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パートママさんの読書ノート

忘れん坊の読書録
本プロと言うサイトに記録していた本
読書感想文を書く楽しさと、そこでいろんな方の感想を知ることが出来た本
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 6

つばき、時跳び

著者 : 梶尾 真治

出版社:平凡社

発売日:2006-10-19

評価 :

完了日 : 2007年05月25日

気分を変えようと読んだ本だったが、つまらないと思った。
これといって書くほどの感想がわかない。

百椿庵という名のある実家に帰った主人公はそこでその家自体がタイムマシンになっていることに気がつく。150年前からやってきた若い女性つばきに会うため主人公はその家の秘密を探り過去へと向かう。

なんだかなあ。



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 1

ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

著者 : フィリップ ゴーレイヴィッチ

出版社:WAVE出版

発売日:2003-06

評価 :

完了日 : 2007年05月25日


国連に加盟している主要国はそれぞれの利害に関係する理由からそれぞれの立場を守り結局は何もしていなかった。援助という莫大なお金の流れは誰のためのものだったのか。第2次世界大戦のあと、ユダヤ人に対するナチスのジェノサイドをあれほど非難し反省したはずの世界なのに。ここに書かれているその背景が私の頭には複雑でちっともわからないのだけれども。

権力やお金持ちのジェノサイド実行者ジェノシダレはさっさと亡命し自分の罪に口をぬぐう。列強各国は彼らを犯罪者だと知りながら受け入れる。ルワンダ国内には悲惨な体験に心も体も傷ついたツチ族たちが残り多分次にもまた起こりそうな気配のジェノサイドを予感しながら希望もなく貧しい暮らしをしている。

私は日本国憲法、特にその前文と憲法9条は素晴らしいものなのだと最初に教えられた。其の内容がどんなものだったのかは酷くあいまいでほとんど忘れてしまっているが、「恒久平和」と「武力放棄」だったと思う。私はその内容を正しく理解するよりも先に「それは素晴らしいもの」と教えられ受け入れた。
それは私の祖父母が「天皇陛下のために戦争にいきお国のために死んでこい」とわが子を戦場に送り出したのと同じなのだと思う。そうインプットされたものが変えられない。
難民キャンプのなかでフツ族の女たちはツチ族を抹殺するためのフツ族を産むように強制的に妊娠させられたとあった。そんな中で育った子どもたちは、其のこと事態の善悪を理解する以前にツチ族を殺すことをインプットされていく。1994年のジェノサイドはそうして育った人たちが手を下し、そして難民となった。中にはこの無意味さを、この状態の異常さを理解できるようになりながらも手を下した人もいるだろう。
しかし本当に良くわかっている人たちはさっさと国を離れのうのうとしている。
この国は13年たち、其の間も何回か小さなジェノサイドが繰り返されながら、ツチ族とフツ族が共存している。外務省のホームページから見ると今は平和が維持されているが渡航には充分注意または見合わせるようにとある。真実が見えない。

私は結局ほとんどこの本の内容をわかっていないのかもしれない。
作者の言うように「無視すること」を恐れただけかもしれない。

ただ、どうしようもなく虚しい気がする。ルワンダという国にも、世界にも、自分自身にも。
私は今まず身近な憲法問題を理解することからはじめようと思う。"


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 2

ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実

著者 : フィリップ ゴーレイヴィッチ

出版社:WAVE出版

発売日:2003-06

評価 :

完了日 : 2007年05月25日

"この本の最初に
「おそらくあなたはよりはっきり見たいと願ってこの本を読んでいるのだろうし、そして同時に好奇心を抱いてしまうことを落ち着かなく感じているだろう。あるいはこの極限状態から何らかの理解、何らかの内政、何らかの自己認識のかけらー道徳あるいは教訓、この世界でいかにふるまうべきかという手がかりといったなにがしかの情報ーが得られると思っているかもしれない。可能性がないとは言わない。だがことジェノサイドに関してなら、善悪などとっくにわかっているはずだ。ルワンダの物語をじっくり見ようと思うのは、無視するのが、その存在そのもの、そして自分のそれとの関係以上に恐ろしく思われるからである。」
とある。
そのとおりなのだと思う。
13年も無視し続けてきたこと、それは自分の無関心からとはいえ、こんな悲惨なことが起きているのに何故何も知らなかったのかという反省からだったと思う。
しかし読み終わった今、何が残っただろう。恐怖か、反省か、平和を願う気持ちか、何が残っただろう。

とてもすべてを読んで理解できたとは思わない。ルワンダのことではなく、この本中かれたルワンダの状況。
ジェノサイドは1994年が最初ではない。それは過去にも何度も繰り返されていた。しかし、その時点で何の方策も打たれず、ツチ族はフツ族と共存していた。多分近々そういった大規模のジェノサイドが起きることは公然とラジオを通してフツ族をあおり続けていたことから察することが出来たにもかかわらず起きている。ツチ族の中でその以前にルワンダを脱出した人もいたのかもしれないが、ほとんどの人たちはそこに住み続け隣人や友人に襲われることになる。
読んでも読んでもそのあたりがわからない。
この本を書いた人はそのあとにいっているのでそれ以前の事を聞いたツチ族の人たちは諦めきっていて多くを語らなかった性かもしれない。数で圧倒的にフツ族が多くても自己防衛のために武力で対抗する準備とかしなかったのだろうか。
ルワンダに武力を持ったツチ族が他の国から帰ってきたとき、難民となって国を逃れたのはフツ至上主義者たちとジェノサイドを行ったフツ族と、今度はツチ族に殺されると思ったフツ族と、生き残ったツチ族だった。
難民キャンプのなかで国連や人道支援団体に保護されたなかでもツチ族に対するジェノサイドは繰り返され、武力を取り上げられる事のなかった殺人者たちはキャンプを抜け出し周辺のツチ族に対しジェノサイドを繰り返していたらしい。


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 3

生かされて。

著者 : イマキュレー・イリバギザ,スティーヴ・アーウィン

出版社:PHP研究所

発売日:2006-10-06

評価 :

完了日 : 2007年05月15日

1994年、13年前何をしていただろう。遠いアフリカのルワンダでこんな大虐殺が起きていることはテレビや新聞で報道されていたかもしれないが、記憶にない。知らなかった。たぶんそのときも報道は政治家のつまらない失言やどこかの国のファーストレディの服装とかそんな事のほうが大きく取り上げられていて、こんなことはスッと流されるニュースだったのかもしれない。
日本に影響の少ない国の中で起きている部族間の争い、何回も繰り返されている内乱。
この女性は突然「ツチ」族というだけでそれまで仲良く暮らしていた隣近所や友人や知り合いの「ふち」族の人々に襲われる。それまでも何度もそんな歴史は繰り返されていたが、それでも特に対立していたわけでもない人々が殺人者となって襲ってきた。そして家族を殺害され教会に逃げ込む。
「フチ」族の牧師は彼女を含め六人のツチの女性をトイレにかくまってくれる。3ヶ月間何度も家捜しする殺人者や反ツチの牧師の家族らの目に付かぬようにそのトイレのなかで物音を立てないようにお互いに話をすることもなく立つか座るかしか出来ないなかで隠れ続けた。
100万人に及ぶツチ族とツチを擁護するフチ族の人が虐殺され、もう殺す対象さえなくなったのではと思う頃やっと救助される。
狭い密室に閉じこもりお互いに知らぬ同士が音も立てないように息をつめて暮らす、暮らすと言えないか、食料も差し入れられるものも少なく日に日に衰弱していくなか、殺人者たちの来訪を間近で聞きながら隠れているとき、彼女の心の支えは神への祈りだったりやがて来る開放された日のための英語の勉強だったり。
こんな時に明日への希望を見つけ出し、英語を勉強しようと思いつくあたりがすごい。そして辞書と2冊の英語で書かれた本だけで独学で英語を取得する。彼女がとても優秀な人だったことは間違いがないが、この状況でそうすることで時間を無駄にせず恐怖と戦うすべにする、並の人ではないなと思う。
並の人ではない彼女と一緒にそこに隠れていたほかの女性たちはどんなことを思いながら耐えていたのだろう。精神状態を平常に保つことなど出来ないこの状況で、どうやって耐えていたのだろう。何が支えだったのだろう。イマキューレーは強い女性で優れた女性だったから救助されたあと彼女たちとは別行動になりその後が書かれていないが、おそらく普通の人だったろう彼女たちがどんな風に思いながらそこにいたか知りたいとおもった。
そして周り中がそんな狂気に侵されて自分を見失いそうになるときに対立する部族でありながらかくまっていた牧師、自分の家族にも彼女たちの存在を知られないようにかくまうことはどれほどの困難だったろう。誰かに知られればフチ族であっても殺される恐怖、それが家族に及ぶかもしれない、そんななか彼女たちを隠し続けた牧師は神の使命と思っていたのか、一度匿ってしまった以上それを知られれば死が訪れる言う恐怖からか。
異常な事態は様々な矛盾を人々の心に起こさせる。
他にも友人のツチ族を匿いながら、周りと一緒になって他のツチ族を殺しにゆくふちの青年の話、彼は回りに飲み込まれながらも友人に対しては人種を超えた友情を持ち続けていたのか。彼はある意味人間らしい。
イマキュレーのためにフチ族を殺してやろうかといいながら撤退の命令が出たとたん、フチ族の真ん中に置き去りにして去っていったフランス軍の兵隊。個人的には怒りをもち救いたいと思いながらも組織にそむくことが出来ない。でもやはりよその国の出来事という気持ちがあったのではないだろうか。
彼女はその高い能力とポジティブな考え方で国連で働くようになった。彼女は神に祈りを捧げながら家族を殺し彼女を3ヶ月もの間閉じ込めた人びとを許すことにする。
彼らは自分のやっていることがわからない子供、悪魔に支配され自分自身を傷つけていることがわからないおなじ神の子供なのだと思い、彼らを許すことにする。どんなに憎しみに襲われても許すことを選ぶ。それが信仰なのかもしれないが、そういう許しがなければ彼らの歴史はまた繰り返されるだけだという事を知っているのだろう。今度はツチがフチ族に復讐のための殺戮を引き起こし、今回この内乱を制圧したのが過去に国を追われたツチの避難民たちだったように、いつの日か今回外国に逃れたフチ族が帰ってきておなじことが起きるかもしれない。
お互いがお互いを許しあわなければいつまでも続く復習劇。でもそれは本当に難しいこと、愛する人を何人も失っている人にとっては。
このルワンダ大虐殺は「ホテルルワンダ」とか「ルワンダの涙」という映画にもなっているらしい。辛くて見ることが出来ないかもしれない。見ることが恐ろしい。でもそんな国もあるという事を私たちは知っておくべきだと思う。


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 1

楽しみは創り出せるものよ―ターシャ・テューダーの言葉〈2〉 (ターシャ・テューダーの言葉 (2))

著者 : ターシャ テューダー,リチャード・W. ブラウン

出版社:メディアファクトリー

発売日:2003-12

評価 :

完了日 : 2007年04月29日

最近この人の名前を何かで聞いて何をしている人だろうと借りてみた。この日と自身は絵本作家で画家だという。88歳になるらしいが、アメリカの田舎で18世紀ふうに自給自足の生活をしているという。写真がたくさん載っていたが、本当にこれはいつの時代なのかと思うような暮らしぶり。自分の生き方を確かに持っていてそのうえ勤勉で一日中体を動かし手いるのだなと思う。素敵な庭の写真が載っていてこの庭が無計画だなんてと思ってしまう。でもここまでにするにはこつこつと毎日庭に出て一つずつ一つずつ、それを繰り返した成果なのだろうと思われる。
帯広に行ったとき「紫竹ガーデン」に行ったが、その風景に似ているような気がする。最もちょうど連休に言ったので水仙やちゅうりっぷの咲く春の庭しか見ていないが・・・。
きっと生活すべてがこの人の芸術なのだろうなと思う。夜寝るとき、明日はこれをしようではなくさあ明日はこれをするからもうねようとおもうのだろうなあ。


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 12

ウルトラ・ダラー

著者 : 手嶋 龍一

出版社:新潮社

発売日:2006-02-28

評価 :

完了日 : 2007年04月17日

うーん、つまらなかった。これはミステリーとしてはだめでしょう。これを現在の日本を取り巻く状況とか、偽札を取り巻く状況とかを小説風にしたものと読めばいいのかもしれないが、作者の何かインテリでしょみたいな感じが鼻につく。
つまらない。


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 6

百器徒然袋―雨 (講談社ノベルス)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:1999-11

評価 :

完了日 : 2007年04月08日

これは、探偵榎木津中心の話。中篇3つ。
それぞれ探偵が痛快な活躍をする。
この探偵、美男子、大財閥の御曹司、おまけに人の過去が見えるという特技まである。でも、人の話を聞かない、事件を解決するというよりも滅茶苦茶にする、おまけに自分を神だと言う。「俺様」キャラの究極。
白鳥よりも破天荒なのだが痛快。事件を取りまとめるというか、収束させる京極堂をはじめとする薔薇十字団の僕たち。
疲れた時には読みたくなるような本。


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 12

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:2002-09

評価 :

完了日 : 2007年04月07日

疲れた。この厚さを一気に読んでしまった。目がかすむ。
また今回の事件複雑ですねえ。でも、最初から犯人は誰か教えてくれているようなものなのに、動機も途中でそれとなく教えてくれるし、ただその関連がわからず探偵の謎解きまで飽きずに読めた。ただし、ちょっと今回の理屈というか京極堂の薀蓄も女性の権利論もちょっと省略したい気分、ウーンなんだか良くわかんなくてメンドクサーイってだれも言わずにみんな良く聞いてるなあなんて思うんですが・・・。
目潰し魔、全寮制女学校の7不思議、怪奇な館、なかなかてんこ盛りな舞台設定、そして満を持して登場する御祓い師。
このシリーズ、この前の事件が後を引いているようなので遅ればせながら他に無かったか探してみよう。
それにしても文庫本でこの厚さはなんとも読みづらかった。持っていてもなんだか疲れるし。


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 68

ナイチンゲールの沈黙

著者 : 海堂 尊

出版社:宝島社

発売日:2006-10-06

評価 :

完了日 : 2007年04月04日

2作目という事で期待していたのだが・・・。でも楽しめましたよ。
舞台は前作と同じ病院、今度は早めに犯人が誰かなんとなく解るのだがそれ以外の部分がてんこ盛りでまだ何かあるのかと思わせる。まあ、あるといえばあるのだが、ウーンこの展開はどうなんでしょうねえ。
まず登場人物。前作から引き続いて個性的な田口、白鳥、藤原看護師のほかに加納警視正、猫田師長、その他にも医師とか看護師とか入院患者とかこれでもかという配置。何かに似ている。そうだ、それこそ劇画なのだ。ありえないような歌による効果、ケロロ軍曹か何かなのか執拗に出てくるアニメキャラ、薄幸の美少女から伝説の歌手まで登場人物一人ひとりに特別な個性を与えてしまった。
白鳥の理論もなんだかわからないのだが、それに加納のデジタル何とか、なんだかこの話の登場人物だけが理解できるような理論が多いのだが、そのなかに多分正確な医学知識があるからうそ臭さが許せる範囲になっているのだろう。
物凄く難しい表現をしているかと思ったら、白鳥式ラミネート加工をシラミと省略したりするくだらなさもあったり、ちょっとごてごてさせすぎたなと思う。でも、劇画も好きなのでするっと読んでしまったが。
ストーリーよりも登場人物に力を入れすぎてしまった作品だと思う。どうせなら、前作でその名前だけで姿を見せなかった氷姫に登場して欲しかったが。


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2.パートママ (2007/11/25)
今、ブラックシアン待ちです。この本の中で死体を解剖しない変わりにCTスキャンする話が出てましたが、実際に検視件数の増加と遺族への配慮からそういった方法をどんどん採用しようと言う動きがあるとお相撲さんのいじめ変死事件のワイドショウで言ってました。これは正確な情報だったのですね。
3.ベアandリーチェ (2007/11/27)
さすが第一線の現場のDRが書いた本ですよね。
ブラックシアン 私も順番待ちです(^^;)

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 12

14歳 (MouRa)

著者 : 千原 ジュニア

出版社:講談社

発売日:2007-01-13

評価 :

完了日 : 2007年04月03日

"幻の自伝的小説、という事だが。
これ以前に書いた本を読めばこの14歳にある前の問題もわかるのかもしれないが、ちょっと抽象的な感じで書かれていて、なんとなく登校拒否になり家庭内暴力の引きこもりになっていたのだなとはわかるのだが、その主となる原因もなんとなくわかるのだが、いまひとつ解らない部分もある。
自分の場所を見つけられずにただじりじりと過ごす時間は辛いだろう。食事のなかに精神安定剤を混ぜてだす母親の気持ちもわかっているのだろう。それでもどうすることも出来ずにいる事の辛さ。
でも救いがある。彼は居場所を探している。引きこもった部屋が居場所ではないことを知っている。その場所を探すために外にも出ている。
みんな自分の居場所を探している。
違うと感じても自分をその場所に慣れさせて折り合いを付けていくことも大切なのでは。"


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 8

コルセット

著者 : 姫野 カオルコ

出版社:新潮社

発売日:2006-09-21

評価 :

完了日 : 2007年04月03日

あとがきのなかで「書いた事のないタイプの小説」とある。
「ロンド形式の4話、まったく自分とは異なる環境に暮らし、自分とは異なる性質の人間」
確かにこの小説に出てくる人たちは減らないように守っていくものを持っていてそのための契約のような結婚をすることが当然という世界の人たち。武田さんとその娘を除いては。そんな世界が虚しさと一緒に姫野カオルコらしい表現で書かれている。

「反行カノン」
しっかりしていようとしてしっかりしてきたわたしは、男の子を攫ってきた。不能な夫に進められた男ではなく自分でさらった男の子と情事を重ねるうち彼を求めるようになる。そして別れが来る。
映画を見たり旅行したりというデートについてこう書いてある。
「これくらいだろう。
男と女が日常ではない甘さと香辛料を二人で求めることにしましょうと、ある種の「合意」をしたときに、彼らがすることは、結局は、これくらいしかない。
合意が始まったばかりのときは、全てが薔薇色にかがやき、そのうちに慣れ、だれ、おわる。
それでも、また、時間がたつと、べつの相手と、こうしたことをし、以前のようによろこび,飽き、おわる。
そのたびごとに、その行為を恋だと人は名づける、ならば恋とはすべてが、インターバルをあけての、同行為の反復である。いつも終わるものである。
終わらないのは、日常を共に出来る相手だ。日常を快適に過ごせること、それが結婚であり、夫婦の愛情だとわたしはおもう。」
姫野カオルコの文章は「、」が多い。その間が何かため息のように感じる。
それほど特別なことではないが、ここには真実がある。主人公の田鶴子はこう思い自分の結婚生活を正当なものとする。でも結婚はそんなものだと思う。慣れ、だれ、それでも日常を共有していくこと。それでも時々は薔薇色に思う日もあるのだが、日常にそんなに甘さや香辛料があるのもそれは疲れることなのだ。日常は静かに過ぎていく事のほうが過ごしやすい。
田鶴子が恋したとき
もう「もう」になっちゃた。もう「まだ」には、ひきかえせない。

「フレンチ・カンカン」
夫と3人の息子、そしてその家庭教師で夫の愛人である男と暮らす上流家庭の妻。その彼らの趣味に共鳴できないのに協力する妻。
これは本当に良くわからなかった。

「三幕アリア」
家政婦の武田さんの娘牧子は、高校生のときに一度会った自分とは住む世界の違う年上の男が忘れられない。その切ない思いの話。
牧子はこの4話の中で一番健全に思えるのは自分に近い庶民だからかもしれない。
その一途な淡い恋がいい。優しく逃げていく男。大人で違う世界の男。健気で一途だから男は逃げる。この話は好きだ。

「輪舞曲」
家のための愛のない結婚をすることが出来ず南の島に旅したわたしはそこで二人のジゴロと濃密な時間を過ごす。
そこには愛はないが快楽はあり自分を見つける。

一話目が一番わたしが思う姫野カオルコらしい。それと三話。


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 101

チーム・バチスタの栄光

著者 : 海堂 尊

出版社:宝島社

発売日:2006-01

評価 :

完了日 : 2007年04月02日

話題になっていたときはそれほど興味がなかったのに、読み終わると早く読めばよかったと思う。
事件が起こりその調査の以来が探偵に依頼される。事件の関係者が集められ一人ひとりの事情徴収が行われる。そんななか新たな犯罪が起こり探偵の協力者が現れる。何か古典的なミステリーの展開と思いながら読んでいたが、探偵役とその協力者というか真の探偵の個性がいいのだろう。面白かった。
一見見当違いなような探偵の指名、大学病院の中にそんなのんびりとして個人的な居場所を確保できる無能なような医師がいるあたりも解説の中で誰かが言ってたように劇画的かもしれない。それよりも白鳥に私はあの伊良部医師を重ねてしまったのだが、あの自分勝手なロジックで周囲を混乱させる存在が面白い。今回名前だけで登場しなかった氷姫、どんな女性なのか気になる。
読んでいて犯人が誰なのか犯人の変化に気づき、途中でもしやと思うのだが動機がわからない。なるほどそうきたか、と結末で思う。
陰惨ではなくからりとした明るさのあるミステリー、ナイチンゲールの沈黙も読みたくなる。


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 16

星々の舟 Voyage Through Stars

著者 : 村山 由佳

出版社:文藝春秋

発売日:2003-03-30

評価 :

完了日 : 2007年03月31日

図書館に行く度目に付く本がある。この本がそう。
村山由佳か、村山由佳だし、とその度に棚から手に取ることもなく済ませてきたのだが、この間また目に付き手にとって見た。
あらあ、直木賞とってたんだ、読んでみるか。
村山由佳といえば「おいしいコーヒーの入れ方」だったろうか。娘も以前のパート先の仲間もファンだというがドーも乗れない。月9がつまらないと感じるようにつまらない。
この本は少し大人な感じがするけれども、どーもあまり・・・      
一つの家族が持つ苦すぎる過去、それぞれが傷を持ち生きている。一人ひとりの心が一つ一つの話となり六つの短編からなっている。
なんとも感想の書きようもない。


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 36

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:1998-09

評価 :

完了日 : 2007年03月28日

この物語の前半、古本屋の主人京極堂と科学者から文士になった関口くんの長い議論がある。舞台はいつなのかと思いながら読み始める。明治のインテリの議論のようにも感じる。昭和27年、なんだ金田一耕介と同じ頃ではないか。
宗教とは、幽霊とは、記憶とは、長い議論はなかなか説得力があって読んでいるうちになるほどと思ってしまう。読み終わってみると、なんか変だなと思うのだが。

失踪したとされる青年医師の消息をつかむことを依頼された探偵、その医師が学生時代の先輩であったことから事件に深くかかわることになる関口くん、20ヶ月妊娠中の医師の妻、モノクロームの写真の中にいるような美しい姉、忌まわしい言い伝えのある家柄の没落した産婦人科病院。
特にミステリアスともホラーも感じないがお膳立ては充分揃っている。

そういえば、この戦後のこの頃は、横溝正史や江戸川乱歩の世界だ。
どちらもあまり読んだことはないのだが、横溝はテレビや映画で、江戸川乱歩は子供の頃祖父母が寝る前に聞いていたラジオでよく聞いた。特に乱歩は怖かった。
「ラジオドラマ パノラマ島奇談」ふすま一枚で隔てた部屋からそれが聞こえてくると眠いのだがドキドキして聞いてしまう。効果音が怖くてキィッとドアが開く音に誰かは言ってくるようででも聞きたくて先が知りたくて、耳を済ませていた。あと「人間椅子」怖かった。内容はあまり覚えていないのだが、怖かった記憶だけが残っている。
あまり想像力が豊かではないので、文章で読んだ限りではその不気味に崩壊しかけた建物や異様な妊婦の姿や妖しく美しい姉が眼に浮かばない、遠くで泣く赤ん坊の声も聞こえてこない、だから安心して読めるのだけど。
実は怖がりで、映像のあまりリアルなものとかグロテスクなものはだめ。見ていられない。でも最近はその作り物の部分を見つけられるようになったので何とかなるのだけど。音だけでも充分に怖くて、いえ、音だけだからこそ怖かったのかもしれないけど、文章なら想像力の欠如が幸いする。

主となる事件のストーリーだけでも充分な気がするのだが、京極堂の延々と話す理屈が物語の謎解きを読者に促しているようでもいて煙に巻いているようでもいて、なかなか面白かった。 
探偵や京極堂の妹、刑事と登場人物もなかなか魅力的で、このシリーズがあるらしいから読んでみたいと思う。


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 6

さよならの空

著者 : 朱川 湊人

出版社:角川書店

発売日:2005-03-29

評価 :

完了日 : 2007年03月23日

夕焼けには郷愁のようなものを感じる。
一日が終わることに安堵感と淋しさを感じながら家路につく思い出が誰にもあるからだろう。その家には母がいて夕食が用意されていて、そんな幸せな時間があったことを思い出す。
フロンガスによるオゾン層の破壊が進み、移動するオゾンホールが出現するようになったとき人類を救う手段として空に散布された化学物質、その副作用として空は夕焼けを失った。その化学物質の発明者とふとしたことで一緒に行動するようになった少年、発明者をつけるサングラスの男、日本で最後の夕焼けとなる日、彼らは夕焼けと引き換えに大事なものに出会う。
フロンはまだオゾン層にまで全部到達しているわけではないから今後オゾンホールはどんどん大きくなっていって、そのうち何かの拍子に本当にこんな移動するオゾンホールが出来るかもしれない。そして強烈な紫外線に脅える日がくるかもしれない。最近今までなんともなかったのに日光湿疹が出来るようになったと夏でも紫外線防止シャツとか長袖をきている人が周りにも何人かいる。それだけ紫外線が強くなっているのかもしれないと実感している。
命のためには夕焼けのようなそれがなくたって生きていけるものが無くなっても仕方がないかもしれない。でも、やはりこの本の中の一般人たちと同じようにとても切なく淋しい思いをするだろう。
優しさの中に近未来に訪れるかもしれない恐怖をみた気がする。


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 22

空飛ぶタイヤ

著者 : 池井戸 潤

出版社:実業之日本社

発売日:2006-09-15

評価 :

完了日 : 2007年03月13日

大企業と中小企業、それにPTA、あのタイヤ脱輪事故を軸に展開する物語はスリルがある。
一つの事故がもたらす中小企業の倒産危機、事故の責任は果たして整備不良なのか。真相を解明しようとする社長は大企業に立ち向かう。しかし企業は責任を回避しようと事実を隠蔽する。危ういパワーバランスのなかで出世をもくろむサラリーマン。やがて大企業の驕りは内部告発により崩れていく。
倒産というタイムリミットと、大企業の中の隙あらばという感じの人間関係、はらはらしながら読んだ。大きくなればなるほどこんなものなのかもしれないなと思う。大企業にとっては命よりも会社の利益、個人の保身が優先されるのかもしれない。それによって死んだ人は浮かばれない。会社の良心というべき内部告発ではなく、葛藤し復讐的な内部告発にしているあたりがこの物語には合っているという気がする。
欲を言えば、PTAってこんな感じだったかな、わけわからない人ほど発言力もあり影響力もあり、学校側は神経使って野放しにするけど。役員になったとたん挨拶してくる校長、教頭試験に受かったとたん態度の変った先生、影で担任にすぐ電話してわが子を弁護するくせにいざクラスで集まると出席もしない親、思い出しちゃったな。


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 32

雷の季節の終わりに

著者 : 恒川 光太郎

出版社:角川書店

発売日:2006-11

評価 :

完了日 : 2007年03月13日

これもファンタジー小説の分類に入るのだろうな。初めて読む作家だったが、なかなか面白かった。
現世から隠れた里「穏」に住む少年は雷の季節に唯一の肉親である姉が鬼に連れ去られる。そしてそのときから少年に獲り憑いた「風わいわい」
少年が里の秘密を少しづつ知るたび誰かが消える。そして知ってはならない秘密を知ったとき少年は里から逃亡しなくてはならなくなる。
少年は「風わいわい」に導かれ下界の都市を目指す。

ウーン、正直言って感想を何と書けばいいのか解らない。面白かったと思う。でもここがこうとか、ここに感動したとか、話の展開にアッと驚いたとかそういったものは特にない。
ただ、面白かったと思う。


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 16

むかしのはなし

著者 : 三浦 しをん

出版社:幻冬舎

発売日:2005-02-25

評価 :

完了日 : 2007年03月05日

関係のない7つの短編集かと思っていたが、途中から地球が隕石に当たり消滅するとわかり、脱出用ロケットの抽選に申し込まなかった人の話や、乗り込んだ人の話になる。
「花」と「懐かしき川べりの町の物語せよ」が良かった。
「花」   
研究者の特権で脱出用ロケットに乗る事の出来る男に勝手に婚姻届を出されそのおかげでロケットに乗る事の出来た女は自分が男を軽蔑していながらそんな男に捨てられることを心のそこで脅えている。それは愛なのか。絶対の愛を受けながら信じきれない哀しさ。女の弱さ。
「懐かしき川べりの町の物語せよ」
モモちゃんというみんなから恐れられている男となんとなくなついてしまった僕は一緒にダイヤモンドを奪いに行き、結果やくざの親分でモモちゃんの父親かもしれない男から脱出用チケットを渡される。モモちゃんと一番親しそうだからという理由でそのチケットをモモちゃんに渡す役を言いつけられる。しかし結局そのチケットを渡すことは出来なかった。後悔と一緒にモモちゃんとの思い出を語る男.ほろ苦い感じがなかなか良かった。


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 4

夜のジンファンデル

著者 : 篠田 節子

出版社:集英社

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2007年03月05日

つまらない。
なんだか何の魅力も感じない。だから途中でやめてしまった。
6編の短編だがどれもこれもという感じ。


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 1

裏稼業 (下)

著者 : ジョン・グリシャム,天馬 竜行

出版社:アカデミー出版

発売日:2002-03

評価 :

完了日 : 2007年02月25日

前に読んだ「召喚状」よりも面白かったが、どうも刑務所がぴんと来ない。「プリズンブレイク」の刑務所がアメリカの刑務所としてインプットされている成果塀も柵もない刑務所がイメージできない。
3人の判事たちが刑務所の中で始めた裏稼業がとんでもない大物を引っ掛けてしまう。退官間近のCIA長官と老判事たちの知恵比べ。
ストーリーは面白いが、それ以上何かと言うものはない。謎を解くとか真相に迫る迫力とか後半の追い込まれる展開とか何かもう一つな感じ。


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