たなぞう

WEB本の雑誌

一花三季さん > 読書ノート

一花三季さんの読書ノート

★2007年4月~6月に読んだ本
-
<前のページ 1  2  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 4

殺し屋シュウ (幻冬舎文庫)

著者 : 野沢 尚

出版社:幻冬舎

発売日:2005-04

評価 :

完了日 : 2007年06月29日

急逝した作者が「ハリウッド映画化を夢見たシリーズ」というのが帯のコピー。気が弱く、プロに徹しきれない若い殺し屋が主人公。一話完結の連作モノで、殺しが成功した夜は、なじみのバーで殺した相手をイメージしたカクテルを呷るというキザな設定。でも、大好きな本だ。
実の親に捨てられ、赤の他人に鍛えられて裏家業で生きていくというパターンは、大沢在昌の「アルバイト探偵」やドン・ウインズロウの「ストリート・キッズ」およびそのシリーズにもあるパターン。どうもこの手の話には全般的に弱い。そういえば、ロバート・B・パーカーの「初秋」もその系列に含まれるかもしれない(主人公は育てられる方でなく、育てる側だが)。
ファンや評論家に語りつくされていることだが、かなり悲惨な話でも最後に救いがみえるのが野沢尚の小説。こんな小説が書ける作家が、自殺で人生の幕を引いたというのは哀しい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

3 (8) (小学館文庫)

著者 : 惣領 冬実

出版社:小学館

発売日:1997-02

評価 :

完了日 : 2007年06月28日

バンドマンを描いたコミックが読みたいと探していた。東京でも大阪でも、その他の地方都市でもストリートライブをする若者は多いのに、このジャンルのコミックの需要はあまり多くないのか? 映画にもなったNANAの一人勝ちなのだろうか? このところ週刊誌のコミックを読む習慣がなくなったのでコミックのトレンドにすっかり疎くなってしまったが、蔵書○万冊とうたったマンガ喫茶にも、バンドマン(またはロッカー)が主人公のコミックはほとんど見つけられなかった。クラシックなら「のだめ」という優れた作品があるのだが、ロック系では、ない。
そこでちょっと古いが「3 Three」。歌の才能を持ったカップルが中学で出会って、プロとして東京ドームでコンサートを演るほど成功し、出会いと別れを繰り返しながらも最後は……というお話。タイトルの「3」は卓越したパートナーに出会えれば、1+1が3になるというコンセプトから取られたもののようだが、光と光は並び立たないため主人公の二人は、図らずも相手を傷つけ合ってしまう。
個人的にはNANAよりキャラクターに感情移入できた(僕には音楽的才能はないけれど)。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

いかしたバンドのいる街で―ナイトメアズ&ドリームスケープス〈1〉

著者 : スティーヴン キング

出版社:文藝春秋

発売日:2000-02

評価 :

完了日 : 2007年06月28日

短編集だが、各編はそれなりのボリュームがある。怪談を語るのがうまい人から、じんわり怖い話を聞いているような感じ。圧倒的なホラーものではないが、あとからゾクッとくるタイプのお話。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 30

グラスホッパー

著者 : 伊坂 幸太郎

出版社:角川書店

発売日:2004-07-31

評価 :

完了日 : 2007年06月28日

主人公以外の主要キャラのほぼ全員が殺し屋という設定。妻を殺した男(殺し屋会社の社長の息子)に復讐しようとした男が、目の前で敵が死ぬのを目撃し、殺し屋同士のしがらみに巻き込まれていく。多視点の一人称で物語は進むが、読みにくさはなく、殺し屋たちもそれなりに魅力的に描かれている。ただ、亡くなった奥さんの“声”に叱咤される気弱な主人公にイマイチ好感が持てなかった(奥さんは素敵な女性だと思えた)。復讐を誓って行動している男のくせに、ちょっと無防備過ぎる。悲惨な状況に巻き込まれていく様子に必然性がさほど感じられず、自分で蒔いたタネと思えてしまうから……かな。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

ワイルド・キッド

著者 : 大 頭春,岸田 登美子

出版社:早川書房

発売日:2005-08-25

評価 :

完了日 : 2007年06月24日

全く予備知識なしで読み始めたが、この作家は「台湾の村上春樹」と呼ばれる大人気作家らしい。発作的に家出をした14歳の男の子がゲームセンターで不良少年に出会ったのをきっかけにストリートキッズの仲間になるという筋立て。
章立てが細かい断片になっていて、主人公の心情風景で物語が進んでいく。もう少しスピード感がある方が好みだった。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

消しゴム図鑑

著者 : 楠田 枝里子

出版社:光琳社出版

発売日:1998-11

評価 :

完了日 : 2007年06月24日

世界中を旅して、その国・地域の消しゴムを集め尽くすというスケールが大きいのか小さいのか、よく解らない野望を抱いている楠田枝里子女史。彼女が集めも集めたりの消しゴムの写真集。
「そもそも消しゴムは、形作られたひとつの世界を消滅させるために生まれてきたものです。しかも、他を破壊するだけではなく、自らも身を削りながら、自他共に消失していく……そんな宿命を負っているのです。この存在の悲しみが、私たちの心を打つといったら、言い過ぎでしょうか」(まえがきより)
……う~ん、言い過ぎかも。でも、この思い入れがコレクターの心意気かも。心意気に免じて★★★★。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 5

NANA 17 (17) (りぼんマスコットコミックス クッキー)

著者 : 矢沢 あい

出版社:集英社

発売日:2007-03-15

評価 :

完了日 : 2007年06月18日

ブームに乗るのがなんか嫌で、今回初めて通して読んでみたけど、なんだかな~。
よくできた話だと思うし、キャラクターも多彩で、人気が出たのもよく解る。けど、ぐいぐい物語に入っていくという感じになれない。これは、過去と未来が中途半端に交錯するような描き方になっているせいかな……と思う。どこかの近未来(?)からこれからの話の展開を予感させるようなハチ(主人公の片割れで語り部)のモノローグが時おり入るのだけど、その後の話の流れがモノローグと必ずしも結びついていない。今後、主人公のNANAは(多分)失踪して、どこかのクラブで歌っているところを仲間に発見されることになるらしいのだが、最新刊の17巻では、まだその予兆さえみられない。NANAが彼氏とすれ違いになったり、生き別れになった母親のことをゴシップ誌がかぎつけたり、だんだん精神的に追い詰められていく様子が描かれているばかりだ。思わず「伏線早」と突っ込みたくなる。
もちろん、この部分が独特の切ない雰囲気を演出している面も否定できない。映画も観ていないし、NANA的世界観に最近(しかもネットカフェで)触れたばかりの僕の感想がピントはずれなのかも知れないが。
可能なら、いろんな人の意見を聞いてみたい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

ちびくろ・さんぼ

著者 : ヘレン・バンナーマン

出版社:瑞雲舎

発売日:2005-04-15

評価 :

完了日 : 2007年06月17日

 人種差別との批判から絶版になっていた岩波書店版を部分的に復刊したもの。リアルタイムではよく知らないので「懐かしい」とか「名作の復刊」という表現は封印するとして、理屈抜きに面白い。絵本の必要条件である色使いもきれい。シュールなクライマックスとアットホームなエピローグ。
 何をおいても、「とらのバター」で作ったホットケーキはなんておいしそうなんだろう!
 


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

アルカロイド・ラヴァーズ

著者 : 星野 智幸

出版社:新潮社

発売日:2005-01-26

評価 :

完了日 : 2007年06月17日

 かつて楽園の住人だった主人公、咲子は人間の世に追放され34歳の女性として生きる。そこで出会った恋人になぜか咲子は毒を処方し続ける。
 この小説で描かれる楽園は、人々が植物と同じように種から生まれ、思うように生き、死後再生を繰り返す。楽園を追われ、人間として一回限りの生と死を与えられた咲子が選んだ生き方とは……。人間と植物がまったく同列の存在として描かれる幻想小説(と呼んで差し支えないと思う)。好き嫌いが分かれると思われるが、理性より感性で本を読む方にはお奨めか? 初めて読んだ作家だが、筆力は凄いと思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

アフリカの音の世界―音楽学者のおもしろフィールドワーク

著者 : 塚田 健一

出版社:新書館

発売日:2000-06

評価 :

完了日 : 2007年06月15日

 ワールドミュージックブームの頃はまったく興味がなかったのに、最近アフリカ関連本に心惹かれている。同書は、芸大出身の音楽学者がアフリカ音楽の魅力を生き生きと描くフィールドワークの記録。アカデミックな内容ではなく、筆者自らが「アフリカ音楽のお奨め本」と位置づけているように、とっつきやすい書き方になっている。
 敢えてずらして組み合わせる巧妙なリズム、圧倒的な迫力のハーモニー、中でも広大なサバンナの中を太鼓の音だけで意思疎通を図る“トーキングドラム”のエピソードには心が躍る。とりあえず「世界は広いな」と実感できることは間違いない。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

赤毛のサウスポー (集英社文庫)

著者 : ロスワイラー,稲葉 明雄

出版社:集英社

発売日:1979-01

評価 :

完了日 : 2007年06月14日

突然、大リーグに18歳の女性投手が登場。主人公のレッドは男社会を固持しようとするさまざまな妨害や中傷にも負けずリーグ屈指の救援投手として活躍するが、女性の死角をついた罠が待ち構えていた。
初出は1979年。性の壁に挑む痛快な野球小説。日本では同じテーマを水島新司がマンガの世界で描いている(しかも調べたらこちらが先)が、ティーンエージャーの女の子の心情はこの小説の方が描けていると思う。ミステリーの要素を持ったスポーツ小説であると同時に、青春小説の傑作。筆者は第一線のスポーツライターで、本書が小説第一作だったそうだ。最近再読したけど、ラストのさりげない一行がかっこいい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

女王陛下のアルバイト探偵(アイ) (講談社文庫)

著者 : 大沢 在昌

出版社:講談社

発売日:1996-07

評価 :

完了日 : 2007年06月14日

作者自らが「気軽なタッチのパロディ小説」と位置づけているシリーズらしいが、なるほど深刻ぶらずに読み進めることができる。本書は政情不安定な国からやってきた王女を主人公の探偵父子がボディガードするという内容。スケールの大きさではシリーズ屈指か。通勤の友には最適。
大沢在昌は「新宿鮫」といい、キャラクターを作りこんでいくシリーズものが多い。主人公に感情移入できれば書き手と読み手の良好な関係が築き上げられる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

プラント・ハンター物語―植物を世界に求めて (1983年) (植物と文化双書)

著者 : T.ホイットル

出版社:八坂書房

発売日:1983-01

評価 :

完了日 : 2007年06月11日

植物学というものは、少なくてもその当初はかなりいかがわしいものだったのだということが本書を読むと解る。珍しい植物を求めて世界を渡り歩くというプラント・ハンターの動機の源泉は、知的探究心だったり、功名心だったり、スポンサーへの義理だったりするわけだが、この世界で多少とも名を残したハンターたちの行動はパイレーツ・オブ・カリビアン的といっても過言ではない。たとえば、他人の庭に未知の植物を植えられていて、持ち主が苗の譲渡を拒否したとき、黙って奪っていくことがハンターたちにとっての正義だった。
プラントハンターの視点で歴史を読んでいくと、学生時代に学んだ教科書の歴史に別の表情がみえてくる。たとえば、日本の鎖国政策に楔諸外国が楔を打ち込んだのも、日出づる国の未知の植物を自国に持ち帰りたいという動機が一因となっているという。そんな状況下では、「本業」を別に持つ植物愛好家がしばしばプラントハンターとして成果をあげたのも納得できる。たとえばフィリッツ・フランツ・フォン・シーボルトは、プラントハンター的世界観でみると「医師の肩書きを最大限に利用し、東インド会社をたぶらかして皇帝のように好きな植物を採集した策士」ということになる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 15

1985年の奇跡 (双葉文庫)

著者 : 五十嵐 貴久

出版社:双葉社

発売日:2006-06

評価 :

完了日 : 2007年04月08日

おニャンコ全盛の80年代、高校野球部が舞台の青春小説。弱小野球部が一人の天才ピッチャーが転校してきたことで、甲子園を狙えるまでになるが……。ちょっとだけ苦いスパイスが入っているが、あくまでノー天気な80年代的世界。やっぱり青春小説はこうあって欲しいと思う。エピローグで、その後の彼らの人生を「アメリカングラフィティ」風に紹介している手法が甘酢っぱさを演出するのに効いている。「一応大人だけど、まだガキっぽい部分が出てくることがあるなあ」と自覚のある方、リラックスしたい時にどうぞ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

十七歳

著者 : 井上 路望

出版社:ポプラ社

発売日:1999-03

評価 :

完了日 : 2007年04月08日

いじめから立ち直りつつある女の子の日常をエッセイ風に綴られている。女の子の母親が親の視点から書いた姉妹本も同じ版元から出ている。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

川瀬敏郎 私の花

著者 : 川瀬 敏郎

出版社:講談社

発売日:1996-10

評価 :

完了日 : 2007年04月07日

「花人」川瀬敏郎本の決定版。前半は季節の花あしらいの写真集、後半は同氏の投げ入れの極意がわかりやすく語られている。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

木曜日の子供 (文春文庫)

著者 : テリー ホワイト

出版社:文藝春秋

発売日:1991-09

評価 :

完了日 : 2007年04月07日

木曜日の子供は遠くまで行く……マザーグースの一節からこのタイトルは取られているという。
家出少年が偶然出会ったのはひとりの殺し屋。ギャングたちに恐れられるこの凄腕の殺し屋も、両親を航空機事故で失い、たった一人の弟を植物人間にされて敵討ちを心に誓っていることがわかる。似た境遇の二人は自分たちだけで懸命に生きようとするが……。
硬質な文体(翻訳の力も)、情緒を抑えたストーリー展開、切ない結末。「刑事コワルスキーの夏」など傑作ハードボイルドの旗手、テリー・ホワイトが実は女性作家であったことは、海外の出版業界でも驚きのうちに迎えられたという。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

野の花デザイン―花に親しむフラワーデザイン (花に親しむフラワーデザイン)

著者 : 川崎 景太

出版社:講談社

発売日:1997-10

評価 :

完了日 : 2007年04月06日

一目でわかるマミスタイル。昔ほど抵抗なくみられるようになった。「留め」を学ぶには読んでおく価値があると思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

假屋崎省吾の暮らしの花空間

著者 : 假屋崎 省吾

出版社:清流出版

発売日:2005-09

評価 :

完了日 : 2007年04月06日

そんなに驚くほど巧みなテクニックを持ってる人だとは思えないが、結構苦労人なんだなということが分かった。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

花造形―勅使河原宏作品集 (1982年)

著者 : 勅使河原 宏

出版社:婦人画報社

発売日:1982-12

評価 :

完了日 : 2007年04月06日

感想は登録されていません。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.