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キササゲさんの読書ノート

昭和
戦後二,三十年ぐらいまではこちら。 太宰治…とか(笑)
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 1

黒い裾 (講談社文芸文庫)

著者 : 幸田 文

出版社:講談社

発売日:2007-12-10

評価 :

完了日 : 2008年04月23日

昭和の女性エッセイスト・作家が好きなのは、こういうところだ、と思う。
或る一種の“歴史”を感じ、とても勉強になる反面、その感受性の鋭さに、穏やかな視線にはっとさせられることが多い。
幸田文はエッセイと小説の住み分けが酷く難しい作家のように感じる。どこからどこまでがエッセイで小説なのか。エッセイとして読みながらふと、これは小説なのかなぁと確たる証拠もないながらなんとなく思わせるところがある。
凄く魅力的だ。


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 3

山の音 (新潮文庫)

著者 : 川端 康成

出版社:新潮社

発売日:1957-04

評価 :

完了日 : 2008年04月12日

昔、何故か川端康成が苦手だった。あの穏やかな艶かしさが子供心に気持ち悪く、更に理解できないものとして思っていたのだろう。その時は、『伊豆の踊り子』で拒否していたのだが。
労働運動など激しさを増し、文壇を席巻していたこの時代。こんな物語が、どれだけ奇異にそして新鮮に写ったことだろうと夢想して、康成に惚れる。


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 5

死者の奢り・飼育 (新潮文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:新潮社

発売日:1959-09

評価 :

完了日 : 2008年04月12日

深くてどうしたら良いのか分からなかった。特に「死者の奢り」は、凄い、と思った。まぁ一番最初に載っているからだけれど。
もう一回、読まなきゃ…


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 1

遊覧日記 (ちくま文庫)

著者 : 武田 百合子,武田 花

出版社:筑摩書房

発売日:1993-01

評価 :

完了日 : 2008年03月06日

いい目、を持っていると評判の武田百合子さん。良い目でみたものが見たくて、東京に行った折に、上野に向かう。
時代は変わり、私の目も相変わらずぼんくらで、季節も悪くて、良いもの、見れたのか、不安だ。東京、あんな感じ、だ、と思った。古いものも、文化的なものも、新しいものも、退廃的なものも、全てが集まる、と、そこが東京なんだろうなと、田舎者の私は思う。

百合子さんのおっとりした性格と、花さんの「お母さん!」としかるしっかりした性格が、良い具合にこの本を色づけている、と思う。


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 7

ノラや (中公文庫)

著者 : 内田 百けん

出版社:中央公論新社

発売日:1997-01

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

猫好きにはたまらないんでしょう…まぁ私は特に猫好きじゃないけれども。
内田百閒先生と猫。なんとはなしに”ノラ”として受け入れた猫への愛着が事細かに増幅していく百閒先生の姿が描かれる。更に、ノラが失踪してからの零落ぶり。悲痛な叫び声が聴こえそうな…文面。
しかししかし、大の大人がこんなに悲嘆に呉れちゃってまあ…とも言いたくなるくらいです。
そこへ、新しい一匹の猫が迷い込んでくる…
百閒先生~~


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 5

ことばの食卓 (ちくま文庫)

著者 : 武田 百合子,野中 ユリ

出版社:筑摩書房

発売日:1991-08

評価 :

完了日 : 2007年08月30日

日常あるようなことをさらりと言ってのける、その百合子さんの感性が好き。だんな様であらせられた、泰淳さんもそれには負ける、と思われていたらしい。
有名な『枇杷』の項は言うまでもなく、『上野の桜』もなんとなく、訴えかける、優しさ。


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 3

津軽 (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1951-08

評価 :

完了日 : 2007年06月20日

異常の中の正常――それは、“異常”でもあるような。
『人間失格』『斜陽』しか読んだ事の無かった私にとって、太宰のこの作品は良い意味で、新しい太宰を見つけることに成功したようである。途中では何回か失笑しつつ、最後では後味の良い感動が襲ってきた。

この作品は太宰の故郷、津軽を旅した時の作品で、友人や親戚関係、そして、たけ、との邂逅が詰まっている。
一々くだらないことにまで言い訳を付そうとする太宰が酷く可愛い人、に見えて仕方が無かった。
含羞を満たせた言い回しや、行動が、これが太宰の作品の根底にあるのか、と思わせている。

私も、太宰の中では、この作品が一番好き、かな。この作品は他の人間が書いたなら「ふ~ん」で終わりそうなのだが、この作品を太宰が書いたと思うと、へんに感心してしまう。
しかし、太宰治は実に、うい奴だな!


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 29

塩狩峠 (新潮文庫)

著者 : 三浦 綾子

出版社:新潮社

発売日:1973-05

評価 :

完了日 : 2007年05月07日

最後は泣くけどね。
信仰心についてはまったく持って、不可思議で理解不能なものなんだな、私は。そこが私の欠点の一つなんだけれど。

けれど、人として、彼の起こした行為が、もし信仰心がその理由の半分以上を担っていたのだとしたら、信仰する、ことに憧れを抱くかも。
私はあまりにも綺麗過ぎる人間が好きじゃないから、かなぁ。ちょっとだけあれてる、信夫青年が、徐々に信仰に傾くところが、好きかも。

[何かを盲目に信じているのだとしたら、それは、本、というものであるのかもしれない。それなら聖書も本として、認めることは出来るんだけれど、ルカの章でお気に入りの部分はあるけれど。だからと言って…研究対象にしか思えない。
未知で不可思議だから宗教を研究しようとは思うけれど。]


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 12

斜陽 (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1950-11

評価 :

完了日 : 2007年05月07日

太宰治には笑いのセンスがある。
そういう思いを決定付けたのがこの作品。

貴族が没落し、その価値の崩壊の中で生きる、戦後。かず子とお母さまと直治の貴族と、直治の友人である小説家・上原。
全てが崩壊する。その前の静けさ、が全体に漂っている。革命は成功するのか、戦闘は誰に勝利を与えるのか?

一言のみの改行、真面目に語られる文章は、絶望の兆しを見せているのにその姿がどこか滑稽だというのは、太宰の才能だろうか。『人間失格・桜桃』でも、何故だか笑えるその絶望“っぷり”に、今回も何故だか笑ってしまった。

太宰治様 M・C(マイ・コメディアン)


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