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パートママさんの読書ノート

忘れん坊の読書録
本プロと言うサイトに記録していた本
読書感想文を書く楽しさと、そこでいろんな方の感想を知ることが出来た本
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 1

呼び出し(召喚状)〈下〉

著者 : ジョン グリシャム

出版社:アカデミー出版

発売日:2004-12

評価 :

完了日 : 2007年02月18日

期待はずれだった。超訳が面白みを消してしまったのか、もともと外国の裁判制度とか中毒患者の施設とかそういった環境が理解できていないからなのかはわからないが、つまらなかった。ストーリーだけの本だった気がする。
この人の作品は、「依頼人」「処刑室」「法律事務所」とどれも物凄く長く、分厚いものだったが、それでもどんどん読まずにいられない面白さがあった。特に後半のラストの追い込みのようなものはどんどん息詰まる感じが好きだった。特に南部の人種差別の歴史とか死刑制度とかが長かった「処刑室」も読んでいてふーとは思ったが、それなりになんだかわかったような気がした。
この作品自体がストーリー的にイマイチな気もするが、面白みのない文章だった気がする。


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 14

さぶ (新潮文庫)

著者 : 山本 周五郎

出版社:新潮社

発売日:1965-12

評価 :

完了日 : 2007年02月05日

山本周五郎は数々の名作時代小説を書いているが、これもその一つ。昭和も平成も関係なく読み続けられる小説だろう。
「さぶ」という題名だが主人公はその職人の兄弟子で同い年の栄二、腕もよく賢く見栄えもよく主人からも出入りの得意先の評判もいい。女にももてる。それと反対にさぶはいつまでも一人前になれない、愚図でのろまで見栄えも悪い。
図書館の古い全集を借りたので解説のほかに附録にさぶの編集の人と評論家の文章が載っている。
その中で、「さぶと栄二は人間の中の二面性」とある。自分に自身がある栄二は自分に自身の持てないさぶを庇護してやり励まし、さぶは栄二に頼っている。その関係が栄二の冤罪による寄せ場送りで変わる。さぶの献身を疑う栄二、寄せ場での経験で栄二は変わって行く。それでもさぶの行為は何か隠しているのではないかと疑う栄二。自分の中にないものが信じられないからだろう。
栄二は確かに悲運としか言いようのない扱いを受ける。しかし寄せ場送りになったこと自体が与力の好意によるものだと気がつかない。寄せ場はこのまま社会にいれば本当に取り返しのない罪を犯しかねないほど怒りに支配されてしまった栄二を隔離する場所。寄せ場の中でも栄二は無償の人の優しさに触れるが怒りが収まらない。
そこでおのぶが登場する。「頭のいい男前の苦労知らず」自分の怒りに支配され目には目をの報復はまた次の報復を生み解決にはならないと説く岡安。栄二は自分が多くの人の支えがあることに気がついていく。
おのぶは仕事がない栄二に「思い上がり」と説く。「人を養うなんて思っているが実はその人に支えられているのだ」という。
作者はこのおのぶの言葉を書きたかったのではないかと思う。
おのぶや栄二やさぶに比べておすえは幸せだ。それこそ苦労知らずだから自分の狭い考えから後先も考えないことをしてしまう。そしてそれをいつまでも黙っていて寄せ場に会いに行く。怒りに支配された栄二を見ても黙っている。怒りが自分に向けられることが怖かったからか、栄二を失うことが怖かったからか、いずれにしても健気な振りをしているが狡猾だ。そこが女だなと思い、そうとわかってもおすえを許す栄二は男だなと思う。
解説に「小説は筋を書くことではなく人間を書くことだという周五郎の主張は成功した」とあるが、狡猾なおすえとそのおすえを選ぶ栄二は確かにそうだと思う。おのぶは選ばれない。おのぶのたくましさは栄二のような男には選ばれない。
それでもさぶの善良さを見抜く「おせえ」がいることで私はなんだかほっとする。


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 3

聖者は海に還る

著者 : 山田 宗樹

出版社:幻冬舎

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2007年01月25日

嫌なことがあったとき思い切り愚痴を言ったり相手の悪口ををいったりするとすっきりもするのだが、反面その状況や周囲が良く見え自分の正当な部分と欠点が見えてきて返って自分に自己嫌悪してしまうことがある。カウンセリングとはそれをただ自己嫌悪することから自己の改善や順応へとプラスの方向に導いてくれるものなのだろうか。
悲しみは何度も涙することで癒されていく。
セラピストの基本的な態度の条件として、
第一、話す内容に無条件に、そして積極的に関心を払いこと。
第二、百パーセント共感すること。
第三、セラピストが自己一致、言ってることと心が同じなこと。
とあるが、これって誰かと仲良くなりたいとおもったときの態度に似ている。
子育て中にも子供の話を聞く態度として基本的にはこれと同じ。相手を見て子供の言葉をじっくりと聴く。
あまりに劇的な変わりようは胡散臭いが、今の教育現場には必要なのだろうと思う。
人間は生きていれば何度も迷うもの。迷って悩んでその中から答えを見つけたり失敗することで学習したり、誰かが力になってくれることで人間関係を気づいていくものだろう。それは理想かもしれない。そんなうまくいくことばかりじゃなくって取り返しのつかないことになることもある。
比留間という人間が誰の心も開く容貌と雰囲気を備えていることでその人間味が感じられない。人間らしさとは煩悩にとらわれている姿なのだろう。別宮は人間らしいという事か。
この作者は多分「嫌われ松子・・・」以来だと思うが、作品の雰囲気はだいぶ違う。
肩がこらずに読めるところはいい。


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 41

銃とチョコレート (ミステリーランド)

著者 : 乙一

出版社:講談社

発売日:2006-05-31

評価 :

完了日 : 2007年01月24日

乙一初読書。かって子供だった大人と子供のためのミステリーという事できっと本来のこの人の書くものとは少し違うのだろう。
父を亡くした少年、ヒーローの優しい微笑の裏に汚い欲望を隠した探偵、天使のような容貌とは裏腹に殺人も平気な凶暴さと知性を持つ少年、そのか弱げな外見からはうかがえぬほど強い意志を持つ母、魅力的な登場人物だとおもう。
単純に一気に読んでしまえたが、ルビの振ってある漢字とかが多いのはいいが低学年でも習う漢字が平仮名なのはかえって読みづらい。


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 60

魔王

著者 : 伊坂 幸太郎

出版社:講談社

発売日:2005-10-20

評価 :

完了日 : 2007年01月21日

ちょっと今回は違う気のする伊坂幸太郎。選挙や政治に対する議論は今に当てはまることばかりと思う。考えろ考えろ、それは作者からのメッセージなのか。
最初、若者の政治意識の低さや選挙離れに対する啓発的な意図の小説なのかと思った。モーニング娘が歌ったところで投票率はあがらない。ならばこんな手で・・・とは考えすぎだったようだが。
大きな流れの中に飲み込まれる事の恐怖、飲み込まれると感じる感性もなくなる恐怖。考えろ、考えろ。
ロックのコンサートの熱狂やサッカーファンの群集心理や子供たちの放火は同じように感じることが私もある。その波になぜかいつもちょっと乗り遅れるからだ。(ま、放火はしないけど)心配になるのだ。いいの?とおもうのだ。乗りが悪いといわれるが、一番早くその波に乗った人ほど早く飽きていく。熱しやすく冷めやすい。そして次の波を見つけそちらへといつの間にか移っていく。
安藤くんは理屈っぽい。けれど彼の周りも結構議論好き。
「へらへらしているようで実は鋭い。」潤也は本能的に本質を見抜いている。でもそれを言葉にしない。
一見政治に無関心で新聞もろくに読まないような人のほうが実は時代の本質を見抜いているのではと感じることがある。今防衛庁が防衛省になってしまったのだって新聞やテレビや国会でやっていたのかもしれないが大きく出ることは議員の個人的な問題とか次の選挙を見越した女の戦いとか夫人の行動とかでそんな大事なことが決定されようとしていることはいつやっていたのかと思う。やらないわけではないが陰に隠れて見えなかった。意図的に誰かがそんなふうに情報を操っていた気さえする。ほとんど関心のない人とちょっと関心のある人に違いはない。むしろないほうがそんなものだとわかっている。
そんな頭のいいやつがいたらもっと世の中は良くなっているはずだ。そのとおりだと思う。
この中で詩織ちゃんがいい。
癒し系、話を聞いてくれて的確な相槌をいれてくれ、受け止めてくれる。奥さんにしたいね。
「魔王」は誰なのか。犬養というカリスマの存在なのか。自分の言葉を他人に言わせる能力のある安藤君なのか良くわからないが、なんだか途中で安藤くんが死んでしまい続く「呼吸」で力は金と自分の能力で大金をためだしたことで終わってしまい、これから何かを始めるのだなというところで何か不満は残る。
国民投票という一見合理的に見える仕組みも矛盾が多いこととか考える材料は一杯あった。今読む話だと思う。


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 1

完本池波正太郎大成〈第6巻〉鬼平犯科帳(3)

著者 : 池波 正太郎

出版社:講談社

発売日:1998-08

評価 :

完了日 : 2007年01月21日

鬼平犯科帳①
文春文庫なら6冊分の鬼平犯科帳が収録されている。こんな分厚く高い本はやはり図書館か豪邸に住むファンしか買えないかも。
いや~、堪能しました。鬼平、さすがです。鬼平が火盗改め長官に就任した文庫なら1では盗賊中心の話が多かったがだんだんに長谷川平蔵という男の魅力に見せられる。時に厳しく情け容赦なく、時にはくだけて優しく、盗賊がその過去のしがらみを捨て平蔵のために働きたいと思うようになっていくのがわかるような気もする。清濁合わせその上広い包容力と決断力、鍛え抜かれた剣の腕。
実在の長谷川平蔵は42歳で火盗に就任して一度退任、その後また長官に就くがその生涯は50くらいで終わっている。本編収録の「むかしの男」では48歳、作者がそろそろこの連載の終盤と考えていたことがわかる。だがあまりの人気にその後も書き続けることになる。その人間関係も緻密で池波正太郎の著作ノートにはいったいどれだけの人間の名前が書かれていたのだろうと前回読んだ文庫の解説で植草甚一が言っていたように「鬼平ノート」を作ってみた。盗賊の親分子分の関係、同心たち、密偵や平蔵が行きつけの店、メモし出したらきりがない。これが結構楽しいのだがきりがない。そこここで出てくる甘いお菓子、団子や煎餅に至るまで書き留めたくなる。
鬼平ファンの中にはその物語の中で鬼平が歩いた道を歩くというのもあるそうだが、浅草、深川、上野などその経路まで書きとめたらどんなものになるだろうと思ったりする。でもこれ以上時間がない。これはもっと年をとってから改めて読み直し、この人物中心の鬼平ノート」をさらにバージョンアップしようと思う。老後の楽しみがまた出来た。
鬼平犯科帳②
ただいま鬼平、お休み鬼平状態で読む。充実。
この本の付録として編集者の文章が載っているが、池波正太郎は創作ノートを作っていなかったという。全ての登場人物がその頭の中に入っていたらしい。これだけ連作されると自然登場人物の数も膨大なものとなる。平蔵の家族や密偵たちはこれだけ読んだのだから当然身内のようになってきて私にもその大方の経歴などは解ってくるのだが、盗賊となると別。その親分子分の関係や師弟関係(?)となると混乱してしまう。その全てが頭の中に入っていたというから作者の愛情のようなものを感じてしまう。
中でも、その密偵のうちおまさには作者の思い入れが感じられる。登場する回数その仕事ぶり平蔵とともに寝る暇もないほど。
実在の人物である長谷川平蔵が火盗改め長官であったのは8年位なものか。それに対して小説の中の長谷川平蔵はその人気のため途中何ヶ月か休んだこともあるらしいが昭和42年に登場以来平成2年まで何と20年以上も連作されている。そうなると事件もどんどん増えてしまい平蔵は何ヶ月もかかる探索を一度にいくつも掛け持ちしなければならず同心密偵に至るまで寝る間もない働きという事になる。
当然ちょっと作者も疲れたのかと感じる様な話しもあるが、だんだんとその登場人物にたいし愛着が出てきたのだなと感じる話もある。おまさや茶店のお熊などがそうだろう。特におまさは大滝の五郎蔵と結婚させるなどその溺愛振りを感じる。
逆に雨引きの文五郎のようにもっと活躍するかと思ったら案外あっけなく死んでしまう人物もいるのだが。
あと同じ厚さで2冊、文庫本なら12、3冊といったところか。昨年の目標だったが何とか今年中に読み終えたいものだと思う。
鬼平犯科帳③
鬼平漬けの毎日に多少飽きてもきているのが本音だが、それでも読まずにいられないのは何故だろう。この本を返してしまったら今度いつ読むことがあるだろうかと思うし、何か思いがけないことでも起きたらとか、また誰か登場人物に変化があるのではと思うからだろう。
水戸黄門と同じで最後は「火付け盗賊改め長谷川平蔵である。神妙にお縄につけ」と平蔵が一喝し華々しい捕物が終わると何故か溜飲が下がるのだ。毎回同じといってしまえばそこは格別の変化はないのだが、そこに至るまでの平蔵には変化がある。最初の頃に比べればいつも疲れている。これは作者自身の疲れなのではないのだろうかと思うくらい疲れている。
この本には昭和50年から53年に発表された長編2編を含み収録されているが、さすがに長編のあとには作者も息抜きかと思うような作品な気がするが、この長編、特に「鬼火」は心踊る。
事件の発端の謎、進まぬ探索、思いがけないところからほぐれる糸。そして一気に火盗の面々が悪党どもを包囲して行き、ついにその押し込みの日がき、平蔵のキメ台詞「火盗改めである、神妙にいたせ」で始まる大剣劇。
長官に絶対の信頼を置く同心与力はもとより密偵たち、家族、友人たち、それらは全て私の知り合いのような気がしてくる。
作者は疲れている。それでもファンを裏切ることなくこのあとも書き続けるのかと思うと何か言葉に出来ないが感慨がある。






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 1

晩鐘〈下〉

著者 : 乃南 アサ

出版社:双葉社

発売日:2003-05

評価 :

完了日 : 2007年01月10日

本プロでよく名前を見ていたので借りました。予想以上の厚さにびっくり!これは鬼兵と同じ厚さ、読みきれるか、と思っていたら予想以上の面白さに夜なべして読んでしまった。
残念なことに「風紋」の存在を知らなかったのでこちらから読んでしまったが、それでも面白かった。犯罪被害者と加害者の家族、それらは全て被害者なのだと改めて思う。
香織がどのようにしてこんな女になって言ったのか、それが風紋を読めば解るのだろうが、平凡な主婦として子供の母親であったかもしれないのに、ここに出てくる女は子供に対する愛しかたを忘れてしまい,生きることに生き残ることに執着している女になってしまった。それでも愛情をかけてくれる祖父母がいたのにどんどん破滅へと向かう大輔、連鎖を断ち切ることが出来なかったのはその年齢のせいだろうか。
「手紙」を読んだときにも思ったが、犯罪が一つ起きるとその周囲の人たち全てが何らかの形で被害者であり加害者になるのだと思う。子供が犯罪を犯したときその子をそんなふうに向かわせてしまった罪、そんな犯罪を食い止める事の出来なかった罪、愛するだけではそうにもならなかった罪。そして一生逃げる事の出来ない傷を受ける。
真裕子について言えば、その傷を傷として持ったまま生きていけるようになったのは7年という歳月もあるのかもしれない。建部の力もあるかもしれないが・・・。
7年だから小学生なのだろうが、小学生だからこの結末なのかもしれないが、もう少し大人になってからにしてほしかった。せめて小説の中くらい小学生にこんなことさせないでほしいと思ってしまう。
今「風紋」を読もうかどうか迷っている。この厚さなんだろうし、その結末もわかっているし。でも香織の変化と松永の弟の絶望を知りたいとも思う。
乃南アサ、「凍える牙」以来最近「氷雨心中」くらいしか読んでいないが、なかなか。今年はこの人のものをもう少し読んでみたいと思う。


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 13

真相 (双葉文庫)

著者 : 横山 秀夫

出版社:双葉社

発売日:2006-10

評価 :

完了日 : 2007年01月07日

久々に横山秀夫。じっくりと読ませて頂きました。
「真相」息子を失った父親は犯人が捕まり始めて息子の本当の姿を知る。どんなことがあっても息子は息子という妻の言葉に家族の絆と再生が感じられほっとする。
「18番ホール」はだんだんと浅ましい姿に変わっていく男にやりきれないものを感じる。
「不眠」親子の愛情といえば簡単だが、父親の姿が哀しい。
「花輪の海」忘れられない傷を抱えたむかしの仲間、それぞれが何かしら問題を抱えている姿が痛々しい。
「他人の家」途中で結末が想像されたが、自分たちの幸福を守ろうとするのにはやはり女のほうが強いなと思う。
華々しさはないがそれぞれの事件の中に人の弱さとか、自分たち家族のささやかな幸せを守ろうとする女の強さがあり結構よみごたえありかな。


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 1

氷雨心中 (新潮文庫)

著者 : 乃南 アサ

出版社:新潮社

発売日:2004-05

評価 :

完了日 : 2007年01月07日

2007年最初に読んだのは乃南アサ。6編の短編が収録されているが、どれもちょっと怖い話。
線香、能面、染色、酒造り、提灯、金細工とどれもそれぞれの職人が主人公になっている。中でも一番印象に残っているのは線香作りの「青い手」、なんだか謎めいた雰囲気から最後の謎ときめいたところまで怖い話。
なかなかかな。


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 14

プリズンホテル〈2〉秋 (集英社文庫)

著者 : 浅田 次郎

出版社:集英社

発売日:2001-07

評価 :

完了日 : 2006年12月03日

ディフォルメされた極道の世界は切った張ったも笑いに変え、すらすらとよめる。この感じなんかどこかでと考えたら、昔読んだつかこうへいに似てる。愛情表現をぶったり叩いたり出しか表現できない男とか、それにマゾ的に泣きながら受け入れる女とか。その軽い感じとか。これも舞台やドラマや映画になる話だなと思う。ああ、もうとっくになってるのか。


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 21

プリズンホテル〈1〉夏 (集英社文庫)

著者 : 浅田 次郎

出版社:集英社

発売日:2001-06

評価 :

完了日 : 2006年12月01日

「秋」にまとめて書きます。


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 22

裏庭 (新潮文庫)

著者 : 梨木 香歩

出版社:新潮社

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2006年11月27日

いやあ、これはなかなか良かった。日本にもこんなファンタジーがあったのかと思う。
依然読んだ「家守綺譚」は山水画の雰囲気で古い日本家屋と荒れたその庭が出てきたが、今回は同じように古びているが洋館とそのイングリッシュガーデン。実際のイングリッシュガーデンを目にしたことがないので大体こんな感じとしかイメージできないのが残念だが。
「傷を恐れるな」「傷に支配されるな」「傷を育てろ」か、なかなか教訓。外に出れば傷つくこともある。そんなとき居心地のいい自分の裏庭で傷を癒したいと思う。あんまり居心地が良くてそのままずっとそこにいたいと思う。傷に支配されているという事か。
母と子であっても、夫婦であってもその絆はかなりもろいものがある。知っていて、知らずにそのどちらでもなくてもお互いに傷ついてしまうこともある。不器用でそれをどうしたら良いのかわからない。一つ変われば全て変わることもあるのに、言葉がなければ抱きしめるだけで良いのに、その方法がわからない。傷を育てるとはこういう事か。裏庭から戻った照美に対する母親のさっちゃんが哀しいが「そんなものだろう」と思う照美の成長が読後に残る。
「家庭」とは家に庭と書く。どんな家にも庭がありその庭師は母親か、またそれって母親に負担多くない?なくなくない?そんなこというなら母にならなきゃいいのにって言われちゃう?でもなってしまったら・・・
わくわく感と誰もの心にあるチクッとしたものと再生への希望とそんなものがあるファンタジー、ただ何か足りない気もする。足りないものがあるから無駄な言葉で説明しなければならなくてまだるっこしさはあるのだが・・・。例えば名前。ソレデとカラダで名前に何かあるのかと思うのに、その後が続いてないんだよねえ。
出来ればジブリアニメかなんかにならないかなと思う。これは良いですよ。


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 1

月への梯子

著者 : 樋口 有介

出版社:文藝春秋

発売日:2005-12

評価 :

完了日 : 2006年11月24日

ボクさんは知的障害があるが、近所の幼なじみ親子やなくなった母の厳しい躾のおかげでアパートの大家として生活している。ある日そのアパートで殺人事件がおきる。ボクさんは梯子から落ちてしまう。
隠されていたアパートの住人たちの秘密、そして幼なじみの悲しさ、ボクさんは母に言われたとおり「みんなに親切にすればみんな良い人になる」という言葉どおり周りに優しくする。
終わりのどんでん返しで全てが夢だったのか、それとも・・・。
うーん、そこそこかな。


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 17

からくりからくさ (新潮文庫)

著者 : 梨木 香歩

出版社:新潮社

発売日:2001-12

評価 :

完了日 : 2006年11月23日

りかさんという人形と一つ屋根の下で暮らす4人の若い女性、それぞれにからまる縁、。りかさんの謎を探すうちに明らかになるのはそれぞれの生き方。
人形、特に日本人形は何か魂が宿っていそうで怖くて家には置きたくないものなのだが、そんな人形を中心にだんだん深まっていく4人の友情は読んでいて気持ち良い。
そこそこの一冊だった。


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 1

北条政子 (文春文庫)

著者 : 永井 路子

出版社:文藝春秋

発売日:1990-03

評価 :

完了日 : 2006年11月20日

政子は良いよ、良いキャラしてるよ。と娘が言ってたのを思い出し読んでみた。
多分相当美化してるなと思うが、歴史書の中から推察するとこういう人物像になるのかもしれない。でも、政子がもっと美人で男たちを引き付けて止まないような女性だったら解釈はもっと違っていただろうなと思う。地方の行き遅れの気の強い嫉妬深い女。コロコロと権力が血によって移り変わる中、政子は68までいき続ける。女だったから権力があっても生き残ることが出来たのか、ただ傀儡として奉られていただけなのか。
歴史が変わろうとするとき必ずといって良いほど骨肉の血の争いがあった。父を夫を息子や娘や孫を失くし、その中には自ら死に追いやったものもいながらそれでもいき続けた政子はやはり強い女性だったと思う。


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 2

冷めない紅茶 (福武文庫)

著者 : 小川 洋子

出版社:福武書店

発売日:1993-06

評価 :

完了日 : 2006年11月19日

2編の短編、「冷めない紅茶」「ダイビビング・プール」
「冷めない紅茶」
良くわからなかった。なんだかなあと思い、誰かに解説してほしくなってしまった。そこでいろんな方の感想を読んでいるうちに、「k君と彼女は生きているのか」というのがあった。それでなんだか妙に納得がいってしまった。
「わたし」は中学の同級生の通夜に行き、同じ同級生のk君と再会する。「わたし」はその夜の死は今までの怖さやつらさを伴った死ではなく、無機化合物的な透明な死として頬ずりしたい死だと思う。そのときから彼女は「死」に取り込まれていたのだとおもう。
「わたし」は3年一緒に暮らした「サトウ」との生活を「錆付いた沼のように淀んでいると」感じている。嫌悪しながらも「サトウ」のいない部屋は不完全だと思う。「サトウ」が黒板に書く伝言は本当だろうか。彼の心も離れて行ってるように思える。
k君の入れる紅茶がいつまでも冷めないことに気づいた帰り「わたし」は自分の着ている洋服の色を思う出そうとする。
そうだったか、それで洋服の色なのかとひとりで納得してしまった。
よく「夏の名作100」とかの解説で「人間の極限を描いた名作」とか「美への執着と葛藤を描いた」とかあってそれを読んで、はあこれはそういう小説だったのかとよくわからないまま納得して判ったような気になるのに似ている。読解力がないという事か。
「ダイビング・プール」
こちらのほうがわかりやすい。というか、主人公の心情が分かるような気がする。彼女の感じている誰よりの孤児という気持ちが痛い。淳の優しさと対照的でいて同じように孤独の表現である残酷さ。

何故かテストの長文とかで「このときの彼女の心境を表している文章はどれか」とかいう問題が出たら、多分これなんだろうなとかそんなことを考えながら読んでしまった。


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 19

片想い (文春文庫)

著者 : 東野 圭吾

出版社:文藝春秋

発売日:2004-08-04

評価 :

完了日 : 2006年11月16日

なんと言うか、まあまあかな。
扱った題材が「性同一性障害」という難しい問題だったせいなのかもしれないが、何かイマイチ納得できない部分が多くて、ストーリー的にミステリーとして謎解きの面白さもあるといえばあるのだが、全体としてどうもなと思う。
まず、何故殺人を告白した美月を自首させてはいけないと思うのか。何故警察から守ろうという事に決まるのか。その辺が不自然で曖昧で結局そこが物語り全体のどうもという感じになっていくのだと思う。
中尾が美月を守ろうというのは当然。でも理沙子や哲郎の場合は、また、その秘密を知った須貝にいたってはその必要性も必然性もないではないか。感情論的にそうなってしまったにしても変。
美月と哲郎の関係にしても変。憧れの男性像だったから、愛する理沙子の選んだ男だったから一夜の関係を結んだとか、たまたま美月の中の女の部分が勝っていたからとかなんだか変。どうしても美月にとって恋愛の対象としては美月自信が男とか女とかいう事に関係なくそれは理沙子ではなく哲郎で、どう考えても理沙子は友人以外の存在にはなっていない気がするのだが・・・。
同性愛者は女として女の人を好きになることだと思うが、ことさら姿かたちを男性に近づける必要があるのだろうか。女の心だけでやはり外見は男に近くないといけないのだろうか。オカマは女として男の人に愛されたいと思い姿かたち行動を女のように変えるが相手は同性ではなく異性として愛するのだろう。オカマの同性愛者という事はないのだろうか。性別は男として生まれたが気持ちは女で女として女の人を愛したいという事。
性別は女で気持ちも女で男の人を愛したいが男性とのセックスに嫌悪感を感じてしまうこと。混乱してきた。
男と女の決定的な違いは、母性ではないのか。妊娠し出産するという行為、それに嫌悪感を感じるかどうか。
誰が誰を片思いしていたのだろうという感じがする。
なんだかよくわからない。


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 1

僕の心臓を盗まないで (角川文庫)

著者 : テス ジェリッツェン

出版社:角川書店

発売日:2001-01

評価 :

完了日 : 2006年01月12日

久々の海外小説。
ボストン、ベイサイド病院の研修医アビーは脳死患者の心臓を周囲の反対を押し切って17歳の患者に移植するよう手配する。もう一人の患者の夫が大金持ちであったことから手厳しい報復が始まる。程なくその患者も心臓移植を受けるのだが果たしてその心臓はどこから来たものなのか。
やがてアビーに安楽死の疑いがかかる。恋人ともうまくいかず研修医としても仕事を失いかけたとき殺人課の刑事キャッカとともに真実を突き止めようとする。
容態の急変の場面を読むと自然とERのあの緊迫した場面が思い出される。臓器移植というと箒木峰生の臓器農場を思い出す。スリリングな展開であきさせないが後半の謎解きの部分が余りに短くもっと苦悩や追い詰められるものがあってと言うかそんな風に犯罪に加担してしまった原因があればなと思う。
 


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