たなぞう

WEB本の雑誌

水雲さん > 読書ノート

水雲さんの読書ノート

オススメな本
面白かったよーヾ( 〃∇〃)ツ♪と、声を大にして叫びたい本。
<前のページ 1  2  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 10

クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)

著者 : 貴志 祐介

出版社:角川書店

発売日:1999-04

評価 :

完了日 : 2000年05月24日

いきなりゼロサムゲームの駒にされてしまった、主人公を含む人生の落伍者達のサバイバル物語。

自分の生命の危機に立たされた時こそ、その人の本性みたいなものが浮き彫りになるのは、よくある手法だと思うのですが、ちょっとコレは怖いです。
もしかすると理性をすべて取り払った時の人間の本質とは、地球上のどんな生き物よりも醜悪で、救いがないかもしれないということを見せつけられるようでした。

ホラー系RPGのようで、最後まで目が離せない展開なのですが、何だか割り切れないというか、やりきれないような読後感があります。
きっと、最後まで出てこない一番の黒幕の、残虐で無邪気で巧妙な、悪意の欲望があまりにも不快なせいなのかも。

何にせよ、クライマックスがドキドキで面白かったです♪夜中に読んだら、夢でうなされそうなあたりがGood。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 9

マークスの山 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 : 高村 薫

出版社:早川書房

発売日:1993-03

評価 :

完了日 : 2000年05月24日

高村薫の本を読んだのは、実はコレの文芸書版が初めてでした。合田刑事シリーズの記念すべき第1話。

何だかやりきれなさの残る刑事モノでした。
原罪は本当に偶然と小さな打算だったはずなのに(それにしては立派な犯罪ですが)、幾つもの偶然が重なり合って、結局は保身のためにもっと大きな闇を呼び寄せる羽目になってゆく因果応報が何とも・・・・。

それにしても権力の前には命の尊さや贖罪なんて、紙屑ほどの価値もなくなるモンだなーと不快感と共に納得させられました。
・・・ああ、書いているうちに何かワケが分かりません(爆)
とにかく、一応凶悪犯なんだけど・・・マークスが悲しかったです。

ちなみに、のちに出た文庫版も読みましたが、個人的にはこちらの方が叙情的で好みです。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)

著者 : スティーヴン ハンター

出版社:新潮社

発売日:1998-12

評価 :

完了日 : 1999年06月01日

面白い。その一言に尽きる作品です。
上下巻なのでそれなりに長編ですが、その長さをまったく感じさせず、ノンストップで読み切ってしまう最高の娯楽小説でした。

ちなみに、銃についてもっと色々知識を持っていたら、別方面からも楽しめたかも?と思わなくもないですが、知らなくてもノープロブレムです。

まるで、ハリウッド映画のよう・・・と思っていたら、いつの間にか映画化されてました。
観ませんけど(爆)
(ダイジェストムービーかよっという位、エピソードが大幅に省略されているイヤな予感がしますので。)


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 25

李欧 (講談社文庫)

著者 : 高村 薫

出版社:講談社

発売日:1999-02

評価 :

完了日 : 1999年05月29日

「我が手に〜」の文庫化にあたっての、リニューアル版。
でも、ほとんど別作品と云っても過言ではないほど、全編描き直しであります。さすが高村さんです。敬服。

この作者にしては珍しく、とても静かな作品です。
設定や舞台は決して静かではありませんが(爆)
また、表紙の桜は作中にもとても効果的に描かれていて、日本人にとってこの花は本当に特別な意味を持つんだなあと、この作品によって思い知ったような気がします。

「我が手〜」に比べると、李歐はほとんど表舞台に出てこないのですが、その分さらに神格化されてました。
それにしても、二人のこの絆の強さは何なのでしょう。

ちなみに、作者曰く、この作品は「青春物」 なのだそうです。
こんなハードな青春あっていいのか・・・と思うのですが、百歩譲って強引にあることにしておきます。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 24

魔術はささやく (新潮文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:新潮社

発売日:1993-01

評価 :

完了日 : 1999年05月24日

珍しく、宮部作品の中で、主人公がお気に入りでした。
こっそり鍵師ってトコがツボだったのかもしれませんww

テーマは、何だろう・・・「罪と贖罪」かな?
罪の大きさとそれによって受けるべき正当な罰。だけどその罰によって、何が救われるんだろう?などというかなり難しい問題を考えさせられました。
その罪によって傷つけられた人が救われなければ、どんなに悔いようと、ただ罪を犯した人間が「自身の良心の呵責との折り合い」をつけただけにすぎないんでしょうか?

この問題はけっこう宮部作品でよく提示されている問題でもあるんですよね。ずっと日本で棚上げされたままの「死刑問題」などにも通じているかもしれないです。

・・・でも今改めて読むと、サブリミナル効果とかってちょっと時代が違う・・・かも(爆)


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 17

黒い家 (角川ホラー文庫)

著者 : 貴志 祐介

出版社:角川書店

発売日:1998-12

評価 :

完了日 : 1999年05月23日

何と言うか、ナチュラルに人間が怖い作品。
本来なら、内容的にはタダのミステリーの筈なんですが、その怖さが尋常ではありません。
著者本人が主人公と同じ仕事をしていたということもあって、ものすごくリアルです。

フィクションなのに、昨今のニュースを聞き及ぶ限り、十分ノンフィクションで通用する切なさから、満点をつけてみました。
・・・まったくヤな世の中ですネ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 12

屍鬼〈上〉

著者 : 小野 不由美

出版社:新潮社

発売日:1998-09

評価 :

完了日 : 1998年12月28日

渾身の力作…ではありました。

冒頭から何度も繰り返されるひとつのフレーズが、まだ何もかもが謎の状態にある段階の恐怖感を煽っていて、閉ざされた土地の閉塞感とともに、冒頭から一気に物語に引き込まれます。

そして、何というか、ホラーの怖さを楽しむ以上に色々なことを考えさせられる話でもありましたね。命の理についてとか。
 基本的なテーマは、「人間は自身の捕食者との共存は可能か」なんですが。
 色々なところで議論されていたようですが、私個人としてはたぶん無理だろうと思います。それを容認するには、人間はあまりに自我を持ちすぎたし。

この作者の作品はどれもこう、声にできない叫びみたいなものが胸の奥に溜まっていくような錯覚があるのですが、これはその傾向がとみに顕著だったように思います。

と言いつつ、実際のトコロは、最初から最後まで
「静信キラ〜イ、何かものすごくムカツクんですけどっ」という、極めて低レベルな感想でもって読んでいました。(爆)


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 66

火車 (新潮文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:新潮社

発売日:1998-01

評価 :

完了日 : 1998年06月01日

結末に賛否両論がある問題作ですが、数ある宮部作品の中で、いまだに私の中で最も印象に残っている作品です。
この本が世に出てから10年以上経つのに、少しも古さを感じさせないのは、今もここに描かれる問題が無くなるどころか、更に根深く世に蔓延っているからでしょうか。

作中の、「どうしてこんな事になったのか分からない」という台詞が、何とも痛いです。
今の世の中、仮想現実で夢を見ることがとても容易で、でもそれに払う代償がとてつもなく大きい。
そんな、相応の覚悟が必要だ と言うことを、私たちは個々でもっとちゃんと肝に命じるべきなんでしょうね。

「理由」で直木賞受賞前に一度、この作品で賞を逃していますが、小説自体の出来不出来を別にすると、個人的にはこちらの方がずっと胸に迫ってきました。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 8

レディ・ジョーカー〈上〉

著者 : 高村 薫

出版社:毎日新聞社

発売日:1997-12

評価 :

完了日 : 1998年01月30日

この作品は、吐血しそうな冒頭部分のおかげで、なかなか読み進められないとよく耳にするのですが、社会派ミステリーの枠に収まらない傑作だと思います。
モデルになっているグリコ・森永事件で耳にした説が、随所に違和感なく散りばめられているあたりも秀逸かと。

一体何が正しくて、何が間違っているのか。
それすらも見失ってしまいそうな葛藤と閉塞と絶望感が苦しいくらいに胸に迫ってくる作品でした。

そして、高村作品の中でも特にラストシーンが切なくて綺麗で、お気に入りです。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 17

空色勾玉

著者 : 荻原 規子

出版社:徳間書店

発売日:1996-07

評価 :

完了日 : 1996年07月29日

何年経っても自分の中で色褪せるコトのない、宝物のような本…というのがありますが、この作品もそのひとつです。

初めて手にしたのは、ベネッセがまだ福武書店として文芸作品事業を手がけていた頃。
挿絵が一枚も入っていない長編児童文学にもかかわらず、読んでいる内に見たこともない筈の、遠い昔にはあったであろう情景が目の前に広がっていったことに感動しました。

そして、登場人物のそれぞれが皆それぞれに、生きることにとても一生懸命でいる。そんな本来、当たり前のことがとても愛しい、そんな作品でした。

3部作の一話目に当たりますが、個人的にはこの話が一番お気に入りです。
・・・というか、天然な神様・稚羽矢がお気に召したというか。(爆)


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 10

黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)

著者 : 高村 薫

出版社:新潮社

発売日:1994-01

評価 :

完了日 : 1994年05月29日

デビュー作とは思えないほど、スケールが大きかったです。
完全犯罪を目指そうと思うと、ココまで用意周到で緻密に準備されて、実行されるモンなのか…と、ある意味新鮮な感動を覚えた作品でもあります。
ただ、クライマックスがちょっと走りすぎたかな?という辺りが残念です。

黄金強奪を決行しながら、でも彼らが欲しかったモノは決してお金じゃなく、じゃあ何だろう?と 考えると、それぞれに言葉で語り尽くせない程多くの、それでいて唯一の、形を持たないものなのかな?とぼんやり思いました。

幸田の「人のいない土地に行きたい」という願望は、ほんの少し共感できるような気もして、ちょっと人間不信入ってる?と胸に手を当ててみたり(爆)

とにかくモモが切なくて哀しかったです。
「あんたとは神の話をしたいと思う」という作中の台詞が、どこまでも静かで神聖で心に染みました。
彼はいったいどうやって、自身の理不尽な運命に折り合いをつけたのでしょう?
・・・・それにしても…
・・・・京美人って・・・・・・・・・(以下略)。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.