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ぼんぼんさんの読書ノート

せつない本
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 5

きいろいゾウ (小学館文庫)

著者 : 西 加奈子

出版社:小学館

発売日:2008-03-06

評価 :

完了日 : 2008年07月17日

田舎に暮らす若夫婦と、若夫婦を取り巻く人たちの行きて帰りし物語。
ツマはかわいいし、ムコは優しさと器の大きさを持っているし、主人公の二人ともに好感を持ちました。
そして主人公以上にアレチさんの話、グッナイベイビーの酔っ払いのおっさんのエピソードは泣けたなぁ。
 
前半部分は、少しずつ影の存在を匂わせつつもほのぼのモードが強かったので、なんだか天然コケッコーっぽい雰囲気だなぁと感じていました。
後半になって、少しずつ過去のことが明らかになって、ツマとムコの内面に迫る描写が多くなっていくのだけれど、ここでなんとなくどこかで読んだ事があるような恋愛小説に落ち着いてしまったのが少し残念・・・。
思弁的というか、自分の思いをうまく言葉に出来なくて持て余したり、それゆえに相手とすれ違ったり、暴走してしまったり。わたしはそんな人物にこそ一番切なさや愛着を感じるのだけれど、この主人公のツマには、愛着と、ちょっとだけ反発も感じました。ムコの昔の恋人にも。
上手く言えないけれども、持て余してる自分を支えてくれる愛する人に丸ごと預けてしまう人よりも、ぎりぎりでふんばって最後の意地で自分の足で立っている人の方が好き。
あなたがいなければ何も出来ない。という思いも情熱的で小説には必要な要素なのだろうけれど、自分には合わないな、ということです。
でもそこが一番の主題ではないし(クライマックスには違いないけれど)、全体的にほわほわとあたたかな雰囲気はすごく好きでした。
読むの楽しかったです。この小説。ムコさんみたいな人いいわぁ。
 
あ、あとムコ&ツマ家の食卓に並ぶ簡素だけど自然にかなった食事がやけに美味しそうだなぁと感じました。モッツァレラ・ばか食べたい~。


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 11

I love you

著者 : 伊坂 幸太郎,石田 衣良,市川 拓司,中田 永一,中村 航,本多 孝好

出版社:祥伝社

発売日:2005-07

評価 :

完了日 : 2008年07月13日

伊坂幸太郎&本多孝好&中田永一の3作品を目当てに。
試し読み的な気軽読書ができるのでアンソロ本はけっこうすきです。
 
★★『透明ポーラベア』(伊坂幸太郎)
動物園を舞台にした二組のカップルの話。
突拍子も無いところから物語が始まって、その欠片がだんだんひとつのところに合わさって物語が収束していくこのパターン。好き。
地球は宇宙人の動物園で、檻の外から宇宙人が見てて・・・ってのが印象にのこりました。
ただちょっと主人公の問わず語り(ノリツッコミ?)的な文章が余計な感じしたかな・・・。
  
★★★『百瀬、こっちを向いて』(中田永一)
いろんな書評で評判を目にしてて、一度読んでみたかった作品。
演技の恋愛ゴッコの中の本気や、主人公たち4人の多面性をうまく描いているなと。人を好きになる事で増幅するコンプレックスとか、傷つくのが怖くて相手にまっすぐに向き合えないジレンマとか、よく伝わってきました。シンプルだけどうまくまとまった作品。
 
★『sidewalk talk』(本多孝好)
離婚を決めた夫婦のお話。
あくまでオシャレでスマートで、内省的なんだけど泥臭くないってのは本多作品のスタイルなのかなァ。


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 1

「白線流し」を知っていますか (角川文庫)

著者 :

出版社:角川書店

発売日:1998-12

評価 :

完了日 : 2008年06月09日

高校3年生の日々と別れを描いたノンフィクション。
教室の中が世界の全てだったあのころを思い出して、
懐かしいやら切ないやら・・・。
すてきな本でした。


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 11

放課後の音符(キイノート) (新潮文庫)

著者 : 山田 詠美

出版社:新潮社

発売日:1995-03

評価 :

完了日 : 2008年06月08日

再読。
時代がどんどん変わっても、この本の主人公たちより大人になってしまった自分に気づいても、やっぱりいつも憧れてしまうんだよねぇ。
くっついたり離れたり、時々思い出して無性に会いたくなったり、ずっと心の片隅で支えになってくれたり、そんな親友のような存在の本です。


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 24

さよなら妖精 (創元推理文庫)

著者 : 米澤 穂信

出版社:東京創元社

発売日:2006-06-10

評価 :

完了日 : 2008年05月23日

『村田エフェンディ滞土録』を読んだときの気持ちを思い出しました。
対岸の火事だったできごとが、初めて現実味を持って迫ってくるときの恐怖。痛み。
新しい世界に触れて、自分(故郷)を知るよろこび。
自分に何ができるのか。
世界はでっかいし、人生とは死ぬまで学び悩み誰かを思い続けることなのかもしれないなぁ。。。
と、読んだあとにしばらく考えこんでしまいました。
この小説、高校生の時に読みたかったな。


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 1

時の輝き (講談社F文庫)

著者 : 折原 みと

出版社:講談社

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2008年05月08日

小学生の頃、クラスで大ブームだったこの小説。
わかったようなフリして背伸びして読んでたなぁ。
大人への入り口だった一冊。
また縁があって、なんとなしに読んでみた。
この真っ直ぐさよ。
悲恋とか、儚さとか、切なさとか優しさとか。
子供心にいろんな気持ちを教えてもらった小説だったけれど、
わたしはこのまっすぐさにいちばん憧れたんだと思う。
そんな人生の大切な一冊。


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 40

バスジャック

著者 : 三崎 亜記

出版社:集英社

発売日:2005-11-26

評価 :

完了日 : 2008年05月03日

SFチックだったり、ゾッとさせられたり、ホロリとさせられたり。
なんとも一風変わった短編集。
一冊の本でここまで振り幅を大きくできるとはほんとにすごいな・・・。
  
『二階扉をつけてください』『バスジャック』の2作はシニカルで何気にブラックで世にも奇妙な物語テイストかな。めちゃくちゃおもしろかった!
こういうの好きだね。
特に、『二階扉』の見積もりにやってくる胡散臭い営業マンの描写に笑ってしまいつつ不気味さを感じてドキドキして、「原住民」のそこはかとなく電波っぽい文章にゾクリ。オチではまさか・・・やめてやめてうわぁぁぁぁぁという気分にさせられました。
 
『しあわせな光』『雨降る夜に』のような掌編も、切なくてあったかい気持ちにさせれられて、たった数ページの物語なのに沁みました。
 
『動物園』は着眼点と発想力SUGEEEEEEEEEと唸らされたし、自分が今まで見てきたものや、そこに存在して当たり前だと思っていたものを思わず振り返ってしまいました。
 
『二人の記憶』『送りの夏』は、愛の形、積み上げてきた思い出、ずっと続いて変わらないと思っていたものとの別れ、変わっていくもの、失くしてしまったものへの折り合いのつけ方などをそれぞれの登場人物を思いながら読みました。
特に『送りの夏』は素晴らしかった。まず描写が美しい。夏と海と愛する人と生と死と。
「死」を通して描かれる成長物語は数多くあるけれど、こんな風に主人公からワンクッション置いた視点から描かれる死と生の物語は読んだ事がなかったので、なんだか新鮮な感動がありました。これ映像化してほしいなぁ。
読後の余韻が、本多孝好の短編集と少し似てるかなと感じました。
じわっと沁みるこのかんじ。
  
上質な短編映画を見た気分にさせてくれる一冊でした。


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