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小梅さんの読書ノート

虚実の伝奇小説
歴史小説や時代小説とは一味違う、伝奇小説が好きな方にお薦めしたい虚実の名作の数々をご紹介していきます。
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朱印!―古着屋総兵衛影始末 (徳間文庫)

著者 : 佐伯 泰英

出版社:徳間書店

発売日:2002-06

評価 :

完了日 : 2008年07月04日


古着屋総兵衛シリーズ第6作です。

大老に就任した柳沢吉保と鳶沢一族の暗闘はだんだんと佳境に入っていきます。

あいかわらず五代将軍綱吉の寵愛を受け続ける吉保ですが、綱吉も病に臥せるようになり、次代将軍も決まってはいるのだけれど、そこに策謀を巡らすのが柳沢吉保と吉里の親子。

柳沢吉保はこれまでの川越から甲斐に加増のうえ転封される訳ですが、城内家老のお国入りはかつて徳川家康を三方ヶ原の戦いで恐怖に陥れた(家康は脱糞しながら逃げるほどだったらしい)武田騎馬軍団の復活を宣言するものでした。

つまりここへきて柳沢吉保は遂に・・・、というストーリィです。どこまでが史実でどこからが虚構なのかが判らなくなってきます。

それにしても柳沢吉保って赤穂事件以来、綱吉の寵愛も失って一気に凋落していったイメージがあったのですが、この作品ではまだまだ暗然たる力を持っていて、敵役としては最高のキャラですね。


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熱風! 新装版 (徳間文庫 さ 12-19 古着屋総兵衛影始末 5)

著者 : 佐伯 泰英

出版社:徳間書店

発売日:2008-03-07

評価 :

完了日 : 2008年03月09日

佐伯康秀の「古着屋総兵衛影始末」シリーズ第5作。

前作「停止!」の紹介の際にこのシリーズを伝奇小説にカテゴライズした理由を述べましたが、この作品ではそれが色濃く出ています。

江戸時代には「お伊勢参り」が流行しましたが、60年に一度くらいの周期で「抜け参り」という500万人規模による集団参詣という宗教的狂熱現象があったようです。

現代の伊勢神宮参詣者が年間600万人くらい。ましてや日本の人口がいまの4分の1程度だった江戸期に500万人が夏の一時期に集中したというのは凄いことです。

なんで「抜け参り」かというと、お店の小僧さんとか(主に子供)が勝手に飛び出してお参りに行ってしまうのだけれど、お店の主はそれを咎めてはならないという不文律があったようです。

で、大黒屋でも3人の小僧が「抜け参り」に行ってしまうのですが、なんとこの年の「抜け参り」にはまたしても柳沢吉保の謀略があった・・・。

そして鳶沢一族の鬼っ子、寝小便垂れ小僧の栄吉がまさに神がかり的な大活躍をなすという・・・。


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停止! 新装版 (徳間文庫 さ 12-18 古着屋総兵衛影始末 4)

著者 : 佐伯 泰英

出版社:徳間書店

発売日:2008-02-01

評価 :

完了日 : 2008年02月05日

佐伯泰英の「古着屋総兵衛影始末」シリーズの第4作です。

ま、これを伝奇小説にカテゴライズしていいのか、というご意見もあるでしょうけれど。

1.主人公は表の顔は古着屋の主人であるが、実は神君家康公以来の影の武闘集団の領袖という裏の貌を持っている。

2.幕閣にいる「影」の指令を受け、徳川幕府の危難に対して働くことを役目としている。

とまあ、こうゆうことです。

時代は宝永年間、綱吉の治世ですから、敵は当然ながら御側御用人・柳沢保明ですね。

このシリーズは佐伯泰英が抱える10のシリーズの中で唯一、全11巻で(取り敢えず)完結している作品です(まあ、第1部完結らしい)。

この作品は4作目なんですが、柳沢保明との暗闘も段々と佳境に入り、今回はなんと古着屋の大黒屋が「商停止」つまり営業停止処分を受け、総兵衛も北町奉行所に囚われて(別件逮捕)拷問を受けます。

殆ど死にかけていた総兵衛を助けたのが、なんと前作で敵方であった美貌の女武芸者・深沢美雪・・・。

この写真は新装版ですが、私が読んだのは旧版です。


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影武者徳川家康〈上巻〉

著者 : 隆 慶一郎

出版社:新潮社

発売日:1989-06

評価 :

完了日 : 2007年10月28日

関ヶ原の合戦の際に、徳川家康は既に暗殺されていた・・・。

徳川幕府の開府に当たっての最大の謎が、初代家康と二代秀忠の関係である。秀忠はその父である偉大なる神君家康公の陰にあって、常に「暗愚」であるとか「凡夫」であるとかのネガティヴな評価しかなされていない。もちろん秀忠はけして暗愚でもなければ凡夫でもなかった筈である。ではなぜ、この親子はかくも対比されて語られるのか?

その謎にかくも大胆な仮説を「伝奇小説」という形で世に問うたのが故・隆慶一郎の傑作である本書である。

暗殺された家康の影武者として、初代将軍となった世良田次郎三郎と秀忠の暗闘。史実をここまで読み抜き、素晴らしい想像力で構築された物語をぜひ堪能していただきたい。

なお、現在は新潮文庫より全3巻にて入手可能です。


この感想へのコメント

1.船橋胡同 (2007/11/01)
コメント書くのが遅れましたが、この作品はすばらしい。
隆慶一郎氏はパーと世に出てアーという間に亡くなった。
私は、氏の作品は当時全部買って読んだ。何度かの転勤で
今は無い。ここで、懐かしんでます。
 

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影武者徳川家康〈下巻〉

著者 : 隆 慶一郎

出版社:新潮社

発売日:1989-06

評価 :

完了日 : 2007年10月28日

感想は上巻をご覧ください。


この感想へのコメント

1.madi (2007/10/29)
おっ、なつかしい。少年ジャンプでマンガ化もされていました。1989年「本の雑誌」一位ですね。
2.小梅 (2007/10/30)
『一夢庵風流記』が漫画化(『花の慶次』?)されていたのは知っていましたが、これもでしたか。
マンガは青年誌しか読まないので、気づかなかったですね。
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