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シスターさんの読書ノート

2007年
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 2

牧師館の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

著者 : アガサ クリスティー

出版社:早川書房

発売日:2003-10

評価 :

完了日 : 2007年12月31日

周囲からはただの噂好きなお婆さん、と煙たがられているミス・マープル。
その彼女が鋭い観察眼を武器に推理していくさまは、とても痛快。

張り巡らされた伏線が最後にその実線を結ぶとき、昇華されていく謎。快感。


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 68

ナイチンゲールの沈黙

著者 : 海堂 尊

出版社:宝島社

発売日:2006-10-06

評価 :

完了日 : 2007年12月25日

東城大付属病院シリーズ第2弾。

前作のインパクトと比べるといまいちの感がぬぐえず、手放しで面白かったという感じではありませんでした。

まとまりのない登場人物の多さ、中盤の冗長さにいらつき通しです。
特に歌姫周辺の設定や台詞がどうも自分にはロマンティックすぎて、物語には入り込めなかったです。


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 1

編集者T君の謎 将棋業界のゆかいな人びと (講談社文庫)

著者 : 大崎 善生

出版社:講談社

発売日:2006-07-12

評価 :

完了日 : 2007年12月21日

将棋界という特殊な世界に生きる人々を描いたエッセイ。

軽妙洒脱な描写の中にも、将棋という修羅に魅せられた人々の悲哀みたいなものが垣間見えるのが切ない。

団鬼六にまつわるエピソードが一番面白かった。


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 3

女教皇ヨハンナ (下)

著者 : ドナ・W.クロス,阪田 由美子

出版社:草思社

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2007年12月12日

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 76

バッテリー (角川文庫)

著者 : あさの あつこ

出版社:角川書店

発売日:2003-12

評価 :

完了日 : 2007年12月07日

こんな冷静な小学生っているのかな?と思いつつ、一気に読ませるリーダビリティの高い小説だった。

主人公の巧は野球少年というよりも、ストイックなプロ野球選手のようで最初は感情移入がしにくい。
でも、心境の変化を起こし脆さを露呈し始めるあたりから、ぐっと身近になる。

巧は、周囲の声を「関係ない」と意識の外に遠ざけることで自分を守っている、脆いこどもだ。
が、問題と向き合うことで本当の強さを得ることができ、野球においても常に平静を保つことができることに巧は気づき始めている。

これからその成長ポイントを乗り越え、「女房役」の豪君とともに上を目指していく(のかな?)。
二巻以降の展開が楽しみ。

豪君の言動に友情よりもほのかなラブを感じてしまい、少し恥ずかしい・・・。


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 106

鹿男あをによし

著者 : 万城目 学

出版社:幻冬舎

発売日:2007-04

評価 :

完了日 : 2007年12月06日

鹿が喋るという脱力するような設定が、奈良ののんびりとした情景に妙にマッチしていて、読んでてたのしいです。

絶妙なユーモアを散りばめ、適度な歴史ネタを物語に落とし込むのが巧く、安心して物語の流れに乗ることができました。

青春ファンタジーとして良くまとまっていると思います。
軽くて読みやすいので小学生におすすめ。


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 1

アクシデンタル・ツーリスト (Hayakawa Novels)

著者 : アン タイラー

出版社:早川書房

発売日:1989-04

評価 :

完了日 : 2007年11月30日

息子を強盗に殺されたことが原因で、妻とも別居したメイコン。
骨折し実家に戻ったメイコンに、無神経なまでに距離を縮めてくるミュリエル。
二人の関係がもたらす新たな転機。

ありふれた日常を描いているだけなのに、惹きつけられるように読み進めていった。
登場人物たちに寄り添った作者の温かい語り口が、福音のように感じられるからかもしれない。

「ある一定の年齢を過ぎた者には、失うものを選ぶ選択の余地だけが残されている」の言葉が胸に刺さる。

人生の迷いや痛みを和らげる良薬本でした。


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 33

朝日のようにさわやかに

著者 : 恩田 陸

出版社:新潮社

発売日:2007-03

評価 :

完了日 : 2007年11月18日

ミステリあり、ホラーありの短編集。

スタイリッシュな、雰囲気だけを切り取った話も多いけど、行間から漏れるイメージの喚起力は豊かで酔ってしまう。

きっちりとしたオチにカタルシスを感じるのもいいけど、読み手に委ねられたモヤモヤ感が残るのもいい。

好みがわかれる小説だと思う。恩田陸の小説は全部そうかもしれないが。


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 1

罪・万華鏡 (佐々木丸美コレクション 7)

著者 : 佐々木 丸美

出版社:ブッキング

発売日:2007-06-30

評価 :

完了日 : 2007年11月16日

感受性が強く、優れた観察眼を持っているために精神異常を疑われた女性たち。
その彼女達の心の屈折を読み解いていく、精神科医の尽力を描いた連作集。

精神的に追い詰め、罪を犯すように仕向けた者たちは裁かれることは無い。
本当に罪に問われるべきなのは加害者ではなく、仕向けた側ではないのか、という主張は著者の他の作品でも度々登場する。

まっすぐすぎて痛いくらいだが、主人公達の心に寄り添って描かれた心情は共感できた。

4編の連作が全て似たような話で少し飽きてしまったけど、読後感のよい小説だった。


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 1

彼女のプレンカ (集英社文庫)

著者 : 中上 紀

出版社:集英社

発売日:2006-05

評価 :

完了日 : 2007年11月10日

タイの少数民族が、天と地を行き来する道具として儀式に使うプレンカ(ブランコ)。
それはそのまま、生と死のあわいを揺れる登場人物達のようだ。

死の影に満ち満ちた話だが、生の雰囲気をふんだんに含む南国の湿った空気を吸い込んだ気分になる。

死について掘り下げれば、相対的に生のコントラストも強くなるのだろうか。

己のリセットを選ぶ登場人物たち。
あまりにも濃いその生と死に、息苦しさを感じたのかもしれない。


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 22

九月の恋と出会うまで

著者 : 松尾 由美

出版社:新潮社

発売日:2007-02-21

評価 :

完了日 : 2007年11月08日

ある日、志織の部屋のエアコン用の穴から声が聞こえてきた。
声の主は、隣室の住人の平野。
しかも、彼は一年後の未来から話しかけているのだと言う。
志織は、彼の奇妙な依頼を引き受けるが・・・。

SFでもあり、ミステリー仕立ての恋愛小説でもあり。

どう物語が展開していくのか着地点が見えず、わくわくしながら読み進めた。

未来の平野は一年前の自分と区別するために「シラノ」と呼んで欲しいと志織に言うのだが、この「シラノ・ド・ベルジュラック」も物語の重要な要素として効いてる。

穴もあると思うけど、良くまとまった話だと思います。


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 9

紙魚家崩壊 九つの謎

著者 : 北村 薫

出版社:講談社

発売日:2006-03

評価 :

完了日 : 2007年11月08日

9編の短編集。
本格ミステリ、日常の謎、ホラーに御伽話パロディとバラエティに富んだ一冊。

一番印象に残ったのは、巻頭の「溶けていく」。
女性の精神が崩壊してゆくさまに鳥肌が立つ。
一人暮らしの部屋で夜中に漫画雑誌を切り刻んでいく女性の姿が目に浮かんで離れない。

いつの間にか狂気の淵に立っている、というあやふやさが薄ら寒い。

「紙魚家崩壊」と「死と密室」は本格ミステリのパロディなんだけど、シュールすぎて良くわからなかった。
『両手が恋をしている女』というキャラクターはどう受け取ればいいのか。。

「白い朝」では、久々に円紫さんと再会できて嬉しかった。


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 10

にょっ記

著者 : 穂村 弘

出版社:文藝春秋

発売日:2006-03

評価 :

完了日 : 2007年11月08日

ハイブロウなうそ日記。

タイトルからしてバカバカしくてさいこう。

妄想力は最大の武器だ。


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 20

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

著者 : 小峰 元

出版社:講談社

発売日:2006-09-16

評価 :

完了日 : 2007年11月08日

アルキメデスという言葉を残して、中絶手術で死亡した少女。少女を妊娠させたのは誰か?
その後も毒殺未遂事件、密室殺人など、学園を中心にして起こる不可解な事件。
1973年に描かれた青春ミステリーの嚆矢。

謎が謎呼ぶ展開にわくわくする。
ミステリと言うよりは、青春小説って感じで読みやすかった。

今読むと、高校生が高尚な倫理観のもとに悪人に制裁を加えるというのはありがちで物足りない。

ラストでタイトルの謎がわかります。


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 40

中庭の出来事

著者 : 恩田 陸

出版社:新潮社

発売日:2006-11-29

評価 :

完了日 : 2007年10月21日

並行して進むいくつもの物語が入れ子状に重なり、劇中劇かと思えばその逆もあり。
物語に迷い込んだ読者はひたすら迷宮を歩かされ、真実に近づいたかと思えばまた煙にまかれ。

観客である読み手もまた、役を振り当てられた演じ手なのかもしれない、と思うと自分の立ち位置が危うくなる読書体験でした。

読み終えると徒労感でいっぱいになる人もいるかもしれませんが、私はいつまでも作者に惑わされていたい・・・。


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 29

メタボラ

著者 : 桐野 夏生

出版社:朝日新聞社

発売日:2007-05-08

評価 :

完了日 : 2007年09月09日

記憶を失ったギンジと宮古島出身の昭光の出会いから始まる、魂の漂流記。

自分探し宗教、家庭崩壊、偽装請負、ネット心中などの陰惨な社会的疲弊てんこもり。
今は安穏と生きている自分と、ギンジの絶望世界とは薄皮一枚隔てているにすぎないと慄然とさせられる。

キリノさんは人間の悪意や嫉妬心をあぶり出していくのがうまい。
誰もが抱えるそれを鼻先に突きつけられ、思わず目が離せなくなりどんどんページを繰ってしまう。
誰もがその汚感情から逃れることはできないと痛感させられる。
ひりつくような現実感覚は癖になる。


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 5

女教皇ヨハンナ (上)

著者 : ドナ・W.クロス,阪田 由美子

出版社:草思社

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2007年08月31日

歴史から抹消された伝説の女教皇。
教皇庁はいまだその実在を否定しているーー

惹句にひきつけられて、一気に読了した。

絶対的な男性優位の社会の中で勉学に打ち込み、男装をして信念を貫くヨハンナの姿は清すぎてまぶしい。
男尊女卑やジェンダー論などの現代的な視点もあり、かなり読みやすかった。
ロマンスもあり、ドラマチックな展開が大河歴史少女マンガのよう。

映画化されるらしいけど、宝塚で演劇化しても面白そう。


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 24

ひとがた流し

著者 : 北村 薫

出版社:朝日新聞社

発売日:2006-07

評価 :

完了日 : 2007年08月13日

40代の三人の女性とその周辺の人々の物語。
踏み込むことはせずに、深いところで理解しあう三人の関係が素敵。

人から人へ、記憶に受け継がれていく思いは時間がたっても消えない。
随所に時の流れを感じさせるエピソードが現れ、人の孤独に近づける気がした。

ちょっと納得いかないのは、登場人物が病にかかった途端に年下の求愛者が現れ、突然の愛を受け入れ静かに病に向かう、というくだり。
他の部分がリアリティがある分、展開が突然すぎて解せなかった。


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 34

エンド・ゲーム―常野物語 (常野物語)

著者 : 恩田 陸

出版社:集英社

発売日:2005-12

評価 :

完了日 : 2007年03月11日

「光の帝国」の中の短編、「オセロゲーム」の続編。

正体不明の「あれ」と戦い続けてきた拝島親子が迎える、終わりの始まり。

正直、「裏返す」とか「あれ」とかがうまくイメージできず、最後までノレずじまい。

恩田さんの作品って、煽るだけ煽って拍子抜けするラストを持ってきて肩透かしをくらわされることが多い。
自分の理解力や想像力の無さを痛感すべきなのか、それとも??

自分で風呂敷をたたむのはちょっと疲れる。


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