印象。別にありきたりな内容でもいいと思うのだけど、そうであれば、もっと濃密な文体で読みたい。
 簡単なことを簡単に書いた感じなんだよなぁ。
 ――大量生産的小説、とでも言えばいいのか?


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 2

風に舞う

著者 : 花村 萬月

出版社:集英社

発売日:1994-06

評価 :

完了日 : 2008年10月10日

 花村萬月の作品は基本的に好きなのだけど、相性の合わないものも多い。この作品がそう。なんだかバンドについて熱い会話が続くのだけど、なんか冷めた目で見てしまう。
 見え透いたハードボイルドさが残念。
 
 「ゲルマニウムの夜」での目を覆いたくなるような生々しい文章が彼の良さだったのに。


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 8

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:文藝春秋

発売日:1999-10

評価 :

完了日 : 2008年10月10日

 久々に読む村上春樹作品。
 最近大江健三郎の作品を連続して読み。深く感銘を受けつつも、ちょっと洒落た文章を読みたい衝動に駆られたのだ。そして、思いついたのが村上春樹。図書館に行き、読んだことのない村上作品を探して借りてきたというわけだ。

 予想通り、期待を裏切らず、村上春樹らしい作品群だ。安心感さえある。ただ、タイトルにもなっている「レキシントンの幽霊」だけは少し違った感触だった。なんというか私小説風のタッチ。そこに描かれている世界は村上ワールドなのに、輪郭が私小説。悪い、というのではなく、意外。


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 1

胡桃の家

著者 : 林 真理子

出版社:新潮社

発売日:1986-08

評価 :

完了日 : 2008年10月10日

 正直な話、林真理子という作家に対して偏見がある。なんとなく軽い感じの作家に思えてしまうのだ。偏見の理由はない。しいて言えば、名前から勝手にそう連想してしまっているように思う。

 ともかく、彼女の作品を読むのは(たぶん)2作目。どちらも決して軽くない。読み応えがある。純文学好きならば読んで損はない。


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 8

うたかた/サンクチュアリ (新潮文庫)

著者 : 吉本 ばなな

出版社:新潮社

発売日:2002-09

評価 :

完了日 : 2008年10月08日

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 1

みずから我が涙をぬぐいたまう日 (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1991-02

評価 :

完了日 : 2008年10月08日

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 3

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1988-04

評価 :

完了日 : 2008年08月27日

 けっして簡単な小説ではないみたい。文章が難解であったり、設定が難解であるというよりもこの時代の考え方・事件に溶け込むのが難しいのだと思う。ところどころ、なんとなく思考停止に陥ってしまうことがあった。「我々ハ天皇ノ名ニオイテ…」のような文字使いがたまに出てくるのも思考が停止する原因だとも思うし、やはりその時代? 雰囲気? を自分に取り込めず、消化不良を起こすことも原因だろう。

 ただ、それを差し置いても良い作品だと思わずにはいられない。個人的な話から、村の話、政治の話といった具合に視野が広がり、やっぱり個人的な問題に帰着する。どこに重きを置くかは読み方によって大きく変わってくるだろう。


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 2

静かな生活 (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1995-09

評価 :

完了日 : 2008年08月12日

 大江健三郎の家族の話題を散りばめた作品だ。もちろん、あくまで小説でありフィクションなので、いちいち「ここは事実、ここはフィクション……」などと考えるのは無粋というものだろう。「著者から読者へ」という大江健三郎本人による解説で、「ここは事実」といった情報が書かれているが、それは正直蛇足だと思う。
 作品としては一応短編としての体裁をもっているが、全体が繋がった長編だと思った方がいい。障害者であるイーヨー(あだ名)が凄く良い人間性をもっており、それに関わる周囲の人物らもまた良い人ばかりだ。今思うと、善人ばかりが登場する作品だったように思う(最後に悪いのが出てくるが)。


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 1

もの思う葦 (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1980-09

評価 :

完了日 : 2008年08月05日

 いわゆるエッセイ集だ。
 太宰治がエッセイ? などと思ったが読んでみると彼がどれだけ文学にあつくなっていたかがよく分かる。他の小説家を罵倒し、小説とはどうあるべきか唾を飛ばしながら語っているような感じだ。
 あげく、志賀直哉に対して喧嘩を売っていたりもするが、志賀直哉に対して悪意は感じなかった。熱くなってしまって言い過ぎた印象だな。


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 4

犬の人生 (中公文庫)

著者 : マーク ストランド

出版社:中央公論新社

発売日:2001-11

評価 :

完了日 : 2008年08月02日

 もともと詩人らしく、抽象的で、一見無意味で、つかみどころのない作品が多い。俺自身、ちゃんとした理解には至っていないけど、力を抜きつつも、ちゃんと考えながら読めた。
 考えさせる作品というのはそれだけで価値があると思う。


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 10

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

著者 : スコット フィッツジェラルド,村上春樹

出版社:中央公論新社

発売日:2006-11

評価 :

完了日 : 2008年07月29日

 読んで本当に良かった。
 少しだけ大げさな表現に聞こえるかもしれないけど、三分の二程度読み進んだ時に「カラマーゾフの兄弟の時に感じた感動と同じもの感じる」と頭を過った。何がそう感じさせるのか、そのときは分からなかった。分からなかったというよりも、読むのに夢中でそんな安っぽい分析している暇もなかった(事実、夜中だったのにも関わらず、後半半分ほどを一気に読み切ってしまった)。
 読み終わった今、その安っぽい分析とやらについて考えてみた。行き着いた結論は、カラマーゾフもグレート・ギャッツビーも「人」を描いているということだ。ストーリーはもちろんあるし、それ自体も十分に面白い。だけど、読み終わった後に「あぁ、素晴らしいストーリーだなぁ」とは思わなくて、「この人は○○な人なんだなぁ」と人の生き様などに対して感想を抱くのだ。人の一生を垣間見たような、そんな印象を抱く。

 そう考えてみると、カラマーゾフもギャッツビーも作品名が人名になっている。

 とにかく、美しく、切なく、儚い、人の一生を見ることのできる作品だろう。村上春樹がこれほどまでに敬愛するのも頷ける作品だ。


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 1

おじいさんの思い出

著者 : トルーマン カポーティ,山本 容子

出版社:文藝春秋

発売日:1988-03

評価 :

完了日 : 2008年07月28日

 カポーティ2作目。
 短編が面白かったから、長編を読もうと借りてきたのだが、どうもちょっと特殊な作品を借りてきてしまったようだ。もちろん悪い意味ではない。

 解説を読むとこの作品は公に公開するために書かれたものではなく、親戚に渡してそのまま眠っていたものらしい。だから公開された他の作品とは大きく雰囲気が違う(短篇しか読んでいない俺にも分かるくらい違う)。
 だからこの作品を読んで「カポーティとはこういう作家だ」といったコメントはできない。だけど、とにかく作品自体の流れもメッセージも凄くストレートだ。分かりやす過ぎるほど分かりやすい。少し素人っぽさを感じるほどストレートだ。作品も短い(長編を読むつもりなのに短編を借りてしまったのだ)。

 のほほんとした作品を読みたければ、これはお勧めだ。


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 2

カポーティ短篇集 (ちくま文庫)

著者 : トルーマン カポーティ

出版社:筑摩書房

発売日:1997-02

評価 :

完了日 : 2008年07月28日

 初めてT・カポーティの作品を読んだ。意外とアメリカの作家に疎いのだ。村上春樹一押しだったことを知っていたので、「やれやれ、そこまで言うなら読んでみるか」と手に取ったわけだ。
 解説曰く、この短篇集はカポーティのいろんな要素をちりばめたものらしい。言ってみればカポーティダイジェスト版だろう。たしかに全体的に作品の色というか、オチへの伏線・ストーリー・情景などの積み重ね方がそれぞれ違うのだが、通して読んでも違和感がないのはさすが。

 最近、新しい作家の作品はまず短編から読み、興味がわけば中長編に手を出すというのが個人的な流れなのだが、このカポーティも長編を読んでみるつもりだ。


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 1

叫び声 (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1990-03

評価 :

完了日 : 2008年07月22日

 最近、大江健三郎がマイブーム。
 堅苦しくなく、かつ、深くじっくりと読ませてくれる。ユーモラスで、シリアスで、自分の読書欲のようなものを凄く的確に満たしてくれる。大江健三郎の作品はそういう作品なんだなぁ。
 
 で、この叫び声がどんな作品か?
 それぞれ自分の存在を確立したい男三人がいて、それぞれの方法で自分の存在を確立していく物語。もちろん、それは簡単なことではなくて、それぞれ自分の妄想や性癖などに向き合いながら、目的の達成を目指す。

 文庫の後半に書いてある解説や著者の言葉が面白い。そこらへんも是非とも読んでみるといい。


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 3

村上春樹全作品 1979~1989〈8〉 短篇集〈3〉

著者 : 村上 春樹

出版社:講談社

発売日:1991-07

評価 :

完了日 : 2008年07月15日

 村上春樹の作品集ということで「像の消滅」やら「パン屋再襲撃」といった作品が入っている。
 俺は村上春樹氏の長編のほうが好きなのだが、短編が嫌いというわけではない。読み分けているのだ。長編の場合、腰を据えて、その世界を理解し、全力で読もうとするが、短編の場合は遙かに軽いノリで読んでいる。俺は個人的にこれ「漫画的」な読み方だと感じている。例えば寝る前の数分、トイレで軽く読書をする数分、または時間はあっても集中力を発揮できないときなどに軽く読む本。それが村上春樹氏の短編だという認識だ。
 念のため書いておくが、これは決して馬鹿にしているわけでも、作品を見下しているのでもない。深く重い作品だけが良い作品ではなく、軽い作品だって良い作品なのだ。しかも彼の作品は軽く深い(正確には深く読もうと思えば読める)のだ。
 そういうわけでこの短編集には満足した。

 ところが、それだけではない。これらの作品には後の長編に繋がる短編がいくつか含まれている。どの短編がどの長編に紐付くかは面倒なのでこの場では示さないが、結果として「スプートニクの恋人」「ねじまき鳥クロニクル」の素となる短編がある。どちらもすでに長編の雰囲気をもっており、懐かしい気持ちにさせられた。特に「ねじまき鳥~」はすごく好きな作品だったので、感慨深く読めた。
 満足。


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 4

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

著者 : 大江 健三郎

出版社:新潮社

発売日:1981-02

評価 :

完了日 : 2008年07月14日

凄いぞ、大江健三郎。
表現、ストーリー共に素晴らしい。読んでいて、共感を持ってしまうのだ。ここでいう共感というのは「俺も同じだ」という共感ではなくて、「そういう人がいてもおかしくない」という間接的な共感だと思う。

障害を持った子供について奥さんに伝えなくてはならない数日後までを「自由な時間」として捉え、最後の自由を満喫し、子供によって縛られるのを恐れ、また夢であるアフリカ旅行を思い描く。なんとまぁ、素晴らしい発想なのか。

ただ、終わりかたは「あれ?」と首をかしげてしまう。しかし、これについては文庫の解説に書かれているので、ここでは省略。


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