たなぞう

WEB本の雑誌

ya_kenさん > 読書ノート

ya_kenさんの読書ノート

2008年 読了
2008年に読んだ本をすべて掲載します。
<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 3

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1988-04

評価 :

完了日 : 2008年08月27日

 けっして簡単な小説ではないみたい。文章が難解であったり、設定が難解であるというよりもこの時代の考え方・事件に溶け込むのが難しいのだと思う。ところどころ、なんとなく思考停止に陥ってしまうことがあった。「我々ハ天皇ノ名ニオイテ…」のような文字使いがたまに出てくるのも思考が停止する原因だとも思うし、やはりその時代? 雰囲気? を自分に取り込めず、消化不良を起こすことも原因だろう。

 ただ、それを差し置いても良い作品だと思わずにはいられない。個人的な話から、村の話、政治の話といった具合に視野が広がり、やっぱり個人的な問題に帰着する。どこに重きを置くかは読み方によって大きく変わってくるだろう。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

静かな生活 (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1995-09

評価 :

完了日 : 2008年08月12日

 大江健三郎の家族の話題を散りばめた作品だ。もちろん、あくまで小説でありフィクションなので、いちいち「ここは事実、ここはフィクション……」などと考えるのは無粋というものだろう。「著者から読者へ」という大江健三郎本人による解説で、「ここは事実」といった情報が書かれているが、それは正直蛇足だと思う。
 作品としては一応短編としての体裁をもっているが、全体が繋がった長編だと思った方がいい。障害者であるイーヨー(あだ名)が凄く良い人間性をもっており、それに関わる周囲の人物らもまた良い人ばかりだ。今思うと、善人ばかりが登場する作品だったように思う(最後に悪いのが出てくるが)。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

もの思う葦 (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1980-09

評価 :

完了日 : 2008年08月05日

 いわゆるエッセイ集だ。
 太宰治がエッセイ? などと思ったが読んでみると彼がどれだけ文学にあつくなっていたかがよく分かる。他の小説家を罵倒し、小説とはどうあるべきか唾を飛ばしながら語っているような感じだ。
 あげく、志賀直哉に対して喧嘩を売っていたりもするが、志賀直哉に対して悪意は感じなかった。熱くなってしまって言い過ぎた印象だな。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

犬の人生 (中公文庫)

著者 : マーク ストランド

出版社:中央公論新社

発売日:2001-11

評価 :

完了日 : 2008年08月02日

 もともと詩人らしく、抽象的で、一見無意味で、つかみどころのない作品が多い。俺自身、ちゃんとした理解には至っていないけど、力を抜きつつも、ちゃんと考えながら読めた。
 考えさせる作品というのはそれだけで価値があると思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 10

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)

著者 : スコット フィッツジェラルド,村上春樹

出版社:中央公論新社

発売日:2006-11

評価 :

完了日 : 2008年07月29日

 読んで本当に良かった。
 少しだけ大げさな表現に聞こえるかもしれないけど、三分の二程度読み進んだ時に「カラマーゾフの兄弟の時に感じた感動と同じもの感じる」と頭を過った。何がそう感じさせるのか、そのときは分からなかった。分からなかったというよりも、読むのに夢中でそんな安っぽい分析している暇もなかった(事実、夜中だったのにも関わらず、後半半分ほどを一気に読み切ってしまった)。
 読み終わった今、その安っぽい分析とやらについて考えてみた。行き着いた結論は、カラマーゾフもグレート・ギャッツビーも「人」を描いているということだ。ストーリーはもちろんあるし、それ自体も十分に面白い。だけど、読み終わった後に「あぁ、素晴らしいストーリーだなぁ」とは思わなくて、「この人は○○な人なんだなぁ」と人の生き様などに対して感想を抱くのだ。人の一生を垣間見たような、そんな印象を抱く。

 そう考えてみると、カラマーゾフもギャッツビーも作品名が人名になっている。

 とにかく、美しく、切なく、儚い、人の一生を見ることのできる作品だろう。村上春樹がこれほどまでに敬愛するのも頷ける作品だ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

おじいさんの思い出

著者 : トルーマン カポーティ,山本 容子

出版社:文藝春秋

発売日:1988-03

評価 :

完了日 : 2008年07月28日

 カポーティ2作目。
 短編が面白かったから、長編を読もうと借りてきたのだが、どうもちょっと特殊な作品を借りてきてしまったようだ。もちろん悪い意味ではない。

 解説を読むとこの作品は公に公開するために書かれたものではなく、親戚に渡してそのまま眠っていたものらしい。だから公開された他の作品とは大きく雰囲気が違う(短篇しか読んでいない俺にも分かるくらい違う)。
 だからこの作品を読んで「カポーティとはこういう作家だ」といったコメントはできない。だけど、とにかく作品自体の流れもメッセージも凄くストレートだ。分かりやす過ぎるほど分かりやすい。少し素人っぽさを感じるほどストレートだ。作品も短い(長編を読むつもりなのに短編を借りてしまったのだ)。

 のほほんとした作品を読みたければ、これはお勧めだ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

カポーティ短篇集 (ちくま文庫)

著者 : トルーマン カポーティ

出版社:筑摩書房

発売日:1997-02

評価 :

完了日 : 2008年07月28日

 初めてT・カポーティの作品を読んだ。意外とアメリカの作家に疎いのだ。村上春樹一押しだったことを知っていたので、「やれやれ、そこまで言うなら読んでみるか」と手に取ったわけだ。
 解説曰く、この短篇集はカポーティのいろんな要素をちりばめたものらしい。言ってみればカポーティダイジェスト版だろう。たしかに全体的に作品の色というか、オチへの伏線・ストーリー・情景などの積み重ね方がそれぞれ違うのだが、通して読んでも違和感がないのはさすが。

 最近、新しい作家の作品はまず短編から読み、興味がわけば中長編に手を出すというのが個人的な流れなのだが、このカポーティも長編を読んでみるつもりだ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

叫び声 (講談社文芸文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:講談社

発売日:1990-03

評価 :

完了日 : 2008年07月22日

 最近、大江健三郎がマイブーム。
 堅苦しくなく、かつ、深くじっくりと読ませてくれる。ユーモラスで、シリアスで、自分の読書欲のようなものを凄く的確に満たしてくれる。大江健三郎の作品はそういう作品なんだなぁ。
 
 で、この叫び声がどんな作品か?
 それぞれ自分の存在を確立したい男三人がいて、それぞれの方法で自分の存在を確立していく物語。もちろん、それは簡単なことではなくて、それぞれ自分の妄想や性癖などに向き合いながら、目的の達成を目指す。

 文庫の後半に書いてある解説や著者の言葉が面白い。そこらへんも是非とも読んでみるといい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

村上春樹全作品 1979~1989〈8〉 短篇集〈3〉

著者 : 村上 春樹

出版社:講談社

発売日:1991-07

評価 :

完了日 : 2008年07月15日

 村上春樹の作品集ということで「像の消滅」やら「パン屋再襲撃」といった作品が入っている。
 俺は村上春樹氏の長編のほうが好きなのだが、短編が嫌いというわけではない。読み分けているのだ。長編の場合、腰を据えて、その世界を理解し、全力で読もうとするが、短編の場合は遙かに軽いノリで読んでいる。俺は個人的にこれ「漫画的」な読み方だと感じている。例えば寝る前の数分、トイレで軽く読書をする数分、または時間はあっても集中力を発揮できないときなどに軽く読む本。それが村上春樹氏の短編だという認識だ。
 念のため書いておくが、これは決して馬鹿にしているわけでも、作品を見下しているのでもない。深く重い作品だけが良い作品ではなく、軽い作品だって良い作品なのだ。しかも彼の作品は軽く深い(正確には深く読もうと思えば読める)のだ。
 そういうわけでこの短編集には満足した。

 ところが、それだけではない。これらの作品には後の長編に繋がる短編がいくつか含まれている。どの短編がどの長編に紐付くかは面倒なのでこの場では示さないが、結果として「スプートニクの恋人」「ねじまき鳥クロニクル」の素となる短編がある。どちらもすでに長編の雰囲気をもっており、懐かしい気持ちにさせられた。特に「ねじまき鳥~」はすごく好きな作品だったので、感慨深く読めた。
 満足。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

著者 : 大江 健三郎

出版社:新潮社

発売日:1981-02

評価 :

完了日 : 2008年07月14日

凄いぞ、大江健三郎。
表現、ストーリー共に素晴らしい。読んでいて、共感を持ってしまうのだ。ここでいう共感というのは「俺も同じだ」という共感ではなくて、「そういう人がいてもおかしくない」という間接的な共感だと思う。

障害を持った子供について奥さんに伝えなくてはならない数日後までを「自由な時間」として捉え、最後の自由を満喫し、子供によって縛られるのを恐れ、また夢であるアフリカ旅行を思い描く。なんとまぁ、素晴らしい発想なのか。

ただ、終わりかたは「あれ?」と首をかしげてしまう。しかし、これについては文庫の解説に書かれているので、ここでは省略。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 16

地下街の雨 (集英社文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:集英社

発売日:1998-10

評価 :

完了日 : 2008年07月14日

いまいち。
前に宮部作品を読んだ時にも「いまいち」だと思った記憶があるのだけれど、良い作品もあるはずだと信じて読んでみた。しかし、ダメ。
たぶん、俺との相性なんだろう。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

浄土 (講談社文庫)

著者 : 町田 康

出版社:講談社

発売日:2008-06-13

評価 :

完了日 : 2008年07月04日

芥川賞作家、しかもすでにたくさんの作品を書いている人に言うことではないが、初めて町田康氏の作品を読んで思ったこと……

凄い可能性を感じる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

猫に時間の流れる

著者 : 保坂 和志

出版社:新潮社

発売日:1994-07

評価 :

完了日 : 2008年07月04日

感想は登録されていません。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 10

ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)

著者 : サリンジャー,野崎 孝

出版社:新潮社

発売日:1986-01

評価 :

完了日 : 2008年06月14日

 読んでいる最中、時折掴みどころがなくなり軽い浮遊感というか、不安感のようなものに捕われることがあった。掴みどころがないのは決してつまらないという意味ではない。それどころか実際は全体を通して濃厚な時間を過ごせたと思う。
 ただ、今のところどうしても何がどう面白いのかを表現できない。何か確かに感じているのだけど、感じたことを言葉に出来ないもどかしさがある。もちろんこれは俺自身の表現力不足、語彙不足が多分に含まれるのだろうが、「言葉に出来る面白さだけが面白さじゃない」と強く感じたのは確かだ。
 だからここで何がどう面白いのかを無理して表現するのはやめようと思う。放棄したと言ってもいい。

 そうはいってももう少し悪あがきをしてみたく、次にキャッチャーインザライ(「ライ麦畑でつかまえて」の村上春樹の翻訳バージョン)を読んでみたいと思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

城 (新潮文庫)

著者 : フランツ カフカ

出版社:新潮社

発売日:1971-04

評価 :

完了日 : 2008年06月07日

「ああ、俺もこういう作品が読めるようになったんだなぁ」と読み終わってから思った。内容が難解で素人には読めやしないぜ、と言うつもりはまったくなくて、どちらかというと内容的には分かりやすい作品だ。ただ、ペースが遅く、小説自体に提示される情報量が少ない(これはカフカ作品の特徴だろう)。後出しで突然新しい情報が提示され、読み手は否応なく小説の波に翻弄される。いわゆる伏線があって展開があるのではなく、突然この世界のルールが提示され、登場人物がそれに翻弄されるように、読み手もそうなる。

 ここで描かれているのはとても変な世界だ。とてもここでは説明できないし、すべきだとも思わない。なぜなら、その「変な世界」を説明し、描いたのがカフカの「城」だからだ。もし、数行の説明で伝えられるのであれば、あの作品は生まれなかった。

 ところで主人公のKは、やっぱりカフカのKなのだろうか?


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

季節の記憶

著者 : 保坂 和志

出版社:講談社

発売日:1996-08

評価 :

完了日 : 2008年05月20日

『小説の自由』『この人の閾』に引き続き保坂和志三作目。
 相変わらず、大きな事件や展開がないという特徴は一貫しているのだけど、ちゃんと最後まで読める。今回は『この人の閾』と違い、長編だったわけだけど、それでも問題なく、むしろ最後まで良いテンションを保って読めた。
 異常な個性を持つ人物、特異な事件、そういうものが無くても登場人物達の精神的な波が読む進める原動力になるのが保坂和志の特徴なのだと思う。こう書くと少し誤解があるかもしれない。というのはこの作品の中で「精神的な波」があるかと言われると、一見無いのだ。それぞれみんなマイペースに生きていて、子供(クウちゃん)以外は個性が確立されている。それがなにかのきっかけで大きく変わったりしない。
 各登場人物が自分の波を持っていて、それらの波が合わさり、物理や数学でいう波の合成が起こる。ごく単純な波でもふたつ合わさると複雑な起伏が生まれ、三つ四つと増えていくと、もはや予測できないような波になる。その波は特定の人物の上に表れるのではなく、作品の上に起こる。もしく読み手の中に起こると言ってもいい。
 つまり読んでいる間、その表面のストーリーを楽しむのではなく、自分の中でうねる波を楽しむと言った方が保坂作品の読み方として正しいように思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 5

この人の閾 (新潮文庫)

著者 : 保坂 和志

出版社:新潮社

発売日:1998-07

評価 :

完了日 : 2008年05月16日

 初めての保坂和志作品だ。 『小説の自由』を読んだことがあり、それに強い感銘を受けて何が何でも彼の小説を読まなくてはいけないと思ったのだ。
 何を最初の作品として読むか? 何も賞にこだわることなどないのだが、よく作品名を見かけるという意味もあり、芥川賞を受賞した「この人の閾」を読むことにした(実は同時に「季節の記憶」も借りているので、今続けて読んでいる)。

 この作品を含めて、同じ文庫に含まれている作品すべてに言えることだが、これらの作品は本当に静かな作品だ。大きな展開や事件など起きず、ある日常にちゃんと光を当てて分析し、思考した作品だ。といっても、哲学的にあれこれ思考した内容が書かれているのではない。日常を思考するのに十分な情報が提示されているので、読者が自分で思考しなくてはならない。
 そういった思考を楽しい、または小説を読む醍醐味と捉えられる能動的な人には凄く良い作品だし、そうでない受動的な読み方をする人にはひどく退屈で煮ても焼いても食えない作品なのだろう。
 少なくとも俺は考えさせられた。与えられたすべての材料を使いきれたわけではないが、何か所も「俺自身はどうだろう?」などと考えさせられた。

 最初に書いたとおり、今続けて同作者の作品を読んでいる。それがこの作者への俺の評価だ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

小説の自由

著者 : 保坂 和志

出版社:新潮社

発売日:2005-06-29

評価 :

完了日 : 2008年05月12日

 この本は特定の本に特化しない、『小説』というもの自体に着眼した評論を文芸誌で連載し、それを集めて本にしたものだ。一応、どこから読んでも良いということになっているが、どうひいき目に見ても、ページ順に読んだ方が良いと思う。ただ、そんな突っ込みはあまりに重箱の隅をつつくような些細な話だ。

 まず、この本を読んで何度も何度も「やられた」。頭をガツンとやられたのだ。二つほど例を挙げよう。
 ひとつは「何故、絵画やクラシック音楽はみな何度も何度も見たり聞いたりして理解しようとするのに、小説は一度読んで『読んだ』ことになってしまうのか?」という内容の部分だ(手元に本を置かずにこれを書いているので、正確な引用ができないことは許してほしい)。そう、確かにそうだ。俺自身もだいぶ丁寧に読むようになったとはいえ、やはり、一度読んでパラパラっと見直して『読了』してしまう。
 何度も読んだ作品もある。志賀直哉や谷崎潤一郎の短編などは何度も読んだ。それどころか、書写したこともある。しかし、普段はやはり1度読んで読了してしまうのだ。自分の経験上、繰り返し読むことの意義は細部の読み込みにあると思う。1度目はやはりあらすじを中心に読んでしまう。2度目は「先を知っていること」で得られる情報を加味した展開の絶妙さを読む。伏線や、心情の変化を楽しむ。3度目以降で、細部を読む。流れを読むのではなく、文章を読む。
「展開を知っているのではつまらない」という意見は残念ながら、読み方に問題がある場合が多い。いや、問題というよりも「小説に求めることが違う」といった方が正しいか。
 いけない。ここまで書いたことのほとんどは本に書かれていることではなく、俺自身の感想だ。誤解の無いよう。
 もう一つの例を挙げようと思ったが、ここまででも十分長いので、自粛する。というか、もう一つ書いたが、あまりに長く熱い内容になってしまい、照れくさいので書かない。

 ともかく、普段そんなに評論を読まない俺だが、これはお勧め。
 小説感・読書感が変わる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 16

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:講談社

発売日:2004-10

評価 :

完了日 : 2008年05月08日

感想は登録されていません。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

タタール人の砂漠 (イタリア叢書)

著者 : ディーノ ブッツァーティ

出版社:松籟社

発売日:1992-01

評価 :

完了日 : 2008年05月08日

 敵がまったく来ない砦にいて、いつか来る敵を信じて砦を守る軍隊を描いた作品。敵と戦うという名誉を得るために、その砦に残り続けるある兵士が主人公であり、その心の揺れを描かれている。

 兵士は当初敵が来ないことに絶望し、砦を出ることを願うが、上司やとりでそのものに翻弄されてしまう。最後には砦から出ることを願わなくなり、敵を信じることが生きがいとなってしまう。

 不条理小説。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.