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フィリップ・まろさんの読書ノート

何故だ!さくらももこ・・・
クッソーッ!KUMIさんに乗っけられて僕が『ちびまる子ちゃん』好きであることが白日の下に晒されてしまった。こうなったからには仕方がない。読書ノートを作るべし、と開き直って立ち上がった50男であった…。
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アミ 小さな宇宙人

著者 : エンリケ バリオス,さくら ももこ

出版社:徳間書店

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年05月16日

俳優の永瀬クンが「愛だろ、愛」って言っていたのはいつ頃の何のコマーシャルだったか。焼酎かウイスキーかのコマーシャルだったような。

宇宙人が地球人にオススメするのも愛だそうです。愛の深さによって個人のランクが決められる。そしてオフィル星と言う名の天国、或いは極楽のような星に自由に行けるようになるらしい。

話の展開はペドロ少年と宇宙人アミとの体験と対話による。『星の王子さま』に似ているが、それほど哲学的でもないし、象徴的でもない。全体を通しての説教臭さが鼻に着く。残念なところだ。

50オヤジの僕が、何故か全巻読破進行中と相成ったさくらももこ。そのさくらももこが「オススメ」じゃないな、さらに数百倍積極的に「大絶賛。必読」と称した作品。
でもこれなら、僕は『いきもの図鑑』の方に軍配を上げる。地球上での正しい愛が『いきもの図鑑』にはあるよ。あんまり比較対照が良くない、と何処かの読書子から聞こえてきそうだけど、愛、を敷衍して考えてゆくと僕の中では比較検討の余地のある2作品なのである。

批判が多くなった。
いいなあ、と思った文章を紹介しましょうか。

「起こらなかった問題やこれからもけっして起こりもしない問題を心配して、頭を悩ませて生きていくのをやめて、もっと“いま”というときを楽しむようにしなくちゃ・・・もし、現実になにかの問題に直面したときはそれに全力であたって解決すればいいんだ・・・どうして、じっさい起こりもしないことに頭をなやませて、現在を犠牲にしなくてはならないんだい?」

宇宙人アミが少年ペドロに語った言葉。
これ、僕が常々、ひどい心配症でパニック障害の妻に言い続けている言葉とそっくりじゃないか。
アミって僕に似て好いこと言うじゃないか。
この部分、評価高いな。評価点1点だった本書の点数をわずか数行で3点にまで押し上げたね。

理想の地球、もっと風呂敷を広げて、理想的宇宙を築き上げようとするアミたち宇宙人。
しかし、その理想があまりにも理想然としすぎていて気持ちが悪くなる。

著者のエンリケ・バリオスは真剣に理想郷について考えた末にこの作品に行き着いたのだろう。

もっか僕が理想郷と考えているのはブータン。国の発展尺度を国民総幸福度で計っている。国民の一人一人が、自分が今どれくらい幸せであるか、が国の指針となっている。

もし行けるのなら、僕はオフィル星よりもブータンへ行きたい。これは極めて個人的な感想である。


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4.フィリップ・まろ (2008/05/22)
もともとエンリケ・バリオスが自費出版したのが『アミ小さな宇宙人』でした。これが国内で火がついて売れに売れて、世界進出。そして日本でも。それを手にしたさくらももこはいたく感動して本人に会いに行っちゃった。こんな縁でさくらももこがカバー絵を描いたわけです。
5.ryoukent (2008/05/22)
へぇ、最初は自費出版なのですか。
で、さくらももこはカバー絵だけなんだ。
でも、この本「読みますList In」だな。

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 2

神のちからっ子新聞〈1〉 (スピリッツボンバーコミックス)

著者 : さくら ももこ

出版社:小学館

発売日:2005-05

評価 :

完了日 : 2008年04月03日

遊んでるねえ、さくらももこ。

盆場唯一編集長率いるボンバー編集部が週刊新聞として発刊しているのが『神のちからっ子新聞』だ、との設定。

ボンバー編集部の仲間を紹介しよう。
編集者①ケンちゃん(昭和のニオイのする少年だ)
編集者②ケロ(こいつはどう見てもカエルである)
フリーライター・鳥見人也(シブイ中年男だ)
マンガ家・うんのさしみ(実在のうんのさしみはさくらももこの元ダンナだが、こちらはマンガの人)

毎号「お便り紹介」や「ポエム」「性格占い」「俳句」などのコーナーがある。全部、フィクションである。

人物紹介のコーナーはたっぷり見開き2ページでお得感を与えてくれる、かな。
毎回、或る特技なり、熱中しているものを持っている人が紹介されている。

中でも気になるのが、堀田道造さんである。トンネルを掘ることに生涯をかけたが、出口まで掘り進めて見ると、崖だった、という不運な人。しかし、彼は努力の人には違いない。人望もある。彼は失意から漂白の旅に出る。さて、不運と努力の人、堀田道造の明日はどっちだ。

遊び心満点な『神のちからっ子新聞』。新聞だからどのページのどの記事から読んでもいい。
しかし、だからこそ、本当の新聞と同じように、印象に残らない。しばらくぶりに本を開くと、前に読んだところをまた読んでいる。考えようによっては飽きないからお得かもな。

帯には「『ちびまる子ちゃん』より、少し(が、消されて)だいぶちからを入れてます」とある。
ちびまる子ちゃんより、だいぶ遊んでいるよ、さくらももこ。

僕も昔、『あっ?!ん!原田大新聞』を月刊で300部発行していた。ノリは一緒だけど、もうちょっと硬派でしたよ。『神のちからっ子新聞』がありなら、僕の、あの新聞も本にならないかなあ。


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1.パル2パパ (2008/04/03)
自費出版という手が或るよ、稼ぎが増えたら考えてみては如何?
 

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 1

友蔵の友

著者 : 豆大福プロダクション,さくらプロダクション,日本アニメーション

出版社:フジテレビ出版

発売日:2000-03

評価 :

完了日 : 2008年03月25日

『友蔵の友』
友達の蔵の中の友達。この蔵にはさぞやたくさんの友達が詰め込まれているのだろう。友達が犇めき合っている。

佐々木のじいさん、中野さん、三田さんとは大の仲良し。それからヒデじい、川田さん、たまちゃんのお父さん。野口さんのじいさんに、はまじのじいさん、もか。
そして俳句。
友蔵は俳句をこよなく愛し、自己表現の特技としている。
折節につけ詠まれた俳句の数々が本書にはたっぷりと公開されている。

僕も少々俳句を嗜むが、率直に言って、友蔵の俳句は余りにもヘタクソ過ぎて、箸にも棒にも懸からない駄作ぞろいだ。五七五の体裁すら守れず、なぜか短歌の下の句みたいに五七七で無理矢理納めたり。1つの俳句には季語が1つというのが俳句の初歩的決まりごとであるにもかかわらず、季語が重ねられていたり。逆に季語が無かったり。やりたい放題である。

しかし、それが友蔵なのである。何事にも縛り付けられない自由奔放な人、それが友蔵なのである。友蔵を誘導できるのは世界でただ一人。そう。まるちゃんだけなのである。おばあちゃんやヒロシ、おかあさんが何を言っても、友蔵は常にまる子と共にある。それが友蔵なのである。友蔵は愛すべき小市民なのである。

ところで実際のさくらももこの祖父は友蔵のように皆に愛されていたわけではない。『もものかんづめ』の「メルヘン翁」にその辺りのことが詳しい。少し触れておこう。
「祖父は全くろくでもないジジィであった。ズルくてイジワルで怠け者で、嫁いびりはするし、母も私も姉も散々な目に遭った」
と記述している。また、その死に顔の異様さを、ももこはお姉ちゃんと笑いものにしている。
よほどヒドイ爺さんだったであろうことが推察される。

さくらももこは自分たちが「散々な目にあわせられた」じいさんを、誰もが愛する全くの別人格の友蔵にして蘇らせた。友蔵は誰もが憧れるおじいちゃんとなって茶の間に登場することになった。

友蔵語録がまた笑わせてくれる。僕が好きな友蔵のセリフを紹介しよう。

「わしなんて、こまかいことどころか、重要なことも覚えとらんよ」
「ここでボケッとしていることも多いけど、たいがいのところでボケッとしとることが多いのう」
「さあ友蔵よ、我が愛すべきまる子をほめるのじゃ。ほめるところのないこの(まる子の)俳句を、どこまでほめることができるか、自分自身への勝負じゃ~っ」

いい味を出してるなあ、友蔵じいさん。こんな感覚の人の俳句を我々はとやかく言うべきではない。散々とやかく言っといてこんなことを言うのも相当変だけどな、僕自身。

本の帯にある俳句。「友蔵は、孫と俳句でできている!」
「ズバリ!そのものでしょう」

それでは僕が友蔵じいさんに捧げる一句を。

 風光る祖父が手を引く通学路

フィリップ・まろ 心の俳句でした。

お詫びと訂正。
『友蔵の友』が僕の読書ノートの『天才!?ボク本』に入っていました。勿論この本には僕の文章は載ってはいません。編集上の入力ミスでした。関係者各位にはお詫びして訂正させて頂きます。
なんて言っても、だーれも見てないから平気っちゃ、平気かあ。


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8.フィリップ・まろ (2008/03/29)
いやいや、その季節感の受け止め方が非常にヨロシク思われますよ。古来、日本の優れた文化人は、食から季節感を捉えてきました。北大路魯山人然り、立原正秋然り。今東光和尚だって『和尚の舌』という食文化の随筆を書いております。
9.パル2パパ (2008/03/30)
その「和尚の舌」という作品は興味或るなぁ。普通に出てるの?

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 1

ハコイリ娘。

著者 : さくら ももこ,モーニング娘。

出版社:新潮社

発売日:2002-07-18

評価 :

完了日 : 2008年03月22日

この本には瞭かに旬がありました。
モーニング娘。が、今も僕は好きです。若い娘たちのエネルギー(“エナジー”といった方がそれっぽく聞こえるかな)が、見ている僕ら中年にもびんびん伝わってきます。活力を受け取ることが出来ます。
しかし、ブームは去った。これは疑いようの無い事実です。この本が出版された頃がピークだったと思います。
とはいえ、モーニング娘。が一大センセーションを巻き起こしたことも歌謡史上の事実です。歌謡史を未来にまで伝え行く参考資料としての価値がこの本にあるかもしれません。
しかし、ブームは去った…。

さくらももこがモー娘。の13人にそれぞれの発案した企画を実現させてあげる、という内容です。
さくらももことモー娘。のやりとりを読んでいるとほんとに好い子達ばかりなのだと解ります。礼儀作法や体長管理法まで所属の事務所がしっかりと教育していたことが解ります。
この本が世に出て後に、問題を起こしたモー娘。が出てしまいましたが、当時厳しすぎるくらいのマネージャーによる娘たちの管理は、ああいったことをしでかさないが為の厳格さだったんだと思いました。社会規範を身に着けさせるべく娘たちを熱心に教育するマネージャー。この本に登場するマネージャーの様子を見ていてあの事件は余計に残念な思いがしました。

モー娘。の小川と高橋がさくら事務所を訪れた場面が好きです。モー娘。たちと一緒に夕食を食べることになったさくらめろん君。いつもは残すことが多いようですが、モー娘。が来ていることにハリきり、「オレも負けないぞー。小杉くらい食べるぞー」とバクバク食べ始めます。そして小川に「すごいね、たくさん食べてえらいね」と誉められるとますますハリきって食べたのです。モー娘。ってそれぐらい子供たちに影響力があったのです。
さらにそれから、めろん君のモー娘。語録が続くのですが、それはご自身の目でお確かめください。めろん君も好い子だなあ、と頷かせるセリフの数々が楽しめます。

モーニング娘。ブームが終わって祭りの後的な存在です。おニャン子クラブみたいに消えてしまうのか。それとも巻き返してタカラヅカのような発展を遂げるのか。娘。たちの今後を見守って行きたいと思います。


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 2

うみのさかな&宝船蓬莱の幕の内弁当 (角川文庫)

著者 : うみのさかな,宝船蓬莱

出版社:角川書店

発売日:1993-08

評価 :

完了日 : 2008年03月11日

著者は“うみのさかな&宝船蓬莱”となっている。聞いたことが無い二人だと思う。正体は“さくらももこ&宮永正隆”である。当時の夫婦のお仕事ということである。

内容は著者の二人と『月刊カドカワ』の編集者がよろず疑問解決のため、突撃レポートを行う、というもの。

『日ぺん』の美子ちゃんの秘密に肉薄したかと思うと、『ロータスクーポン』の謎を追跡したり。『JARO』の存在意義を問い直し、かと思うと『寄生虫館』を覗き見たり、『浮浪者体験』に身をやつしたり、とトンデモ企画がてんこ盛り。

しかし、面白い企画ではあるけれど、僕はあまり感心しませんね。

この企画だからこそ、新しく解った事実があってそれは面白いのだけど、レポートにも超えてはならぬ一線ってものがあると思う。これ、あちこちで超えちゃってるよね。

何でもかんでも白日の下にからくりを暴いて「どーです。これが真実です。知らなかったでしょ」のスタイルが気に入らないね。こんなのはさくらももこにやって欲しくなかったね。全くの個人的見解だけど。

さくらももこ愛読者となって半年。著者の澄み切った幼ごころの部分ばかりを読んでいたい、というのじゃないけれど、限度がある。グロすぎるよ。

著者自身、上記のようなことを感じたから、さくらももこの名前を使わずに別名で書いたんだと思う。

非難めいた批評となってしまいました。
こんな仕事があってもいいです。誰にだってダークサイドがある。認めます。僕にもある。
だけど、こんな仕事はどこかの週刊誌の記者にでも任せておいて、幼ごころへの回帰的作品で僕らをもっと感動させてください。

行きがかり上、読んで、新情報、真実の姿をたくさん見せたもらったけど「さくらさん、ズバリあなたは方向性を間違っているでしょう」


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1.パル2パパ (2008/03/11)
ひと昔前のテレビ屋みたいな発想で本を作った様な感じ。一発ウケると、柳の下の何とやらを狙って、遣る事が過激に、幼稚になっていき、それを解消して元に戻そうとあがけばあがく程、ドツボに嵌り、抜け出せなくなる底無し沼の様なお話ですね?
2.フィリップ・まろ (2008/03/12)
そうですね。『進め電波少年』みたいな感触あり、ですね。「おふざけ」が次第に「悪ふざけ」に変化していく。猿岩石、ロッコツマニア、ドロンズ。『ラスト・チャンス』を歌っていたのは誰だっけ。これらはわりと好きな企画だったけど、その他のは、それこそ「悪ふざけもっともっと」の先細り、でしたね。
 

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 2

ちびまる子ちゃん―わたしの好きな歌 (りぼんマスコットコミックス)

著者 : さくら ももこ

出版社:集英社

発売日:1993-07

評価 :

完了日 : 2008年03月09日

単行本とコミックスじゃあ、若干なりとも違うのかと思って、買って見たら、全く一緒の内容だった。

でも、1992年12月発行の単行本の方は表紙の写真が無いので、それだけでも読書ノートにUPしておこうと取り上げておきました。

ああ、もう一つ。単行本には裏表紙にまる子と永沢君の会話が一コマ漫画でくっついていますね。

表題作に関する僕の感想は、この二つ右隣の単行本版に書いてあります。読むときっと幸せになります!


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 7

ひとりずもう 下 漫画版 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

著者 : さくら ももこ

出版社:小学館

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年03月08日

エッセイ『ひとりずもう』は2005年8月発行。そして漫画版『ひとりずもう 上』が2007年4月に、今回の漫画版『ひとりずもう 下』が2008年3月発行となっている。

一度エッセイで表現したものを、一年半後、もう一度漫画で描いてみたい、とさくらももこに思わせたもの。それはエッセイ漫画家として出発し、笑いを中軸に据えてほのぼのとした漫画を描いてきたさくらももこの新しい分野の能力の芽生えであった。
つまり、リリカルで情緒的なものも表現できる自分に目覚めた、ということか。

確かに読んでいて胸が切なくなるシーンが何箇所かあった。夢と憧れ、現実と挫折。誰もが経験してきた、或いは何時かは遭遇する人生の岐路や問題。主人公のももこの前にもそれらが立ちはだかる。

ペンネーム、さくらももこではなく、三浦美紀の実人生は物語よりももう少し煩瑣なものであったかもしれない。
しかし、ここでは時間軸に沿って物語が整理されているのだと思う。物語全体を通した切なさをクライマックスにまで持ってゆく手法をさくらももこは手に入れ、それがものの見事に成功している。
小学生時代からの親友、「ずっと一緒」と誓い合ったたまちゃんとの別れのシーンには、現在置かれている僕の事情と重なって、眼が潤んでしまった。

しかし、たまちゃんが自分の道を見つけてアメリカに旅立ったように、ももこにも「漫画家になる」という大きな夢があり、その実現が可能性を高めていった。そして間もなくデビューが決まる。

とここまで書いて、振り返ってみると、この物語は青春漫画であり、ビルドゥングス・ロマンであり、サクセス・ストーリーでもある。そのどの部分をクローズアップするかは読者の現在置かれている状況でそれぞれだろう。読み方が幾通りにもある、というのは良い物語の一つのバロメーターである。

最後に『ひとりずもう 下』ではデビュー発表の載った『りぼん』6月号を“あおい書店”の前の木の下で見ているさくらももこの絵が描かれている。
一方、エッセイ『ひとりずもう』のイラストでは“わかば書店”の前となっている。
これは、推察するに後者は三浦美紀の現実で、前者は物語のさくらももこのための設定なのかもしれない。

現実にほんの少し調味料を加え、味を調えたお話の美味を礼賛したい。


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3.KUMI (2008/04/07)
まろさん、愛唱歌をどーもありがとう☆
「さよなら」だけが人生だ、かあ・・・。

いつになったら、この深い言葉の意味に気がつくことができるのでしょうね。
大好きな人と一緒にいる事がいつまでも楽しい私には、まだ当分わからないかも知れない。でも、必ずその日は来る。だから、その時になったら、思い出すことにするね。
その寂しさが人生の中で最も人生らしいっていう事を。
いつも、ありがとうね♪
4.フィリップ・まろ (2008/04/08)
そうですね。別れの寂しさ。長期休暇が来て帰省しても3日もいれば京都へ帰ってしまう息子。3日のうち、2日は地元の友達の家に泊り込みで行ったり。で、大学へ戻る日、妻が涙をぽろぽろ零しながら、特急の止まる駅まで送ってゆく。父は、余裕をみせるのだけど、二人の乗った車が駐車場を出るとそっと涙を流すのです。『京都タワー・・・オトンの涙』って小説でも書こうかしら、と思っちゃいます。

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 2

ちびまる子ちゃん―わたしの好きな歌 (りぼん愛蔵版コミックス)

著者 : さくら ももこ

出版社:集英社

発売日:1992-12

評価 :

完了日 : 2008年03月02日

ヤフオクで10円で落札しました。
もっとも、送料と振込み料で結局合計500円くらいかかっちゃいましたが。

映画の原作書き下ろし、じゃなかった、描き下ろし、との触れ込みです。

まるちゃんが音楽の授業で習った歌。

  ぬれた仔馬のたてがみを
  なでりゃ両手に朝のつゆ
  よべばこたえてめんこいぞ
  かけてゆこうか丘のみち
  はいどはいどう丘のみち

音楽の大石先生のピアノに合わせて、クラスのみんなと合唱します。好きな先生と好きな級友と一緒に歌う好きな歌。まるちゃんは高原の牧草地を夢見ながら心の底から音楽を楽しんでいます。

翌日、図画の時間に担任の戸川先生から「『わたしの好きな歌』というテーマで絵を描いてみましょう」
と課題が与えられます。
花輪君は『ダンドゥット・レゲエ』などと僕にもよくわからない選曲で、みんなをあっと言わせます。
丸尾君は、ズバリ、『校歌』をモチーフに選びました。
藤木君は『ゲゲゲの鬼太郎』、永沢君は『かあさんの歌』。
山田君はヒデキの『傷だらけのローラ』。
そしてまるちゃんは音楽の時間に習った『仔馬』の歌を絵にすることにしました。

その日、まるちゃんはお母さんの用事で静岡のおばあちゃんの家に行きます。そして或る街角で絵描きのおねえさんと出会います。大好きな絵のことで二人は意気投合。まるちゃんはおねえさんの家に遊びに行くことになりました。そして図画の画題として『仔馬』を描くことをおねえさんに告げます。するとおねえさんから、思いもよらない『仔馬』の歌の内容を教えられます。
この歌は5番まであり、その最終章の悲しい様子にまるちゃんは泣いてしまいます。
おねえさんは、まるちゃんの様子を見て「この子はいつか仔馬とお別れする日が来るけれど、この仔馬のことを大好きな今の、この子の気持ちは永遠に変わらない…っていうイメージにしたらどうかな」とアドバイスします。

さてそれから、おねえさんの恋愛問題、やがて結婚、と続いていくわけですが、結婚式の場面ではジーンとくるシーンがあって、泣いてしまうかもね。それは本編を読んでお楽しみください。

僕はこの『仔馬』の歌、初めて聞きましたが、歌詞の内容を、自分ではそんなつもりじゃなかった、という歌が結構あると思います。

イメージ通りの歌であったにしろ、まるでイメージと違っていたにしろ、子供の頃に歌っていた歌って、どっちにしろ懐かしい。自分をその時代に戻してくれます。そして思い出はいつも美しい。


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 2

ももこの21世紀日記〈N’07〉

著者 : さくら ももこ

出版社:幻冬舎

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年02月29日

この人、って、もちろん、さくらももこだけど、ほんとマイペースだね。
マイペースの質が他の人とはちょっと違っているけれど。
「慌てず、騒がず」がふつうの人の場合に当てはまるマイペースの定義。
ところが、著者の場合「慌てるわ、騒ぐわ」一年中こうやってマイペースを崩さずに生きている。これはこれで凄いマイペースな生き方の人と言えるだろうね。逆説的だけど。

今回の話題としては、絵画教室に通い始めためろん君が描いた作品を額に入れて飾った、なんて、俗に言う親バカぶり。
しかし、これやっちゃうんだよね。うちも娘が書道やってんだけど、家中にばんばか貼ってあります。それが小学生の頃から高校生までだから、もう重ね貼りがどんどん厚くなってゆく。でもこうしてやることが本人の励みになるみたいです。
ましてや、自宅に飾ってんだから誰も文句いわないから大丈夫。街のあちこちにまで進出すると犯罪になっちゃうんだろうけど。そんな親はいない。

4コマ漫画を新聞に連載し始めたこと。
家具の配置転換に取り掛かったものの自分だけの力じゃ埒があかず、引っ越し屋さんにお願いしたこと。
北海道みやげの‘白い恋人たち’のことが出てきたかと思うと、伊勢名物‘赤福餅’にまで話は及ぶ。どちらも大好きな僕は、よく取り上げてくれた、と大きく頷いたよ。特に赤福は僕の地元の名物で、みんなが大好きなお餅なんだから。エールを送ってもらって、赤福に代わって礼を言うよ。ありがとう。

めろん君の指導をうけながら、小島よしおの「そんなの関係ねぇ~」を練習したり。ここまで来ると「バカバカしくって、付き合ってられない」なんて言う人は最初からこの本に近づいてはいけない。
この本を楽しめる人は、きっと自宅で「そんなの関係ねぇ~」を「こんな感じかな」と研究、練習したことがあるはず。

人目につかないところで、とんでもなくバカなことを真剣にやってしまうのがさくらももこの読者には似合っている。

以上で書評の結びにしようと思ってざっと読み返してみた。驚いた!あれれ、いつの間にか、さくらももこの文体や口調が僕にうつっちゃってるところがあるではないか!
これはいかん。僕のアイデンティティの崩壊が…。
でも、これも僕の感性、表現、視点の一部ってことで納得しとこ。


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17.ryoukent (2008/03/07)
紅顔のまろさん、どうもありがとうございます。大変安心しました。
このコミュニティはこころが癒されます。
18.フィリップ・まろ (2008/03/08)
ここで思いっきり癒やされて下さい。僕もそう言ったコメントでもって、存分に癒やしを受けているのですから。

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 2

ももこの しゃべりことば

著者 : さくら ももこ

出版社:ニッポン放送出版

発売日:1992-05

評価 :

完了日 : 2008年02月26日

「この本は、私がニッポン放送というラジオ局の『オールナイトニッポン』という毎週月曜日深夜一時からやっている番組で、ペラペラと好き勝手にしゃべった事をそのまま“しゃべりことば”として集めた本です」

と、まえがきに書いてありまして、これだけ著者に言ってもらっていれば、もはや僕などが「何をかをいわんや」って感じです。

でもそれじゃあ、物書きフィリップ・まろの沽券に関るというもの。さあ、始めましょう。

まず、感じたのは、1ページ当りにおける文字数の多さ。一番多いページには句読点、カギカッコ込みで575文字も印字されています。(めんどくさがり屋の僕が良く数えたもんだね)
劇画調で擬声語擬態語が多いのも特徴だな。特に良く出てきたのが「チャララーン」っていうオノマトペ。

深夜放送を一人で話し続けるのって、並大抵じゃないのでしょうね。自分のしゃべったことに対するリアクションも副調整室にいるガラス越しのディレクターの頷きや口パクの返事だけなんて、さぞや、やりにくいだろうね。

で、「チャララーン」なんて言葉を差し挟むことで、おしゃべりのリズムを取っているんだろうな。

ここまで書いて思い出したけど、野坂昭如の文章も長かったなぁ。1ページ1センテンスってことがざらにあった。でもあの見た目の文章の乱雑さで、戦後の焼け跡闇市を視覚的にも表現していた。

さくらももこの『しゃべりことば』の場合、著者が好きだと言う、江戸っ子のチャキチャキ感を、この速射砲的なおしゃべりで表現しているのかもしれない。

この本は1992年にまとめられている。
後のさくらももこのエッセイ、特に『○○日記』『○○手帳』のように余白にじんわりとした、しみじみ感を楽しみにしている読者には少々じゃなく、かなり騒がしい作品と読めるだろう。

『ももこのしゃべりことば』について僕のようなおしゃべりが書くと、こう言うことになってしまう。「こう言うこと」って?
こう言うことだよ、こう言う!


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 3

さくらももこの総天然色満足館 (SGコミックススペシャル)

著者 : さくら ももこ

出版社:集英社

発売日:1995-04

評価 :

完了日 : 2008年02月25日

さくらももこの画集です。

日本文学史を一度でも勉強した人であれば『星菫派』と言う言葉を聞いた事があるはず。
でも、そうじゃない人のために少し解説を書きましょうか。
『星菫派』は「せいきんは」と読みます。
空を見上げれば「ああ、なんて美しい星の瞬く夜空であろうか」と思い、足元を見れば「おや、こんなに可憐な菫の花がわたくしを見上げている」と感動する人たちの集まりであります。

その昔、僕ら硬派を気取っていた学生から「クソ文学のナンパ野郎め!」と嘲り罵られていた一派のことです。

しかし、どうですか、皆さん。そんな僕が『ちびまる子ちゃん』を読んでは感動し、さくらももこの描くイラストを見てはうっとりとしているこの姿。
ごろつきのような生活をしていた僕からは考えられません。
でも当時の硬派仲間に罵られようが、嘲りを受けようが♪好きなものは好きといえる気持ち抱きしめてたい♪とマッキーよりの路線に変更して生きています。

この画集の中にネパールで買ったというマンダラが載っています。僕も過日ネパールへ行ったときにマンダラを買い求めてきました。細密画、好きなんです。
マンダラはもともと金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅の二つが揃って一つの世界観を現しています。外宇宙と内宇宙。眺めているだけで心が広々と、遙々と、拡散しては、また収束してきます。

さくらももこの描く細密画にマンダラ的なものを感じます。
幾何学的文様の中に情緒を描き込んでしまう大胆さ。さくらももこの凄いところです。
デザインの秀逸性、意匠の美しさ、ファンタジックな幼児性。
へたっぽい図柄の中に魂の求める世界が表出している。

さくらももこの絵が美術的にどう評価されようと、ここには和辻哲郎の言う「桃源の夢想と浄土の幻想」がある、と僕は確信します。

『総天然色満足館』をヤフオクで安く手に入れて、いたく満足しました。


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5.パル2パパ (2008/03/11)
僕の方は他の文章モノが溜ってしまうので、漫画の方から手を附けて今3巻を読み終えて4巻以降に着手する処で、あります。
6.フィリップ・まろ (2008/03/13)
こちらは昨夜布団の中で『大野君と杉山君』を読み終え、爽やかな気持ちで眠りに就きました。今夜は、お風呂で『神のちからっ子新聞①』を読もうと思いつつ例によって居眠ってしまいました。さておき、これってパパさんご存知のあの与太郎月刊新聞『あっ!ん?!原田大新聞』にそっくりじゃん。またしてもパクリかよ~、と悲嘆に暮れています。しかし、一体何時になったら時代は僕に追いついてこれるのでしょうかね~。

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 3

聖まる子伝

著者 : さくら ももこ

出版社:集英社インターナショナル

発売日:2003-09

評価 :

完了日 : 2008年02月22日

マンガ『ちびまる子ちゃん』のアフォリズム集である。
何だって?アフォリズムをご存じない?
然らば簡単に説明を。
直訳すると「警句」のこと。つまり、短い一言で人生上のとある側面を言い表してしまう言葉、ってとこかな。
ここに集められたアフォリズムはマンガ『ちびまる子ちゃん』の1シーンのセリフである。

とりあえず、巻頭の一句を書き出しましょうか。

「つまらぬノスタルジーにはしってしまう これが大そうじの思わぬおとしあなである」

本日、特別な来客がある予定だったので、僕は昨日3年間手付かずの書庫及び書棚、或いはリビングのそこかしこに積み上げられた本の整理に取りかかった。ひどいもんだったね、ホコリが。

すると、思わぬ場所から、忘れられない1冊が出てきた。忘れられない、と言いながら、それまで何年間もすっかり忘れきっていたのだけど。
おもむろにページを開く。

『ああ、そうそう、この本を読んでいた頃、僕はモテてモテてあの娘やこの娘からお誘いの電話を良くもらったものだった。けど結局いまのオッカアに決めたんだったよなぁ』
などと、事実とはちょっと違って(かなり大袈裟に)美化された過去と向き合ってはニタニタしてしまった。

そして、ふと気がつくと小一時間が経過。
『おいおい、僕は何をしておるのだ。こんなことじゃ、明日になっても片付きゃしないぞ。これじゃあ、広げるだけ広げて、返って収拾がつかなくなっているではないの』
おとしあなに嵌り込んでにっちもさっちも行かない有様に気がつく。

気を取り直して、作業を再開する。が、しばらくするとまた別のノスタルジーの陥穽に嵌り込み、ニタニタしている愚か者の僕であった。

他にも幾つか紹介しよう。

「損な役はつも父にまわってくる」 ご明察!

「男子というのは女子とくらべて格段にバカが多い」 男子として一言もない!

「そんな法律いつできた」 先日、北海道のゴミおじさんもそう申しておりました。

「なんでもいいってのがいちばん困る」 妻に、夕飯何が食べたい、って聞かれたとき、何でもいい、って言うと必ずこの答えが返ってきます。

「未来を知りたければ恐山に行ってイタコにノストラダムスを呼び出してもらえ」 さすが父ヒロシ!

「なんだか知らないけど有難いもんだね 生きているうちにはいい事があるよ」 そうそう、そう思います。

本書には他にもまだまだたくさんの名ゼリフがあります。
左のページに警句がバンと掲げられ、めくるとそのシチュエーションのマンガが抜粋されている。非常に解りやすい構成であります。

余談ですが、お風呂読書家の僕は、今夜、この本を読んでいる最中に浴槽の中でうとうとしてしまい、本ごと沈してしまいました。30年ぶりにお風呂で溺れました。高二の娘にそのことを伝えると「ばかだな。どうせオヤジそのことをネタにたなぞうに書くんだろ。みんなにバッシングされるのが見えてるよ」だと。
それは覚悟の上ですが、これ、僕の自前の本で、決して図書館本じゃありません。念のため。


この感想へのコメント

3.パル2パパ (2008/02/23)
許さんっっ!!(ウソ)でもね、まろさんがどの様に寝ているか(布団orベッド)解らないけど、床寝する人間が身近に居るのでね、それで躯が痛いの、首が痛いの、云々聞かされる訳ですな。仰る事は解りますが、布団ベッドで寝てる分には快楽ホルモン分泌云々は何の問題も無いと。しかし入浴中にそれが起き易いと自覚しているなら尚更改正しないと、死ぬよ。
4.フィリップ・まろ (2008/02/23)
ご心配をありがとう御座います。
実は今日も、例によって南に面した縁側でビール飲みながら本を読んでいたら、1時間ばかり眠っちゃいました。陽の高いうちは温かくて。僕の脳はもはやドラ猫程度なのでしょうね。いい気持ちになると所構わず寝てしまう。大脳前頭葉が退化して獣並みの知能のヒトになりつつあります。

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ももこのおもしろ宝石手帖

著者 : さくら ももこ

出版社:幻冬舎

発売日:2003-04

評価 :

完了日 : 2008年02月19日

『ももこの宝石物語』の続編的位置に立つ本である。『ももこの宝石物語』出版後、多くの反響があり、宝石についてもっと知りたい、との若い女性からの声に応えて上梓されたのが表題作。

僕は、生後600ヶ月、とんと宝石に縁も興味もない生活者であった。さくらももこがこうした本を出さなかったら、一生出会うことの無い世界だったろう。
我が家はみんな貴金属、宝石等に血道を上げるような人は居ない、と勝手に思い込んでいた。

しかし、ものは試しに高2の娘に、
「君はパライバトルマリンをご存知か?」
と訊いてみた。
「ああ、知ってるよ。ブラジルのパライバ地方で産出する宝石だろ。なんだいオヤジ、さくらももこの本を読んでそんなこと急に言い出したのか?」と逆に質問されてしまった。
そして、
「女の子ならたいがい宝石が好きだよ。あたしも欲しいよ。アレキサンドライト、サファイア、キャッツアイ、エメラルド、ルビー、アクアマリン…」
などと知っているだけの宝石の名前を並べながら、タイミング良く折り込まれていた新聞の宝石のチラシを僕の前に広げた。
『こ、こいつめ。ま、まさか、買ってくれ、とでも言うんじゃないだろうな』
と想像しつつも、顔には出さず、
「ふーん、色々あるんだなぁ。さくらももこの本にもたくさん出ていたよ」
と涼しい顔で受け流した。だって、僕は2月20日から10日間ほど失業者となるのだ。宝石は印刷物で見るだけ。それがもっかの我が家の悲しい実情である。

ともあれ、さくらももこの言うように、女性は間違いなく宝石が好きなようである。
てんで理解の外側にいた僕だったが、宝石ものを2冊読んで、少し考え方が変わってきた。

綺麗なもの、堅固なもの、輝くもの、魅惑的なものを身に着けることで及ぼす人間精神への影響。これは確かにあるなぁ、と思えてきた。
大量生産で出来上がってきたものじゃなく、地球が作り上げ、人間が採掘し、時にはとんでもない危険なルートを辿りながら自分の元にやってきた一粒の美しい宝石。千載一遇の奇縁を得て、今ここに、この掌の中にある、と思うと、そんな宝石には不思議なパワーが宿っていると見た方が正しいように思えてきた。
時間軸をゆっくりと下り、空間軸を猛烈な速さで移動してきた宝石。そこに最大限の価値を与えられるのは人間だけである。

今回も玄冬社の山口ミルコとの対談形式で宝石の見方、価値観、裏話がたっぷりと語られている。
宝石の話なのに随所で爆笑させられてしまう。相変わらず、ボケとツッコミを交互に表出させる「笑い飯」スタイルだ。漫才の研究にもなるだろう。

ベルエトワールの岡本さんのことを、胡散臭い人だ、と『ももこの宝石物語』を読んで思った読者は反省すべきだ。それは僕だけど。
岡本さんの宝石に寄せる情熱は半端じゃない。命懸けの宝石伝道師と言っても過言ではないだろう。
誤解していたことをここでお詫び致します。

書物の持つパワーが人を変えるように、宝石の持つパワーが人に元気を与える、それを教えてくれる作品でした。


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おんぶにだっこ

著者 : さくら ももこ

出版社:小学館

発売日:2006-10-27

評価 :

完了日 : 2008年02月16日

もうダメです。40冊以上もさくらももこの本を読み続けてきたこの半年。感情移入が激しくて、評価点が正当に付けられません。4点台でさらに4.5なり4.8なりと刻みたいくらい。

『おんぶにだっこ』は『ひとりずもう』に続く作品です。後者はさくらももこの青春に切なさを感じましたが、前者、つまりこの作品では、「あとがき」がとても切ない文章でした。

「何を提供したいのか、自分でもよくわからない」と編集者に問いかけた著者。応えて「言葉で表現しにくい大きな何かを与える作品です」と編集者。ああ、この遣り取りだけでも充分に切ない話ではないか。

僕は以前『ひとりずもう』の感想に、この時代のさくらももこがいるからこそ『ちびまる子ちゃん』が生まれた、と書いた。『おんぶにだっこ』の「あとがき」に「だが振り返ってみると、あの頃形成されたエネルギーが、今も大きな糧になっていると感じられる。これは決して悪いことじゃない。かけがえのない事だ」とある。僕の観察と著者の見解が一致している。

収録されている「上松君のランドセル」「松永君をぶった」に読者は胸をキュッと締め付けられることになるだろう。だが、ここでは詳しい内容については書かない。皆さんの目で確かめて欲しい。僕にもよく似た経験がある。たぶん、皆さんにも。

「折ヅルの世界展を見に行く」について少し触れようか。
「『折ヅルの世界展を見たいよぅ。連れてって』と両親に頼んだが『そんなもの見なくていい』といわれた」さくらももこ。
何故だろう、大人はいつもこうである。僕も小さい頃、よくこのようににべも無く拒否されたことがある。もっか高校2年生の娘にそのことを言うと「お父さんもよくそういうことを言ってるよ。そうだったよ。何かに興味を示して行動に移そうとすると、そんなことを大人って言うんだ」と恨みがましく言って、2階の自室へ戻って行った。大人って何故こうなんだろうな。自分でも不思議である。

幼い頃、子供の頃に「大人って嫌だな」と感じたことを、自分が大人になると平気でしてしまうのが大人って事か。


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またたび (新潮文庫)

著者 : さくら ももこ

出版社:新潮社

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2008年02月11日

この評価点の星4つは甘いかなぁ。
しかし、さくらももこばっか、ここまで読んでしまうと、どーしても情が移っちゃうよね。
「もっと、客観的視点に立って書評をすべし」
との御仁もいらっしゃることであろう。
でも、もうこの際そんな人たちは「あっかんべ~」なのである。僕は僕の個人的独断と偏見の元に評価してしまうのだ!これでいいのだ!

いつもながら表紙に拘りを持つ僕。文庫判『またたび』の表紙の絵がいいね。さすが、街道一の大親分、清水の次郎長の血を引く著者(ウソですよ)。無宿渡世人のまたたびスタイルが決まっている。絵の輪郭と髪の毛のベタが金箔。豪華じゃないですか。表紙とタイトルに異常に拘りを持つ僕としては合格点です。

いつもわりと決まったメンツで旅をするさくらももこ。ここでも新潮社の木村さん、石井さん、新潮社マッサージ部の大森さん、カメラマンの広瀬君、『富士山』スタッフの鈴木さん、誰なんだT-MAX等が道連れの旅となる。

旅には失敗や苦難、笑い話がつき物であるが、というか、それが無きゃ、全然つまらない只の世間話になってしまうが、この本では石井さんが味わいを醸し出していた。カジノで儲けたかと思えば、スリにあったり。サングラスの強面のわりに情けない男なので大いにウケましたね。

あ、そうそう。登場人物を最初に紹介して読者との距離を一気に縮めておいた方がそれぞれのキャラに親しみやすくなったように思いました。

椎名誠の旅行記の面白さの秘密の一つは、登場人物たちの情報や個性をすばやく読者に知らしめるべく、ニックネームをつけてしまうあたり。このやり方で読者は途端に旅の一行との距離感をぐっと縮められてしまうわけです。読者でありながら自分も旅の仲間として加えられている、と感じさせる。あのテクニックは凄いよね。引きが強い書き手の手腕のなせる業であろうことよ。

その真似をしろ、と言うのじゃないけれど、さくらももこも、もう少し登場人物の整理をうまくつけて欲しいものだ。得意の漫画で最初に「この旅の登場人物」とか特徴を書き込んでおいて欲しいな。解りやすくなると思うよ。

最後に、これはパル2パパさんにだけ向けた情報だけど、『またたび』の最終章は仙台です。
余談ですが、僕も若い頃、仙台駅から青葉城跡まで歩いたことがあります。
「それがどーした」と言われてもただそれだけです。


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