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キササゲさんの読書ノート

須賀敦子
私の精神的支え、愛すべき女性。
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 4

ユルスナールの靴 (河出文庫)

著者 : 須賀 敦子

出版社:河出書房新社

発売日:1998-10

評価 :

完了日 : 2007年12月19日

久々に須賀敦子を摂取した数日だった。彼女がよく使う修辞に“おいしいものを食べるように”や“甘いお菓子を食べるように”というものがある。よく彼女は彼女のよいと思ったまっさらな、純な文章に対して使っていたようだ。この表現が凄く好きで、思わず顔がほころんでしまうような、そんな文章なんだろうなぁと想像してはうずうず文章を読みたくて仕方がなくなってしまう。
そして、私にとっては彼女の記す文章、を、そのように摂取している。栄養みたいなものだし、何よりも美しくて、余り癖のない、だからこそ、味が本当ににじみ出ているようなそんな文章。

彼女の視点で辿られるユルスナールの足跡が、凄く清廉なものにみえる。


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 1

須賀敦子全集〈第4巻〉 (河出文庫)

著者 : 須賀 敦子

出版社:河出書房新社

発売日:2007-01-06

評価 :

完了日 : 2007年08月28日

どうしようもないほどの、珠玉ばかりを紐で通してネックレスにしたような作品集。緩やかに束ねられていながらも、須賀敦子という精神の糸によって統合されていて、きらきら光る美しい玉が彼女を覆う。

『父の鴎外』が心に残る。他に、しいべ、との話だとか、翠さんとの話が凄く優しくって涙がこぼれそうになったり、顔が歪んで唇をかみ締めて、地面を一生懸命踏みしめているような…小さなアツコさんがいて、シンクロした私もそこにいて、本当に抱き締めてあげたくなるような、話ばかり。
どうしよう。彼女が生きていれば、彼女と握手して目を見つめてみたい。
今、彼女は、きっと旦那様とお会いしている、のだろう…


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 5

塩一トンの読書

著者 : 須賀 敦子

出版社:河出書房新社

発売日:2003-04

評価 :

完了日 : 2007年05月10日

本との出会いは、私にとっては無益ではない。

カルロス・ルイス・サフォンの『風の影』でも、本は親友だ、と述べるように、この本でも、本に関して有意義な言葉を与えてくれる。
“一トンの塩を舐めるうちに、ある書物がかけがえのない友人になるのだ。”

一トンの塩、というのは、彼女が姑から結婚間もないころ頂いた言葉だ。以下のように続く。
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ。(中略)一トンの塩をいっしょに舐めるっていうのはね、うれしいことや、かなしいことを、いろいろといっしょに経験するという意味なのよ。(中略)一トンのいう量はたいへんな量でしょう。」

私も、一トンの量の塩を舐める続け、過去から現在にかけてであった沢山の私の良書を、将来、また違ったように受け取り、再びあの悲喜や感動を味わえるようになっていたい。

(彼女は、さまざまな人や本との出会いを無駄にしない)


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 2

須賀敦子全集 第2巻 (河出文庫)

著者 : 須賀 敦子

出版社:河出書房新社

発売日:2006-12-05

評価 :

完了日 : 2007年05月07日

ヴェネツィアの宿、の部分。
彼女の激しい悲しみが、文章の内側に隠れているように感じて、授業の合間、20分の休憩時間で1人、泣きそうになりながら読んでいた。
拒絶、疎外。言葉にされていなくても、彼女の心情が見える、そう感じる。
冷静で静謐な筆致が、以前は情緒を含んだ美しい文章に感じられたものだったが、何故だか、今回は、そうであるがゆえに、彼女の心情といとも“美しく”隠し、表面上の美しさばかり、目立つようだ。
だからこそ、エッセイと言うよりは、傍観者として須賀敦子のいる、小説、のように感じられてしまう部分があった。
成程、彼女は聡明だ。

(過去を語ることは、傷をえぐることにならなかったのだろうか?)


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 3

須賀敦子全集 第1巻 (河出文庫)

著者 : 須賀 敦子

出版社:河出書房新社

発売日:2006-10-05

評価 :

完了日 : 2007年05月07日

イタリアには運命を感じると思った。チェーザレもマキャヴェッリもイタリアだし、須賀敦子が全生涯のうち13年を過ごした土地も、イタリアだった。

情緒的な雰囲気漂う須賀敦子の文章に、これはエッセイだと思いつつもどうしてか、小説のような趣を感じてしまう。
一人の女性が異国の地で、こんなにも感情豊かにものを感じ、人を愛し、文学と共にいた、ということが伝わってくる。
イタリアの人々にとっては(多分)著名な人々も出てきたが、何より、須賀敦子の人を見る目が冷静だなという感想。


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