たなぞう

WEB本の雑誌

小梅さん > 読書ノート

小梅さんの読書ノート

克己の警察小説
いわゆる私立探偵小説に比して、どちらかと言えば制約の多い、ある意味ストイックな警察小説が好きな方にお薦めしたい克己の名作の数々をご紹介していきます。
<前のページ 1  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 6

雪虫 (中公文庫)

著者 : 堂場 瞬一

出版社:中央公論新社

発売日:2004-11

評価 :

完了日 : 2008年06月10日


これはスゴイよ。

面白い。「刑事になったのではなく、刑事に生まれた」とゆうのも、あのボーボワールだったかの名言みたいでカッコいいです。だってねえ三代続く刑事の家系ですよ?祖父は「仏」と呼ばれ、父は「鬼」と呼ばれたいずれ劣らぬ新潟県警の伝説と凄腕。

これに対する息子(孫)である主人公はどうか?正義感溢るるヒーローかと思うとなんか違う。自分では正義を貫いているつもりなんでしょうが、どうも人間的には問題が多そうな性格だし、未熟だし、犯人を追いつめることに快感すら抱いているような気もする。万人が「カッコいい!」と双手を挙げて迎えるキャラクターじゃないかもしれない。

でもなんか魅力的なんですよ。

プロットもキャラ造型も文句のつけようがない完成度。ただひとつだけ引っ掛かりを覚えるのは「一人称一視点のハードボイルド小説」という形式(?)に囚われてしまったのか、29歳で「私」ってのはどうなんだろう、と思いました。会話では「俺」って言ってるじゃん。

でも、とにかく面白いです。お薦め。


この感想へのコメント

5.take9296 (2008/07/16)
シリーズ最終作「久遠」は何と初の上下巻。
購入したものの、まだ読んでいません。
6.小梅 (2008/07/16)
どうも最終作のような・・・。

もっと読む(6件)

 

みんなの感想を読む
 2

黒蠅 (下) (講談社文庫)

著者 : パトリシア コーンウェル

出版社:講談社

発売日:2003-12-26

評価 :

完了日 : 2008年05月15日

感想は上巻をご覧ください。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 3

黒蠅 (上) (講談社文庫)

著者 : パトリシア コーンウェル

出版社:講談社

発売日:2003-12-26

評価 :

完了日 : 2008年05月12日

「検屍官ケイ・スカーペッタ」シリーズ第12作。

この前が「審問」でしたっけ?いちおう全部読んではいたのですが(読書ノートで確認)、この作品から積読状態。何があったのでしょう?

なんとゆうかこのシリーズの印象って、ケイのキャラクターが凄い際立ってて、嫌いなヒトは絶対嫌いだろうな~(特に男性)と思ってましたが、今作ではそこは抑えられていて、けっこうサクサクと読めるとゆう感じでしょうか?

それにしてもケイを46歳にまで若返らせたという力業!そしてなんと言っても〇〇〇〇が実は〇〇ていたという設定!これって反則ギリギリ?それとも完全な反則?

しかもルーシーとかも私設軍隊みたいなの作っててもうバリバリです。ただまあラストがあまりにもトントントンと行ってしまうとゆうか、通勤の行きのバスの中で読み終えてしまって、帰りが困ってしまいました。

まあ、これまでの作品以上にページ・ターナーでしたね。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

暗い迷宮 (Hayakawa novels)

著者 : ピーター ラヴゼイ

出版社:早川書房

発売日:1998-12

評価 :

完了日 : 2008年04月08日

ピーター・ラヴゼイのダイアモンド警視シリーズ第5作。前作の『猟犬クラブ』を読んでからかなりの月日が過ぎておりますが、久し振りに挑戦。

やっぱりこのシリーズの魅力はダイアモンド警視のキャラの造型力の巧みさでしょうか。ある意味でレジナルド・ヒルのダルジール警視に似ているところもありますが、微妙な個性の違いはあるようです。

このシリーズの魅力のもうひとつは、警察内部にヒーローの仇敵役が存在することでしょうか。そうゆうサイドストーリィも楽しみながら読んでいけます。

この物語の舞台となっているバースという街は、実に平和なところで、殺人事件などめったに起きないのですが、それでも殺人捜査班が存在するだけあって、なんの脈絡もないような自殺や事故が、ダイアモンド警視の推理力(というか刑事の勘?)で、見事に結びつけられていくのが天晴です。

ピーター・ラヴゼイは短篇も巧い作家です。短篇集が何冊かハヤカワから出ているハズですが、そちらもおススメです。


この感想へのコメント

1.take9296 (2008/07/16)
ラヴゼイは、このシリーズばかり読んでいます。後は「偽のデュー警部」ぐらいかな。
最新作の「処刑人のひめごと」は未読です。
主役のキャラクターが強烈ですが、脇もなかなかですよね。それだけに・・・・の退場は衝撃的でした。
2.小梅 (2008/07/16)
この次の次の作品「最後の声」のことですよね?
 

みんなの感想を読む
 1

湖水に消える (Hayakawa novels)

著者 : ロバート・B. パーカー

出版社:早川書房

発売日:2002-04

評価 :

完了日 : 2008年03月03日

ジェッシィ・ストーン署長シリーズ第3作。

この後にすでに続編3作品が発表されているというのに、まだ3作目です。

パラダイスの湖畔で若い女性の他殺死体が見つかって、ジェッシィ以下、パラダイス署員の地道な捜査が始まります。署員たちもジェッシィに信を措くようになってきたし、プライヴェートではソフトボールのナイトゲームを楽しむようにもなって、だんだんと彼も町になじんでいきます。

スペンサーと大きく違うのは、スペンサーがスーザン一筋なのに対して、ジェッシィがけっこう誰とでも寝てしまうところでしょうか?元妻のジェンはもちろんですが、今作ではハイスクールの女性校長とも寝てしまう困ったちゃんです。

しかし、ジェッシィはやはり元妻のジェンを愛しているし、アルコールを止める努力もしています。セックスは楽しんでいますが、彼なりに努力もしているようで、好感が持てます。

今作では、スペンサー・シリーズでもお馴染みのガンマン、ヴィニィ・モリスも登場します。楽しめる一冊です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

幻の森―ダルジール警視シリーズ (A HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)

著者 : レジナルド ヒル

出版社:早川書房

発売日:1998-10

評価 :

完了日 : 2008年02月20日

ダルジール警視シリーズ(ってゆうか、ダルジール、パスコー&ウィールド・シリーズ)の長編第14作。

今作は凄いよ。

まず、四代に亘るパスコー家の歴史が語られること。パスコー主任警部の曾祖父である、ピーター・パスコー伍長の第一次大戦における悲劇とこれが80年を経た現代の事件にまでつながってくるというストーリィ構築力の見事さ。

次に、なんと太っちょアンディに恋人が!警視もやるなあ、と思っていたら、なんとその恋人が2件の殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう!

そしてゲイのウィールディは、前作『完璧な絵画』で出会った恋人(?)と田舎暮らしをはじめる。

さらに、今作からこの三位一体にシャーリー・ノヴェロという女性刑事が新たに加わり、中部ヨークシャー警察犯罪捜査部はより魅力を増してきそうな期待感が膨らんできます。

事件は、製薬会社の動物実験に抗議する動物愛護団体のメンバーが、会社に侵入しようとして白骨死体を見つけてしまうのだけれど、これは誰の肢体なのか?ラストで明かされる衝撃の事実まで、眼が離せません。

今作は476頁だったけれど、頑張って比較的短期間に読むことができました。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

完璧な絵画―ダルジール警視シリーズ (A HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)

著者 : レジナルド ヒル

出版社:早川書房

発売日:1998-07

評価 :

完了日 : 2008年01月17日

レジナルド・ヒルという作家も、「ダルジール警視シリーズ」(というより、ダルジール、パスコー&ウィールド・シリーズ)というシリーズも大好きなのですが、やはりここ10年も積読状態。

ずっと買い続けてはいるのですが(ただ最新2作はまだ未購入)、なぜ手をつけずにいたのか?

やっぱこの厚みだよなぁ~。当時、イアン・ランキンとポケミスの厚さ(と定価)の記録を交互に更新していたように記憶しています。未読の山が高いもの!

で、この作品はシリーズ第13作。既刊本は未訳の2作をのぞいて全部読んでいるハズ(ただし手元にはない)。

やはりこのシリーズの魅力は、ふとっちょアンディ・ダルジール警視、優男ピーター・パスコー主任警部、醜男でゲイ(しかし有能)のエドガー・ウィールド部長刑事のそれぞれの個性の描き分けと、文学の薫り高い格調高い(?)文章、緻密な構成となんといっても全編に溢れるユーモア、というところでしょうか。

冒頭から銃の乱射事件のシークエンスが出てきて、思わず昨年末の佐世保のスポーツクラブ乱射事件が頭に浮かんできましたが、これがどうなるのかを最後までとっておいて、いきなり事件の2日前に立ち戻るという構成の心憎さ。

各章の頭にジェーン・オースティンの手紙が引用されているんですが、これまた「ようこんな内容にピッタリの文章探してくるなあ」とただただ感心させられます。

しかし、いくら厚い(といっても377頁)とは言え、元旦から読み始めて今日までかかるのはちょとまずいでしょという遅読ぶりでした(もちろん面白くない訳ではけしてないのだけど)。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

忍び寄る牙 (Hayakawa Novels)

著者 : ロバート・B. パーカー

出版社:早川書房

発売日:1999-04

評価 :

完了日 : 2007年11月12日

ジェッシイ・ストーン署長シリーズ第2作。

パラダイスの町を牛耳っていた行政委員長を追放して、ジェッシイは次第に警察署長として町の住人たちの信頼を得て行きます。

そんな或る日、刑務所を出所したばかりの悪党マクリンがパラダイス湾の中にあるスタイルズ島の金持ち住民たちに目をつけ、島ごと分捕ろうと計画をたて、仲間を集めます。

ジェッシイは、またしても彼を解雇しようとする動きや、前妻、女弁護士などとの葛藤の中で、マクリンたちの企てを阻止しなければなりません・・・。

悪党の仲間にアメリカ先住民族のクロウ(ウィルソン・クロマティ)という男がいるのですが、この男はマクリンよりも不気味な男です。しかし女性を人質にすることを潔しとせず、現場を離脱します。ある意味でジェッシイに似た部分を持っていて、今後の作品で重要なキャラクターになりそうです。

『忍び寄る牙』とはもちろん悪党マクリン一派のことでしょうが、原題は『Trouble in Paradise』という極めてシンプルなもの。ひょっとしてこのクロウのことを指しているのかも?


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

暗夜を渉る (Hayakawa novels)

著者 : ロバート・B. パーカー

出版社:早川書房

発売日:1998-05

評価 :

完了日 : 2007年11月11日

私の読書ノート「孤高の探偵小説」でまず最初に取り上げたのは、ロバート・B.パーカーのサニー・ランドル・シリーズでした。なぜスペンサー・シリーズではないのかと言えば、本自体を実家の第1書庫に置いてあっておいそれとは取りに行けないのですが、そのうち書きます。でまあ、この両シリーズの間に書かれたのが、このジェッシイ・ストーン・シリーズです。

元ロサンゼルス市警殺人課刑事のジェッシイ・ストーンは、妻と別れた後、酒浸りになっていますが、人生をやり直すために、アメリカ大陸を横断してマサチュウセッツ州のパラダイスという田舎町の警察署長の職を得ます。

実はこの「パラダイス」という町を牛耳っているのは、町の行政委員長とその腹心である警察署のナンバー2の二人なのですが、実は彼らがジェッシイを面接して新しい署長として採用したのです。この男は無害であると考えて。

しかし、ジェッシイは初めての町で新しい人生をやり直したいと考え、警察署長としての本来の任務を全うしようとします。当然ながら町を牛耳る黒幕たちとは対立を余儀なくされます・・・。

これってホントにR.B.パーカーの小説世界だね。

『暗夜を渉る』というタイトルはアメリカ大陸を横断しながら、酒を飲み、別れた妻とその新しい愛人がファックしているところばかりを想像しているジェッシイが、見知らぬ町で生きていくために「再生」しようとしていく、その過程を表わしていると思われます。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

百舌の叫ぶ夜

著者 : 逢坂 剛

出版社:集英社

発売日:1986-02

評価 :

完了日 : 1986年03月02日

1986年3月2日の読書ノートに、たった一言だけ添え書きがあります。「最高!」だって。

爆弾事件によって妻を殺された公安警察の刑事。記憶を失ってしまった殺し屋の「百舌」。そして絵に描いたような刑事警察の刑事・・・。

登場人物の造型力と精緻なストーリィの構築力。逢坂剛は、この作品で一気に売れっ子作家となりました。しかし、残念ながら本作品の続編である『幻の翼』以降のシリーズ作品は評価には値しないと考えています。

それだけこの作品は完成度が高い傑作なのです。
現在は集英社文庫で入手可能です。


この感想へのコメント

<前のページ 1  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.