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パートママさんの読書ノート

忘れん坊の読書録
本プロと言うサイトに記録していた本
読書感想文を書く楽しさと、そこでいろんな方の感想を知ることが出来た本
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 1

おっぱいの詩―21歳の私が、どうして乳がんに?

著者 : 大原 まゆ

出版社:講談社

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2007年10月01日

21歳で乳がんステージⅡbを発症、手術,放射線治療、抗がん剤治療の闘病記。
結構さらっと書いているが大変だと思う。だけど前向きな姿勢に思わず頑張れといいたくなる。
私も30代の後半、ちょっと胸にしこりと言うか芯ができたような気がして気になって検診を受けた。特に問題なし。
昨年地区の乳がん検診を「歳だし」と思って受けたら,「乳腺症」と言うことで毎年検診するように薦められた。
それ5年前からあるんですが、っていったら「ちゃんと検診は毎年受けてください」と言われた。
胸部外科ってどうしても男の先生が多くって、検診はたいてい若い研修医のような先生で、それでなくても恥ずかしいのに・・・
今年の先生だって、去年の検診結果を言ったらマンモの写真見てろくに触りもせず「問題ないですね。1年に一度検診受けてください。」
おおーい、去年の検診の先生はしつこいぐらい指先で触りまくっていたぞー、もっと丁寧に診察してよー、って言いたくなってしまった。
と言うことは、去年の先生は集団検診でも当たりがよかったってことか。
大原さんは信頼できる先生と巡り会えたこと、励ましあえる「がん友」ができたことをが幸運だったと言っているが、本当にそうだろう。まだまだ闘いは続いているが、きっと打ち勝ってくれることを信じている。がんばれ!!



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 1

いのちのハードル―「1リットルの涙」母の手記 (幻冬舎文庫)

著者 : 木藤 潮香

出版社:幻冬舎

発売日:2005-02

評価 :

完了日 : 2007年10月01日

突然病魔は少女の体から運動機能を奪っていく。わずか5年ほどで歩くことはおろかの字を書くことも出来なくなってしまう。
その5年後にはその命をも奪ってしまった。
「1リットルの涙」は文字を欠くことのできた5年間の少女の日記。
「いのちのハードル」は少女とともに闘った母の手記。
日記の中に「学校には養護があっても、養護の社会がないんだから」とあった。県立高校で将来を夢見ていた亜也チャンは障害が進み養護学校に転校を余儀なくなる。何とかこのまま普通に高校生活を送りたいと望み苦悩の末に決断し転校した養護学校もその1年後には「卒業したくない・・・私には次の光がみえないから・・・一人っぽっちになりたくない・・・」と思うほど障害は進行する。
依然読んだ「お母さん僕が生まれてごめんなさい」の中にもあった。
学校に言っている間は社会や他のひととの接点があるが、卒業すると障害が重度になればなるほど家に閉じこもることになる。
そのかなしみがどうにも切ない。そしてそれを取り巻く家族の愛情、特に幼い兄弟たちの優しさにただただ頭の下がる思いがする。
そのお母さんの手記には、健気に病気に向き合う娘に対する愛情があふれている。
何とか励ましいっしょに障害に立ち向かおうとする姿、でもやがて命を奪っていく病気だと知りながら何をしてやれるかを時々精一杯にしている姿。
共働き、子供5人、そのうち一番上の子は重度の病気と闘い、下の子は未だ幼い。そのパワーに敬服する。

いま自分は何をしているのだろうと考えてしまう。
生きることに一生懸命だろうか。
誰かのために一生懸命だろうか。
言い訳を探して怠慢に暮らしてはいないか。

亜也チャンは18歳のとき自分が社会に貢献できるのは死んだあと、医学の進歩のために体を提供することぐらいしかないのかと考える。
そして死んだとき本当に献体を望んだ。
どうにかして何か社会に貢献できないかと考える姿勢は、きっとご両親や兄弟や周りのひとの愛情にあふれる姿を見ていたからだろう。
私はそんな姿を子供に見せたことがあるだろうか。

まず、明日は朝早起きして一つ一つ出来ることをやっていこう。
元気が出る朝食を作り、家の中をちょっと普段より頑張って掃除しよう。
気負って計画倒れになるよりも目の前にあることを一生懸命にやってみよう。
そうしたら何か見つかるかもしれない。
毎日を大切にしなければと思ってしまう。


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 8

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

著者 : 木藤 亜也

出版社:幻冬舎

発売日:2005-02

評価 :

完了日 : 2007年10月01日

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 54

空中ブランコ

著者 : 奥田 英朗

出版社:文藝春秋

発売日:2004-04-24

評価 :

完了日 : 2007年10月01日

残念なことにこの本が届いたのはテレビで阿部寛主演で放送されたあとだった。
伊良部医師のイメージが出来てしまい、ちょっと残念だったが、でも楽しめた。
特に「女流作家」
もうかなり大昔、林真理子が似たようなことをエッセイに書いていた。
「どれも似たような作品」と評価され激怒していた。日々身を絞るように書き続け、その結果流行作家ともてはやされ、編集なんて家来のように傲慢に接し、印税も入り、でもその結果友達は失い、お金は一度も袖を通さずクローゼットにつるされたままの高級ブランドの洋服に変わる。
そのうちだんだんとこつが解るっていうか、こんな設定でこんな主人公でこんなパターンでって職人のようにちょいちょいっと書けるようになるものなのだろうか。
確かにそんな小説って多いような気がする。
ほら、月9が似たようなドラマでああきっとこんな感じにストーリー展開するかなって思っていたらそうなるように。
でも韓国ドラマは、出てくる人を見ただけでどのひとが敵役でどんな展開か予想がつくけれど、その安心感がいいといっていた人がいたな。
小説にも同じことがいえるのかな。
なんだかまた訳の解らないことを言い出した。

この前に「イン・ザ・プール」があったのか。今度読んでみよう。
伊良部医師というとんでもない医師、本能のままに自由にやりたいことをやっている姿が本当の姿なのか。
だがその前に行くと自分が溜め込んでいたストレスがはっきりと見えてきて、患者は自分でその回復への答えを見つける。
理想なのだろうな。



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 3

愛こそすべて、と愚か者は言った (角川文庫 さ 46-2)

著者 : 沢木 冬吾

出版社:角川書店

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2007年09月26日

結構古い感じのハードボイルド。
巻き込まれ型の探偵と港町と町を牛耳るボスと目の敵にする刑事と偏執的な殺し屋といたいけな少年。
舞台も登場人物もお膳立てもどこか昔からの定番と言う感じもするのだが、このスタイルが好きだからやっぱりこうでなくチャと思ってしまう。

探偵久瀬雅彦は真夜中の電話で呼び出される。待ち合わせ場所に現れた刑事は離婚した妻の元にいる息子が誘拐され身代金の受け渡し役に指名されていることを告げる。事件は姿の見えない誘拐犯の主犯と突然失踪した元の妻夫婦を探し探偵を翻弄する。

中々真相が見えてこない。2年前の事件が重要な過去として探偵や殺し屋に影を落としているのだが、ちょっとその辺キツイなあとか思いながらも結構複雑な利害関係と人間関係、その中で少しづつ形作られていく探偵親子の関係、と長いながらも飽きないで読み進めた。

あまり名前を聞かない作家だけど他にもお薦めがあるなら読んでみたいきもする。


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 1

親の「ぼけ」に気づいたら (文春新書)

著者 : 斎藤 正彦

出版社:文藝春秋

発売日:2005-01

評価 :

完了日 : 2007年09月12日

気がつくと自分も周りも皆それぞれに親の高齢化に何かしら心配事を抱えている。友人が薦めてくれた本なのだが、これは親だけではない。いずれ自分も高齢化し主人や子どもたちにお世話になることがあるかもしれない。軽い気持ちでどんな症状が「認知症」や「アルツハイマー」の症状か、今どんな社会的制度があるか、症状によりどんな対処法があるのか、知識として読んでおくと良いよ、という事だった。
読んでいて、以前父が胃潰瘍で入院したときのことを思い出す。
父はそのとき「せん妄」と言う症状が出たようだったがその後は多少問題もあるが何とか退院後は母と生活している。よく父の行動を見ていると確かにそこには何か父にとっては理由があり、でもそれには何か必ず欠けた部分が在るために問題行動のようになってしまう。さりげない手助け、興奮させたりパニックに陥ることがなければ充分以前と同じ様に生活できるのだと思う。
確かに皆少しづつ年を取っていくのだからだんだんボケ症状も出てくる。周りが落ち着いて対処すればそれなりに方法も見つかるのだと思った。
私自身も、物が覚えられない、数を数えていたのにちょっと何かに気を取られるといくつか判らない、人のかおが出てもどうしても名前が出ない、ちょっと前に自分が何をしたか忘れるといったことが多く、心配でたまらなくなることがある。本も読んだ本を何回も借りてしまうのでこうやって読書録を付け出したぐらいなのだから。
来春から後期高齢者医療保健というのが始まり、今までの老人健康保健がなくなるらしい。社会の制度はその時々でどんどん変ってしまうから今あるからと言って今後に期待は出来ないと思う。それに施設入居を希望してもそれなりに充実したところはかなり高額の入居金や月々の費用がかかり、年金も私がもらう頃にはどうなっているのだろうと思うと不安になってくる。
つくづく、政治家よ、私欲に走らず行動してくれ、こんな時に辞職だの何だのしてる場合じゃないよ、もっと重要な法案の論議をしてくれと思ってしまう。


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 62

赤い指

著者 : 東野 圭吾

出版社:講談社

発売日:2006-07-25

評価 :

完了日 : 2007年09月09日

トリックを楽しむ作品、探偵や刑事が犯人を追い詰めるのを楽しむ作品、探偵や刑事の活躍ぶりを楽しむ作品、事件によって浮き彫りにされる人間ドラマを楽しむ作品、これはどれだろう。
どれにもちょっと中途半端な感じもするし、と言って楽しめないと言うのではない。
東野圭吾は弱い人間を書くのがうまい。理性や良心はいけないこととわかっていながら、誰のためでもない自分自身の保身のために犯罪に走ってしまう弱い人間、卑怯でだめな人間。しかし今回、それを解決する刑事同士の人間関係がどうも説得力がないせいで、だめ人間が生きてこない。
偉そうなことを書いてしまった。
加賀が抱えている親への思いと犯人の親への思い、それぞれの親たちの思い、そして犯人の息子への思い、もうひとつ。

しかし、京極堂が言っていたが、1000人の読者がいれば1000通りの読み方があり、誤読などないのだという事だからまあこれはこれで許してもらおう。

凡ては読むものの推測に過ぎない。その推測こそが読書を娯楽として成り立たせている。
読む意志を持って読んだなら、読んだ者は必ず感想を持つ。その感想の価値は皆等しく尊いものなのだ。(京極夏彦 「邪魅の雫」より)


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1.まりりん (2008/01/04)
こんにちは。
これって刑事加賀恭一郎シリーズですよね?
今シリーズを追って頑張って読み勧めています。
東野さんっておっしゃるとおり、弱い人間とか汚い部分を描くのがうまいっていうか、無理なく描けちゃう事がすごいなぁと読んでていつも感心してしまいます。文庫化するのを心待ちにしております♪
2.パートママ (2008/01/07)
もうずいぶんたちましたが、あけましておめでとうございます。東野圭吾もずいぶんいっぱい書いていて読むのが追いつかない作家さんですよね、頑張ってください。
 

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 21

邪魅の雫 (講談社ノベルス)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:2006-09-27

評価 :

完了日 : 2007年09月06日

確かに読む順番を間違えていると思う。私も順番に読みたいのだが何せ小さい田舎の図書分室、品揃えがないのだ。
今回、物語には京極堂も榎木津探偵も出番は少ない。最も探偵はいつもで番は少ないのだが。今回の物語は探偵の助手益田と関口、青木刑事が活躍する。と言うよりも平塚署の刑事たちとかの場面も多かったのだけど。犯罪に関係した人たちの内面とかが交互にかかれちょっと読みづらく大変だったのだけど、充分楽しめた。
割と早い時期に犯行の大筋は想像できるのだが、相変わらずその相互の関係が読めない。つながりが複雑で今回は京極堂の会話の中にもそのヒントがなかなか見つからない。
読んでいて気がついたのだが、能弁なのは京極堂ばかりではない。関口にしろ益田にしろ良くしゃべると言うか議論好きというか、全員理屈っぽいと言うか、会話の仲間入りをしてみたくなる。ま、それで文章が進むのだから当然なのだが。

最近大森南朋という俳優さんが気になる。イメージ的には悩める関口くんのイメージなんだけどなあ。


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 7

狼花 新宿鮫IX (新宿鮫 (9))

著者 : 大沢 在昌

出版社:光文社

発売日:2006-09-21

評価 :

完了日 : 2007年08月31日

読み終えるまでに時間がかかった所為か、それほど好みでなかった所為か、ストーリーだけを追ってしまった気がする。
テレビで以前何作か見たときはとても面白かったのだが、実際読んでみると、なんと言ってよいのかわからないが、もういいなと思う。
鮫島は年を取りすぎたのだと思う。最初に登場したときからもう何年がたつのだろう。何かなあ。


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 19

理由 (新潮文庫)

著者 : 宮部 みゆき

出版社:新潮社

発売日:2004-06-29

評価 :

完了日 : 2007年08月07日

宮部みゆきが直木賞をとった作品。納得。
平成8年東京荒川区にある超高層高級マンションで一家と見られる4人の死体が見つかる。事件は何故起こったか。殺されたのは誰で誰が殺人者だったのか。事件の前に何があり、何が残ったのか。物語は犯人と思われた男が交番に通報されたところから始まる。
ルポルタージュ形式で書かれた物語は時にはインタビュー形式で関係者の話が載っている。
冒頭から思わず引き込まれる。この話は以前に何かで知っており、テレビになったときも見たので犯人も結末も殺人の理由も知っていたのにそれでもなお読ませる宮部みゆきの力。
犯罪の背景、とくに家族関係、それは石田一家や砂川信夫の本当の家族、擬似家族である砂川一家、小糸一家、宝井一家、片倉一家とそれぞれの家族の姿だけでなく、バベルの塔の中で暮らす隣人たちの家族の姿まで何も問題がない家族などどこにもない。みなそれぞれに何か問題を抱えながらある家族はそれによって家族に亀裂が入り、ある家族は互いに助け合い、ある家族は家族であることを放棄した。家族のための家が家族を苦しめ犯罪まで引き起こしてしまう。

人を人として存在させているのは「過去」なのだと、康隆は気づいた。この過去は経歴や生活歴なんて表層的なものじゃない。「血」の流れだ。あなたはどこで生まれ誰に育てられたか。誰と一緒に育ったのか。それが過去であり、それが人間を二次元から三次元にする。そこで初めて「存在」するのだ。それを切り捨てた人間は、ほとんど影と同じなのだ。本体は切り捨てられらものと一緒にどこかへ消えてしまう。

この犯罪の犯人だけが存在感が希薄だ。それはこの文にあるように犯人の過去が綾子に語られたこと以外何もわからずその家族のことも当然わからないからだ。それによって犯行の動悸も希薄な感じがするのだが、かえってそれが格別に追い詰められなくても残忍な行動をとることができてしまう不気味さを感じさせる。生きているうちから影だった存在は死んだあと幽霊として人々の心に残る。本当はそうじゃないけれど全然異質の怪物だと信じていたいから。
この小説から8年以上たって全然異質の怪物と思っていた存在は案外身近にたくさんいるのかもしれないと思う。そんな犯罪のニュースがこんなにたくさんあるのだから。


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 49

ジェネラル・ルージュの凱旋

著者 : 海堂 尊

出版社:宝島社

発売日:2007-04-07

評価 :

完了日 : 2007年07月28日

これは、どうなのでしょうか。宝島出版から出ていたシリーズ物を角川書店から原稿依頼が来たのでメインとなる人物を少し変えて書いたら、やはり宝島出版から以前のコンビを読者は待っているんです、と言われて書こうと思ったがちょっと手詰まりでこんなになっちゃいました。そんな感じなのかなあなんて妄想かもしれませんが。

ナイチンゲールの沈黙と事件の時期が重なっていて、当然登場人物とかも同じメンバーが出ていて、ただ別の問題が発生しているのを田口、白鳥コンビが解決。研修中の氷姫も活躍、と言う話だが、どうもしっくりいかない。ナイチンゲールの細かい部分を忘れているのでそんな話もしていたような気もするようなしないような。
だいたい、ジェネラルルージュだからって別に白衣に付いた血の色の赤で良いじゃないか、なんで口紅塗らなきゃならないの。

大いに不満が残る作品だった。


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 51

螺鈿迷宮

著者 : 海堂 尊

出版社:角川書店

発売日:2006-11-30

評価 :

完了日 : 2007年07月26日

休みの日、午前中に一気読み。目がもう変。
他の人の感想で評判はあまり良くないが、ナイチンゲールの沈黙よりずっと良いと思う。
主人公の天満大吉、彼は名前に反して不幸が畳み掛けるように起こる人物。留年を繰り返している医学生と言う設定だか、最初に何故そんな状況になっているか書いてあることはあるのだが、ちょっと理由として弱いよね。浪人してまで頑張って入りながら何故嫌気がさしてしまったか、そこがもっと読み手に納得がいけばつかみはオッケーという事になるのだろうが。
相変わらず登場人物にはこった呼び名が付けられる。作者こんなこと好きだなあ、おやじだなあ。
ナイチンゲールでは名前と評判だけの登場となった桜宮病院が今回の舞台となるのだが、おどろおどろしい舞台設定を考えたのだろうが、あんまり想像できなかった。
氷姫がやっと登場し、さてどんな人物と思いきや意外なキャラクター。想像では容姿端麗、頭脳明晰、白鳥には何かと逆らう冷静かつサイボーグ女だったのだけど、プリンセスターミネーターと言うなら氷はどこから来たの。それとも今回の任務が彼女の氷の部分が出ないだけなのか。
しかし、割と事の真相は分かり易いし、前回同様劇画的で読みやすかったと思う。ナイチンゲールより良いよ。

この桜宮病院、老人介護施設、ホスピスと直結して寺院や火葬場まであると言う人の終末はお任せと言う施設。ある意味こんな形態はこの作者の理想だろうか。
元気なうちは施設のほうに入所しその中で働きながら利用料を相殺する。ただ介護されるだけでなく出来る範囲でその人の特技を生かした仕事をする。病院のほうに移っても同じ、最後まで仕事と言う義務を与えることでベットでただ単に死期が来るのを待つ日々を送る生活ではなく社会参加をさせる。結局はお互いがお互いを生活を補助し支えあう。
サテライト病院と言う言葉が出てきたが、治療がもう出来ないとなると3週間、3ヶ月で病院を出されてしまう。その後は必死で受け入れ先を探し老人病院とか施設のようなところで限られた生活を送る。
作業療法というのがあるらしいがそれは体の機能を回復させたり今以上に落ちないようにする訓練のようなものらしいが、生きる意欲、生きる実感は人間は働いたり社会参加していて得られるものだと思う。実家の父とかは仕事を辞め趣味もなく老人クラブも行かずにいたら、家にいてもそれまで何一つしないで母任せにしていたせいかあっという間に少しボケてきてしまった。周りからも老人世帯という事で町内会の仕事とかは免除されてしまったしすることがない。母は牛乳を買いに行くとか草取りとか簡単な用事を頼むのだが、根気のいるものはできない。でも、回覧板を回したりとかすると生き生きと出かけていく。何かもっとこれはじいちゃんの仕事と言うものがあればもっと気が張って昔のようになるのではと思ったりする。
人はいつか死ぬ、最近そのときをどう迎えるか考えたりしたせいか、こんなところで出来るだけ役に立って最後まで健康な人と同じ様に生活したいと思う。

結末で、なんでだかみんな急に小百合の存在を忘れているのが不自然だったけど、このあと白鳥の前に桜宮の血脈が現れるという展開なら自作もあるわけだし、またそれはそれで読まねば。


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 2

32歳ガン漂流 エヴォリューション

著者 : 奥山 貴宏

出版社:牧野出版

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2007年07月20日

「31歳ガン漂流」という本のこと思いだして図書館にいったらこの本があった。何と去年からあったらしい。気づかなかった。
前作がガンの発見とその余命の宣告、抗がん剤治療、病室での生活の不快感、そんなもので淡々とガンという病気がどんなものか書かれていた。抗がん剤治療が帰って生命の危険を招くこともあること、そんな苦しい思いをしても何の効果もないこともあること、そんなことをはじめて知った。
2作目、彼は生きていた。相変わらずというかガンは進行しており不愉快な入院生活よりも苦しくても自力で生活することを選び、出来る限り通院で治療することを選び、ライターという仕事をし続けることを選び、友人たちと普通に交流することを選び、でも確実に病気は彼の体力を奪い、思い通りに書くこともままならなくなっていく。
本を読み終えたあと、以前は絶対に見ないでおこうと思っていた彼のブログを開く。
彼はこの本のあとがきを書いた2ヵ月後亡くなっていた。
余命が宣告されてしまったらあとをどう生きるか考える。彼の両親は彼の意志を尊重しながらも一人暮らしでだれにも気づかれず苦しんでいるのではと心配しホスピスを進める。出来る限り快適な時間を過ごしてほしいから。彼は断る。そんな彼も「生きれるだけ生きろ」といわれ続け、誰かにマイペースでいいよといわれたら泣いてしまうかもと言っている。生きるという事に真剣な人の欠いた弱音。仕事しドライブや映画を楽しみ、なかなか思い通りに食べれないが食を楽しみ、治療を放棄することもなく、いずれ来る死までを生きる。生きるという事は難しい。
彼のお母さん、サイボーグ母のようにはなれないだろうな。
残りの時間が短いとわかった子供のそばを離れていたくない。たとえ疎まれてもそばにいたい。なんと言われても近くに置き、ホスピスにも押し込んじゃうかも。何故サイボーグ母かは本を読んでください。

彼が最後まで生きたかった生き方が出来たのかどうかは良くわからなかった。そんなに簡単にわかるものではない気がするから。でも、出来る限り自分らしい生き方をしようとしていたことだけは判る。病気という環境に甘えず負けず、病気から来る不調や痛みに耐えやれる限り書き続けた。
どういっていいかわからない。頑張ったんだなあとか、何かそんな言葉ではなく、なんと言っていいのかわからない。


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1.RIESLING (2007/12/02)
これの後、「33歳ガン漂流ラスト・イグジット」というので〆になりますね。気になるものの、図書館に置いてないのです。闘病物だからリクエストし難いし……。
2.パートママ (2007/12/02)
私も読んでいませんが、ブログはまだ残っていたのでそちらを見ました。お母様の手記があり見守ることも辛かったろうと思いました。
 

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 26

シャドウ (ミステリ・フロンティア)

著者 : 道尾 秀介

出版社:東京創元社

発売日:2006-09-30

評価 :

完了日 : 2007年07月09日

謎解きを楽しむミステリーなのだろうが、うーん。
このミス3位というがどんなものかなあ。
ふっとよみがえる記憶、それは何かとてもよくないことを思い出すような記憶。
亜紀の不自然な行動、父は関係があるのか。
亜紀の母親の死、それにも父は関係しているのか。
なんだか、それほど謎とも感じないし、亜紀の母親が何故死ぬのかその理由も希薄な感じ。
謎解き自体なんだかなあ。
これが3位とは、と思うのは風紋を読んだあとだからだろうか。


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 3

風紋〈下〉 (双葉文庫)

著者 : 乃南 アサ

出版社:双葉社

発売日:1996-09

評価 :

完了日 : 2007年07月05日

作者の力量を感じる。作者は犯罪加害者以外はみんな被害者だという事を書きたかったと書いているが、犯罪の周囲にいた人たちの日常が壊れていき、様々な形でその後を生きていかなければならない、それがぐいぐいと引き込む文章で書かれている。
先に「晩鐘」を読み、香織という女が以前はどんな日常を暮らしていたか、どんな風に書かれているか読みたいと思った。ここにいる香織は「晩鐘」の香織のままだと思う。犯罪以前の香織が書かれていないからかもしれないが「主婦」と呼ばれることが一番似合っていた女ではない。それは犯罪以前のこと、犯罪が起きてしまった時点でもう違う人間、その後の香織しか存在しない。そんなふうにいとも簡単に人の運命は変わって行き、どんどん戻りたいと思っても戻れなく換わっていく。
ごく平凡な日常が続くと思っていたのにその日常がもう失われてしまったことに気づかない高浜家の家族の姿、母の死を受け入れられない真由子とは対照的に号泣する父、そのくせ損害賠償にまで考えが及ぶあたりがそれまでの性格を感じさせる。真由子がずっと感じているようにこの物語のなかには母親が殺されるに至った理由などどうでもいいような感じがする。
確かに犯罪が起きてしまったらもうそれはどんな理由でも結果は変らないのだろう。その周囲の人たちは報道という名の好奇の目にさらされやがて飽きたように忘れられ、ただその後もことあるごとに思い知らされる。
終章が印象的だ。香織は何故真由子と話したかったのか。風化させて見せるという香織の姿、同じ傷を持つ相手を求めながらも挑戦的な態度でしか接することが出来ない姿、一番強くあろうとしながら流され落ちていくしかない弱さが見える。
ドラマの最後に聖母たちのララバイか竹内まりあの歌が聞こえてきそうな気がする。最初の始まりからこの終章まで本当にドラマチィックな展開で飽きさせない。謎解きでも法廷サスペンスでもない人間ドラマ、一人の少女が子どもの時間に終わりを告げ、一人の女が落ちていく姿のドラマだと思う。


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 5

体の贈り物 (新潮文庫)

著者 : レベッカ ブラウン

出版社:新潮社

発売日:2004-09

評価 :

完了日 : 2007年06月30日

やっと読み終える。途中から読むのが嫌になってしまった。
面白くないとかじゃない。嫌になったのだ。
エイズ患者の人の世話をするボランティアをしている体験を書いている。
一つ一つの話に何故贈り物という題名が憑いているのかわからなかった。
世話している患者とのふれあい、そしてその症状はだんだん悪くなっていく。
いずれは訪れる「死」、その途中の人たちの様々な形での人生、少しでも快適に暮らせるように世話していく中で通じ合うもの、お互いに打ち解けていく人たちは必ず別れが待っている。それが嫌になってしまう。
彼女自身「死」を看取ったり仲良くしていた相手がホスピスで終焉を迎えようとしているとき疲れを感じ逃げ出したくなる。

「死ぬのって、救いになりうると思う」そう患者から聞かれたとき彼女は「思う」と答える。私もそう思う。多分彼女はそれまでずっと自分の病気と戦い続けてきた人を見続けているのだから私の思うとはだいぶ意味合いが違うだろうが、「救い」になることは確かにあると思う。
希望を持ち続け闘病している人たちがやがて以前見た人たちとおなじ道をたどっていく、その虚しさ、絶望感、何度も繰り返し感じる喪失感と無力感、・・・。
彼女の所属する団体の事務局にいた人が発病する。「辞めようか」と思い出した彼女にその人は言う。休みなさい。戻りたくなったら戻りなさい。

少し違うかもしれないけれど、老人病院やがん患者などもホスピスで働いている人たち、そこに入りたくて待っている人たちはたくさんいる。障害者の施設にしてもそう。空きが出来るという事の意味はみな同じだろう。そこで繰り返し繰り返しみる別れ、休むことが出来る人はいい。生活のために働き続けなければならない人たちはどうやってそれに対処していくのだろう。親しくなり心が通じ合えば合うだけ終焉は最善のものにしてあげたいと思うだろう。だけど、そこに見送ったという満足感は在るのだろうか。
辛くなる、感情を殺し、なるべく希薄な関係でいたいと思うようになるのではないだろうか。

彼女はその後に「家庭の医学」を書いている。そこで自分の母親を看取っている。

いろんなことを考えながら読むうちに嫌になってしまった。
彼女が「贈り物」と感じたことを私はなかなか感じることが出来ない。


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 2

家庭の医学 (朝日文庫)

著者 : レベッカ ブラウン

出版社:朝日新聞社

発売日:2006-03

評価 :

完了日 : 2007年06月13日

各章の題名となっているのは、貧血とか、転移とか、病気の症状や療法など、そして最後は「remains」死体という意味らしい。
作者の母親のガンが発見され末期であることがわかり家族による介護と葬儀までが淡々とした感じで(これは翻訳者の文章のせいかもしれないが)べったりとした感情を排除した感じで書かれている。
病気が発見されたときから患者本人も家族もそのときが来ることを覚悟する。
一つ一つ治療や症状が出たとき、それぞれがそのときが確実であることを理解する。
そうやってみんな確実にそのときに向かいながら残された時間を過ごしていく。

淡々と介護する側から見た患者の様子、それを読みながら以前読んだ「35歳ガン漂流」という本を思い出す。
末期がん患者が自分自身の経験する治療や副作用のことをつづったものだ。おなじガンという病気の進行状況からそこで起こっている苦痛の様子が思い出される。彼は若かった。彼はひとりで戦っていた。

だんだん症状が進むにつれ医師から「死んでいくプロセス」が語られ踏ん切りをつける。
少しでも苦痛を取り除くことが最優先となり、家族は安らかに過ごせるように介護する。
そして死が訪れる。

「死んでいくプロセス」
その言葉にいろんなことを思い出す。
友人の場合、そのお舅さんは手術のため入院した病院で感染症を併発し医師から「いつ何があってもおかしくないので家族の方は誰かそばについていてください」といわれたという。
知り合いのおばあさんは100歳になるが、80歳くらいから危篤といわれ介護施設から病院に移り、回復し老人病院に転院し、また危篤といわれ病院を替わり家族が「危篤」という言葉になんだか慣れて来てしまったという。
私の父は、何も言われなかった。それが「死」に向かっていることは確かなのだろうが、体が動かなくなり「寝たきり老人」になっていく過程なのか「死」が近い過程なのか、医師の説明は何もなかった。「だんだん体の機能は低下していますね」という言葉からどんな覚悟をすればいいのか判断しかねた。親戚や親しい人に何か連絡すべきなのか判断しかねているうちになくなってしまった。
心の準備は看取るものにとって必要だ。最後の瞬間までにしてあげたいこともある。その時々にどう対応すればいいのか、患者にとって何が必要なのか、そのときが来たとき受け入れるためのこころの準備もしなくてはならない。ある程度の年齢ならそれはいつ怒っても不思議ではないことなのだから普段からしておくことなのか。

これから、何度かこういった場面があるのだろうなと思う。
それぞれケースは多少違うかもしれないが、誰かを看取るという事は、こんなふうに静かに確かに受け止めなければならないと思う。


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 2

幻影のペルセポネ

著者 : 黒田 研二

出版社:文藝春秋

発売日:2004-09

評価 :

完了日 : 2007年06月07日

ヴァーチャルプラネット・ペルセポネで起きた殺人のとおりに現実でもそのマスターが殺される。その謎を解く鍵はゲームの中の仮想惑星ペルセポネにある。
今時の話だと思う。
パソコンの中にある仮想空間にはまりその中のほうがよほど現実よりも居心地が良いと思う人は多いのかもしれない。


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 32

ライオンハート (新潮文庫)

著者 : 恩田 陸

出版社:新潮社

発売日:2004-01

評価 :

完了日 : 2007年06月05日

時を越え、記憶のなかに刻み込まれた永遠の人。その記憶は過去のものであったり未来のものであったり、そして巡り会う。つかの間の巡り会いだが、何度も記憶の中に現れた運命の人だと気がつく。お互い年齢もそのたびに違うけれど、記憶の中の一場面のとおりに出会い分かれる。
老夫婦がお互いにそれとは気づかず最後のときが迫ったあるとき、お互いが捜し求めていた運命の人だったときがつく。残された時間は短いけれど、積み重ねた時間の幸せを改めて感じる場面、この物語のなかで一番いいなと思う。


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 17

その街の今は

著者 : 柴崎 友香

出版社:新潮社

発売日:2006-09-28

評価 :

完了日 : 2007年06月01日

等身大の大阪の女の子の日常、ゆるい感じで生きているがけして不真面目にでも怠惰にでもなく、肩をいからせて生きているのでもなく、たんたんといきている。
特別な事件もないが、ゆるい感じで過ぎていく。
誰かが取った古い大阪の写真を見て街の変化をみてその頃の町に思いをはせている。今生きている町がかって見せていた表情のなかに今生きている自分をおもう。
価値観を共有できても愛情は別問題という感じもなんとなくわかる。


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