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ハローbreezeさんの読書ノート

2008年に読んだ本
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 14

スメラギの国

著者 : 朱川 湊人

出版社:文藝春秋

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年07月06日


とても辛い話だった。
物語は、主人公と猫たちとの戦いを描いたホラー小説。
ヘビーなものではなかったが、ホラー小説は読み慣れないためか、恐怖心を煽られた。
それでも、ラストには希望の光が見える。それで暗澹とした気分はすこしだけ薄らいだ。

主人公の志郎が同僚から格安で手に入れた高級車を駐車スペースに入れ損なったことから、不幸な物語は始まる。ここから猫たちとの戦いが始まり、志郎の夢見ていた薔薇色の生活が崩れていく。
一方、志郎の上司・村上は、一人息子を交通事故で失ったショックから人付き合いができなくなり、自暴自棄に陥っていた。

なぜ、作者は村上の話を絡めたのだろうか?
どうしてかここが引っ掛かった。
その答えを考えていたとき、この物語の注目すべき点はここにあるのではないか、と直感的に思った。

注目すべき点とは、
「村上も、猫の“オウさま”であるスメラギも、最愛の子を車に轢かれ失ったという点で、同じ立場にある」ということ。
同じ悲しみを抱えた両者それぞれが、どう苦しみ、どう対処したか?
まわりの者は何をしてくれたか?

村上は復讐を誓い、スメラギは復讐を無益な行為と考えた。
村上への公的機関の対応は冷たかった。一方、スメラギを“オウさま”と崇める猫たちは、加害者を殺そうと決意する。

作者はこのような両者を対比して描くことにより、読み手により深い熟考を促したかったのではないか。
作者の卓越した力を見せられた気がした。

ただし、冷静にみると、この作品には問題点がある。
主人公・志郎が猫たちの攻撃を受けたときのこと。志郎は傷だらけ、車も爪跡だらけになった。
この部分を読んでいるとき、志郎の立場になって対処法を考えてみた。
「自分なら、どうするだろうか?」
ほとんどの読者はこう答えるのではないか。

「保健所に知らせる」

顔や身体、それに車の引っ掻き傷を証拠に見せれば、野良猫駆除を行なってくれるだろう。
しかし、この物語の主人公・志郎はチラッとも考えなかった。ここに不自然さを感じてしまった。
ぐいぐいとひき込まれる良い作品なだけに悔まれる。


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6.ハローbreeze (2008/07/10)
ryoukentさん、今晩は★
たなぞう会員の方々のノートは、本選びの参考です。
特にコメントをくださる方のノートは、読むのを楽しみにしています。

そういえば、ryoukentさんのノートは2つに分類されているだけですね。
「おすすめの本」もまもなく100冊。もしお時間あれば、ジャンル別とか作家別とか、さらに分けていただけると助かります。

朱川さんの『花まんま』、読みたい本リストに加えておきます。
7.ryoukent (2008/07/10)
あのですねぇ。実は読書ノートの作り方を知らないのです。そうじゃないだろ、めんどくさいんだろ、という説もあってどうやらそれが正しいのですが・・。

でもどこに行ったか分からなくなる事も理由です。

最近やっと分かったのは複数の読書ノートに入れることが出来る、ということ。これだと全部の本を「最近読んだ本」に入れながら、もう一個ジャンル別のノートに入れればよいことに気づいてめんどくささと格闘中です。

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 2

いすゞ鳴る

著者 : 山本 一力

出版社:文藝春秋

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年07月04日


江戸時代末期。
土佐室戸岬の鯨組漁師たち。
加賀奥能登の漁師と漆職人たち。
江戸深川の両替商や職人、町内鳶たち。
旅先案内人の「御師」に導かれ、それぞれの思いを胸に、お伊勢参りに旅立つ。
江戸深川に住む左官の7歳の息子、朝太の成長物語を絡める。

面白そうだと思って読み始めたが、物語にメリハリがなかった。
やっと着いた伊勢神宮だったが、盛り上がり不足。感動がなかった。
最後に、朝太が奇跡を呼ぶが、それも御師によって予言されていた通りのことが起こっただけ。
予言と違ってきたけど、どうなるんだろう、みたいなドキドキ・ハラハラするようなことは起きない。なにかひとひねりほしかった。 


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 35

インシテミル

著者 : 米澤 穂信

出版社:文藝春秋

発売日:2007-08

評価 :

完了日 : 2008年07月02日


クローズドサークルもの本格ミステリ。
時給11万2千円という、超高額バイト。
12人が、地下の閉じられた空間「暗鬼館」で7日間を過ごす仕事。
でも、そこにはとんでもないルールがあった。

正直に言うと苦手なジャンル。
それなら読まなければいいとも思う。でも、多くの人が面白かったと評価している。
好奇心を抑えられず、食指を伸ばしてみた。

まず、読み始める前に頭を整理した。最近読んだ数冊の本格ミステリを通じて、読むにあたってはいくつかの心構えが必要だと気付いたから。
どんな心構えかというと、きちんと整理できていないがおおよそ次のようなこと。
・殺人は、必然性がなくても行なわれるかもしれない。
・動機を深く追求しないこと。たいした動機がないかもしれない。
・登場人物のプロフィールや生活背景は描かれていないかもしれない。
・証拠品がなく、蓋然性で判断する必要があるかもしれない。
・犯人を推理することを主体に読む。
これで動機が弱いとか、人間が描けていないとか、証拠が不十分、等々のネガティブな読後の感想を持たずに、犯人当てを純粋に楽しめるのではないか、と考えた。

結果、ぐいぐいと読み進め、読み終わったときにはミステリの面白さを再確認していた。
懸念を抱きながら読み始めたものの、杞憂に終わりホッとした。

読んでいて、似かよったシチュエーションの映画を思い出した。
擬似刑務所で、雇われた人間は看守と囚人に分けられ、その役を演じながら何日間かを過ごすという仕事。
何事もなく過ごすだけで高額の報酬が得られるのだが、簡単には終わらない。そういう映画。

人間というのは、閉鎖的な空間に閉じ込められるとこうなるものなのだろうか。
追い詰められると、論理的に正しいことよりも、心証の良いものに人は心を囚われるのだろうか。心証による判断は間違いの可能性もあるのに、と恐怖を感じた。深くはないが、人間心理の一部をかいま見れた。

なお、この小説の冒頭には「警告文」があります。
「この先では、不穏当かつ非倫理的な出来事が発生し得ます。
それでも良いという方のみ、この先にお進みください」
連続殺人が発生しますので、お気をつけください。


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 87

有頂天家族

著者 : 森見 登美彦

出版社:幻冬舎

発売日:2007-09-25

評価 :

完了日 : 2008年06月30日


2008年本屋大賞3位受賞。多くの方が高い評価を与えている作品。

でも、悲しい。読んでみて、このユーモアあふれる素敵なファンタジー作品を楽しめる感性が、私には欠けているのを思い知らされることになろうとは……
そういえば、『夜は短し……』が苦手な作品だったのをすっかり忘れていた。

舞台は、京都の狸(たぬき)社会。
たぶん、人間社会を狸の目から見て皮肉っているのだろうが……
無粋な私は、どうしてもその世界に入り込めなかった。

そんな私が、この物語に教えられたこと。

「狸として如何に生くべきか」(P.44)
「どうやら面白く生きるほかに何もすべきことはないようだ」(P.45)

「蛙でも何でもかまわないよ。あなたたちがこの世にいるだけで、私はじゅうぶん」(P.86)

「昨年も色々なことがあったが、とりあえずみんな生きており、とりあえず楽しくやってきた。今年も色々なことがあるだろうが、とりあえずみんなが生きており、とりあえず楽しければよいだろう。我々は狸である。狸は如何に生くべきか、と問われれば、つねに私は答える――面白く生きるほかに、何もすべきことはない」(P.356)



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6.フィリップ・まろ (2008/07/12)
「面白きこともなき世を面白く」
と言ったのは奇兵隊の高杉晋作です。
嫌な仕事をするときに僕はこの言葉を思い出し、嫌な中に面白いことを探すように努めます。介護職の僕だって、本当は赤の他人の老人のうんこを始末するのなんて真っ平です。でもね、永らく出ていなかったうんこが出たときの老人のほっとした顔。苦しかったでしょうに、よくがんばって出したね、と嬉しくなってきます。
7.ハローbreeze (2008/07/13)
フィリップ・まろさんのページにお邪魔したときに、介護のご苦労を知りました。
この問題は他人事ではなく、私自身近い将来負わなければならないことと覚悟しているつもりですが、その苦労は考えも及ばないものなのでしょうね。
私は3年前に1ヶ月くらい入院したのですが、看護士の仕事も超ハードで驚きました。長く、不規則な勤務時間。下の世話ももちろん、患者に接するときは笑顔。どこをみても感心し、感謝しました。

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 1

TOKYO BLUE

著者 : わたせ せいぞう

出版社:ソフトバンククリエイティブ

発売日:2005-02-16

評価 :

完了日 : 2008年06月30日


わたせさんの初のビジネス・ストーリー・コミック。
ロマンチックで、センティメンタルな世界。
さわやかな風が吹きぬけていく、色鮮やかな美しい東京の街。
仕事を通して成長していく男女。そして、恋が描かれる。
ブルーになることもあるけれど、前向きの主人公はすばらしい。
ハッピーエンドにとても幸せな気分を味わえた。

主人公の谷越課長。
めげないところがいい。
トラッドなファッションがいい。
雲を眺めるところがいい。
人との接し方がいい。
夏休みの過ごし方がいい。
そして、何より彼のやさしさがいい。

『ハートカクテル』『菜』も大好き。
この作品もとても爽快だった。


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4.ハローbreeze (2008/07/04)
ようちんさん、今晩は☆
この作品も『完全恋愛』『ブルーベリー』と一緒に
「読みたい本リスト」に入れてあげてください♪
『菜』も情緒があっていい作品です。私も「再」読したいと思ってます。

コメント1の
>♪ハッピーエンド♪って、やはりいい響きですよね♪

これは、このところ話題の大瀧詠一にかかっているんですよね? あっ、訊いちゃったら無粋ですね♪
5.ようちん (2008/07/04)
ふふふ、その通りです♪
なので、無粋だなんてことはないですよ

いいですよね~♪
最近、「大瀧詠一」と「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」を聴いています♪これも、ハローbreezeさんのおかげです♪
おっしゃる通り、「読みたい本リスト」早く手をつけたいです♪♪

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 9

嫁洗い池 (創元推理文庫)

著者 : 芦原 すなお

出版社:東京創元社

発売日:2003-05

評価 :

完了日 : 2008年06月29日


東京郊外に住む夫妻のもとに、友達の河田警部がおいしそうなお土産と、未解決の事件を携えてやってくる。

奥さまは、料理上手な主婦。そして旦那さまは、しがない作家。
ごく普通の2人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。
でも、ただひとつ違っていたのは・・・奥さまは「名探偵」だったのです。

『ミミズクとオリーブ』の続編。
奥さんは家に居ながらにして難事件を解決してしまう、台所探偵。

このシリーズ第2弾は、ミステリ部分が前作に比べ、パワーダウン。ちょっと残念だった。
でも、軽妙な会話は相変わらずで楽しい。掛け合い漫才のようで、思わず笑ってしまう。
そして、出てくる料理の数々。やはり前作同様、垂涎もの。悪友同士がおいしそうに食べるシーンが、特にいい。
さらに、ミミズクの夫婦がもらった餌を食べ、嬉しそうにポーポーと鳴くところは、こちらも嬉しくなる。

2作を読んでもっとも印象に残ったのは、作品に終始流れている、温かさとほのぼの感あふれる幸せな生活。
主人公夫婦のそんな生活を描くことによって、犯罪者の愚かさを際立たせているところが心憎い。

ぺこぽんさんおすすめの第3弾が楽しみ。


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 3

川島屋百貨店

著者 : 川島 蓉子

出版社:ポプラ社

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年06月27日

『川島屋百貨店』は、著者・川島蓉子さんが日々の買い物を通じて出会ったもの、惚れこんで大切にしたいと思う商品ばかりを、厳選して並べたデパート。

最初のページをめくると、「いらっしゃいませ」と
挨拶してくれる川島さんがいます。

フロアガイドを載せておきます。

6F インテリア・ギフト
5F キッチン
4F 雑貨
3F ファッション
2F コスメティック
1F アクセサリー    ANNEX フード

いよいよ入店。
1階から6階、ANNEXまでゆっくりとウインドウ・ショッピングを楽しめます。
もちろん、「いいなぁ~」「ほしいなぁ~」という商品がいっぱい。
私が愛用している「諏訪田製作所」の爪切り発見。ちょっとうれしくなりました。

値段はどれもそんなに高くなく、良心的。
川島さんは、いわゆるラグジュアリー・ブランドには興味がなく、洋服も10万円を超えるものは買わないそうです。ご自分では、庶民派と仰っています。

でも、不思議? なぜ、男の私がみても楽しいのだろう?
答えがありました。女性用商品が多いのは確かです。でも、新聞に連載したものについては、できるだけ年齢や性別を問わずおすすめできる商品をと工夫したそうです。
そうです、読売新聞日曜版「MYスタイル」という連載で、私は川島さんを知りました。現在も連載中で、毎週楽しみにしています。

ちなみに私が心惹かれた商品を列挙します。
長くなってしまうので、商品説明できないのが残念です。

・「NUNO」のトートバッグ
・チリー・ジョイ・スティック ケンゾーパルファム
・「宮崎タオル」のマフラー
・「マーナ60」のバススツール
・「物語の栞の物語」という栞
・「廣田硝子」の江戸硝子醤油差し
・「とらや」の豆皿5枚セット
・「大黒屋」の五角削り箸
・ミュージックマグ
・「±0」のスタンドライト
・「TORAYA CAFE」のあんペースト


この感想へのコメント

1.KUMI (2008/06/29)
ひゃあ~♪
なんだか、わけもなくワクワクしてきちゃいますっ☆
私はお買い物はあまりしませんが、デパートの中を
ぐるぐる見て歩くのは好きなんで、こんな素敵な百貨店があ
るのなら、是非訪れてみたいですね。

やっぱり、栞と(笑)ミュージックマグが気になるなぁ~
あと、今いいお醤油差しを探している所なんです。
それも、見たい。
2.ハローbreeze (2008/06/30)
ご来店ありがとうございます♪
江戸硝子醤油差しは、少し黄色味がかっているため、アンティークぽいです。懐古調ただよう佇まいに好感。四季の草花を切子で削りだした、9種類があります。

「物語の栞の物語」 どんな栞だろう? と思うでしょ。
「ミュージックマグ」はiPodなど用のスピーカー。大きめの
湯呑み茶碗そっくりな陶器製です。電池要らず。

またのご来店をお待ちしております。
 

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 7

完全恋愛

著者 : 牧 薩次

出版社:マガジンハウス

発売日:2008-01-31

評価 :

完了日 : 2008年06月27日



推理作家協会賞受賞の本格ミステリ作家が、アナグラム化した名前・牧薩次(まき・さつじ)名義で書き下ろした作品。

いずれにせよ、私にとって初めて読む作家。
先入観なしで読むことができてよかった。そして、何より面白かった。

「他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?」

こう問いかけて、物語は始まる。

主人公が見つめる、愛する女性の美しさがまっすぐに伝わってきた。だから、おとずれた別れには、いっそう胸が痛んだ。

物語は、企業間の争いや出生の秘密が絡み合いながら、やがて悲劇を重ねていく。

「完全恋愛」は成就するのだろうか?
ところで、誰の「完全恋愛」なのだろう?

疑問を抱きながらも読み進めると、衝撃のラストが待っていた。見事な伏線の大集結に、快感。お待ちかね、ミステリの醍醐味を十二分に味わえた。

またひとりお気に入りの作家が増えた。他の作品も読んでみたい。


この感想へのコメント

4.ryoukent (2008/06/30)
Breezeさんが疑問を感じた >あるトリック がどんなのかもあわせて、とても興味津々瑠璃色の状態になってきました。やはり読もう、そういうことになった。
5.ハローbreeze (2008/07/01)
是非お読みになって、感想をお聞かせください。

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 11

ブルーベリー

著者 : 重松清

出版社:光文社

発売日:2008-04-22

評価 :

完了日 : 2008年06月24日


甘いけれど、★★★★★。でも、でも……

だから、急いでみんなの評価を見た。
予想通り、あまり評価は高くない。感想も渋い。

やっぱりなぁ~、と納得するも、ちょっと残念。

実はこの作品、主人公と同じ世代の読者で、1980年代はじめの東京を知らないと、面白さが大きくスポイルされてしまうと思う。
重松清さんは人気作家なので、この作品も多くの若い世代が読むだろう。でも、それはちょっと厳しいかもしれない。

ちなみに主人公は1963年(昭和38年)生まれ。
東京の大学に合格し、上京した1981年から話は始まる。

具体的に出てくる「もの」をピックアップしてみる。
・代々木公園の竹の子族
・レコード・プレイヤー、カセットデッキ
・寺尾聰の『リフレクションズ』
・大滝詠一の『ロング・バケーション』
・大滝詠一の歌う「恋するカレン」
・ファラーのホップサック
・トップサイダーのデッキシューズ
・ウォークマン(カセットの)
・「ふぞろいの林檎たち」
・『エースをねらえ!』
・ボートハウスの水色のトレーナー
・シップス、シーズ、クルーズ
・ボルグ、マッケンロー、コナーズ
・タッキーニ、エレッセ
・ハマトラ
・ブッシュマンのニカウさん
・ホイチョイ・プロダクションの『見栄講座』
・ボブ・マーリー

これらの「もの」のいくつかが、ストーリー上、大切な役目を果たしている。

世代がジャストミートならば、きっと楽しい。
懐かしいし、ちょっと甘酸っぱい。ブルーベリーだから……


この感想へのコメント

29.ハローbreeze (2008/10/19)
フィリップ・まろさん、コメントありがとうございます。
この作品はちょっと特殊ですから、お気をつけください。
私が感想にあげた当時の「流行」を身近にしていなかった方だと、面白さは半分くらいにスポイルされてしまうかもしれません。切なさや寂しさを、懐かしい当時の流行にのせて描いているところがこの作品の味噌だからです。
簡単に言えば、当時東京に暮らし、ミーハーだった方でないと面白くないかもしれません。
30.フィリップ・まろ (2008/10/21)
ここ数十年で小説作法がコペルニクス的転回を遂げました。
昔は時代が特定できる背景を書くものではない、というのが常識でした。これを打ち破ったのがかの五木寛之御大。バンバン作品の中に書き込んでました。当時、そのあたりを批評家に叩きまくられていました。今や小説世界を読者に惹き付ける小道具としてほとんどの作家が時代の流行をキーワードのように使っています。小説が刹那的になってきた証拠かもしれません。

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 1

冬に光は満ちれど―約束の街〈3〉 (角川文庫)

著者 : 北方 謙三

出版社:角川書店

発売日:1997-11

評価 :

完了日 : 2008年06月23日


『約束の街』シリーズの第3弾。11年ぶりの再読。

ハードボイルド作品でありながら、暴力シーンを
極力削っている。どんな意図があるのだろうか?

派手な銃撃戦どころか、カーチェイスさえもない。
明らかに前2作とは異なる。
著者の新たな試みだろうか?

迫力ある暴力シーン、危機一髪のアクションシーンはハードボイルド作品に必要不可欠か?
本書はそんなことを考えさせてくれた。

登場人物たちそれぞれが抱えている心の傷。
躍動する肉体の描写を敢えて削りこむことによって、読者の眼を「人間」に向けさせる。
さらに、「静」を描くことは、緊張感をも高める。
なにかが起こるという切迫した雰囲気を醸す。

ただし、シリーズの中、本書だけを読むことには問題がある。
私の感想は、前2作を読んでいるからこそのものだからだ。
何人かの登場人物が抱える心の傷をすでに知っていた。
そのために、自然と感情移入できたのかもしれない。
そういう意味ではシリーズものというのは厄介な面もあると感じずにいられなかった。


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 5

コフィン・ダンサー〈下〉 (文春文庫)

著者 : ジェフリー ディーヴァー

出版社:文藝春秋

発売日:2004-10

評価 :

完了日 : 2008年06月22日


ジェフリー・ディーヴァーにはずれはない?

四肢麻痺患者の主人公・ライムが頭脳で、殺し屋と対決する。しかし、単純な話ではもちろんない。

二転三転する真相。振り回され、敗北感を味わう。ところが、騙されたと気付いたときに、不思議と悔しさはない。むしろ痛快。

リアルな臨場感。息を殺し、忍び寄る殺し屋に恐怖を感じる。銃撃戦前の一瞬の静寂。緊迫感が高まる。焦燥に駆られる。
現場のアメリア・サックスに危険を知らせることができない、読者にすぎない自分に苛立つ。

魅力的な人物造形。ディテールにこだわった伏線。
読者の意表を突くテクニックには脱帽するばかり。
濃厚なサスペンスの醍醐味を、思う存分に満喫した。

シリーズはまだまだ続く。


この感想へのコメント

1.ようちん (2008/06/23)
ハローbreezeさん、こんばんわ。

>ジェフリー・ディーヴァーにはずれはない?
やっぱりそうなんでしょうか??
私はまだ、「ボーンコレクター」と「ウォッチメイカー」しか読んでいませんが、すでに十分でした。
短編がまたいい、と聞きました、まだそこまで辿りつけそうにありません。
ああ、この作品も「イリュージョン」もまだ未読。
ああ、いつになったら辿り着けるのか・・・
なんて、気長に、気楽に楽しみたいと思っています♪



2.ハローbreeze (2008/06/24)
ようちんさん、今晩は☆
ディーヴァー、好きです。読書好きの俳優・児玉清さんも、推薦していました。
巧みなキャラクター設定、スピード感あふれ展開。単純明快なエンターテインメントの面白さを味わえ、好印象です。
年配の方が『水戸黄門』を観ているのと同じ感覚かも。物語の展開にただ身をまかせるだけで楽しめます。

最新作『ウォッチメイカー』の評判が良いので、シリーズを順番に読むことにしました。
 

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 6

コフィン・ダンサー〈上〉 (文春文庫)

著者 : ジェフリー ディーヴァー

出版社:文藝春秋

発売日:2004-10

評価 :

完了日 : 2008年06月21日


四肢麻痺の障害をもつ、元ニューヨーク市警科学捜査部長、リンカーン・ライム。

本作は『ボーン・コレクター』に継ぐ、シリーズ第2弾。
『ボーン・コレクター』は、デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化された、人気作品。

読むにつれ、どんどん引き込まれていく。
理性的なライムと、感情的な助手のサックス。まさしく動と静の対比に、物語が際立つ。
犯人が潜伏しているかもしれない部屋への突入。無謀な行動をするサックスに唖然とした。犯人の過去の手口を思い出せ! 爆弾が仕掛けられている可能性が高い。それなのにあまりに無茶すぎて、読んでいるこっちの鼓動が高まった。

この小説は、犯人とライムの対決以外にも読みどころ満載。とくに、登場人物たちの心理描写も興味深い。デリケートな問題もあり、教えられる。

上巻最後の一行で、誰かが犯人の首の後ろに銃口を押し付けた。
早く下巻が読みたい。


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 17

女性の品格 (PHP新書)

著者 : 坂東 眞理子

出版社:PHP研究所

発売日:2006-09-16

評価 :

完了日 : 2008年06月20日


女性としての振舞い方を、具体的に紹介している。
タイトルの<女性の>を<男性の>または<社会人の>と置きかえても通じる内容。真っ当な「常識」が書かれている。
ただし、「常識」であるために、新鮮さは受けない。

わかっているにもかかわらず、多くの人が実行できない「常識」。だからこそ、どうすれば書かれている振舞い方、生き方ができるのか? その方法こそが最も知りたかったが、さらっとしか書かれていない。品格を持ちたいという者は、当然努力も必要だと自覚する。

先日、著者の坂東眞理子さんが、FMラジオJ-WAVEの≪聴くビジネス・マガジン Make IT 21≫という番組に出演されていた。
タイトルに<品格>とつく本が非常に多く出回ったが、一番売れているのが本書とのこと。その数、300万部。正直、驚いた。
この本の定価は720円。それこそ、品格に欠けるが計算すると、
720円×300万部=21億6千万円

たなぞうやアマゾンの方々の本書に対する感想をみたら、厳しい意見がとても多いので、これにも驚いた。
著者自身の品格を疑問視する、辛辣な感想もあった。

多くの人が厳しい意見を寄せる内容でありながら、大ベストセラーという、矛盾。
視点を切り替えて、ビジネスの観点から本書をみると、どんな感想が出るだろう?

ああ、こういう捉え方をするから、品格が養われないんだなぁ。
ひとつずつでもいいから、できることからやってみようというのが素直な感想。


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 16

ミミズクとオリーブ (創元推理文庫)

著者 : 芦原 すなお

出版社:東京創元社

発売日:2000-10

評価 :

完了日 : 2008年06月20日


最近、ライト・ミステリーにはまっている。
難解なトリックや大どんでん返しはない。
そのかわり、優しさや人情にあふれた、ほのぼのとした生活に触れることができ、心穏やかになる。
忙しい毎日にうんざりしている現代人には、ちょっと羨ましい生活に映るのでは。

この作品は、東京郊外に静かに暮らす夫婦がかかわる事件が7つ。
ふだんから着物姿の古風な奥さんが見事な推理を披露する。
家に居ながらにして事件を解決する。

この奥さんは料理も抜群にうまい。郷土料理が、実に美味しそうに描写されている。
奥さんの手料理食べたさと事件の相談とで、夫の友達が次々と訪れる。

続編『嫁洗い池』も読もう。 


この感想へのコメント

3.このは (2008/09/15)
はじめまして、こんにちは。
ハローbreezeさんの感想を読んでこの本を購入しました。ファンになりました。次も楽しみです。
4.ハローbreeze (2008/09/15)
このはさん、コメントありがとうございます♪
昔ながらの暮らし方やコミカルなやりとり、それに美味しそうな料理とほのぼのとして面白いですね。
どうぞ、このあともお楽しみください。

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 14

リオ―警視庁強行犯係・樋口顕 (新潮文庫)

著者 : 今野 敏

出版社:新潮社

発売日:2007-06

評価 :

完了日 : 2008年06月17日


今野敏さんの作品を読んだのは、これが3作目。
『隠蔽捜査』と『果断 隠蔽捜査2』が、とても面白い警察小説だったため、この作品も読んでみた。

主人公は警視庁捜査一課強行犯第三係の係長・樋口顕(ひぐちあきら)警部補。
この作品も前述した2作同様、主人公のキャラクター造形に、作者の特別な思い入れを感じた。

主人公・樋口は、人が自分をどうみているのかを非常に気にするタイプ。さらに捜査方法も、堅実すぎないかと自信がない。すぐに人を世代で判断しがちでもある。にもかかわらず、上司にも部下にも信頼されている。それも彼には不思議でしかたないのだが……

3つの殺人事件の容疑者は、目をみはるほどの美少女・里央(リオ)。
理性と感情。理性を優先してきた樋口だが、連行した彼女を見て動き出す感情に動揺する。

この部分こそ、この物語のテーマなのだろうが、読んでいてちょっと違和感がある。男であれば理解できることなのだが、そこを論じられるとなぜか落ち着かない。作中で論じ合うのが38歳と40歳の捜査コンビだから、よけいにそう感じるのだろうか?

この作品はシリーズもの。
『朱夏』『ビート』と続く。読みたい。


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 1

12ヶ月のしきたり―知れば納得!暮らしを楽しむ

著者 : 新谷 尚紀

出版社:PHP研究所

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2008年06月16日


日本のしきたりを月ごとにやさしく説明している。
行楽・レジャーで遊びに行くときでも、知っているとより楽しめるのではないかと思った。

たとえば、来月7月10日、浅草寺「ほおずき市 四万六千日」 
7月9日、10日、四万六千日の日として、浅草寺境内は多くの「ほおずき屋」や売店で埋まり、賑わう。
観音様の功徳日で日数の一番多いのが7月10日。
この日にお詣りすると四万六千日お詣りしたことになると云うことで、江戸時代からこの日のお詣りが盛んになったそうだ。

そのほか、旧暦、二十四節気、雑節のことなども知りたくて、この本を読んだ。

残念だったのは、わかりやすくするためだろうが、説明が簡単すぎること。
1年を通してどんなことがあるかということは把握しやすい。


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 1

木野塚探偵事務所だ (講談社文庫)

著者 : 樋口 有介

出版社:講談社

発売日:1998-09

評価 :

完了日 : 2008年06月16日


サントリーミステリー大賞読者賞を受賞した『ぼくと、ぼくらの夏』が面白かった。そのため、今、樋口有介作品が気になっている。

この『木野塚探偵事務所だ』は13年前の作品。

警視庁経理課を勤め上げ定年退職した、木野塚佐平が始めた探偵物語。本人は古典的ハードボイルドの主人公を気取っているが、ほど遠く、ほとんどコメディ。
木野塚の思い込みの激しさが笑える。飲まない酒や煙草をやって、体調を崩したりする。
雇った秘書の女の子がコケティッシュで、ちょっとミステリアス。
この秘書兼助手となった梅谷桃世が名推理をみせる。

60歳の主人公・木野塚の迷探偵ぶりをほほえましく楽しいと思うか、逆にくだらないと思うか、意見が大きく分かれる作品である。
ミステリーの謎は非常にシンプルで、あっさりとしたもの。だから、難解なミステリーを好む人には向かない。
荻原浩さんの書いた『ハードボイルド・エッグ』が好きな人にはピッタリ。
冬、トレンチコートを着たとき、ハンフリー・ボガードを意識する人には、きっと楽しい作品ではないだろうか?

続編が楽しみ。


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 67

八日目の蝉

著者 : 角田 光代

出版社:中央公論新社

発売日:2007-03

評価 :

完了日 : 2008年06月15日

2008年本屋大賞 第6位の作品。

読んでいると、様々な思いが次々に浮かんできた。それなのに、その思いを掬い取り、文字にしようとすると出てこない。

物語の中でおきる誘拐事件の原因は、不倫。
実によくある話で、はじめは陳腐に思い、嫌悪感を持った。しかし、読みすすめるうちに、赤ちゃんを誘拐した女に同情していた。子供を埋めない体になった女が見つめる、この上なく可愛い赤ちゃん。その対比が切なかった。

不倫から始まった、女の不幸。しかし、彼女に誘拐され育てられていた時点での、子供は幸せだったのでは? 本当の両親に育てられていたら、どうだったか? 浮気する父親、家事のできない母親のもとでは、不幸だったかもしれない。しかし、両親がそうなったのは父親が浮気をしたからであり、それさえなければよい家庭が築けていたか?
堂々巡りをはじめる思考に、暗澹たる気分にさせられた。

大学生になった子供・恵理菜が、不倫、妊娠する。
かつて自分を誘拐した、父親の不倫相手であった女と同じことをしている。理性ではいけないことだとわかっていながら、気持ちの整理ができないことを実感として知る。

この物語には、ほかにも多くの悩みを抱えた女性が登場する。「ふつうの家庭」というのは、そんなにも手に入れにくいものなのだろうか?


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 15

ハナシにならん!―笑酔亭梅寿謎解噺〈2〉 (笑酔亭梅寿謎解噺 (2))

著者 : 田中 啓文

出版社:集英社

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2008年06月14日

笑酔亭梅寿謎解噺の第2弾。
古典落語が謎解きのヒントになる、ライト・ミステリー。主人公・竜二の成長物語といった方がよいかもしれない。
竜二が悩み苦しみながらも、少しずつ古典落語のなにかをつかんでいく。

竜二を取り囲む、ハチャメチャな梅寿師匠はじめ、個性豊かな人々が笑わせてくれる。壁にぶつかった竜二を助けてくれる。笑いと人情にあふれている。

7話で構成されている。
東西落語対決、超人気芸人の付き人体験、取材拒否の豆腐料理屋レポート、ラジオ・コーナー担当、破門、師弟対決などあり。

第3弾も読もう。


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1.べる (2008/06/15)
もう二作目ですか。三作目は私もまだ回って来ないので、先を越されちゃうかもしれないですね^^;
本書は落語の部分が薄れて、テレビ演芸の方に比重が行ってしまっているのが少し残念でした。でも、やっぱり落語のミステリーは何を読んでも面白いですね。
2.ハローbreeze (2008/06/15)
ええ、面白いです。3作目はもったいないので、しばらく間をあけます♪
落語のことが薄れた点や、竜二が伝統的な師弟制度に安易な一石を投じたところは、私もちょっと疑問に感じました。確かに閉鎖的で理不尽な制度ですが……
それと、愛川晶さんの作品のように、古典落語のすじが謎解きともう少し深くリンクするといいなぁと思いました。
 

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 1

HEART COCKTAIL eleven (講談社ハートウォームシリーズ)

著者 : わたせ せいぞう

出版社:講談社

発売日:2006-01

評価 :

完了日 : 2008年06月13日

 
夢のような街を舞台にした、ラブストーリーの絵本。
センチメンタルで、透明な世界。

わたせさんの描く世界は、なんともいえず素敵だ。
異国感ただよう街。石畳。ヨーロッパの街並のよう。
なじみのジェシーの店。ピアノの音が聞こえてくる。
彼の車。クラシックなBMWイゼッタ。楽しい。
彼女が花屋に寄る。ローマの休日の一場面を想う。
彼女が着る、赤いダッフルコートにタータンチェックのスカート。ファッションも楽しい。

終わった恋の傷が癒えないまま、季節が移ろう。
1冊の古書。オークション会場で、2人が出逢う。
2人の時間が動き始める。日時計のもとで……


この感想へのコメント

1.ようちん (2008/06/16)
こんにちは♪
先日の「菜」の「わたせせいぞう」さんですね。
なんともステキな夢のような世界。
永井さんと同様、画に風を感じますね。
ハローbreezeさんは、ミステリーからイラスト・食など幅が広くて次は何を紹介してくださるか、いつもとても楽しみです♪
2.ハローbreeze (2008/06/18)
こんにちは〇
『菜』を思い出した表紙画の『ミミズクとオリーブ』を今読んでいます。
八王子から山の方にバスで20分のところに住み、着物の洗い張りもする古風な生活に、ほのぼのしますね。
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