たなぞう

WEB本の雑誌

ちっこいのさん > 読書ノート

ちっこいのさんの読書ノート

小説
いろいろ。
<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 5

ハミザベス (集英社文庫)

著者 : 栗田 有起

出版社:集英社

発売日:2005-07-20

評価 :

完了日 : 2008年10月27日

つまんなかった。
でも片鱗は見えたかも。
そういや誰かのデビュー作を読んだのは初めて。

「オテルモル」から逆走して読んだけど、4作目はいままでの3作とは違う世界にトライされるべし、と思う。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 22

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:講談社

発売日:2004-09-15

評価 :

完了日 : 2008年10月21日

圧倒的な力を持った本だと思う。
同時に読んでいた本がすっかり霞んでしまった。
書かれていることの重さが、まったく違ったから。

この本は「昔の傷」を思い出させる。もしくは、心に新しい傷を付ける。人によって内容は違うかもしれないけど、きっと何かが残る。

結局、主人公は2年近く、ぐるぐる考えていただけなのだ。それでも彼にとってはそれが命懸けだったところが滑稽で悲しい。その非力さがいとおしい。そんなことが19や20の頃には命懸けだった。でも本当に命懸けだったのだ。あの年頃の、生まれたての鹿の子みたいに危なっかしく、でも自分の脚で立とうとしている感じが本当によく書けていると思う。いろんなセックスが出てくるけど、どれを取っても物悲しいのも・・・。この本が多くの人に読み続けられているのは、それぞれの青春を思い出させるからだろう。

そしてこの本の最大のテーマは、「生きること・死ぬこと」、「絶望と希望」だと思う。”死は生の内に潜んでいる”という主人公の見つけた答え、ならば緑の中にも、外へ出た玲子さんの中にも直子が存在する・・?それは悲しいけれどたぶんYESだ。

でも、ささやかで、死の前では取るに足らぬような光であっても、主人公はその光を掴んだのだと私は思いたい。
だってそうやって生きていくのだ。
みんなそうやって生きていくのだ。


この感想へのコメント

1.ニティ (2008/11/08)
ちっこいのさん、はじめまして。「ノルウェイの森」本箱から出してきました。1987年2刷(裁断ミス本)。87年にきっと夢中になって読んだはずなのに、お話は覚えていない。再読してみます。最近は「ぐだぐだ18禁奇書」ばかり選んで読んでます。病んでるのかなぁ。ときどきのぞいてください。よろしく。
2.ちっこいの (2008/11/10)
遅くなりましたが、二ティさん、ご訪問ありがとうございます。
「ぐだぐだ18禁奇書」で精神の健康を保ってる私が言うのも何ですが(笑)、奇書には解毒の作用もあるし、いいんじゃないでしょうか。「ノルウェイの森」の方が案外病んでる気がしますし・・・。感想楽しみにしています。またちょこちょこお邪魔します。
 

みんなの感想を読む
 27

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:講談社

発売日:2004-09-15

評価 :

完了日 : 2008年10月21日

2日間で一気読みして風邪を長引かせた。
感想は下巻で。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 7

お縫い子テルミー

著者 : 栗田 有起

出版社:集英社

発売日:2004-02

評価 :

完了日 : 2008年10月05日

やっぱいいよぉ栗田有起。この人の名前がいい。
有って起つ。
出てくる人物もみんなそんな風に生きている。

「お縫い子テルミー」は16歳。
でも28の私より100倍はしっかりしている。
最初この話はなんか嫌だった。南の島で時に夜這いされながら居候して働いてるっていうのが嫌だった。それを受け入れているテルミーも、居心地の悪い主人公だった。

でもテルミーが東京に出て、シナイちゃん(妙な名前だ)に恋をして、その歌にげろを吐くほど魂を揺さぶられるあたりからテルミーをどんどん好きになる。
これから読もうとされる方は飛ばしていただきたいのだけど、

最後、恋がかなわなくて自分の服を縫って、というのはテルミーの自立を印象的に描いていていいなあ(特にファミレスのシーン)と思ったけど、唸ったのは、枕。ああ凄いなあ、こんな風に書けちゃうんだなあ、と思った。

「ABARE・DAICO」もとても良かった。
10代の少年を描いたものとして、最近読んだ「猛スピードで母は」と比較した部分があるのだけど、「猛…」の方が現実の辛さを覇気なくも受け入れる今時の都会の少年(実際は地方都市が舞台なのだけど、彼は外で遊ばない)とすれば、「ABARE…」の彼はちょっと田舎の町の、現実を受け入れてはいるけど、世界と自分の可能性をいつも探しているちゃんと子どもらしい子どもだと思う。
これまたこう子どもを書けるのがすごいや。
子どものとき、すごく自信が無かったり、何か発見して無敵な気分になったりした。それがそのまま紙の上で活き活きと踊っていた。

「オテルモル」よりこちらがおすすめ。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

軽い手荷物の旅 (トーベ・ヤンソン・コレクション)

著者 : トーベ ヤンソン,Tove Jansson,冨原 眞弓

出版社:筑摩書房

発売日:1995-10

評価 :

完了日 : 2008年09月26日

ムーミンで知られるヤンソン、実は小説も多く残している。
90年半ばに「トーベ・ヤンソンコレクション」全8巻として、美しい装丁(祖父江慎の手による)出版され、これはその第一作。

意外なのだけど、ウ~ンウ~ンと苦労して読み終えた。決してつまらなかった訳ではない。
ただ、ムーミンシリーズの楽しさや、この本のタイトルから軽やかな雰囲気をイメージすると裏切られることになる。

この本は、トーベの考える<旅>の途上にある人たちを描いた12の物語だけど、旅らしい旅をする人はあんまり居ない。
本の紹介によると「根付かない」=旅、とトーベは定義していたようで、状況の変化、心の揺れ、時の流れなんかが旅として書かれているようです(実際よく分からない)。

内容はちょっとサイコチックな怖い!のから、癖の強いおとぎ話みたいなのがいろいろという感じでした。以下のシリーズはたぶん読まない。疲れたから。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 14

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)

著者 : 江國 香織

出版社:集英社

発売日:2005-02

評価 :

完了日 : 2008年09月17日

誰も幸せにならないけど、不幸な自分を愛してる感じがした。私の人生なんて、男なんて、所詮こんなものよ、という諦め。みんなそれをどうにかしようとする気はない。そこから何かが生まれることはない。過ぎてゆく季節や風景が鮮やかに瞼に映るだけ。この本そのもの。
でもこの本が必要なときが生きていたらたまにある。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 5

あ・うん (文春文庫)

著者 : 向田 邦子

出版社:文藝春秋

発売日:2003-08

評価 :

完了日 : 2008年09月11日

いいよいいよぉ、このダメダメ・ドロドロ感。なんか王道だね~

初めて見た向田邦子の作品は、NHKのドラマ「胡桃の家」だった。当時中学生の私はその内容を嫌悪した。だってお母さんが家出したお父さんとわざわざ外で密会してホテル行ってんだもん。そういうのってそこら辺のポルノなんかより数段いやらしいと思った。

そして時は流れ人妻になり、なんとなく今の自分にはフィットする気がして「あ・うん」を読んだ。それで冒頭の感想になる。

たぶんこれはとても日本的な話なんだと思う。口に出さない、でも伝わる、でも気付かないふり・・・このいじいじした感じがたまらなく心地いい。人のせいにしつつしたたかに、自虐的に清く生きてく感じ。このいやらしい感じがたまらなく楽しい。
これってなんか「ある」よなぁ、と思った。
分かってて書いてる向田邦子はすごい才能の人であろう。

私もちったあ大人になったってことなのか。
こんな風に一度はモテてみたいものだ!


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 24

人のセックスを笑うな (河出文庫)

著者 : 山崎 ナオコーラ

出版社:河出書房新社

発売日:2006-10-05

評価 :

完了日 : 2008年09月11日

結局”彼女”は何を求めていたのかな。
そこのところをもっと突きつめたらもっと良くなったと思う。
でも★二つ・・・この世界は私からは遠いから。
ただ、若手でここまで書けるってやっぱりすごいと思う。これからが楽しみな作家じゃないでしょうか。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

象 (村上春樹翻訳ライブラリー c- 8)

著者 : レイモンド・カーヴァー

出版社:中央公論新社

発売日:2008-01

評価 :

完了日 : 2008年09月11日

カーヴァー最後の短編集。
うーん、暗い・・・
たぶん体調悪かったんだろうなぁ。
辞世の作は、チェーホフの死を描いた「使い走り」。この作はカーヴァーの新しいスタイルを予感させるだけにとても惜しい。

村上さんがカーヴァーの家を訪ね、彼の死を受け入れるエピソードが心に残る。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 26

東京奇譚集 (新潮文庫 む 5-26)

著者 : 村上 春樹

出版社:新潮社

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2008年08月31日

そもそもマイ村上春樹ブームは、先にハマった母から借りたこの本から始まった。

ふーん、おもしろいなあ。奇妙な世界だなあ。
今まで読んだ他の人の奇妙な話は、奇妙さ自体がウリで、なんかふらふらしてるものが多かった。でもここには言いたいことがきちんとあって、足場がしっかりしていて、安心して読めた。

母は「品川猿」が好きなんだって。自分の姿と重ねたのかもしれない。
私は一番最初の話が気に入りました。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 5

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:中央公論社

発売日:1997-04

評価 :

完了日 : 2008年08月30日

不条理な話が多い。
が、私も読書力がついたもんだ。楽しく読みました。
中でも「午後の最後の芝生」がすごくいい。
真夏のギラギラした太陽の下、まっ青な芝生を刈る健康的なイメージと、いまそこにいない「彼女」の匂いが立ち上る部屋のクローゼットの闇。鮮やかな明と暗。

お酒ばかり飲んでいる頑丈な婦人、この人にはアメリカ南部の(テキサスとか)乾いた地方で、あるじの留守に家を守ってた昔の主婦ってこんな感じかな、という印象を持った。とてもタフだけど、同時にものすごく孤独でもあるんだろうな。

新聞で小川洋子さんもこの話がとても好き、と書いていて、でしょでしょー、とちょっと得意になった。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 11

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

著者 : 村上 春樹

出版社:新潮社

発売日:1987-09

評価 :

完了日 : 2008年08月30日

最近再読した。というか村上春樹を続けて何冊か読んでいる。
下の段落の文は去年書いたもので、このときは村上さんのことよく分かってなかったと思う。

今回読んで「蛍」の素晴らしさに初めて気づいた。ばーっと情景が浮かんできて、久しぶりに絵を描いた。心を揺さぶるセンチメンタルな力がこの話にはありました。

以下、分かってない感想。
「納屋を焼く」が怖かった。でもうまいです。
ご本人による解説が読みたいところ。
村上さんが「これは笑える話だよ」と言ったらどうしよう。
そんなことを考えると尚更怖いです。


この感想へのコメント

1.mackinchan (2008/09/16)
 多田道太郎に『変身 放火論』というのがあります。
 日本には金閣寺をはじめ、放火する文学がやたら多い、ということです。
 都合のいい納屋があったら、僕も放火したいと思います。
 では。
2.ちっこいの (2008/09/16)
mackinchanさん、ご訪問ありがとうございます。
危険なコメントにニヤリといたしました。
納屋を燃やしたら教えてください。
それにしてもおもしろい本をご存知ですね。さすがです。
 

みんなの感想を読む
 25

幸福な食卓 (講談社文庫 (せ13-1))

著者 : 瀬尾 まいこ

出版社:講談社

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2008年08月29日

いいんだけど、巧いんだけど、奥行きがない。展開はちょっと昼ドラな感じもする。
でも泣けた。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 6

オテルモル (集英社文庫 く 21-3)

著者 : 栗田 有起

出版社:集英社

発売日:2008-06

評価 :

完了日 : 2008年08月29日

この小説は、出てくるホテルのように薄暗い。
主人公も家族も幸福とは言えない。
でも、この「オテル」の暗闇が決して不快なものではないように、この小説の暗さも心地よいものだ。
「オテル」の雰囲気が何かに似ているなと思ったら、母の胎内ってこんな感じじゃないかなと気づいた。みんなここで眠って、世界に出て行くのだ。主人公もそうなんだろう。
栗田有起、いいかもしれない。
ちなみにラストはちょっと物足りなかったです。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

血族 (文春文庫 や 3-4)

著者 : 山口 瞳

出版社:文藝春秋

発売日:1982-02

評価 :

完了日 : 2008年08月26日

この本は怖ろしい。そして面白い。
一頁目からぐいぐいと連れて行かれた。
懐かしくて、秘密のにおいのする闇の世界へ。

山口瞳が、自らの出生の秘密を調べあげて描いた本である。
また、彼が愛して止まなかった、恐ろしく魅力的な母の人生を描いた本でもある。
どろどろした情念が、この本には渦巻いている。山口の肉親への愛憎や、真実を知ることに対する渇望と怯えがこの本に凄味を与えているのだと思う。

願わくば、後半の資料の引用がもっとスマートだったら良かったのに。(旧カナで、読んでいて辛い。長いし。)前半の、お母さんの描き方が素晴らしかったで尚のこと残念。前半のトーンのまま終わったなら星五つだった。(この辺りは解説に詳しい。)

ともあれ、ミステリーと、伝記の趣のある良書です。秋の夜長にはぴったりかも。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

遠い朝の本たち (ちくま文庫)

著者 : 須賀 敦子

出版社:筑摩書房

発売日:2001-03

評価 :

完了日 : 2008年03月19日

母に薦められて。
私にはしっくり来なかったのはなぜだろう。須賀さんがすすめる本が、私には馴染みのないものだったから・・・?それとも、須賀さんの良さを出し切れていないと感じたからか。病身をおして書かれた最後の本だそうなので、元気がないのは仕方ないのかもしれない。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1950-12

評価 :

完了日 : 2008年03月19日

晩年の彼は、エゴと罪悪感でキリキリしている。加えてかなりの鬱状態。調子悪いときに読んだら、発想がかぶってたので微妙な気持ちになる。
その極限から物凄い作品が生まれたというのがつらい。どれもうまい。オチも凄い。
アラーキー風に言うと
「壮絶ナリ。」


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 22

神様のボート

著者 : 江國 香織

出版社:新潮社

発売日:2002-06

評価 :

完了日 : 2008年02月02日

愛の不毛を描く、最近の江国作品は苦手。
子どものように無邪気で鋭い、初期の本が好きだった。
そのちょうど変わりめの本がこれじゃないかと思います。

奔放で危ういおかーさんと、おかーさんの母親のような娘。娘の小さなころは、おかーさんとの不思議な生活がキラキラしてる。
でも娘が成長してゆくにつれ、輝いていた日々は急速にくすんで、かすんでゆく。
そしておかーさんだけ夢の世界に取り残されて、どろどろした恋愛にいよいよ足をつっこんでいく。

まるで江国さんの作風の変化を物語にしたみたいなので、
江国香織、子供時代の終わり。
と、勝手に命名しています。



この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

ヴィオルヌの犯罪 (河出文庫)

著者 : マルグリット デュラス

出版社:河出書房新社

発売日:1996-01

評価 :

完了日 : 2008年01月22日

バラバラ殺人を題材に、デュラスが本を書いたらこうなる。
なんだかよく分からない話なのだが、分からないところがまた怖い。で、怖いのに何かちょっと気持ちいい・・・
何かに似てるな・・・そう、
「ファーゴ」という映画に雰囲気が似ています。
悲惨で滑稽な人間と、日常に転がっている狂気。

ちなみにすっきりと解決はしません。(私が分からなかっただけだったりして・・・)
見えそうで見えない真実と、何だか落ち着かない不条理さを楽しむのにおすすめ?


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

夏の雨

著者 : マルグリット デュラス

出版社:河出書房新社

発売日:1990-12

評価 :

完了日 : 2008年01月22日

激しくて美しい狂気の物語。
この危うさは、デュラス唯一無二のもの。
デュラスは葛藤のすえ信仰を捨てた。でもたぶん、人一倍神を求めていたと思う。
だからこれはデュラスから神様への果し状みたいなもんだろう。
わたしはここで待っている、あなたはいつ現れるの?
というような。


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.