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はなまるさんの読書ノート

最近読んだ本
「借りる派」です。近所の公民館図書室にはお世話になってます。
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 19

太陽の塔

著者 : 森見 登美彦

出版社:新潮社

発売日:2003-12-19

評価 :

完了日 : 2007年11月27日

ふられた女性をつけまわしレポートを書く、腐れ大学生の妄想譚。
でも、決してストーカー小説ではないんです。そこには愛があるんです。
主人公は変人だけど、彼をふった水尾さんもかなりの変人。そして主人公の周りの友人達も変人・変態そろい踏み。
男汁あふれて息苦しくなるほどの怪作です。
でも読み進めてご覧なさい。胸がきゅうっと苦しくなるような切なさが味わえるはず。


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 83

新釈 走れメロス 他四篇

著者 : 森見 登美彦

出版社:祥伝社

発売日:2007-03-13

評価 :

完了日 : 2007年11月27日

表題作ほか日本の名作短編5篇を、もりみー風に味付けしたもの。
ゾウの尻だの腐れ大学生だのピンクのブリーフだの、「夜は~」のテイストも満載。
でも、笑いの出てこない作品も、とってもいいんです。
「桜の花の満開の下」とか、「藪の中」とか、未読の原作も読んでみたくなりました。


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 15

予定日はジミー・ペイジ

著者 : 角田 光代

出版社:白水社

発売日:2007-09-01

評価 :

完了日 : 2007年11月27日

ひとりの女性の妊娠発覚から臨月までを、日記風に綴った小説。
産婦人科で「おめでたですね」と言われ、「めでたいですかねえ」と言ってしまう主人公。
妊娠を受け入れられない自分に戸惑い、何でもなめたくなる不思議なつわり症状に辟易し
繰り返し見る怖い夢におびえ、大嫌いだった父が生まれ変わるのではと恐れ
・・・ゆっくりと自分の中に命を宿すことを受け入れていく。
妊娠を通して、ヒトとしてしっかり歩き出す女性の姿に、
出産経験者は自分の姿を重ねるでしょうし、男性にとってはいいお勉強になること請け合い。

私はというと、妊娠・出産・子育てはこの上ない幸せな作業でありました。
幸せな人生には妊娠・出産が不可欠、とは思わない。
でも迷ってる人がいたら、まあやってみたら、と背中を押してあげたい。
案外いいもんだよ、って。


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 28

あなたの呼吸が止まるまで

著者 : 島本 理生

出版社:新潮社

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2007年11月27日

タイトルから激しい恋愛小説かと思ったら、主人公は小学生の女の子でした。
舞踏家の父親、父の仲間の大人たちに囲まれて暮らすひとりの少女。
その彼女を襲った突然の暴力。
傷ついた心をよみがえらせるため、彼女は自分のやり方で復讐を誓う。

切ない。この手の小説を読むのはひどく苦しい。
この手の・・・とはどういうことかというと、子どもでいられない子どもを描いたもの。
誰でも子どもは幸せな子ども時代を生きる権利がある。と思う。
それを侵すものは、許しがたい。
いかなる暴力であっても、政治や戦争であっても、また、大人の無知であっても。
そう思うと、この主人公を子どもでいられなくしたのは(暴力の主だけでなく)
彼女を取り巻くすべての大人だったのかもしれない。


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 8

最悪

著者 : 奥田 英朗

出版社:講談社

発売日:1999-02

評価 :

完了日 : 2007年10月22日

町の小さな鉄工所の社長・都銀に勤めるOL・パチンコで生計を立てるチンピラ。
ほんの少し今より良くなりたかっただけの3人が、落ちて落ちてどん底まで落ちるお話。
 
奥田さんと言えば能天気な精神科医・伊良部先生シリーズで有名です。
最近映画化された「サウスバウンド」も、爽快な小説でした。
でも、これは暗い暗い・・・
もうやめて!と言いたくなるほど、これでもかこれでもかと転落は続きます。
どんでん返しもありません。

でも!

読後感は思ったほど悪くありません。
こんなに辛い目に遭っても、身も心もずたずたになっても、最悪などん底まで落ちても
それでも人は生きていくんだな。
誰に生きよと強制されたわけではなく、自らの意志で、生きていくんだな。
そう思えた時、人間への愛おしさでいっぱいになりました。


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1.とーさん (2007/11/01)
おお~っ!私も読みました。はなまるさんの読書ノートを見て思い出しました(^^ゞ確かにこの作品は面白かった!
思い出させていただけて感謝!
私も「近所の公民館図書室」に大変お世話になっているものですが、もしかしてはなまるさんと同じ町に住んでいたりして…
2.はなまる (2007/11/04)
公民館図書室って、意外にすぐれもんですよね。
大きな図書館でリクエスト数十人待ち・・・なんて話題の本が、ちょこんと書棚にあったりします。
とーさんさんとも書棚の前ですれ違ってたりして・・・
 

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 67

ミーナの行進

著者 : 小川 洋子

出版社:中央公論新社

発売日:2006-04-22

評価 :

完了日 : 2007年10月16日

本屋大賞7位。未読。
***************************************
読了。2007年本屋大賞ベストテン、コンプリートです。
小学生の朋子が芦屋の伯母の家で過ごした1年間の物語。
絵に描いたような洋館・庭にいるコビトカバ・そのカバに乗って通学する病弱な従姉妹。
何もかもがものめずらしく楽しく過ぎていく1年間。
朋子がひと時ひと時を慈しむように、私もゆっくりとページをめくりました。
時はさらさらと流れ落ち、次の瞬間には思い出となってしまう。
そんな寂しさも感じながら。
でも、今を生きる自分を支えているのは、まぎれもなく、数々の思い出たちなんですね。


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 17

殺人の門 (角川文庫)

著者 : 東野 圭吾

出版社:角川書店

発売日:2006-06

評価 :

完了日 : 2007年10月02日


裕福な歯科医の息子が転落していく物語。
一直線に底まで落ちるわけではなく、落ちては少し上り、また落ちては少し上り。
しかもその小転落は、すべてひとりの性悪男が糸を引いてる。
何度も同じ手口に引っかかる主人公には共感も同情もできないし
彼を取り巻く人物達も、みんなやなヤツ。
なのに・・・あらあらどうしたことでしょ。
ページをめくる手が止まらない!

これは、あれですね。あえて名づけさせていただくとしたら
「白夜行」「幻夜」と並ぶ、東野圭吾「いやだけど読んじゃう」系小説。
「手紙」もそっち系ですが、あれは最後に深い感動があった。
これは最後までいや~な感じしか残らない。
でも、読むんじゃなかったという気もしない。
う~ん、ひと仕事終えたなと、ちょっと一服でもしたくなる。
東野圭吾のストーリーテラーとしての力でしょうか。
よっ!東野さん、名人芸!と、おひねりのひとつも投げたくなった私です。


この感想へのコメント

1.とーさん (2007/11/01)
全くもって「いやだけど読んじゃう」系ですよネ!
私もイライラしながら最後まで読んで、いや~なカンジが尾を引きつつも、おもわず「やるなー、東野さん」とすごく感心しました。
2.はなまる (2007/11/04)
うんうん、「いやだけど読んじゃう」も、読書の醍醐味のひとつですね。
 

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 48

カシオペアの丘で(上)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

完了日 : 2007年09月30日

人を、自分を許すことの苦しさ難しさを余すところなく描いた、重松さん渾身の作です。
若くして死を迎える人とそれを見送る人、双方の苦悩とそれを乗り越える様子も丁寧に描いています。
重苦しい物語ですが、最後は登場人物と同様に、何かを乗り越えたようなすがすがしい気持ちにもさせられます。
他の作品と同じく、いっぱい泣かされました。
・・・でも、でも、私はこれは好きではない。

以下、私事ですが。

この夏私は2つの死と遭遇しました。
どちらもある程度覚悟はできていたとはいえ、思っていたより早くやってきた死でした。
そして、私は今でもそれを乗り越えられないでいるんです。
ひとりで車を運転している時、食事の準備をしている時、知らず知らず泣いていることがある。
考え出すときりがないので、意識的に薄い幕で覆ってしまっているような状態。
取り出してしっかり見つめるのが怖い。つらい。
そんなヘタレな私には、この小説の登場人物たちは強すぎて、立派すぎて。

納得のいく死なんてあるのだろうか。
準備期間があって、心に引っかかってることに答えを出し、許し、許され、
それでも私は「死にたくないよ」と泣き叫んでしまいそうな気がする。
そうでなければ心に幕を張って、あきらめてしまいそうな気がする。
今の私には、彼らの強さはまぶしすぎるのです。


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 28

青い鳥

著者 : 重松 清

出版社:新潮社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年09月26日

二男の高校の国語教師は、「重松は3冊で飽きます」と言ったそうな。
確かに同じテーマの小説が多く、前に読んだことを忘れてもう1度読んじゃうこともしばしば。
重松はもういいや、と言っている人も多い。
でも、そんな人にももう1度、重松を読んでほしい。この本を手にとってほしい。
ガッコーという狭い社会に押し込まれ、もがいている子ども、傷ついている子ども。
そんな子どもとどうかかわったらいいのか、迷っている大人。
重松さんの小説で繰り返し描かれてきたモチーフです。
この「青い鳥」で、重松さんは答えのひとつを見つけたんじゃないかな?と思うからです。

中学校の臨時国語教師ムラウチ先生が登場する連作短編。
ムラウチ先生は吃音でうまくしゃべれない。だから本当のことしか言わない。
主人公は「ひとりぼっち」の中学生。
ひとりぼっちの原因はいろいろ。
いじめられている子もいる。父親に突然自殺された子もいる。犯罪を犯してしまった子もいる。
校風や友達関係になじめない子もいる。親に虐待された子もいる。
ムラウチ先生は「ひとりぼっち」の子の孤独に寄り添うためにやってくる。
「たいせつなこと」を伝えるためにやってくる。

最初から最後まで泣きっ放しでした。
重松さんはスゴイ。
教師を目指す長男にも送ってやろうかな。


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4.はなまる (2007/11/27)
>フィリップ・まろさん
そうですよね。息子には好きなもの・大切なものを、自分で選び取れる人になってほしいです。
5.フィリップ・まろ (2007/12/24)
♪好ーきーなものは好ーきーと言える気持ち、抱きしめてたい♪とマッキーも歌っていましたよね。
人が好きなものを貶す必要はないし、また、自分が好きなものを貶されたって好きなんだからしょうがない、って開き直らなきゃ。いや開き直る必要もないか。そんなのはほっとくに限りますね。

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 68

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

著者 : 佐藤 多佳子

出版社:新潮社

発売日:2000-05

評価 :

完了日 : 2007年05月21日

再読です。
1度目に読んだ時は、世間の評判ほどにはいいと思わなかった。
「黄色い目の魚」の痛いほどの若さ、「神様のくれた指」のジェットコースターのようなスリル。
それらに比べてしまうとなんだか淡々としすぎていて・・・

そして今回。
オットが買ってきた文庫を何気なく手に取ったら、止まらない。
うわ、こんなにおもしろい小説だったの?

人とうまく関われない。
それは特殊な人だけの悩みではないでしょう。
誰もが多かれ少なかれ感じたことがあるはず。

この小説ではそんな悩みを持った人たちが集まり、不器用に関わり、別れて行く。
彼らの悩みは決して解消されたわけではないけれど、
きっと何かが変わっていくさ、そう思わせてくれる。
ほのかにあかく色づいた、夜明けの空のような小説でした。


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 13

あなたがパラダイス

著者 : 平 安寿子

出版社:朝日新聞社

発売日:2007-02

評価 :

完了日 : 2007年05月17日

平さんの本は、肩に力を入れずに軽~く読めます。
くすっとしたり、あるあるとうなずいたり。
でもこれは軽い気持ちでは読めませんでした。
何しろテーマが(私もいずれ突入する)更年期ですから。

「初老」って40歳からを指すんですって。
トリビアで知ってが~~~~ん!です。

でも、私の周りにいるお姉さまたちはみんな元気です。
体調不良を抱えたりもしているんでしょうが、仕事に趣味に
実にイキイキと生きてらっしゃいます。
たぶん同年代の男性よりずっと。

きっと彼女たちにも「パラダイス」となる「あなた」がいるんだろうなあ。


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3.JUN-M (2007/05/26)
家内が同じ症状で、それを見ているの辛くて、買って読みました。そして、勿論、家内の前にも置きました。
その後、ピアノを習いに行くことにしたようです。何か熱中できるものが必要なのですね。
4.はなまる (2007/05/27)
JUN-Mさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
奥様、熱中できるものが見つかってよかったですね。
更年期って女性なら誰でも通過するものなのに
今まで情報が少なすぎたような気がします。
もっとオープンに、体験談や処方が話し合えるといいのにな。
それにしてもやさしい旦那様で、奥様幸せですね。

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 12

小学五年生

著者 : 重松 清

出版社:文藝春秋

発売日:2007-03

評価 :

完了日 : 2007年05月17日

重松清はリアルだ。
男子ふたりの母の私でも、そうか、男の子ってこんなこと考えてるんだあ~と感心してしまう。
私が小五の頃、クラスの男子を一言で言うと「ガキ」でした。
異性というよりどーぶつに近かった。
ごめんね、男子たち。
あなたたちがこんなに繊細で健気であることに気づかなかった私も、やっぱりガキでした。


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1.あおい (2007/06/29)
初めまして。私も小5の息子がいます。
この本、面白そうですね。今度、本屋に行ってみます。
男の子は、未知の生き物です・・・。
2.はなまる (2007/06/30)
あおいさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
小5の息子さんがいらっしゃるとは、まさにこの本にジャストミートですね。
重松さんの本は、子育て中の方におすすめです。
身につまされたり、励まされたり・・・
読まれたら、ぜひ感想を聞かせてくださいね。
 

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 106

陰日向に咲く

著者 : 劇団ひとり

出版社:幻冬舎

発売日:2006-01

評価 :

完了日 : 2007年05月06日

本屋大賞8位。未読。
実はちょっと敬遠してました。読んでみようかな。
********************************************
5月6日読了。
う~ん・・・世間の評価ほど、私は☆をつけないぞ。
「素人離れしている」と言われる文章力も、まだまだこなれてなくて読みにくいし
いくつかの短編がリンクする仕掛けも、伊坂さんと比べると・・・ね。
でも、登場人物は皆、ひとりさんのネタのように憎めないし
「overrun」のラストでは不覚にもホロリとしてしまいました。


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 62

きつねのはなし

著者 : 森見 登美彦

出版社:新潮社

発売日:2006-10-28

評価 :

完了日 : 2007年05月03日

「夜は短し・・・」の森見さんの作品。
作風の違いにびっくり。
「不思議な世界」というところは同じですが
こちらは空気がしんと静まる音が聞こえてくるような
背中の辺りがぞくぞくするようなお話でした。


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 25

袋小路の男

著者 : 絲山 秋子

出版社:講談社

発売日:2004-10-28

評価 :

完了日 : 2007年04月23日

なんとも切ない。
中盤からは泣けて泣けて仕方なかった。
今までの人生、堅実に堅実に生きてきた私にとって
小田切という男は要注意人物。
こんな男に関わったら危険!という注意信号の裏に、
こんな風に恋におぼれてみたい(みたかった、かな?)という願望があるのも事実。
恋するだけの阿呆に(@ミスチル「僕らの音」)なってみたかったりもするのです。


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 163

夜は短し歩けよ乙女

著者 : 森見 登美彦

出版社:角川書店

発売日:2006-11-29

評価 :

完了日 : 2007年04月19日

本屋大賞2位。未読。
**********************************************
4月19日読了。
あ~すっごく楽しかった。
黒髪の天然少女も、自称硬派の先輩も、うわばみも天狗も神様もみ~んな大好き!
3階建て電車も、古本市の神様も、鯉を巻き上げる竜巻も
ほんとにあるかも?と思わせてしまうのは、京都という舞台設定のなせる業でしょうか。
1ページ目から始まったくすくす笑いは最後まで続き、
最後の1ページ目を読み終えると・・・あれ?何でだろ。私泣いてる。
本屋大賞2位は大きくうなずけます。


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