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つぐみさんの読書ノート

いろいろ考えさせられる本
読んだ後、あとをひく本を集めてみる。良くも悪しくも・・
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 19

本泥棒

著者 : マークース ズーサック

出版社:早川書房

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2008年05月10日

独裁政治の恐ろしさや戦争の恐怖がひしひしと伝わってくる。

ナチス政権下の貧しい生活の中で、主人公であるリーゼルと里親達、ボーイフレンドのルディ、ひょんなことから地下室にかくまうことになったユダヤ人との心の交流が描かれていく。

悲惨な事が多い中で救いとなるのが、”本を読む”という行為である。

字の読めなかったリーゼルは義父に根気よく字を教わり、本を読む楽しさを知る。

地下室で何年も日の光を浴びていないユダヤ人のマックスの救いとなったのも文字を読んだり、描いたりする行為だった。

戦争の爆撃を避けて地下室に集まった人々の心を癒したリーゼルの本を読む声。

そして結果的に彼女の命を救ったのも本を描くという行為ゆえであった。


死神が物語を語っていくという設定で描かれているこの本。最初から最後まで希望らしきものは見当たらない。

怖いのは古い昔の話だ・・と思えないからだ。
世界のどこかに今も独裁政治が行われ、自由に発言が出来ない、戦時下の中で貧しく窮屈に暮らしている人々がいると知っているからだ。





この感想へのコメント

2.つぐみ (2008/09/30)
う~ん KUMIさん。お互い独裁政治とか共産主義とか押えつけられる世界がお好きですなぁ~♪もしやM?
圧政に苦しみながら自分らしく生きようとするところに惹かれるのだろうか!?
ハンスも、普段はぶっきらぼうな義母もリーゼルに対する愛情をいっぱい感じますよね。私はユダヤ人のマックスが好きかな。

3.KUMI (2008/10/01)
あ、わかった?
迫害されたりいぢめられたりすると、なんかカイカンが♪
(て、何を言わせるんですかっ?!)
マックスもいいよね。
ラストで二人が再会した時のシーンなんか・・・
おっとーやばい。どんどんネタバレさせちゃうとやばいっすね。
でも、また読み返したくなっちゃった♪
大好きな本なんで、ホント話に付き合ってくれて感激です☆
アリガトー♪

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 14

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

著者 : 米原 万里

出版社:角川書店

発売日:2004-06

評価 :

完了日 : 2008年01月18日

米原万里さんは1960年より、9歳から14歳までの間チェコスロバキアにある「在プラハ・ソビエト学校」に通っていました。
その頃の同級生3名の思い出と、その後彼女達の消息を尋ねた際の出来事が本書で語られています。

学校に通う友人は国籍もさまざまで、個性的な友達のエピソードはとても面白くて興味深い。

自分の故郷であるギリシャを写真でしか見たこともないリッツァは、「空は抜けるように青いのよ」と自慢する。また授業中に自分の国を紹介するプレゼンテーションを行う時などは、まるで自分がその国の代表者になったように必死になって自国をアピールする。
母国とはなんだろう?島国日本に居るとあまりにも外国が遠く、日本人であることすら忘れてしまいがちだけれど、「在プラハ・ソビエト学校」に通う生徒達は常に母国を背中にしょっている。

複雑な時代背景が語られているのは残念ながら私の浅い知識では半分以上理解不能。それでも当時の共産圏の世界の矛盾や、政治に翻弄される子供たちの姿などが目に見えてくる。

とても面白かった。思い切りお勧めです。


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 2

ペインテッド・ハウス (小学館文庫)

著者 : ジョン・グリシャム

出版社:小学館

発売日:2006-09-06

評価 :

完了日 : 2007年12月18日

小説の楽しみのひとつとして自分の知らない国の人々、違う時代の人々の暮らしをあれこれ想像して思いを馳せることができる、ということがあると思う。

この物語の舞台は1952年のアメリカ南部アーカンソー州。3世代同居の綿農家。

あとがきによると、主人公のルーク(7歳)は、作者ジョン・グリシャム本人の体験や思い出をもとに出来上がった人物像らしい。

綿農家の労働は過酷である。春に種まきをし、丹精こめた綿を秋に収穫。綿摘みの作業は早朝から陽が落ちるまでほとんど休むことなく炎暑の中で指を血だらけにして行われる。もちろん7歳のルークも例外ではない。
一家だけでは到底無理なので季節労働者を雇い入れる。そのため毎年収穫の時期、敷地内のテントや屋根裏に季節労働者が同居することになる。

そんな彼らとの色々なトラブル、村の中での出来事、将来への不安、貧富の差などがルークの目を通じて語られていく。

単調な田舎暮らしの中で、ルークにとっては季節労働者の訪れる時期はある意味さまざまな刺激をもたらす反面、綿摘み作業と言う耐え難い労働を強いられるつらい時期でもある。

ことにこの年、さまざまな事件がおこり、また秋には洪水の被害をうけ、一家は借金に苦しむことになる。でも彼らの近所にはさらに貧しい物納小作人達がいる・・

ルークは大人社会の中でたった一人の子供なので、自分には内緒にされている大人の世界をいつも覗き見たくてしかたがない。そこで偶然沢山の秘密をしょいこむこととなる。

まるで50年前のアメリカに紛れ込み、ルークと秘密を共有しているような気持ちになる。

それとともに現在でもおそらく同じような過酷な生活を続けている貧しい人達が世界のどこかにいることを思うとせつない気持ちになる。


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 27

きみにしか聞こえない―CALLING YOU (角川スニーカー文庫)

著者 : 乙一

出版社:角川書店

発売日:2001-05

評価 :

完了日 : 2007年11月29日

短編3作。
主人公はそれぞれが耐えられない悲しみをかかえてギリギリの状態に置かれている。
負のエネルギーが溜まりに溜まった時、不思議な物語が始まる。ありえない世界。多分彼らの爆発寸前の思いが引き起こした出来事。
ハッピーエンドで終わるわけではないけれど、どこかうっすらと出口が見えるような、かすかな救いの手がさしのべられたようなそんなお話でした。



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 33

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

著者 : 浅田 次郎

出版社:朝日新聞社

発売日:2005-09-15

評価 :

完了日 : 2007年10月26日

ある日、突然前ぶれも無く自分が死んだら・・・あれもこれも思い残すことだらけ・・。それはそうだろう。

7日間だけ姿を変えて現世に戻る。そこで、今まで気がつかなかったこと、知らなかった周りの人々の優しい気持ち、愛情、裏切りを知ることになる。
自分の正体を明かすこともできないし、いいわけも出来ない。それなら現世に戻らなかったほうが良いのかもしれない。ジレンマで気が変になりそう。

私は「なるようになれ」と未練をすっぱり断ち切って極楽行きの赤いボタンをポチッと押そう。今からそう決めておこう。
だからこそ、大切な人には普段から「大切だ」と伝えて、今日出来る仕事は、今日中に済ませることが大切・・・やってないけど。。。
「明日出来ることは明日にしよう」が信条だけど・・・

やさしい気持ちになれる一冊だった。


この感想へのコメント

3.船橋胡同 (2007/10/27)
娘さんは、浅田氏と同じ事を言われて育ったのですね。
「吉原手引草の松井今朝子」も妄想派との事。
林真理子は、勉強できなかったが、人の話を聴いて
ここから創造たくましくして作品にするそうです。
将来が楽しみですね。
4.つぐみ (2007/10/27)
ところが小学生になる頃には妄想を忘れてごく普通の娘に育ちました。将来、孫が嘘つきに育ったら、私もその嘘につきあってどんどん嘘の会話を広げてみたい!!などと思う今日この頃。
そういえば父が病床にいた頃、夢と現実の境がなくなることがあって、動けない体でも妄想の中で楽しみを見つけることができるのは、人間の特権だなぁと感じましたね。

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 2

プラナリア

著者 : 山本 文緒

出版社:文藝春秋

発売日:2000-10

評価 :

完了日 : 2007年09月03日

現代の「無職」をめぐる五つの物語と帯に書いてあったので、話題のニートの話かな・・と思って図書館で借りたら、まったく違った。
それもそのはず2000年に発刊された、作者は私と同年代の女性ではないか!!急激に親近感。

五つの話はそれぞれパターンが違うが無職にかかわる話。

どれも心にずしんと響くものがあるのだ。この夏、暑くて家からろくに出ずにダラダラ過ごした私の姿とやる気のない彼女らの姿が重なったせいかもしれない。

「どこかではない ここ」はどこにでもいそうな主婦の話。
リストラにあい、転職した主人の給料では苦しいため、夜のパート(スーパーのレジ打ち)に出るひとりの主婦。
彼女は自分の母親の愚痴を根気よく聞き、ぼけて意識の無い義父の病院へ見舞いに行き、3時間睡眠で毎朝子供たちの弁当を作る。  主婦の鑑ではないか!!!すばらしい!!
なのに子供たちは家に寄り付かない。「お母さんのような生き方が嫌いなの」なんて言われる。ショックだ。

パート先のどうでもいい男にホテルに連れ込まれそうになったりする。踏んだりけったりだ。

結局どうなんだ。出口はあるのか?
彼女はマイペースに目の前の仕事をこなしてきただけなのだ。他にどういう選択肢があったのだ???

脱力感。 私も数年後、お母さんみたいになりたくない・・なんて娘に言われない生き方をしたいよ。どうしたらいいの?

元気の良い時に読めば、こんな人もいるんだぁ~で終わる五つの話。落ち込んでいる時に読むとさらに落ち込むかもしれません。 ご注意を。






この感想へのコメント

3.トワ (2007/09/09)
そうですよーーー。「主婦の鑑」ですよねー。それなのに家族にそれが伝わってないようで、読んでいてツラかった。

つぐみさんの「落ち込んでいる時に読むとさらに落ち込むかもしれません。」に納得です(^^)
4.NYPD (2008/05/02)
タイトル作品も良かったけれど『あいあるあした』には度肝を抜かれました。女性である著者が居酒屋を営む中年の脱サラ男の心情をこうも見事に描けるなんて……。いやはや文句無しに直木賞を受賞されたのも頷けます。

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 28

対話篇

著者 : 金城 一紀

出版社:講談社

発売日:2003-02

評価 :

完了日 : 2007年08月17日

初めての金城作品。3作品、どれもとっても読みやすかった。すべての作品に「死」というのがかかわっていて、でも重たくはない。
「結局のところ、大切な人の手を探し求め、握り続けるためだけに、僕たちはうすのろな時間をどうにか生きてる」という言葉にすべて集約されている気がした。


この感想へのコメント

3.船橋胡同 (2007/08/18)
<「対話篇」でも’大切な人’はみんな失われていきますね>
なにか意味深の文章ですね。別れる事?年をとる事?
新しい事に行く事?死ぬ事か? 文才無いので分からない。

4.つぐみ (2007/08/19)
曖昧な言い方をしてしまってすみません。この「対話篇」の中では、みんな大切な人は死んでいるんです。
でも単純に「死」を前面に押し出している感じは無いんですよね。
3部とも、一人の男性が、偶然に出会った第三者と対話していく中で、大切な人を回想していく・・という設定です。
この二人が対話するきっかけが少し非日常な不思議な出会いなので、読者はだんだん引き込まれていきます。

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 20

薄闇シルエット

著者 : 角田 光代

出版社:角川書店

発売日:2006-12

評価 :

完了日 : 2007年06月09日

主人公にかなり感情移入してしまった
私もどこかで歯車が違っていたら、まったく今と違った道を歩んでいたかもしれない。
彼女のように迷い迷っていたかもしれない


この感想へのコメント

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