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ちっこいのさんの読書ノート

ノンフィクション
そこにフィクションが混じっているとしても…
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 3

真剣師小池重明 (幻冬舎アウトロー文庫)

著者 : 団 鬼六

出版社:幻冬舎

発売日:1997-04

評価 :

完了日 : 2008年09月19日

天才的な将棋指しでありながら、肝心なところでいつも脇道にそれて行ってしまい、破滅したダメ男の話。
著者の団鬼六をはじめ、周囲のあらゆる人に迷惑を掛けまくったにもかかわらず、今なお彼が偲ばれるのは、皆がその激しい生き方に惹かれる部分があるからだと思う。
特に男性は彼のアウトローっぷりにぐっと来るのかもしれませんね。うちの旦那の本棚にあったのも、決して将棋が好きで、という理由だけではない気がする・・・

淡々と描きつつ凄味のある筆致に、団先生の執念がこもっている。ぐいぐい読ませるけど後はぐったりです。


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 3

先生とわたし

著者 : 四方田 犬彦

出版社:新潮社

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2008年09月16日

なかなか骨の折れる読書だった。
というのは、四方田犬彦とその「先生」由良君美の出会いから、断絶、そして由良の死を知った四方田の心が再び師に向かうその過程に平行して、彼らが親しんだ哲学や文学や美術の大家の思想、作品がバンバン出てくるのだが、
悲しいかな、私はそのほとんどを知らない。
ので、四方田がそれらを由良の血肉として例示して、そこから立ち昇らせようとしている由良の姿が見えないのである。

なかでも由良が四方田と断絶するにいたる心の動きを私は一番読みたかったのだが、四方田が師に対して距離を置いていたこともあって、短い推測が与えられているのみだ。由良に対する葛藤が、四方田にブレーキをかけている部分もあるのかもしれない。

でも四方田はその葛藤と向き合って、はじめて人間・由良君美の姿を見つけた。その素晴らしさも、ダメなところも、由良に近い年齢になった四方田は対等な立場から、慈しんで描いている。そして由良を越えていったのだと思う。

由良の遺族から事実誤認と指摘された部分もあるそうだが、例えば「下山事件」などの不幸な本とは違って、素直に思い入れがありすぎたんだろうなあと納得がいく。

しかし、まあ、なんとか読んだものの「私って馬鹿なんやなあ」というしみじみ思った。分からないことは悲しい。東大だからってなんぼのもんよ、と思っていたけど、東大すごいすよ。やっぱり。
個人名を出させていただくと、この方面に博学そうな薔薇★魑魅魍魎さんあたりに読んでいただいて感想をお聞きしたいものです。でも薔薇さんが四方田を嫌いだったらその時点でアウトだな~…


この感想へのコメント

1.薔薇★魑魅魍魎 (2008/10/05)
おおきに、ビックリ仰天・まさかのご指名に預かり見参!でも悲しいかなそれほどは興味を持っていただいていないことがわかって(涙!)実は昨年4/14付で初出誌の「新潮」3月号に対して書いています(単行本になる2ヶ月前)。今では別の異なった感想も湧き出してきていますが、いづれまた。ともかく映画・文学他すべてにおいて私の犬彦好きをご存知ないなんて信じられない!
2.ちっこいの (2008/10/07)
あああ・・・すみません・・・ご指名しておきながら大変失礼なことになりました(涙)言い訳はすまい、切腹!
とりあえずお詫びに伺います。
 

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 14

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

著者 : 米原 万里

出版社:角川書店

発売日:2004-06

評価 :

完了日 : 2008年09月11日

どんなに好きな友達であっても、国や歴史が絡めばそれ抜きでは付き合えないということもあるのだと知った。日本にいたら考えられないことだ。それが幸か不幸か私には分からない。

あまり心に響かなかったのは私の感受性が閉じてるんだろうか。須賀敦子に似ていてやわらかな語り口は良かったけれど。
最初のリッツァの話だけは希望が持てたので、これが最後に配されていたら読後感は違ったかもしれない。アーニャの真実を私は知りたくなかったな。


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 6

下山事件(シモヤマ・ケース) (新潮文庫)

著者 : 森 達也

出版社:新潮社

発売日:2006-10

評価 :

完了日 : 2008年09月11日

単に真実を知りたくて読んだのだが、その点では満足した。
ただ、結局著者すら信じちゃいけないのかなぁという終わり方に脱力。ふと数年前の映画のキャッチフレーズを思い出した。
「すべてを疑え!」
まあそういうところも含めてこの事件らしいといえばそうなのかもしれない。


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1.みやつこ (2008/09/16)
お邪魔します。
「A」や「世界はもっと豊かだし~」とか「いのちの食べ方」、森作品は映像作品も書籍も結構読んでたんですが、この本とこの本の周辺の事情から森さんの本は批判的に読むことにしました。捏造の件もアレですが、この本の中で「既に私はこの事件に興味を失った」的な記述があって、思わず「オイ!お前!」と突っ込んだ覚えがあります。
2.ちっこいの (2008/09/16)
さっそくのご訪問ありがとうございます。
私は森さんの本はこれが初めてだったのですが、初めてにして不幸な出会いというか、他の著作を読んでみようとは思えなくなりました。みやつこさんのおっしゃるように、著者が興味を失っちゃったらそこまで読んできた読者はずっこけますよね(笑)正直と言えば正直なのかもしれませんが…
 

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 38

ホームレス中学生

著者 : 麒麟・田村裕

出版社:ワニブックス

発売日:2007-08-31

評価 :

完了日 : 2008年01月22日

昔、山田太一がなにかに寄せた文で、
「苦労は将来ネタになる」
というようなことを書いていた。だから、若者のみなさん、苦労することを怖れないで、と。
それを思い出した。

お姉ちゃんが「味の向こう側」に行くシーンが好きです。

ご飯粗末にしてる自分を戒めたいときに。


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 1

パワー・オブ・ドリーム (角川文庫)

著者 : 前田 日明

出版社:角川書店

発売日:1988-12

評価 :

完了日 : 2007年11月12日

「HERO’S」でノゲイラに勝った所英男が、喜びのあまりリングを飛び降り、その足元にひざまずいた男、前田日明。
彼の挌闘家人生がずっしりと詰まった本である。かなりボリュームたっぷりだが、読みやすいので4時間で前田の半生を堪能できる。

空手に明け暮れる中、図らずも新日本プロレスに入団。そこで「プロレスの神様」ゴッチと出会い、ゴッチの説く、本当の「プロフェッショナル・レスリング」をする、という夢を追いはじめる。数々のベストバウトはもちろん、新日(猪木)のダーティーサイドの話、UWF旗揚げから崩壊までのいきさつ、そしてまた新日と袂を分かつまでが克明に描かれている。

多くの人々との出会いと別れを繰り返しながら、前田は夢を追いかける。どちらかというと悲運の人である。無冠である。でも彼が夢を見続けられるのは、やっぱり格闘技を愛しているからなんだろう。そしてその「格闘技バカ」っぷりが、格闘技の神様からも愛されているんだろう。

我が家の平成4年発行・第8版の表紙は、ボロボロになるまで読み込まれて、セロテープで何回も補修してある。格闘技に魅せられたバカがここにもまた一人居るわけだ(ちなみに私ではない)。


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 2

ぼけてもいいよ―「第2宅老所よりあい」から

著者 : 村瀬 孝生

出版社:西日本新聞社

発売日:2006-09

評価 :

完了日 : 2007年11月11日

我が祖母の認知症は、発症して10年、ゆるやかに進行している。ここ数ヶ月は進行の速度が速い。
2ヶ月ぶりに会ったら、私のことを忘れてしまっていた。

「ぼけてもいいよ」
そう思ってこられたのは、まだばあちゃんがばあちゃんたり得たからだろう。でも、ばあちゃんの中でばあちゃん自身が、さらに私が消えかかっている今、もう「ぼけてもいいよ」とは言えなくなってしまう。
「ぼけないで、私を忘れないで」と、願ってしまう。

「宅老所よりあい」の日々は温かい。
その人を、丸ごと受け止める。それは他人だから出来ることなのだと思う。
見習わねば、と思う。難しい。でも、家族だから出来ることだってたぶんあるはずなのだ。

帰り際、祖母はスイッチが入ったみたいに私のことを思い出した。気をつけて帰りよ、と言う。
アルツハイマー病を扱った映画に出てきた「スロー・グッバイ」という言葉を思い出す。今のこの状況をあらわす言葉なのだろう。
もう少し、時間が欲しい。


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4.ちっこいの (2007/11/16)
○○って・・・何~?放送禁止用語ですか?さすがに千里眼ではないですからね、見つけられないものもありますって!えー、ちなみに私は躁鬱じゃなくて鬱だけなので、躁ではないと思います。が、元気な時は天然躁との説もあり。さて、よく分かんないけど私の○○でゆっくり寝てください(笑)
5.船橋胡同 (2007/11/21)
お久!この本は魔物だ。各種機械・設備がボケてきた!
電話機、ラジカセが壊れた。サイン会は準備不足でボケ。
エアコン、パラボナの買増しは、電源容量や配線の再検討!パソコンは、年賀状・住所録などの再設定と登録など
膨大なボケ対策が必要と判明した。
また、更なる貧乏にならないため、娘達夫婦に迷惑かけぬ為
生命保険、損害保険など見直し、加入手続きした。
これからは、ボケていられない!死んだ両親を忘れている!

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 1

マイ・グランパパ、ピカソ

著者 : マリーナ・ピカソ,五十嵐 卓,藤原 えりみ

出版社:小学館

発売日:2004-09-23

評価 :

完了日 : 2007年09月27日

おじいちゃんとの心温まる思い出、ではなさそう。
まだ冒頭ですが、すでに死人が出ています。
表紙もきれいですが、よく見ると下の方でピカソが凄い目でこっちを見ています。
なんか怖い。怖い本です。
・・・・・・・
挫折。しんどい話です。
ピカソは、その有り余る才能と暴君ぶりで、自分の家族を食いものにしました。
「ピカソの家族であること」がすべてで、自分自身のアイデンティティを持てなかった、ピカソの家族。
ピカソは彼らに愛情を注がず、ある者は家を出、ある者は病み、またある者は自ら死を選びました。ひとりの天才のために、たくさんの人間がその人生を狂わされた・・・信じられないような事実。
後半は、自身も精神を病んだマリーネが立ち直っていく過程なのですが、そこまで到達できず。
またいつか、気が向いたら。


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 4

残花亭日暦 (角川文庫)

著者 : 田辺 聖子

出版社:角川書店

発売日:2006-07

評価 :

完了日 : 2007年09月10日

愛する夫・カモカのおっちゃんとの「スロー・グッバイ」。
だんだんと死に近づくおっちゃんを、忙しい日々の中でゆっくりと看取っていく様子が描かれます。
「遠き人になりゆくのかい、キミは。」
愛情と悲しみ、そして運命を受け容れた上での諦めが、ふと漏れる言葉に表れて胸を打ちます。
でも、よく生きた人の最期に共通する清々しさが感じられて、じんわりと心が暖かくなりました。和やかなお葬式だったようで、おっちゃんの人柄が偲ばれます。
ただ、田辺さんの政治的な記述にはびっくり。そこには頷けず。


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 2

たまもの

著者 : 神蔵 美子

出版社:筑摩書房

発売日:2002-04

評価 :

完了日 : 2007年05月30日

読み終わって、ぐったり疲れて体調が悪くなった。
自分の経験とシンクロしてしまって苦しかった。
それくらい見るものの心に、ぐいぐい迫りくる写真集。
写真家と、その別れた夫と今の夫。3人の数年間に渡る
壮絶な葛藤の記録。
それでも痛みを引き受けて、この本を世に問うたことに
写真家としての決意を感じる。


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 1

無敵のハンディキャップ―障害者が「プロレスラー」になった日 (文春文庫)

著者 : 北島 行徳

出版社:文藝春秋

発売日:1999-06

評価 :

完了日 : 2007年04月06日

障害があろうとみんな平等だ…そんな風に教わって育った。でも現実はどうなのか。
著者の北島氏は「障害者と健常者の置かれている立場が明らかに違う以上、わかるというのは欺瞞だ」と看破する。
「違うという悲しみを、痛みを、(中略)共有したいと思うのだ」
共有すること、それはどこまでも相手と対等で居なければできない。そして、人と対等でいる、ということは本当に難しい。
障害者だから大事にするのではなくて、その人がその人であることを大事にするということ。
酒癖・女癖の悪い、金に汚い障害者だっているというただ当たり前のこと。
そして、男女問わずプロレス(というよりむしろ格闘技に近い)を通して、人生にもガチンコで挑んでいく姿は本当にカッコいい。
悲喜こもごものエピソードに、強く背中を押される本だ。



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 1

ひどい感じ―父・井上光晴 (講談社文庫)

著者 : 井上 荒野

出版社:講談社

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2005年08月27日

井上光晴は、ひどい男だったらしい。
娘に「あれの」という、美しいが壮絶な名前をつけた時点で
明らかだ。モテモテの父に、家族は振り回される。
でも、その父の死を一番悲しんでいるのも、やはり家族。
愛する者を失った悲しみが、淡々と伝わってくる。
それにしても、素晴らしいタイトル。


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