名探偵の呪縛 (講談社文庫)
著者 : 東野 圭吾
出版社:講談社
発売日:1996-10
評価 :
完了日 : 2007年10月03日
多分10年以上前の作品。
本格推理小説を謎解き主体の骨董品と考える作家が図書館の迷路に入り込み不思議な世界に入る。
そこは昭和初期と思われ、そこでは探偵の天下一となっていた。
作者の遊び心とでも言おうかそんな雰囲気を感じる。
次々と起こる殺人事件自体は名探偵でなくてもそこそこ謎解きは出来るのだが、最後のオチがある。
作家はこの世界がもう自分には会わないと知っている。リアリティ、現代感覚、社会性、これからの推理小説はこれがないと生き残っていけないと思っている。でも、心の遊び場としてずっと残して生きたい世界、いつかもう一度書きたい世界。
読者にしてみても同じことなのではないだろうか。
不思議なつくりの屋敷や、複雑な因縁、密室トリックや謎解きの世界は今現代の話の中では到底無理がある。名探偵コナンくらいしか成立しないかもしれない。でもそんな世界の話は虚構として楽しめる世界。「白夜行」に代表されるよう近年の作者の作品は面白いがただ単純に遊び場ではない。それはそれで秀作だと思っているが、誰もがホームズやポアロの世界も同じ様に好きなことも事実なのだ。
そんな思いが感じられる。
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