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purinさんの読書ノート

最近の。海外
ニック・ホーンビィやアーヴィング、お気に入りの現代作家を探索中。
古典もちょいちょい。
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 7

灯台守の話

著者 : ジャネット・ウィンターソン

出版社:白水社

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2008年06月24日

宝物のような本。
図書館で借りて読みましたが、買って常備することに決定☆
「リスペクツ・スティーブンソン」な一冊なので、スティーブンソンファンなら絶対読むべき。ツシタラ(語り部)スティーブンソンを彷彿とさせる灯台守のピューが話す、詩と言ってもいいくらい美しくすばらしいセンテンスの数々。
もちろん、ピューと言えば『宝島』の盲人ピュー。
ピューは宝島にもちょっとしか登場しないけれど、やっぱりみんなインパクトがあったんだなー、と嬉しかったです。
ほんとう~にすばらしい。
久々にいい本を読みました☆


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 1

200本のたばこ (角川文庫)

著者 : スペンサー ジョンズ,シェイナ ラーセン

出版社:角川書店

発売日:1999-11

評価 :

完了日 : 2008年05月11日

この映画が大好きなので読んでみたのですが、面白かったです。
ノベライズものはたいてい出来が悪いのが相場ですが、これは小説としてよい作品でした。
映画はちょっとわかりにくいというか、人物相関が難しかったりするのですが、その点本の方はわかりやすくて、映画を見てよく意味がわかっていなかった点が解決したりしました。処女じゃなくなったために平衡感覚がなくなって転んでばっかりだったとは。。。なるほど。
ただ、やはりあのかっこよさは、映画じゃないと味わえないかも。


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 3

宝島 (光文社古典新訳文庫)

著者 : スティーヴンスン

出版社:光文社

発売日:2008-02-07

評価 :

完了日 : 2008年04月06日

わたしの恐怖の源が詰まった一冊を、古典新訳文庫で見つけたので再読。
松葉杖、インコ、リンゴの樽、半月刀、盲人杖、この一冊のせいで、わたしはいまだにありとあらゆる小道具が異常に怖い。トラウマなのです。
特に中国マフィアものを異常に怖がるのは、この小道具に類似点が多いせいだろうと思われます。たぶん。。。
特に、ジムが、フリントの衣装箱を改めている時に、宿屋の外から盲人ヒューの杖の音が聞こえてくるシーンは、本当に怖かったなぁ。そのシーンを読んだだけで恐怖が、あの頃の子供部屋もろとも蘇ってきました。
大人になって読むと、もちろんそんなに怖いものではなく、むしろめちゃめちゃクールな一冊。海賊のジョン・シルヴァーもドクター・リヴジーもすごいかっこいい。
ドクター・リヴジーが、ジムに絆粗膏を貼ってやって「ダイジョブだ!」と両耳を引っ張るシーンには、大人になっても相変わらずキュンときました♪
ジム少年の頭の良さと肝っ玉には、驚くばかりで、「とはいえ、元来が男の子の遊びなんだから、腿を刺された初老の船乗りごときに負けてたまるかと思った。」と、ナイフを持って向かってくる海賊に立ち向かうシーンには、こちらもまたキュンときました。
世の男の子たちおよび男性諸氏には、ぜひこの本を読んで、「男の子」であることのプライドを、もう一度ハートの中心に移動させてもらいたいと思います^^


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 1

殺人者の健康法

著者 : アメリー ノートン

出版社:文藝春秋

発売日:1996-10

評価 :

完了日 : 2008年03月30日

なんかすごい本やー というよりこの人がすごい。
フランス文学で、若いのにすごい!といえば、サガンだけど、このアメリー君も25歳なのに筒井康隆みたい;
視点もおかしいし。
今まで露出していなかった、ノーベル文学賞作家が余命1ヶ月半と言われて、急に取材を受ける気になったのはいいものの、あまりに偏屈すぎて、会うジャーナリスト、会うジャーナリストみんなひどい目にあわされて帰ってくるのだけど、最後のジャーナリストがとうとう秘密兵器を引っさげてぎゃふんといわしに行く、という話で、その作家・タシュが筒井康隆みたいーと思って読んでたんだけど、だんだんこのアメリー・ノートン自身が筒井康隆としか思えなくなってきた。。。
すごいシニカルで頭が良くて、言い回しがたまらなく面白くて、でもかなりお下劣で、、、
おっさんだなぁ、アメリー君。
でも卓越し過ぎてる。
世界の広さを感じる一冊。
これがベストセラーになるフランスという国もなにがなんだかよくわからないけど、いい感じだなぁと思える。
ノーベル平和賞受賞者はおうおうにして殺人者だが、ノーベル文学賞作家は例外なく殺人者なんだそうだ。カワバタも。


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 7

天使は容赦なく殺す

著者 : グレッグ ルッカ

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2008年03月29日

久し振りにスパイものを読みました。
スパイものというのは主人公が困難を処理する過程が柱なわけですが、
昔のスパイものはそのものずばり敵イコール困難だったわけで。
でも最近のスパイものの困難は、イコール組織。敵は身内にあり。獅子身中の虫。
頭の固い政治的な上司をいかにちょろまかして、目的を達するか。いかに大胆かつ合法的(組織内だけに通用する法の場合が多いけど。)にふるまうか。
敵を御すのは大前提、当然なわけねー
と、この本を読んで改めて気付きました。
職は変われどみんな同じねー、なんて思いたいのかも。こういう本もある程度「現実」を入れていないと売れないのかな?
イスラム社会のテロ組織についても、ニュースで聞いた名前がいっぱい出てきて、なんか勉強も出来てお得なのかな?という気分にもなれました^^


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 1

レベッカ (下) (新潮文庫 (テ-4-4))

著者 : デュ・モーリア,茅野 美ど里

出版社:新潮社

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年03月23日

やはりこの本はすばらしいです!
どんでん返しというんでしょうか、ページを繰る手を止められなくなるほどおもしろいのに、この上品な感じ。深遠な雰囲気。
本の中で、結婚により急にマンダレーに飛び込んだ「わたし」は「わたしと違う男女の血統。別の種族の人間。・・・わたしにはできない。自尊心がない。気概がない。わたしは育ちが悪いのだ。」と悩むシーンがあるが、この作品こそ育ちが違う。
この物語が育まれた土壌が、他の作家が同じように書こうとしても決して書けない「育ち」の違いを見せつけている。
まだまだ読めていない作家の本は天文学的にあるけれど、その中にこういう本がまだまだ潜んでいるのかと思うと、やっぱり読書はやめられない。
本を読む喜びを改めて感じさせてくれる名作でした。
もう読み返したい気分です。


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 2

アメリカン・ギャングスター (ハヤカワ文庫 NF 331)

著者 : マーク・ジェイコブスン

出版社:早川書房

発売日:2007-12-14

評価 :

完了日 : 2008年03月15日

もともとノンフィクションが苦手なので、正当な評価は不可です。
どうも面白そうなところばっかり拾い読みしたくなってしまうのよねー
今回もやっぱりしてしまいました。
映画もドキュメントっぽくて見づらかったという意見を聞きましたが、それならばこの原作に忠実に作られているのかもしれませんね。
ちょっと著者の、「決して褒められたことではないが・・・」とか「どこまでフランクの言っていることを本気でとるべきかわからないが・・・」というような表現が、本に入り込むには邪魔でした。
ハーレムの麻薬王というこの主人公を描くときに、この手のエクスキューズをいちいち書く必要はないと思う。
極悪人だとしても心底心酔して書くか、もしくは徹底的に批判するか、どちらかの立ち位置で書いてくれれば、読む側としてはもっと面白かったはず。


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 2

レベッカ 上巻 (1) (新潮文庫 テ 4-3)

著者 : デュ・モーリア

出版社:新潮社

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年03月14日

レベッカの新訳。
驚くほど読みやすくなっているのだけど、引き換えに、あのマンダレーのミステリアスな雰囲気が損なわれているような気はしました。
『嵐が丘』の新訳同様、やっぱり初めて読んだ時にすごい感銘を受けた本の訳には正当な評価が出来なくなってしまうのは仕方がないのかも。
同じ理由で、村上ファンだけど、『ティファニーで朝食を』を読むのはためらっています。


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 1

畏れ慄いて

著者 : アメリー ノートン

出版社:作品社

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年02月17日

ベルギー人のアメリー君が、日本の超一流商社に就職してからの苦闘を書いた一冊。
思った以上にリアルに怖かったですー
表現が文学的かつユーモアに満ちているので、読んでいる時には、あんまり思わなかったのですが、読み終わってふと気付きました。
ただの集団いぢめじゃん!
よく考えたら、とんでもないこの状況、自殺でもして遺族に訴えられたら、間違いなく会社負けます。とんでもないです。でもそれを読んでる間はそうと感じさせない、この書き方。素晴らしいと思います。
下手に書いたら、愚痴&暴露本になってしまうところが全くそうならないこのバランス感覚は本当にすごいと思います。
それにしても、日本人ってこんなんですかねー というか、学歴のある人、というかプライドの高い人、というか虚栄心の強い人が集まるとこんなんなるんですかねー
恥ずかしいです。この状況に自分がいたら、こんな風に黙ってみてるかどうか、真剣に考えてしまいました。
どちらかというと、こういう時には出て行くタイプなんですが、アメリー君の場合、契約期間が1年というのがネックですねー・・・
かばったとしても、アメリー君はすぐにいなくなって自分だけが会社に残るわけですから・・・、さすがにこれは微妙かも・・・
嫌な人、というかもう考えられない人が山ほど出てくるんですが、条件が揃えばありえないことはないな、日本の会社って。と思えるのがいやー
でも一番いやなのは、人がいいだけで自分の会社の実態にまったく気づいてない坊ちゃん社長ですね。


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 1

ある微笑 (新潮文庫)

著者 : フランソワーズ サガン,朝吹 登水子,Francoise Sagan

出版社:新潮社

発売日:1958-05

評価 :

完了日 : 2008年01月30日

昔読んだ印象ほどよくない。なんで・・・?
サガンは徹底的に「良妻賢母」が嫌いなんだなぁ。


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 1

愛と同じくらい孤独 (新潮文庫 サ 2-15)

著者 : フランソワーズ サガン,朝吹 由起子,Francoise Sagan

出版社:新潮社

発売日:1979-05

評価 :

完了日 : 2008年01月23日

『悲しみよこんにちは』を読んで少し気になる部分があったので読み返してみた。
これはサガンの著作ではなくインタビュー記事を集めた一冊である。

嫌なことはしないことにしているから、嫌なことはしたことがない。そういう生き方ができるわたしは幸運。
こういった彼女の肩の力が抜け切った姿勢が読者をとらえるし、マスコミも捕えて離さなかったのだろうと思う。
大人になると、嫌なことをしない生き方を選ぶリスクもサガンは引き受けているということに気づいてしまうのだが、初めてこれを読んだ子供のころは、サガンのこういう生き方がその気になれば実現できるものと思っていた。
天才でないけれど、才能はある。
何かの折に言ってみようっと。

それにしてもインタビュアーというのは、大変な仕事である。何を言ったらサガンが嫌な顔をするかよくわかっていて、嫌な顔をしたということを伝えるためだけに嫌な質問をするのである。
サガンに会えると言われても、こんな仕事だけはできないとしみじみ思ってしまった。憧れの人に会って、憧れの人の眉をひそませなければ仕事にならないなんて悲しい。


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 6

悲しみよこんにちは (新潮文庫)

著者 : フランソワーズ サガン,朝吹 登水子,Francoise Sagan

出版社:新潮社

発売日:1955-06

評価 :

完了日 : 2008年01月22日

スタンダールを読んで、ただフランス人つながりというだけだが、なんとなくサガンを読みたくなって久しぶりに手に取った。新潮文庫のものなら全冊、本棚の特等席に常に納めてあるにもかかわらず久しぶりの再読。実は『ある微笑』の方が好きなのだけど、久しぶりにサガン、ということであればやはりこれを選んでしまう。

生きている美しい言葉の力により、つい筆の走るままに出来上がった感情的な作品のような気がしてしまうが、改めて読むと筋はもちろん、人物造形が特にすばらしい。わかりやすくありながら典型的ではなく、魅力的でありながら不完全なそれぞれの人物像により、やはり物語がまるで勝手に転がっているような印象を受ける。
計算高く利己的な一方、残酷なまでのあどけなさを持つ主人公・セシルに、この作品そのものがよく似ている。
それにしても18歳のサガンは男性をどのように見ていたのだろう。父親に至っては「父は父なりに、苦しめるだけ苦しんでいた。・・・得意と快楽で夢中だった。」まるでただのアホである。
シリルはこの父親を、くだらなさも含めて善良であると、母のようなおおらかさでもって愛しているのだ。ちなみこの父、レエモン。名前もちょっとアホみたい。
恋人のシリルに対しても、7つも年上にも関わらず、まるで憐みのような感情を持っている。自分の感情があてにならないものであるのを、どこかで自覚している故か、「愛している、結婚しよう。」というシリルの熱情までも哀れに眺めている。
その他の恋愛描写では、シリルに初めて体を預けるところが非常に印象的で、接吻を交わすことで満足していたころの楽しさと幸せは生き生きと描かれているのに対し、体の関係ができてからの描かれ方は倦怠を含み少し憂鬱だ。そしてことが起こるまえから、セシル特有の賢明さでそのことが予想できていたにも関わらず、その段階へと関係が進まざるを得ない少女時代独特の悲しみを「接吻は尽きてしまう。」と表現している。
この一文だけでも、世の多くの作品一冊分には値すると言っても過言ではないくらい感動した。一体どこの18歳の女の子から「接吻は尽きてしまう。」などという美しく含蓄のあるセリフが出てくるだろうか。凡人の18歳ならば、「これ以上はごまかせない。ヤルしかない。」とでも言うしかないところだ。
30過ぎたらもちろん永久に出てこない。。。

よく18歳にしてこんなにも大人びたことを書いている、という部分ばかりがこの本では大きく話題にされるが、大人びていること、まるで18歳らしくないことも含めて、この作品は18歳だからこそ生まれたのだと思う。
18歳が、サガンの才気を持っていた。才能あふれるサガンが当時18歳だっただけのこと。
少女時代の記憶を、こんなにも率直でありながら美しい形で残すことができる才能に恵まれた彼女は本当に幸せな人だと思う、


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 3

赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-2)

著者 : スタンダール

出版社:光文社

発売日:2007-12-06

評価 :

完了日 : 2008年01月22日

後半になり、俄然盛り上がった本作である。
中盤で、マチルドとの恋の駆け引き(書くのも恥ずかしいが。)のくだらなさが延々と続くのに、一時は疑問を感じた、というか挫折しそうになったが、それも全てすばらしく結末へと帰着する。

スタンダールのシニカルな性格のせいで、この『赤と黒』というタイトルには諸説あるそうだが、
わたし的解釈をさせていただくなら、「赤」はジュリヤンの若さや自尊心、人生に真実を求める心である。一方「黒」は、人が人生に持つ欲求そのものである。そしてその欲求が、世論、大衆の愚かさ、無責任さ、また上流階級や聖職者の偽善、社会的犯罪、性根の卑しさ、出世欲へと繋がっていく。
赤はナポレオン、黒は聖職者、というのはちょっと単純。上巻部分で挫折した人の意見なら納得だけど。
赤は強い色のようありながら、黒に近づくとあっけなく黒に取り込まれてしまう色でもある。濃さを増すと黒になってしまう色でもある。キャッチーでありながら、どこもまでも深いタイトルなのだ、たぶん。
ジュリヤンの赤の部分は、その時々に出会う人々や恋情によって、時に黒に染まってしまう。「染まってしまう」というよりも、上流階級の人間に強く憧れ、野心を募らせるあまり、黒の部分を堂々と受け入れ、開き直る種類の強さを肯定し、手に入れたいと望み、むしろ染まってしまおうと努力を重ねるのである。
しかし結局は、自分をごまかし、世間でいうところの成功を手にするには、ジュリヤンの自尊心、心に信じる真実は強すぎた。またその一方で、ジュリヤンの真実は時折爆発するものの、上辺を取り繕い、演出し続けてきた長年の習性からは、そう簡単に抜け出すことは出来ない。
終盤でのジュリヤンの
「死の間際になって、自分相手に話しているときでさえ、ぼくはあいかわらず偽善者のままなんだ・・・。ああ、十九世紀よ!」
という言葉に、この物語の主題がある。

生きる上での強さとは。自我を殺し、社会の流れに合わせることもまた強さであり、その強さが反って人生を崇高なものにすることもあるだろうと思う。
とすれば、その合わせている「社会の流れ」がどういうものかに因るところも大きいのかもしれません。

結局ジュリヤンは「生きる」ということそのものに失敗してしまっているのだから(直接的な意味で。)、信念や自尊心などは生きる手段にすらなっていないのかもしれない。しかしそれを捨てて得た人生の成功に何の意味があるのか・・・ ああ、生きるとは、生き方とはなんと難しい。難しすぎて思考は堂々巡りです。

『赤と黒』、19世紀のフランスでも21世紀の日本でも変わらぬ人の在り方を見事に書いた作品。
全編にわたり、個人と社会の偽善を痛いほどに描いているが、そうすることによりこの作品そのものは、あらゆる偽善から解放されているように思えます。


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 5

赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

著者 : スタンダール

出版社:光文社

発売日:2007-09-06

評価 :

完了日 : 2008年01月21日

『罪と罰』よりももっと敬遠していた『赤と黒』。
思い切って手を出してみたら、読みやすさにびっくりしました。

主人公のジュリヤンの性格に相当いらいらさせられる(というかどうしようもなく嫌な奴。)ので、そこを耐えられるかどうかが問題。その上、愛人のレナール夫人のリアクションもかなり??な点も多いけど、それもひっくるめて楽しもう。
神学校のくだりが新鮮。
下巻へすすむ・・・


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 3

熊を放つ〈下〉 (中公文庫)

著者 : ジョン アーヴィング

出版社:中央公論社

発売日:1996-02

評価 :

完了日 : 2007年12月31日

村上春樹の訳のせいか、後半になって似ている部分が多い気がした。グラフとジギーがなんとなくぼくとねずみを彷彿とさせ(そういやネズミ年ですね。)、祖父の代にさかのぼってのジギーのバックグラウンドの表現法がクロニクルを思い出しました。
第二次大戦前後のオーストリアの歴史の部分も本筋ではないんでしょうが、興味深かったです。あのあたりって国を覚えるだけでもややこしくて一苦労なんですが、この本では「ソヴィエトはウィーンを失いつつあり、そのため無茶をするようになった。」って感じなので、図らずしもかなりわかりやすいことになっています。たいていの戦争は無茶したひとが悪いんですよね。
どうにか年またぎは避けました。


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 5

熊を放つ〈上〉 (中公文庫)

著者 : ジョン アーヴィング

出版社:中央公論社

発売日:1996-02

評価 :

完了日 : 2007年12月29日

9月から読んでいるのだが、中盤にどうしても進まない部分があって今日まで持ち越してしまった。
どうにか今日中に下巻も読んで、年またぎは避けたい。(ほんとはそんなことより大そうじ。)
まあ上巻を読んで、表紙の「何故にハエ?」と怪しんでいた虫が、蜂だったことがわかり一安心。
もっとそれっぽい表紙にできなかったのかな。


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 1

シービスケット―あるアメリカ競走馬の伝説 (ヴィレッジブックス)

著者 : ローラ ヒレンブランド

出版社:ソニーマガジンズ

発売日:2005-01

評価 :

完了日 : 2007年12月19日

競馬、パチンコ、ギャンブルもろもろ種々あるが、どれか一つにでも近づこうものなら縁を切ると母親に脅されて育ったわたしである。その極端な子育ての甲斐あって(?)株はもちろん、宝くじすら嫌いな大人に育ってしまった。。。
そんな性癖のため、2003年の本の雑誌1位という、折り紙つきの名作でありながら、今まで読まないままで来てしまった。大失敗だった。
この前奈良にシカを見に行った時に、『馬本』を読むならその道中しかないだろう!とやっと手をつけた次第。人に言うのを憚るくらいくだらない動機。。。
シービスケットをめぐる物語はとてもドラマティックで、その数あるエピソードの繰り出し方も抜群。
まったく興味のない分野のノンフィクションがここまですいすい読めたということがそれを物語っているのだろうと思う。
なんといってもシービスケットがかわいらしい。シャッターの音が大好きでカメラを向けられると、耳をピンと立ててポーズをとるのだ。全力を出し切るとたとえ負けてもうれしそうに跳ねる。
そして周りを固める男たちが、これでもかというくらい渋い。西部劇を地で行く男ぶり。なにをするにも命がけ。シービスケットのためならその男ぶりを惜しみなく発揮する。
そして中でも夢中になったエピソードは、馬主ハワードの妻マーセラが、ビスケットの復帰戦で「私がいると縁起が悪いから・・・」と一旦外に出るが、やはりたまらずに戻ることに。しかし、すでにレースは始まってしまい、仕方なくマーセラは給水車の上に駆け上がる。そしてトラックを見下ろし、ビスケットの戻ってきた勇姿を目にして涙を流す。
すばらしい!想像しただけで鼻血が出そうなシーンである。ドレスを翻して給水車に上る!大観衆から一人離れて、秘かな特等席でひとり涙を流す美女。
美しすぎる!かっこよ過ぎ!
もし小中学生の頃に読んでいたら「大きくなったら馬主の妻になる!」としばらくは騒ぐところだ。
そのほか当時の人気を二分したウォーアドミラルとのマッチレースのシーンも手に汗握ること請け合い。
競馬の本なんて・・・と敬遠していた女性の方にこそ読んでもらいたいと一冊だと思います。


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 1

ザ・ファミリー (ヴィレッジブックス)

著者 : マリオ プーヅォ

出版社:ソニーマガジンズ

発売日:2003-01

評価 :

完了日 : 2007年12月17日

15世紀、初めてスペイン系の家系からローマ法王となったロドリーゴ・ボルジア(アレッサンドロ6世)とその家族の繁栄から最期までを書いた一冊。
ローマ帝国のネロ時代を思わず思い出してしまうような、スキャンダラスで謀略に満ちたエピソードが全編に満載されているので、歴史小説というよりは、やや悪趣味な部分を刺激する眉唾もの小説と言えるかも。
ただ、メディチ家、フランス王シャルル、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、そうそうたるメンバーが顔をそろえたこの時代を法王目線から読む、というのがとても新鮮。法王目線というより、わたしはフランス側からばかり、ヨーロッパの歴史をとらえがちだったので、イタリアから見るとこんな感じか~といろいろ刺激が多かった。
一つの戦争にしても、負けた側、勝った側、勝手に領土をあっちの国、こっちの国とやりとりされているところの僭主、考えてみればそれぞれの立場があるわけで、それぞれに本が何冊も書けるほどの物語があるんだろうと思う。この時代も今度はスペインから見てみれば、またまたまったく違うわけだし、ポルトガルは新大陸発見でローマのいざこざになんて手が回ってなかったわけだし。
ひとつの時代にスポットを当てて、その時代のいろんな国の本を読んだらおもしろいかも。とは、思ってはみるものの、そんなしんどいことやれるわけがない。
第一、この本でもボルジア家の家族5人の名前を覚えるだけで精一杯で、あとはなんとなく「敵ね、味方ね、」程度の認識で読んでいた有様だ。
そんなカタカナ音痴が読んでもなぜかすごく面白かったのが、この本の一番すごいところだ。


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 3

本当の戦争の話をしよう (文春文庫)

著者 : ティム・オブライエン,村上 春樹,Tim O'Brien

出版社:文藝春秋

発売日:1998-02

評価 :

完了日 : 2007年11月08日

本当の戦争の話をしよう… いや正直、できることなら聞きたくない(/_;) 
この題名が嫌でオブライエンの本の中で唯一読まないまま長らく積んでいたのだけど、『私の男』を読んだ後では何も読む気になれなくて、とうとうこの本に手を出してみた。
『赤朽葉・・・』の読後もそうだったけど、桜庭一樹の本は、もっと読みたくて、でもほかの本はなにも読みたくなくて・・・というなんとも不思議な飢餓状態にわたしを陥らせる。謎だし、ほんと困る。
なぜか『私の男』のことをまた書いてるし・・・
この本ももちろん面白かった。オブライエンの本でわたしが面白くないわけがない。けど、ちょっと桜庭病が治ってから再読したい。。。


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 1

ハッピー・フライト (ヴィレッジブックス)

著者 : エリック ウォルド

出版社:ソニーマガジンズ

発売日:2004-03

評価 :

完了日 : 2007年11月07日

内容はおもしろいけど、いかんせん薄っぺらい。
ラブコメは薄っぺらいのがいいところ。という一面もあるのだけど、このノベライズものの薄っぺらささというのは、ほんとに救いがたくペラペラなのでいかがなものかと思う。
ラブコメやシングルトンものを読み込み過ぎて、最近、映画→ノベライズなのか、原作→映画化なのかが、あとがきを読まずともわかるようになってきた。。。
あまり役に立たない特技と思う。。。


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