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パートママさんの読書ノート

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過去に読んだ本で印象に残った本、感動した本、記録として残したい本
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みどりのゆび (岩波少年文庫)

著者 : モーリス ドリュオン

出版社:岩波書店

発売日:2002-10

評価 :

完了日 : 2008年06月23日

ピカピカの宮殿のような大きなお屋敷にスマートでピカピカの美しいお父さんと宝石でピカピカの綺麗なお母さんを持つ美しい子供チト。8歳で始めて学校に行きましたが、学校からは「他の子供と同じではありません」と返されてしまいます。決断力のあるお父さんは「人生が学校だ」とチトを実際に物事を観察して覚えることにします。庭師のムスターシュさんによってチトは素晴らしい才能があることがわかります。チトは規律や貧乏や病気を学びます。そしてムスターシュさんの助言を得て次々と奇跡を起こしていきます。
この本は小さい頃読みとても大好きな本でした。自分が母親となって子供たちのための本を探していたときこの本を見つけて子供たちにもと思い買ったのに、一番気に入っているのはやはりわたしのようです。
本の中にはいろいろ植物の名前が出てきます。チトが一番最初に咲かせたベゴニア、アサガオ、ツルニチニチソウ、オランダ水仙、スイカズラ、ホウセンカ、などなど。子供の頃はそれがどんな花かもわからなかってけれど今ならだいたいの花はわかるようになりました。
チトが起こした奇跡でだんだんと人々が幸せになります。そんなチトの相談役のムスターシュさん、秘密の聞き役の子馬のジムナスティック。
この本の中では「規律」が何なのか、「戦争」が何なのか、「死」が何なのか、チトは学びます。チトと一緒にわたしも学んだように思います。最後は少し悲しい結末なのですが、あまりに美しい少年チトの秘密がやっとわかったように思います。
ジャクリーヌ・デュエームという人が書いている挿絵もとてもステキです。大切な大切なとてもステキなお話です。


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白夜行 (集英社文庫)

著者 : 東野 圭吾

出版社:集英社

発売日:2002-05

評価 :

完了日 : 2007年10月09日

この小説の一番いいと思うところは犯人である亮司と雪穂が話し合うシーンがないところだと思う。
二人の周りで起きる事件に深く関与しているだろうことは想像できるのだが、当事者である二人がどうして、そしてどんな風に犯行を決意しどんな心境で実行したかがない。周囲の人間や刑事たちによって確実に二人が共犯であるだろうことは察せられる。その経緯にしたって想像でしかない。そうやって読者自身が二人の関係を推察するところがいい。
私には二人は最初自分たちを守るために犯罪を犯したように思える。小さな幸せを手に入れたときおもったほど居心地のいいものではないと気づく。今度はもうちょっと大きな幸せが欲しくなる。
表に出て輝いて見える雪穂が亮司に強いたのか、いや、亮司が雪穂に望んだのではないか。亮司はあるときから自分は影でいようと決める。影として雪穂が輝かせることに執着したのではないか。それは最初の犯罪により深く傷ついたのが亮司だったから。
そんなふうに読者がどんどん想像できるところが一番いいと思う。


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 1

流れる

著者 : 幸田 文

出版社:新潮社

発売日:1993-06

評価 :

完了日 : 2007年10月09日

幸田文は「おとうと」から順番に読んでいったが、この作品が一番好きだ。
どの小説も独特の文章のリズム感がいい。
 たぶん3回目くらいに読むのだが何回読んでも良いと思う。読むたびに発見するものがあるのだ。
 2回目は古い映画を見た後。梨花は田中絹代、染香が杉村春子、ななこは岡田真理子(こんな字だっけ?)、勝代はえーとほらあの日と灯台守の映画に出てた人、24の瞳の人。主人が誰だったか忘れちゃったけど。佐伯は中谷何とかって人だった。30代のときだったかな。そのときは、「なんどり」が朝起きる場面にやられたのだ。

 〝横になったまま細い手を出して赤い友禅の掛蒲団を一枚一枚はねておいて、片手を力にすっと半身を起すと同時に膝が縮んできて、それなり横坐りに起きかえる。蒲団からからだを引きぬくように、あとの蒲団に寝皺も残らないししっとりとした起きあがりかたをする。藤紫に白くしだれ桜と青く柳とを置いた長襦袢に銀ねずの襟がかかって、ふところが少し崩れ、青竹に白の一本独鈷の伊達じめをゆるく巻いている。紅い色はどこにもないのに花やかである。若くつくっていてももう老婆というはずのひとの夜を考えさせられるのである。なんと云ってもひとといっしょにいる夜、いたい夜ではなかろうと思うが、それはしろうとの推察である。この紅より色の深い紫の襦袢を着なした本体というものには、およそ燃えるだけのものはすでに尽きていると見るのである。過去の燃えた記憶しかあるまいけれど、いまもこうした風情のある寝起きなのである。・・・(略)・・・高速度写真のようにスロー・モーションでなよやかに起き上がって、少しも急いた気持ちなどなく手鏡に髪をそろえる。”
 
 梨花は自分の「ざっぱくない起きかた」を思い「ふたりの床からしなやかにからだを引き抜」いた日を遠く思う。赤いものがもう何回あるかという年になってそれよりもずっと年いった女の過去の情事を垣間見たような気持ち。
 やられた、これなんだな。梨花の気持ちが30すぎてなんとなくわかったのだ。高校生ではわからなかった情景が見えたって云うか。

“・・・現在のことはたしかに主人のうちのしみじみとする年の瀬である。自分の世帯のうえならしみじみなどという余裕はなかった、ただ迫られることの恐ろしさでがじがじするのである。”

 「しみじみ」のなんという心もとなさ。「がじがじ」のなんと言う歯軋りのような切なさ。

 


この感想へのコメント

1.tsutom (2008/05/02)
50年くらいむかしのこと。この作品が東京大学の入試に出題された。こんなことだれも知らないだろうな。
2.パートママ (2008/05/02)
はい、知りませんでした。この作品のよさは受験生に伝わったのでしょうか。中年になった女が頼るものなく生きていく、その心情は梨花の年になってやっとわかったように思います。
 

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 1

風の谷のナウシカ全7巻セット ―アニメージュコミックスワイド判

著者 : 宮崎 駿

出版社:徳間書店

発売日:2002-08-25

評価 :

完了日 : 2007年10月06日

昨日だったろうか、他の方の感想を読んでいるうちにどんどん思い出してきた。
映画は序章に過ぎなかったことを。
アニメージュに連載されていたナウシカは映画のように美しい絵ではない。だがその内容は訴えるものがある。
クシャナ殿下とナウシカ、対立していた二人は実は違う方法だが同じものを求めているのではないか。風の谷のみんなに愛され慕われるナウシカと実の親兄弟から権力争いの対象とされるクシャナ。
腐海や王蟲が世界を浄化させるための存在と思っていたらその世界自体に秘密があった。
ナウシカの真実を求める旅、その果てに待つもの、ああなのに本がない。
こんなとき図書館利用者は辛い。いつか愛憎版として手元におきたいと思う。


この感想へのコメント

1.Tetchy (2007/10/16)
パートママさん、初めまして(?)
Tetchyと申します。
ナウシカはやはり原作を読んでもらいたいですね。宮崎氏が何を伝えたかったのかが深く判りますし。
ところでパートママさんは本プロ出身だそうですが、実は私もです。思わずコメント書いてしまいました。
また来ますね。
2.パートママ (2007/10/18)
やはりそうですか。あちらがあんなことになりここに引っ越してきました。サスペンス物どんどんアップしてください。また楽しみにしています。
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