たなぞう

WEB本の雑誌

くうふうさん > 読書ノート

くうふうさんの読書ノート

再読本
何度も読み返す・読み返した本。心に沁みました。星の数関係ありません。
<前のページ 1  2  3  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 4

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

著者 : マックス ヴェーバー

出版社:岩波書店

発売日:1989-01

評価 :

完了日 : 2008年04月03日

言わずと知れたウェーバーの名著。大塚大家の訳と解説つきという、なんともぜいたくな文庫本。
小室直樹の『宗教原論』や『資本主義原論』と新・旧の聖書を読んでいたのでなんとか読み通せた。先に大塚解説を読んだ方がより内容を把握できると思う。とは言え、こんな難しい本をこれほど熱中して読んだのは久しぶりだった。これほど知的好奇心を満たしてくれる本はなかなかない。
大塚や小室がウェーバーを噛み含めるように分かり易く解説しているので、僕ごときがこの本を論ずるのはおこがましいが、せっかく読んだのでちょっとだけ論じてみたい。
大塚、小室が言っているように、「資本主義の精神」が発生した「エートス」(倫理的雰囲気、思想的雰囲気)は世俗内的禁欲と天職義務意識であって、けっして利潤追求意識ではない、とウェーバーは指摘している。そして、それがイギリスで特に顕著に見られたのは、ルターとカルヴィンの宗教思想の流れを汲んだピューリタニズムという、プロテスタント(新教)というキリスト教のためであった。商業的にはより自由であった中国やインドでなく、キリスト教から「資本主義の精神」が発生したのは、利潤追求というエートスでなく、その正反対である上記の2つのエートスの故だという、逆説的なウェーバーの論が展開されている。今風に言うと、キリスト教原理主義(決して、急進的とか暴力的、破壊的という言外の意味を含めていない、文字通りの聖書に忠実であるという意味での「原理主義」)から「資本主義の精神」が生じた、ということなのであろう。
この本は、これから数え切れないくらい再読すると思う。が、この本をより深く理解しようとするには、歴史と宗教に造詣が深くないと困難であろう。特に、クエーカー教、バブティスト派、国教派、敬虔派、ルター派、カルヴィニズム、ピューリタニズムについての言及がこの本には多いから。これからも歴史と宗教についての本を読んでいきたい。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 6

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

著者 : コナン・ドイル,延原 謙

出版社:新潮社

発売日:1953-03

評価 :

完了日 : 2008年03月05日

収納場所の奥から引っ張り出してきた。見ると、昭和60年発行の66刷版(ほぼ四半世紀前!)。それほど状態は悪くない。パラパラと拾い読みを始めたところ、途中でやめられず、一気読み。忘れていたもののもあり、意外な発見もある。たとえば、ワトソンが奥さんから「ジョン」と呼びかけられたところとか、ホームズを敬う警部と見下す警部の二人がいるとか。
『唇の捩じれた男』と『赤髪同盟』が面白く読めた。トリックとしてはどちらも単純で古典的だが、推理小説では基本中の基本のトリック。やっぱり、推理小説の開祖ですね、コナン・ドイルは。


この感想へのコメント

3.KUMI (2008/03/12)
あった、あった♪くうふうさんの本に負けないくらいふる~い本が♪1984年16版発行(25年前だ♪)藤原さんって推理トリックの研究家で推理作家らしいですね。中学の時、
わりと読んでた子も多かったんですよ。くうふうさんとは
年齢が近いから、もしかして読んでたかな?と思ったんです。ミステリー作家は食傷気味!?そうか、私は今はまってきた所です。また、読みたい本がどーっと増えてしまった。
4.くうふう (2008/03/12)
そうなんですか、知りませんでした、藤原さんて。
最近はミステリーを楽しめなくなり、読んだら読んだで時間の無駄遣いをしてしまった、と悔やんでしまうんです。
江戸川乱歩は今でも楽しめますけど、ミステリー作家じゃなく、推理小説家ですからね。古典病かな…

もっと読む(4件)

 

みんなの感想を読む
 2

これが現象学だ (講談社現代新書)

著者 : 谷 徹

出版社:講談社

発売日:2002-11

評価 :

完了日 : 2008年02月02日

現象学に関する本はこれが2冊目。前に読んだ本は学士卒論並みのお粗末な論文だったので、ただでさえ難しい現象学の一端を理解するなんて到底無理だった。
が、この本は、その一端をわからせてくれるような分かりやすい書き方をしてくれている。たとえば、最初の方にマッハの絵を掲載して、「超越的主観性とか志向性経験という言葉が出てきたら、この絵を思い出せ」みたいなことを書いてくれている。このアドバイスだけで、それ以降の文章がどれだけ理解しやすくなったことか!
でも、やはり、ハイデガーじゃないが、解釈学的循環に陥ってこそ現象学を理解できるのかもしれない。もう一度、あの論文みたいな本を読み直してみようかな。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

夫婦善哉 (講談社文芸文庫)

著者 : 織田 作之助

出版社:講談社

発売日:1999-05

評価 :

完了日 : 2008年01月26日

庶民の視線で書かれた小説。いいですね、この雰囲気も。坂田三吉がモデルであったりして、大阪の、特にミナミあたりの雰囲気がよく醸し出されています。そして、ダメ亭主としっかり者の女房。これまた、古き良き時代の日本。
そして、最後のエッセイでは小説の神様を崇め奉る当時の文壇をばっさりと切り捨てる。
どうして、もっと早く読んでおかなかったのだろう…


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

山椒大夫・高瀬舟 他四編 岩波文庫 緑 5-7

著者 : 森 鴎外

出版社:岩波書店

発売日:2002-10

評価 :

完了日 : 2008年01月02日

鷗外珠玉の短編集。
六篇すべての存在感がすごい。
『山椒大夫』はいつまでも心に残る物語。
『高瀬舟』は哲学者と科学者の双方の目から、しかも同一人物の目から安楽死を見つめた物語。
『じいさんばあさん』は映画『ナヴィの恋』に通じるせつなくも清らかな物語。
等々。
やはり、鷗外は鷗外でした。


この感想へのコメント

4.くうふう (2008/01/08)
その、う~んと南の方は年に何回か行くだけで、残念ながら住んではいないのです。今は太平洋側(故郷)と日本海側を往復する二重生活者です。たまに雪が積もりますけど、スノータイヤ持ってません。やばいですよねえ、これって。
5.KUMI (2008/01/09)
くうふうさんというお名前や、自分勝手なイメージで
『南』な感じのする方だなあ、と思っていたのですが、
そうじゃなかったのですね。水平線をはさんで青一色の世界は清清しいでしょうね。こちらは、地平線をはさんで白一色・・・。(ものすご~く目が痛いんです。)
今朝も冷えて路面が凍ってました。くうふうさん、スノータイヤ買って下さい。

もっと読む(5件)

 

みんなの感想を読む
 1

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

著者 : イザヤ・ベンダサン,Isaiah Ben-Dasan

出版社:角川書店

発売日:1971-09

評価 :

完了日 : 2007年11月26日

山本七平が一ユダヤ人と偽って書いた日本人論。古い本ですが、今でもわかりやすいし、おもしろい。
そろばんでの計算を引き合いに出し「人間」の実存を前提とする、宗教である日本教の存在証明は興味深い。また、日本人は政治天才である点をヨリトモ政府の出現や無血沖縄返還の実現などを例に挙げて言及している。この点は、発想が180度転換されている。
今でも、ここの出てくるような日本人はたくさんいる。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

小説の認識 (岩波文庫)

著者 : 伊藤 整

出版社:岩波書店

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2007年10月17日

伊藤整の凄まじい洞察力が露わになっている。
すごいなあ。

『小説の方法』は抽象的であいまいささえも感じる内容であったが、その続編的位置づけであるこの本は、一転、驚くほどの個別的、具体的内容に変化している。
しかも、一文学者の目、および文壇の目を通して日本社会の表象をえぐりだし、それへの、多くの文学者自身の人生の関わり方や作品の絡み方が情け容赦なく分析、解読されている。恐ろし過ぎる。

直哉、康成、漱石、藤村、潤一郎、武郎、辰雄、実篤、龍之介、鷗外、花袋、鏡花、露伴、公房… ああ、すべての作品を再読したくなる。

何度読んでも飽きない、日本文学論。


この感想へのコメント

2.くうふう (2007/10/18)
そうなんですよ、伊藤整なんですよ。すごいんです、この人。そのすごさに何度もうならされました。それから、解説で知ったんですが、当時の大ベストセラー作家であり、あの『チャタレイ夫人の恋人』の訳者で、わいせつ罪に問われて裁判に訴えられたご仁でもあります。すんごいんですよ、ホント。
3.KUMI (2007/10/19)
えー!?その人だったんだぁ!?知らなかった・・・。
でも、訳しただけなのに、罪に問われるなんて納得いきませんよね。原作を変えるわけにはいかないし。(書く事を職業としている人なら、絶対したくない行為だろうなぁ。)
その裁判って、どうなったのかな?
・・・くうふうさん、『チャタレイ夫人の恋人』もしかして
読んだ?伊藤整さんだし。読んだら感想聞きますよ?

もっと読む(3件)

 

みんなの感想を読む
 1

職業としての学問 (岩波文庫)

著者 : マックス ウェーバー

出版社:岩波書店

発売日:1980-01

評価 :

完了日 : 2007年10月13日

現代版のプロフェッショナル論と言える。
これを読めば、巷にあふれている玉石混交のプロフェッショナル論の本は読まなくてもよい。

-学問的訓練は本来アリストクラティック
-全身を打ち込め、熱中しろ
-情熱は霊感を生み出し、霊感は学者にとって決定的なもの
-有意義な結果を出すには思いつきが必要で、思いつきは精出して仕事をしているときにかぎって表れる
-作業と情熱が思いつきを誘い出す
-自己を滅しておのれの課題に専心する
-学問上の達成は、打ち破られ、時代遅れになることをみずから欲する
-後代の人々がわれわれより高い段階に到達することを期待する
-無限の進歩の一段階にある文明人の生活は終わりを持ち得ない
-無意味な進歩性ゆえに死をも無意味ならしめている文明生活そのものも無意味とならざるをえない
-道徳上の功績
-弱さとは時代の宿命をまともに見ることができないこと
-教師は指導者であることは許されていないであって、無理に指導者たろうとすることは憂慮すべきそと
-教師は任務をわきまえている限り、各人に対して自身の行為の究極に意味について自ら責任を負うことを強いることができる
-悪魔を片付けるためには、悪魔のやり方を底まで見抜け

そして、最後に、
「この回避(宗教上の無条件の献身のためになされる知性の犠牲のこと)は、自己の究極の立場の決定について自己の宿命を見極めるという勇気をもたず、この義務を意気地ない妥協によって軽減しようとするときに生じるのである」
と、時代の宿命に男らしく堪えることのできないものに向かって、遠慮容赦なく切り捨てる。

これは現代の日本人に対して叱咤してくれている書である。

読むべき。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

夜の来訪者 (岩波文庫 赤 294-1)

著者 : プリーストリー

出版社:岩波書店

発売日:2007-02

評価 :

完了日 : 2007年08月15日

BSの週刊ブックレビューでのコメントがおもしろそうだったので読んでみた。もう、めちゃくちゃおもしろかった!

余白だらけで170ページ程度の長さで、かつ内容がすばらしいので一気にさっと読めてしまう。何がすばらしいか?
戯曲形式で、ミステリー、論理学、倫理学などのいろいろな要素がしっかりと組み込まれていて、いろいろな観点、視点で楽しめる、というところ。
そして、『夜の来訪者』という題名そのものの翻訳の仕方も、なかなか考えられています。
文学座(だったかな?)が何度も上演しているみたいですので、機会があれば見てみたいなあ。

これ以上はネタバレの恐れがあるので、やめておきます。

最近、いい外国文学に出会う機会が増えてきてます。


この感想へのコメント

1.KUMI (2007/08/21)
例えば、私が書店でこの本を見かけても恐らく手にしないと
思います。でも、くうふうさんの書評を聞いただけで、
(読みたい本)に変わってしまうわけです。そう考えると、
言葉って不思議ですね。この本はくうふうさんに出会えて
良かったですね。
2.くうふう (2007/08/21)
ありがとうございます。でも、私がこの本に出会えて良かったんです。だって、この本に出会えたから、これから戯曲も読んでみようと思えたんだと思います。読書の幅が広がっていくのはいいことですよね。それから、言葉ってすごい力を持ってますよね、確かに。たった一言ですべてを語る。これが究極の言葉の力だと思います。とは言え、言葉に力を与えるには人間力が必要なんだと、最近、身にしみてます。
 

みんなの感想を読む
 1

カント入門 (ちくま新書)

著者 : 石川 文康

出版社:筑摩書房

発売日:1995-05

評価 :

完了日 : 2007年08月09日

かの難書、三批判書を読むにあたり、その準備として読んだ。カントの思想がわかりやすい例を挙げて説明されている。なかなかの良書です。
『純粋理性批判』を読んだ後に、もう一度読み返そうと思います。

借図20070804/0809


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

常識について (角川文庫)

著者 : 小林 秀雄

出版社:角川書店

発売日:1978-11

評価 :

完了日 : 2007年08月04日

小林秀雄にしては、比較的読み易いエッセイや講演録を集めたもの。とは言え、読み易い分、返って奥深い内容のものばかりである。
特に、Ⅳのパートは、他社の本のタイトルでもあるが、考えるヒントがつまっている。

例えば、
『読書について』では、書く技術より読む技術の方が大切である。そして、読む技術を養うには濫読が必要である。その返す刀で特定の書物に執着し、読み方を工夫しろと。また、誰でもいいから特定の作家の全集を読破しろと。
『道徳について』では、道徳から派生した様々なことを思考ノート的に書かれている。
- 道徳という言葉は、僕らの一切の過去を引きずっている。
- 道徳を外に求める…この方法は、意志を腐らす。
- 道徳の道は、恐ろしいほど単純で、悪に道は錯雑を究め…
- 親友を摑めない人は道徳を摑めない…
- 孤独とは…むしろ常に人前にさらしているべきものだ。
- 嘘をつくときは必度自信のない時だ…
- 自信は、…お臍の辺りにできる、頭にはできない。
『オリムピア』では、砲丸投げの筋肉の動きを引き合いに出し、思想や知識も同じ次元で投げるべきだと。
『文化について』では、りんごの栽培を引き合いに出し、りんごの木からりんごを収穫するのが文化活動であり、下駄を作ることは文化とは言わず、技術という。そして、文化とは精神による価値ある実物の生産であると。
『中庸』では、中庸とは激しいもので、道徳であると。
『自由』では、libetrtyとfreedomは異なる概念で、特にfreedomは外から与えられないもので、外から与えられたlibertyを生かすかは、各人のfreedomに属する。自己を実現しようとする人は、必ず義務感と責任感を伴うfreedomを経験する。

もう、きりがないので、このあたりにしておきます。
とにかく、考えさせてくれるヒントが盛りだくさんです。

20070729/0804


この感想へのコメント

2.くうふう (2007/08/15)
勉強不足で、清水信というご仁を存じませんでした。小林秀雄の薫陶を受けられた方なんですね。ということはフィリップ・まろさんは小林秀雄の孫弟子でいらっしゃる、ということですね。そんな方とここでコミュニケーションを取ることができるなんて、うれしいかぎりです。
3.フィリップ・まろ (2007/08/15)
あっ!ほんとだ!!僕って小林秀雄の孫弟子なんだ!
ないない、んことないですよ!ウソですよ。
僕はこの街の文壇とは少し距離を取っていますから。でも友達がいますから、その手引きで清水先生にお目にかかる機会が得られるわけです。清水先生は小林秀雄に生活の面倒を見てもらっていた当時の恩を返すかのように、名も無きもの書きたちに光を当てるべく全国から送られてくる同人誌に目を通しているそうです。

もっと読む(3件)

 

みんなの感想を読む
 8

センス・オブ・ワンダー

著者 : レイチェル・L. カーソン

出版社:新潮社

発売日:1996-07

評価 :

完了日 : 2007年08月04日

フィリップ・まろさんの強いお薦めで読んだ。
わずか50ページほどの、そのうち10ページはフォトで占められている短いエッセイです。
すごくいい本です。感想なんか書いたりすると、私がどんなに頭をひねっても野暮ったくなってしまうので、書きません。
ただ、2点だけ。
- 私の読んだ43刷版の50ページ目は何度も読み返した。
- 老若男女を問わずにプレゼントしたくなる、数少ない本の一冊。

とにかく、手にとってみてください。

借図20070804


この感想へのコメント

1.フィリップ・まろ (2007/08/04)
ボク自身、文章表現活動をしており、自作が褒められると大変嬉しい、ということを経験しています。
しかし、他人様が書いた作品を紹介して、それが「プレゼントしたくなる、数少ない一冊」と評価されるのが、こんなに嬉しいものだとは思いませんでした。こういう御意見を頂くと書評を書く手にも自ずと力が入るというものです。
喜んで頂けたことに、とても喜んでいます。
2.くうふう (2007/08/05)
ご紹介、ありがとうございました。
それと、『本の雑誌』のバックナンバーの書評を図書館で拝読しました。この本に対する熱い思い入れと、作者の価値観と同期しているご様子がひしひしと伝わってきました。
それから、私は7つ年少で、平日は1150方向の海に面する地方都市、週末は0130方向の大きな都市でのW生活をしております。
 

みんなの感想を読む
 10

予告された殺人の記録 (新潮文庫)

著者 : G. ガルシア=マルケス

出版社:新潮社

発売日:1997-11

評価 :

完了日 : 2007年07月25日

マルケス曰く、自身最高傑作。
婚礼の日に花婿自身が惨殺された。犯人が公に殺人予告をし、本人を含め、多くの人がそれを知っていたにもかかわらず…
実際にあった事件をマルケス自身が取材をして書いたルポタージュと言える。
多くの謎を作者自身が投げかけているが、そこにこそ作者が証拠固めができず、書きたいのに書けなかったものがあるのかもしれない。
作品最後の、被害者の最期の様子がすごく印象に残ると同時に、作者の書きたいことのメタファーになっているような気がする。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 6

僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

著者 : 白石 一文

出版社:光文社

発売日:2005-03-10

評価 :

完了日 : 2007年07月07日

すごい作家だと思います、個人的な観点からですけど。

この作品は、よく言えば哲学的、悪く言えば身勝手な人間の屁理屈的な内容と言うことができる。露骨なセックスシーンは不要だと思いますが。
今、この主人公みたいな人間って、男女問わず多いと思う。何かをトラウマと思い込み、実質的には自分の世界に閉じこもっているけれど、経済的・社会的にはそこそこ成功している人たち。

この主人公の考えていることや言動って、結構琴線に触れます。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫)

著者 : アレクサンドル デュマ

出版社:岩波書店

発売日:1957-01

評価 :

完了日 : 2007年06月22日

村上春樹のエッセイに出てきたので、興味を持って読み始めた。おもしろい。
山場はふたつある。ひとつは土牢での司祭との出会いから脱獄まで。もうひとつは伏線を張りまくった後の一気呵成の復習劇。徹底的に復讐を完遂しなかった点も、かえってよかった。

「待て、しかして希望せよ。」ストーリー全体に一貫して流れるテーマ。なかなかよいですな。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

著者 : 村上 春樹

出版社:平凡社

発売日:1999-12

評価 :

完了日 : 2007年03月22日

最近、村上春樹を読み出したので、図書館でふと手にとめた本。 村上春樹というと、ビールかワインというイメージがあったので、ウィスキーを語るというのは意外であったが、読んでみるとおもしろかった。 特に、ボウモワ蒸留所の雰囲気やそこの職人気質しっかりとが伝わってくる。 アイラ・モルト好きにはたまらない本です。 もっとも、村上春樹の語る7つのシングル・モルトの特徴というか印象は、ちょっと僕の感じ方とは違うが。まあ、それも人それぞれということで。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

田中角栄の遺言―官僚栄えて国滅ぶ

著者 : 小室 直樹

出版社:クレスト社

発売日:1994-06

評価 :

完了日 : 2007年03月06日

この人は、いつも、難しいことを本当に分かり易く書いてくれる。
この本でも、あちこちで切れまくってます。あいかわらず、スマートでシャープです。
民主主義、自由主義とか刑法をキーワード的に使っていますが、内容は、憲法論というか、民権論です。そして、日本官僚・役人をぶった切っています。
いずれにしろ、本質が見えてきます。 お勧め。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記

著者 : 塩野 七生

出版社:新潮社

発売日:1993-08

評価 :

完了日 : 2007年01月03日

文庫本版の3~5読了。(単行本版も持ってます。) (1)のペリクレスも好きになったけど、この巻のスキピオという人物も大好きになった。年功序列のローマ社会でのあんな登場の仕方も、有言実行で成果を出すところも、失脚の仕方も、人間としてものすごく尊敬できる。
それにしても、このシリーズを読んでいて反省するのは、高校時代に世界史で何を勉強していたのだろう、ということである。もう、当時の教科書やノート類はないので確かめるすべはないのだが、スキピオとかハンニバルとか(ペリクレスもだが)、まったく記憶に残っていない。なぜだ? ローマ史でいうと、この次の巻で出てくるグラックス兄弟以降しか頭に残っていない。おかしいな。
塩野さんのさらっとした書き方もいい。さらっとし過ぎて、「どういう意味?もっと突っ込んでそこんところ書いてよ。」と思わないでもないが。 でも、塩野さんが惚れているカエサルの巻では熱い語りがあるのかもしれない。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

私の中の日本軍 (下) (文春文庫 (306‐2))

著者 : 山本 七平

出版社:文芸春秋

発売日:1983-01

評価 :

完了日 : 2007年01月02日

実に生々しい記録である。英雄史観論的立場の歴史家が描く戦争とはまったく違う。 どこか、従軍経験がある、身近な年配の方から戦争の話を聞いているような気がしてくる本である。
軍隊とは、戦争とはどういうものなのか、なんとなく分かったような気がする。 「親孝行がしたいなあ。」とか「嫁さんがほしいなあ。」というセリフに隠された意味は、切なくも凄まじい。
今、このような時代に生きているからこそ、すべての者が読むべき本である。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

一月物語 (新潮文庫)

著者 : 平野 啓一郎

出版社:新潮社

発売日:2002-08

評価 :

完了日 : 2006年12月18日

初めての平野啓一郎。すばらしい作品です。 上田秋成と泉鏡花が入り交じったような雰囲気を持っています。確かに、美しい。
読み始めは、わざわざ難しい漢字と言い回しを使い、必要以上に懐古主義に走っているような気がしました。しかし、読み進めていくうちに、そのような文体が文章を映像化するのにすごく有効で、本を読んでいると言うより映像を見ているような気がしてきます。
解説で、渡辺氏が能的だと言っていますが、たしかに、新作能として演じられてもおかしくないような内容と構成です。 20代で書いた作品。すごいの一言です。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  3  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.