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かえるさんの読書ノート

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ひと呼んでミツコ (講談社文庫)

著者 : 姫野 カオルコ

出版社:講談社

発売日:1993-04

評価 :

完了日 : 2007年04月26日

面白いので人に勧めまくっている奇書中の奇書。
まだ無名だった姫野カオルコが出版社に持ち込んで、その場で採用されたという伝説の小説。
とにかく、姫野カオルコは天才だとしか言いようがない。
それ以上の説明をしたくないので、とにかく読んで下さい。


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 2

時刻表2万キロ (角川文庫 (5904))

著者 : 宮脇 俊三

出版社:角川書店

発売日:1984-11

評価 :

完了日 : 2007年03月01日

「時刻表を愛読する」人たちがいることは知っていました。しかし、なぜ毎月毎月読み込めるのか、今まで謎でした。

本書の第1章の最初の数十行を読んで、私は開眼しました。なるほど、そういうことだったのかと、深く納得しました。気になる人はぜひ読んでください。一気に夢中になること間違いなしです。

『中央公論』編集長も歴任した著者の宮脇俊三氏は、国鉄全線の90%を踏破した時点で、全線完乗を志します。ところが、その時点での未乗線区を見直してみて、著者は愕然とするのです。その理由がもう、本当に魅力的で、私はここで完全に本書と著者の虜になりました。

本書は未乗線区を3年で完乗するまでのドキュメンタリーなのですが、今はなき路線や周辺の風物に関する貴重な記録でもあります。それと同時に、一見無理に思えるような乗り継ぎを鮮やかなトリックで可能にするくだりなどは、まるでミステリ・エンターテイメントです。

決して派手な本ではありません。よくある観光本とも違います。著者の極めて個人的な体験が、極めて控えめに綴られた本です。しかし、常に時刻表通りに運行されている鉄道への愛情と、鉄道が運んでいる人間の生活への優しいまなざしに溢れています。

私にとっては一生手放せない珠玉の1冊です。


この感想へのコメント

1.フィリップ・まろ (2008/03/11)
はじめまして。ご挨拶のコメントとしてこの本を選ばせて頂きました。
僕がプータロー時代、この本をヒントに時刻表をザックに詰めて日本中を旅したものです。そのせいか目的意識は高いものの、途中下車の多い人生が現在も続いています。
2.かえる (2008/03/14)
はじめまして。コメントありがとうございます。

時刻表をもって日本中を旅、なんて、素敵ですね。
途中下車の多い人生の方が、面白いに決まっています。
私もたまには途中下車したいなあ。うらやましいです。
 

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 2

11ぴきのねことあほうどり

著者 : 馬場 のぼる

出版社:こぐま社

発売日:1972-01

評価 :

完了日 : 2007年02月27日

おいしいコロッケを食べながら、奇妙な既視感があったのです。あのコロッケ、どこかで見たことがあるんだよなあ、と思いながら仕事をしていたら、ふと馬場のぼるの「ねこ」とコロッケが結びついた。


そう、ねこだ! 確か、11ぴきのねこが、おいしそうなコロッケを山ほど作っていたはずだ。


気になったので調べてみたら、くだんのコロッケが出てくるのは、馬場のぼるさんの「11ぴきのねこ」シリーズのなかの「11ぴきのねことあほうどり」。

コロッケ屋をやっているねこが、コロッケを山ほど揚げるあたりの記憶は鮮明に残っている。そのコロッケの、こんがりきつね色でおいしそうなこと! 食べてもいないのに、あのねこたちの作ったコロッケの味を覚えているような気がする。


・・・でも、結末が思い出せないんだなあ。
久々に、あのおいしそうだったコロッケを味わいたい気分なのです。


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犬が星見た (武田百合子全作品)

著者 : 武田 百合子

出版社:中央公論社

発売日:1995-01

評価 :

完了日 :

武田百合子が作家である夫・武田泰淳らと旅したロシア旅行記である。

この旅行記の素晴らしさは、まず武田百合子その人の魅力にあるだろう。伸びやかで衒いのない文章に、羨望を覚える。本書には、旅中の出来事やロシアの風物が生き生きと描かれている。会話はまるで立ち上ってくるようだ。文章には無駄がない。一歩引いたような冷静さを感じつつも、そこに描かれている人間たちの滑稽さにはおかしみがこみ上げてくる。しかし武田百合子は「あるがまま」を描いているのであって、決して読者を笑わせようなどとは思っていない。もはや悟りの境地であるのだが、老成の真逆、子どものような純真さに溢れている。どうやったらこんなふうに物事を切り取って言葉にできるのだろう。いったいどういう人生を過ごしてきたのだろう。武田百合子その人に惹かれてやまない。

ちなみに武田百合子の『富士日記』も同じく素晴らしい作品である。


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 2

外套・鼻 (岩波文庫)

著者 : ゴーゴリ

出版社:岩波書店

発売日:2006-02

評価 :

完了日 :

アカーキーという貧しくてみすぼらしい書記官に惹かれてやまない。あまりにも惨めで理不尽過ぎる人生であったにも関わらず、アカーキーの生き様を羨んでしまう。自分の人生にいかにコミットしているかということを考えた時に、私はアカーキーほど人生を生きていないと思うのだ。節目節目に自分が「生きているか」確認するために、コッソリ取り出しては読んでいる。

ロシアのアニメーション作家の大家・ユーリー・ノルシュテインは12歳の時に『外套』に出会い、そして今、あの大作を作っている。12歳で『外套』から影響を受けるとは、その感受性の豊かさに驚く。文字を書き写すことに望外の喜びを見出す一官吏の人生の悲哀。そこに感じ入れる成熟度合いには恐れ入った。飽食の日本に生きる現代の12歳が読んだとき、どういう感想を持つのか知りたいものである。

作品を読みながらノルシュテインの絵が浮かぶ。作品をこんな風に動かしているのかと、記憶の中でなぞっている。アカーキーがなめるようにペンを動かすときの表情。寒さでかじかんだ指先に息を吹きかける表情。命が吹き込まれているとしか思えない。すばらしい才能である。ノルシュテインには、ぜひとも作品を完成させて欲しいものだ。


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