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パートママさんの読書ノート

忘れん坊の読書録
本プロと言うサイトに記録していた本
読書感想文を書く楽しさと、そこでいろんな方の感想を知ることが出来た本
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 9

魔女の笑窪

著者 : 大沢 在昌

出版社:文藝春秋

発売日:2006-01-13

評価 :

完了日 : 2007年11月12日

最近「新宿鮫」シリーズでこの作家の名前をよく見かけるので読んでみたが、ウンまあまあかな。
ちょっと疑問なんだけど、この主人公の女の人はいったいいくつなのだろう。36くらいかと思っていたが、島に売られたのが14でそこで何千人も相手にするのに何年かかかってそれから20年ぐらい立ってて、いったいいくつなんだろう。
大体島にしてもそんな交通の不便なところが大勢の女たちが何千という客の相手をしなきゃいけないくらいの集客力があるのか、昔の吉原かと思うようなところがそんなに一気に経営者までの人材不足になるのか。
ちょっと無理の多い話だった気がする。
06・11・10


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 1

血と骨〈下〉 (幻冬舎文庫)

著者 : 梁 石日

出版社:幻冬舎

発売日:2001-04

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

圧倒的な暴力、暴力、暴力。だがのめり込んで読んでしまう得体の知れないものがある。果てない暴力と欲望、だがそれは世界を変えるようなものではない。ただ己の力で家族や周囲に圧倒的な立場を守ろうとするもの。そんな男に力で抑えつけられながらも離れることもままならない家族。
昭和初期、どれほど多くの朝鮮の人たちが日本に働きに来たのだろう。日本全国に最底辺の労働をするためにどれほどの人たちがいたのだろう。そして結婚し子供が生まれあるものは帰国しあるものは帰化し、そしてその子たちにも子が生まれ・・・
上巻で金俊平は金と女への欲望のまま暴力を振るう。恐ろしいと思う。その金も博打や酒のためのもので、極道よりも極道な生き方。物語は金俊平中心からその妻英姫へと移る。美人で働き者で商才もあり手堅く生きていたのに金俊平に無理やり妻にされてからその暴力に脅えながらそれでも4人の子供を生み、戦中と戦後を働きづめに働き子供を育て夫に食い物にされながらも生き抜く。朝鮮のオモニは強い。その時代の女の人だからだろうか。
下巻に入り金俊平の子供たちが父の暴力に脅えながらそして抵抗しながら成長する。金俊平も蒲鉾工場を立ち上げ金を手に入れるが、それを家族のために使おうともせずただ吝嗇に溜め込み執着する。そして次々と妾を作るが、性の対象としか考えずあるものは出奔しあるものは脳腫瘍で介護が必要となり最後の女は新しい子供たちを生むが老いた金俊平からその金を奪っていく。壮絶な生き方が老いて暴力で支配することが出来なくなったとき手痛いしっぺ返しを金俊平に与える。
以前玄月という人の芥川賞をとった小説を読んだが、こちらのほうがはるかに力強く在日朝鮮人社会のつながりの深さ、その底辺の生活から生まれる苦悩とか立場が出ているような気がする。
迫力があると思う。
解説に、読み捨てられるティッシュペーパーのような小説が大衆小説で純文学ではなく、この小説は在日朝鮮人文学の傑作であり日本語文学の傑作とある。確かに後世まで残るのはこちらのほうだろうと思うが、何故そんなジャンル分けが必要なのだろうかと思う。そして時にはティッシュペーパーが必要なときもあるだろうにと思うのだ。
06・12・3


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 8

クロスファイア(下) (光文社文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:光文社

発売日:2002-09-10

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

久々に一気読み。満足。映画化されたとき気になっていたのだけど、何か機会が無かった。宮部はこの線が一番と思う。
事件を解き明かす刑事に何故このオバサンかと思うのだが、血気にはやる若手と組むのはやはり年配で苦労人の刑事で表立っては活躍しないがその人間観察能力とか若手の暴走を包む包容力とかそんなところからこのキャラクターを選んだのか。何故かテレビの市原悦子と被ってしまう。もっと若い設定だけど女優さんでいうとどうもイメージわかなくって「おばさんデカ桜何とか」に行き着いてしまう。

そのおばさん刑事が現代の若者について考える箇所がある。(くず)といわれたことで切れた少年たちが怒りを感じたのは何か。

 現代の若者にとっては、この言葉こそ本当に恐ろしいものなのだ。何者でもない自分への恐れ。
何不自由ない育ち方をして、不足はなく、豊かで満ち足りている自分。しかしその豊かさを享受しているのは自分だけじゃない。隣のあいつも、後ろのこいつも、みんな同じだ。だけどこんなに満足している自分は、きっと何か特別な存在であるはずで、きっと隣のこいつや後ろのあいつとは違う存在であるはずで、そうでなければならないはずでーー
 それなのに、その「違い」が見つからない。飽食によって純粋培養された「強力な自尊心」だけが、まるで水栽培の球根のように無色透明な虚無の中央に浮かんでいるだけで、それを包んでいるはずの「自分」には色も形もない。存在感さえないのだ。
 それでも、日々の暮らしには困ることはない。遊びは、浪費は、楽しくてたまらない。だからいつもは忘れていることが出来る。自分には「自尊心」しかないということを。そして彼らの「自尊心」は豊富な栄養を吸ってどんどん根っこを伸ばし、野放図に成長し、ジャングルの蔦のように絡まりあいもつれ合って、ますます動きが取れなくなる。どこに行くにも、何をするにも、その肥大して錯綜してもとの球根そのものよりも大きな場所を必要とするようになった自尊心の根を引きずって行かねばならないから、彼らの動きはきわめて鈍く、だから彼らは否応無しに怠惰になる。

これは現代の若者だけのことだろうか。
何か今の自分に妙に当てはまるような気がする。
自分には「強力な自尊心」は合ってもそれに見合う確たる能力も技術もなく、その「自尊心」を裏付ける何物もない。

青木純子の結末は呆気なかった。青木純子は選ばれた人間として間違った道に進んでしまった。そこに何の苦痛も後悔もない。それは浅羽たちとある意味同じだと思う。そして孤独を共有できると思った木戸は、「心」を持っていなかった。単に殺人マシンになっていた。同じように殺人マシンになることなく「心」を持ったまま死んでいったのだからそれでよかったのか。
牧原のその後がちょっと気になるのだが、この話の後はないのかな。
06・11・10


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 24

娼年 (集英社文庫)

著者 : 石田 衣良

出版社:集英社

発売日:2004-05

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

わかっていたはずなのに。題名だけでどんな状況の話かとか、この前小池真理子でこの手は合わないとか、判っていたはずなのに読み始めそしてやはりだめだと思う。
私はこの手の話しは好きではありません。
06・10・31


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 8

アンボス・ムンドス

著者 : 桐野 夏生

出版社:文藝春秋

発売日:2005-10-14

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

表紙に描かれたようにどの短編の中にも桐野夏生の毒が少しづつはいっていて、毒キノコという感じの絵がぴったりだ。
みな淋しい人間、その心の奥にある毒が少し怖いような気もする。

浮島の森
確かに実在の作家でこんな人いたなと思うが思い出せない。安吾だったろうか。
同じ毒の中でもこの毒はきれいだと思う。書かないことで自分の中にある毒をそのまま閉じ込めたいという気持ちなのか。

怪物たちの夜会
もともと不倫というものには何か理解が出来ないものがある。男は同時に二人の女を愛せるとは思えないし、そういった状況や女を楽しんでいるのだろうか。それにしては女のほうはリスクが大きすぎる。当然「妻」という保障がほしくなってくる。
戦いに敗れた女は最後の報復として死を選んだのか。絶望しただけなのか。

ちょっと毒のある話は好きだが、どれもあまり好みの毒ではない。
06・10・31


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 76

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

著者 : 伊坂 幸太郎

出版社:祥伝社

発売日:2006-05

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

小説の形をしたコミックといおうか、そういった類の面白さがある。
このシリーズは始めて読むので登場人物たちのギャングになった訳とかは判らないが、それでもそれなりに面白い。ただ、最近のテレビ、特に子供が見ていた「木更津何とか」とかそういった系の雰囲気がある。コミック的。響野の言う諺は本当にある諺なのだろうか。
何の関連もなさそうに見えて全てがつながっていくという手法を取っているつもりなのだろうが、あまいな。おばさんはちゃんとお見通しさ。
06・10・10


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 32

慟哭 (創元推理文庫)

著者 : 貫井 徳郎

出版社:東京創元社

発売日:1999-03

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

幼児誘拐殺人を題材にした小説。
題材に少し嫌悪感。
おそらく犯人だろう「彼」の話と、警察の捜査の話が交互に語られる。解説によると三人称多視点というそうだが、そうだったのか。
「彼」が誰かは途中でもしやと思うのだが、最後にやはり驚く。
そうきたか。
やるものだ。
05・5・30


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 56

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

著者 : 横山 秀夫

出版社:文藝春秋

発売日:2006-06

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

やるな~,横山秀夫。いま泣きたい気分。
未だ、「看守眼」と「半落ち」とこれしか読んだことはないが、すっかりファンになってしまう。
タイムリーだったのかもしれない。いろんな意味で。
日航機墜落事故、覚えている。連日テレビから流れる事故現場、ヘリコプターに引き上げられ助けられた少女。御巣鷹山。
いま、同じように列車脱線事故のニュースが流れている。
大事故に遭遇した新聞記者のジレンマ。
仕事にかける情熱と会社員としてのジレンマ。
そして、挫折。
ひとはあまりに大きなチャンスや転機を目の前にしたとき臆病になってしまう。
人間が丸くなったからとか、大人になったからとか、理性が働いたとか、誰かのためとか、いろんな理由をつけてもやはり臆病になってしまう。
それがいい結果を生むこともたくさんあるのだが、悔やんでも悔やみきれない後悔となって攻め続ける。
「不惑」なはずの男が一番惑わされている。

いろんなことを書きたいのだが、うまく言葉にならない。
「大きい命と小さい命」
この濃密な一週間の臨場感。
父親ということ。
真剣に仕事する男の友情。

何か泣きたい気分になる。
05・5・27


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 33

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

著者 : 東野 圭吾

出版社:集英社

発売日:2007-03

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

やっと借りることが出来た。なのになかなか読み出すことが出来なかった。
集中して一気に読んでしまいたかったから。
きっと読み出すと感じるだろうなんともいえない気分。
読みたいけれど、手が出なかった。

やはり、予想どおり。面白いのだが、重い。
感情移入して読みすぎるのか。
今回主人公の美冬はぎらぎらしている。
緻密に計算された罠。美しく悠然として人を惑わす瞳。
なのに私には、ぎらぎらと欲望をむき出しにした女を感じさせる。
関西風の話し方に偏見があるのではないのだが、雅也と話すときの関西弁のせいだと思う。
「あまいこと云うてたら生きてかれへんよ」
「まよたらあかんよ」
怖い、怖い。
白夜行を読んだとき、雪穂が結婚して最初幸せそうだったのにやがて気力をなくしたようになる部分があったように思う。(手元に本がないので非常に怪しい記憶だが)
結局常に計算とか策略とか罠とか、そういった世界に居ないと満足できないのだと思った。
だから結末で刑事の追及も永遠に逃れることが出来、成功者としてライトを浴びる姿に、この後どうするのと思ったことを思い出す。
目的を達成してしまったら、今度は何を追いかけるのだろうと。
今回も同じ。
地獄だ。永遠に満足することが出来ない。
利用できるものは利用して策略を練り、手段を選ばずに目的を達成する。
その課程こそが生きてると実感できる瞬間なのだろうから。
しかし、そんな一方でもう良いよという気分もある。
この続編が出てももう読まないだろうな。
どこまでもエスカレートするしかない欲望と犯罪には少し食傷気味。
疲れる。

05・5・16


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 22

蝉しぐれ

著者 : 藤沢 周平

出版社:文芸春秋

発売日:1991-07

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

 渋いね~、藤沢周平。やっぱりはずれ、ないな。
 海坂藩普請組牧助佐エ門の跡取り牧文四郎の少年時代から青年期。父の反逆罪による切腹という苦難にも負けず剣に励む文四郎もいつか藩の政権争いに巻き込まれていく。幼馴染のおふくへの淡い恋、道場仲間との友情、剣の上の敵、そして秘剣村雨。
 時代小説の必須要素満載という感じ。
 昨年末、NHKで、たぶん総集編だったんだろうが、牧文四郎が内野何とか、お福が水野真紀でやっていたが、それもなかなかの傑作だった。配役とキャラクターがとてもあっていて原作にも忠実だったのだと今思う。特に本よりも「蝉しぐれ」の暑い夏がとても実感できて、NHKもなかなかやるもんだと思った。
 う~ん、ちょっと時代小説にはまってみようかなあ。
05・5・14


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 23

ユージニア

著者 : 恩田 陸

出版社:角川書店

発売日:2005-02-03

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

「 逆に、事実って何だろうと何度も考えましたよ。
 それぞれの人は皆事実だと思って喋っているけれど、現実に起きた出来事を、見たまま話すのって、難しい。というよりも、不可能ですよ。そのひとの先入観とか、見間違いとか、記憶違いがあって、同じことを複数の人から聞いたら、どれも少しずつ違う。その人の受けてきた教育とか、性格で、見方も異なるわけでしょ。
 だから、実際に起きたことを、本当に知るというのは絶対に無理なんだなあと思いました。そうやって考えると、新聞の記事や、教科書に載っている歴史っていうのは本当に大まかな、最大公約数の情報なんだなって。」

 過去の事件を関係者に聞き取り調査によって検証した本を出した作者や、そのとき聞き取りを受けた関係者にまた改めて事件の事を聞くという形の小説。
 冒頭は唯一事件に関係なかった聞き取り調査のアシスタントの発言。
 芥川龍之介の「藪の中」のような小説かと思ったら、ちょっと違った。
 皆が犯人に思い当たるのだが、確信するものがあるのだが、動機も方法もわからない。いったい誰が聞いて歩いているのかも最後の部分までわからない。
 なかなか楽しめる一冊だった。
05・5・11


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 2

だいこん

著者 : 山本 一力

出版社:光文社

発売日:2005-01-21

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

 あー面白かった~!
 読み始めてどんどん引き込まれていった。すっかり気分は江戸時代。

 浅草並木町で生まれた大工の娘つばきは一膳飯屋「だいこん」を17歳ではじめ、その才覚で繁盛させていく。26歳になり突然浅草を離れ深川に店を建てた。そこで地回りの親分閻魔の仁蔵がかって旧知の渡世人伸助と知り、幼かったころから現在に至るまでを思い出していく。

 生き生きと描かれた登場人物たち。
 つばきはもちろんのこと、父安治、母のみのぶ、渡世人の筋を通しただけなのに敵役になってしまった伸助。
 何とか力になろうと手助けしたのに子供のつばきにはとことん嫌われてしまってかわいそう。


 最後に、深川に店を出すきっかけになった豊国屋とのやり取りが最初と最後で変わっているようで気になるが、まあいいか。それと辰冶とはその後何もなっかったのかな、これ気にかかる。
 
 久々に、読んだ後面白かった~と思った。

05・5・9


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 6

グランド・フィナーレ (講談社文庫)

著者 : 阿部 和重

出版社:講談社

発売日:2007-07-14

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

帯に「文学がようやく阿部和重に追いついた」とあるが、このコピー考えた人はすごいと思う。
 何の根拠があってこんなことを書いたのか理解できない。

 グランドフィナーレはなんと言っていいかわからない。修飾が多すぎる文章は、作者がボキャブラリー豊富な人なのだろうと思われるが、少しごてごてしすぎて単純な私には読みずらい。
 死に向かおうとしている少女たちに何とか思いとどまらせようとすることで自分の過去の罪を贖罪しようとしているのだろうか。
 過去の性癖とは決別できたのだろうか。

 「馬小屋の少女」を読んで、他人の夢に入り込んだような気がした。意味不明。

 「新宿ヨドバシカメラ」以降は斜め読みで放棄した。
 これが文学というものなら、文学とはよほど相性が悪いと思われる。
05・5・8


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 1

二百年の子供 (中公文庫)

著者 : 大江 健三郎

出版社:中央公論新社

発売日:2006-11

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

著者の唯一のファンタジーということで読んでみた。大江健三郎は高校生のころ「飼育」、「芽むしり子打ち」、「死者の奢り」とどれも何かとても新鮮な感動で読んだ覚えがある。そこで全部読破だと意気込み新潮文庫の上から順に読み出したのだが、作家の知的レベルに到底太刀打ちできずだんだんと読むことが苦痛になり、ついには活字を見ても何だがさっぱり理解不能で断念した。
 確かに読むことができた。何が書いてあるか文章としてはわかった。ファンタジーとして作家がレベルを落としてくれたのかもしれない。だが、残念なことに何も感じなかった。
 たぶん「新しい人」ということがテーマで、過去の事件があってそれを踏まえて現在をどう生きるかで未来をつくることができる。そんなことが言いたいのかなと、稚拙な読解力で思う。誰もが「新しい人」になる可能性を持っている。過去の人も新しい時代を作ろうとした「新しい人」だったのだと。
 でもやはりなんだか違う。なんだろう。
 唯一「空の怪物アグイー」はこんなに愛情を持って育てられたのだなと思った。
05・5・4


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 3

赤い長靴

著者 : 江國 香織

出版社:文藝春秋

発売日:2005-01-15

評価 :

完了日 : 2007年11月06日

読後に掴みどころのない淋しさが残る。
 連作短編集ということで、14の短編からなっている。結婚十年、子供ナシ、特に事件もなく過ぎて行く日常の中で感じる淋しさ。
 江国香織は依然読んだときもこの夫婦が主人公だった気がする。何がいいたいか、何が書かれているか、良くわからなかった。今回もこの中のどれかだけを読んでいたら、なんだかよく分からないつまらないで終わったと思う。
 どこからか分からないが、途中から主人公の日和子の淋しさが何かに触れた気がした。たぶん多くの夫婦がそんなこと感じたことあるんじゃないかと思うような感じ。ここがっていえないけれど。
 
夫がいないと夫が恋しいと思う。
「架空の夫。その考えに日和子はうすら寒いかなしみをおぼえる。でもたぶん現実の夫よりも架空の夫に、自分はより多く守られ、より多く依存している。」

これがどういうことなのかうまくいえないが分かる気がする。こんなときがある。

 主人公は大人な女性過ぎる気がする。だから、笑うことは泣くことと同じなのではと感じながら、一方通行の会話にも嫌だなと感じたときもくすくすと笑ってしまい、夫は「よく笑う女」と思っている。そこが淋しい。感情の衝突がない分スマートだけど、空しい。だけど、もう自分をぶつけることができない。それは愛情が無くなったとかそんなことじゃなくって…。淋しい。
05・5・2


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 1

28年目のハーフタイム

著者 : 金子 達仁

出版社:文藝春秋

発売日:1997-09

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

ワールドカップを100倍楽しむためにここから始める。アトランタオリンピック、日本はブラジルを破ったにもかかわらず決勝トーナメントに進めなかった。9年前のハーフタイムに何があったのか。
 このときオリンピック日本代表(23歳以下)だった選手で今もワールドカップ日本代表に残っているのは川口と中田英寿、松田直樹、田中誠だろうか。あれからサッカーの国際試合も欠かさず見るようになりそれぞれの選手たちの活躍も知るようになった。「その日 (ブラジル戦)は日本がチームとして機能した最後の日だったと同時に、前園がキャプテンシーを発揮した最後の日でもあった。」
なぜそうなってしまったのか。キャプテンとしての重圧、西野明監督との良好とはいえない関係、国民的スターと持ち上げ一挙手一等足、私生活にまで入り込むマスコミ。前園は弱かったと思う。いや普通だったのか。今のワールドカップ日本代表に対するマスコミの報道はこのころとなんら変わっていない。9年前「世界で最も代表チームに甘い論評をする国」は今も同じ過ちを犯している。J リーグでどんなに活躍しているとき、一度も朝の情報番組のスポーツコーナーで取り上げなかった選手が海外のチームに移籍したとたん、何分試合に出場したかなんてやっている。第一、Jリーグの試合があったってズームイン朝で試合結果なんてやっていただろうか。
先日のイラン戦の時、中沢祐司がオウンゴールを誘ったと騒がれかけたが、どこの局もその後の中沢のあわやPKの守備については「ひやっとした」程度で済ませている。「あれはPKだろう」と、敵チームがやっていたらそれこそ北朝鮮の騒ぎどころじゃない。日本中が興奮し、ファンならずとも何をしていたかわからない。いいのか。マスコミが特定の選手ばかり取り上げるようになり、そのことが攻撃陣と守備陣の間に不協和音を生んだとある。ブラジル戦、日本チームがチームとして機能した最後の日、「それでもチームとして体をなしていたのはブラジルという存在があまりにも大きかったからかもしれない。」今のA代表はどうなのだろう。アテネオリンピックでは23歳以上で小野信二と南だったか曽我端だったか出ていたと思うが、小野は人格者だというが、歴戦の戦士である小野と明らかに技術的にも経験もないほかのメンバー、まして本番の数日前に合流したのでは噛み合うはずもなく、こんなど素人でも、前回涙の負傷で出れなかったとはいえ、小野を入れたのは正解だったのかと思った。
西野監督は23歳以上を使わなかった。経験の浅い選手がベテランに遠慮する。修羅場をくぐってきた選手の間には連帯感がある。なのに。ナイジェリア戦のハーフタイム、西野監督が切れた。誰に、驚いた。私が知らなかっただけなのか。相手は中田英寿。ウヒャー
9年もたっての「ウヒャー」です。これが知りたかったからこの本を読んだのだ。遅れてると言われ様が、そんなことも知らなかったのかと呆れられようが、やっとすっきりできたのだ。当時、中田19歳、多くの選手が変人、傲慢、冷めたやつと言い、ユース時代から協調性などまるでない「ロンリーウルフ」と呼ばれていた男。今は、中田神話ができ世界で何番目かに高額プレイヤーになった男。中田が西野監督の守備的なサッカーに異を唱え西野監督が激怒した。すでにユースでナイジェリアと対戦したことのある中田にとってナイジェリアは強敵ではなかったが、すでにブラジル戦で死力を尽くし体力的に限界に近いほかの選手、マスコミや協会から決勝トーナメント進出という重圧を受けている、そして本人もまた始めての世界大会という西野監督。そりゃ切れるわ。19歳の小僧が何言ってやがるだわ。
ハーフタイム、戦術の建て直し、意思確認、精神的リフレッシュを計る時間に起きた監督と選手が言い争う異常事態。「ロッカールームで…ただチームが完全に崩壊したという苦い思いだけを与えられてしまった。」
その後起きたアクシデント、ミス、「八方ふさがりからレフリーに助けを請うことで苦境から脱出を図ろうとする者」ああ前園。「すべてが綿々と連なった結果として生まれた失点」中田はその後メンバーからはずされる。現在も中田はジーコと関係が良好なのか疑われる。いやチーム全体と。イラン戦で試合中いろんな選手に話しかけていた中田。中田の出すボールに届かない選手。中田は自分を持っているがチームでプレーする以上自分を殺すことも大事なのでは。中村俊介が不注意なクリアをしたときサントスが怒った。その後そのサントスに中田が何か行った。サントスは終了間際苛立ちから不必要なイエローカードをもらう。イラン選手はそれをチームで問題があるんじゃないかといっていた。中田は一番チームがまとまることの重要性を知っている男ではないのか。05・4・18


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 3

「もっと、生きたい…」

著者 : Yoshi

出版社:スターツ出版

発売日:2004-12

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

 劇画、漫画で行ったら「アキラ」とかの載ってる雑誌にありそうな感じ。
 
ストーリー性、意外性   ◎
キャラクター性、背景   △
ナンセンス度、ギャグ   ×

映画になったら結構怖いホラー映画になるかも、、でも見ないと思う
05・4・14


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 2

あふれた愛

著者 : 天童 荒太

出版社:集英社

発売日:2000-11

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

 4編の小説が載っている。読後はどれもちょっと切ないが救われる気がする。
 
とりあえず愛  育児ノイローゼの妻を労わる事ができず病気から回復した妻から離婚を言い渡される男。初めて自分の身勝手さに気がついたとき愛があふれる。今後に何か良い兆しの感じられる終わり方。

うつろな恋人  ストレスケアセンターに入院中の男が近くの喫茶店の女の子と知り合うが彼女もストレスケアセンターを退院したばかりで、架空の恋人を持っていた。別れた妻から言われた「不在」がトラウマになってたのかな。無理やり架空の恋人の存在を消そうと自分を押し付けたとき彼女は。男は回復したが愛を失う。切ない。

やすらぎの香  これが一番良かった。精神を病む人は几帳面で優しい人が多いのだろうか。自分に厳しく回りに優しかったから病気になってしまったふたりが長い時間病気と闘い二人なら何とかやっていけると、ようやく自分たちも周囲からも認められたとき、彼女の流産によって彼はまた自分を責め病気に戻ってしまう。彼女も病気に戻りそうになるが、彼に向かって初めて感情をぶつける。怒ることができなかった彼女が怒る。
危うくて頼りなくて不安定で、でもひたむきに支えあって生きていこうとする二人の話は優しく希望がある。

喪われゆく君に  「19歳」であることに焦りと諦めを感じながら何とか日々をやり過ごしていた少年が、バイト先のコンビニで客の男の突然死に居合わせ、その妻と知り合う。愛するものを喪った妻が悲しみから立ち直る希望を見つけたとき少年も愛することの大切さを知る。なんかちょっと違うかな。でもこの少年もその彼女もなんとなくやり過ごす以上の日々を送るだろう。そんな希望がある。
 
 この人が書いたものは辛く悲しいものもあるがなんだか癒される気がする。
 
 話はちょっと変わるのですが、こうやって自分の感想を書いた後他のひとの感想を読むと、早々こういいたかったんだよと、的確に感想が書かれていたりして、自分の文章力のなさにがっくりしてしまう。
05・4・11


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 2

インコは戻ってきたか

著者 : 篠田 節子

出版社:集英社

発売日:2001-06

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

ヒロインにはなれない女の側から書いた冒険小説。飢えと殺戮には無縁ながらも、息苦しく果てのない日常を背負った一対の男女がかみ合わぬ会話を交わしながら他国の紛争に巻き込まれるという物語。
 作者自身のあとがきの通りの話なんだけれども、「息苦しくはてのない日常」が前半の部分でだけでは不十分な感じがする。特に男のほうの、息苦しい安定から逃げ出したかったというのが説明不足というか良くわからない。
 読んでいて眠くなってしまった。
 「女たちのジハード」はとても面白かったのに、これだけでこの作者に対する評価を変えては早計だろうか。
05・4・10


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 5

ジャンプ

著者 : 佐藤 正午

出版社:光文社

発売日:2000-09

評価 :

完了日 : 2007年11月05日

 「フォローミー」という古い映画を思い出した。ミア・ファーローという女優が主演でバックで流れる音楽が印象的だった。
 失踪した恋人の行方を探す話。酔いつぶれた主人公のためにリンゴを買いに行った恋人が朝になったも戻らなかった。男は気にかけながらも朝一の飛行機での出張に出かける。帰ってから恋人の行方を捜すが一ヵ月後彼女は突然引っ越してしまう。男以外の関係者にだけ連絡して。
 最初に仕事を選んでしまった。帰っても真っ先に彼女のアパートに駆けつけなかった。彼女を心配し探して歩く割に男は不誠実だ。だが気づいていない。出張に行ったことは気にしても彼女以外の女性と会っている。彼女のことを考えながら。謎解きに夢中になっていくにつれ彼女が去った不可解さが増す。
 まんまと鈴乃木早苗にしてやられたようでいて、結局この男は何もなくてもいずれ彼女とは別れたんだろうな。5年後彼女が颯爽としていたことにほっとすべきだよ。
 なんか男はずるいな。美化していたいんだな。
05・4・7


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