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ハローbreezeさんの読書ノート

2008年に読んだ本
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 128

一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--

著者 : 佐藤 多佳子

出版社:講談社

発売日:2006-08-26

評価 :

完了日 : 2008年06月12日


さわやかで透明感のある、青春ストーリー。
暑い日、澄みきった冷たい水を飲み干した直後のような読後感。

素直な高校生たち。現実の世界もそうであってほしいと願ってしまうくらい。

高校の陸上部に入った主人公・信二。兄の質問に対する答えが印象に残った。
夢ェ?
真っ白だよ。だだっ広くて、なんも見えねえ。だけど、すうすうして気持ちいい。
「速くなる」
俺はその白い広い何もないような虚空に向かって宣言した。
「もっと」

真っ白で、広い虚空に向かっているような感覚は、その世代の少年心理をうまく表現していると感心させられた。


この感想へのコメント

1.べる (2008/06/12)
巻が進むにつれて物語も加速して面白くなって行きますよ~。是非三冊セットでお楽しみ下さい^^
2.ハローbreeze (2008/06/12)
わかりました。もっと面白くなるんですね。
全巻読んでみます。
 

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 40

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

著者 : 近藤 史恵

出版社:東京創元社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2008年06月10日



「パ・マル」って、目白のあの店か? と気になり読んでみた。

フレンチ・ブームはイタリアンの前だから、10年近く前だと思うが、「パ・マル」には何度か行ったことがある。好きな店だった。
とても狭い、プリフィックス方式のはしりの店。場所は、東京都文京区目白台2丁目。元田中角栄邸そば。今も営業しているのか。3年前にはやっていたように思うが……
凝った料理ではなかったが、美味しかった。そして、安かった。ランチだと1000円のコースがあった。夜で、3800円だったか? スープが旨かった。鴨のコンフィが旨かった。連れて行った友達で常連になったのもいた。
昼でも予約が必要だった。すぐいっぱいになってしまう人気店だったから。
ただし、当時、田中康夫は「この店の料理はフランス料理ではない」と酷評していたが。長野県知事になる前だった。

『タルト・タタンの夢』を書くにあたり、著者の近藤史恵さんは取材を通して、この実在の店「パ・マル」を知ったのかもしれない。知らないとしても、とてもよく似ているので懐かしくて、嬉しくなった。

物語はライト・ミステリー。7皿のコース。素朴だけれども、愛情のこもった、心温まる料理だった。


この感想へのコメント

1.べる (2008/06/12)
ランチを千円で食べさせてくれるフレンチはなかなかないので良心的ですね~。私もこの手のビストロ風フレンチは大好きなので、こういうお店が近くにあったらいいのになぁと思いながら読みました。三舟さんのお料理は絶品でしたね^^
2.ハローbreeze (2008/06/12)
ここは人気店で、千円のランチ食べるにも予約が必要。
そこがネックですね。

レストラン舞台のおいしい話は、大好きです。
また紹介ください。
 

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 1

ガイド落語名作プラス100選

著者 : 京須 偕充

出版社:弘文出版

発売日:1999-05

評価 :

完了日 : 2008年06月10日

前作『ガイド落語名作100選』に取り上げられなかった100演目を紹介する続編。

CDで聴いて好きになったのは、
五代目古今亭志ん生の『替わり目』 

<プラス100演目>
麻のれん、あたま山、鮑熨斗、居酒屋、今戸の狐、浮世床、阿武松(おおのまつ)、近江八景、お茶汲み、御神酒徳利、お見立て、お若伊之助、掛取万歳、片棒、かぼちゃ屋(南瓜屋)、がまの油、蛙茶番(かわずちゃばん)、替わり目、看板の一(かんばんのぴん)、気の長短、胆潰し、禁酒番屋、首ったけ、強情灸、高津の富(宿屋の富)、甲府い、小言念仏、五人廻し、蒟蒻問答、権兵衛狸、佐々木政談、皿屋敷、三十石、三人旅、三方一両損、三枚起請、紫檀桜古木、質屋庫(しちやぐら)、蛇含草(じゃがんそう)、松竹梅、城木屋、たいこ腹、高砂や、高田馬場、たがや、たちきれ線香、狸賽、試し酒、短命、搗屋幸兵衛、搗屋無間、壷算、つる、
テレスコ、天狗裁き、天災、転失気、天神山、転宅、道灌、胴乱幸助、中村仲蔵、夏どろ、夏の医者、なめる、二階ぞめき、錦の袈裟、廿四孝(にじゅうしこう)、二人旅(ににんたび)、睨み返し、抜け雀、猫怪談、猫忠(ねこただ)、野晒し、のめる、化物使い、花筏、浜野矩随(はまののりゆき)、反魂香(はんごんこう)、一つ穴、一目上がり、一人酒盛、
干物箱(ひものばこ)、普段の袴、舟弁慶、包丁、星野屋、骨違い、松山鏡、饅頭こわい、三井の大黒、毛氈芝居、薬缶、厄払い、宿屋の仇討(庚申待)、柳田格之進(柳田角之進)、山崎屋、夢金、四段目、藁人形


この感想へのコメント

1.司馬哲 (2008/06/10)
あまり落語は知らないんですが『看板のピン』が面白くて好きです。
2.ハローbreeze (2008/06/11)
はい、『看板の一』は面白いですね。
なんで壺からサイコロをこぼしたのに気付かないんだ、とちょっとしたミステリーでした。そのあと、そうくるか、と笑えますよね。ホントに面白いです。
真似して失敗するのは『時そば』と同じでした。
 

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 1

ガイド落語名作100選

著者 : 京須 偕充

出版社:弘文出版

発売日:1999-01

評価 :

完了日 : 2008年06月10日


古典落語の名作100をセレクト。
あらすじや聞きどころ、そして著者のお気に入り演者を紹介するガイド・ブック。

CDで落語を聴きはじめるにあたり、私が入門書にした本。わりとCDが手に入りやすい演目が多い。

<ガイド演目100>
青菜、あくび指南、明烏、愛宕山、穴どろ、一眼国、井戸の茶碗、居残り佐平次、うどん屋、鰻のたいこ、馬の田楽、厩火事、王子の狐、大山詣り、御血脈、お直し、おばけ長屋、親子酒、火焔太鼓、笠碁、鰍沢、火事息子、紙入れ、癇癪、巌流島、紀州、金明竹、首提灯、蔵前駕籠、孝行糖、紺屋高尾、黄金餅、小言幸兵衛、後生鰻、子ほめ、子別れ、盃の殿様、真田小僧、三軒長屋、三号寺号、三年目、鹿政談、七段目、十徳、品川心中、死神、芝浜、締め込み、宗論、寿限無、素人鰻、心眼、酢豆腐、崇徳院、千両みかん、粗忽長屋、粗忽の釘、粗忽の使者、ぞろぞろ、大工調べ、代脈、垂乳根(たらちね)、千早振る、茶の湯、付き馬、佃祭、出来心、道具屋、唐茄子屋、時そば、富久、長屋の花見、二番煎じ、猫久、猫の災難、鼠穴、寝床、初天神、はてなの茶碗、花見酒、花見の仇討、百年目、不動坊火焔、船徳、文違い、風呂敷、文七元結、竃幽霊、ミイラ取り、味噌倉、妾馬、目黒のさんま、もう半分、百川、藪入り、夢の酒、湯屋番、淀五郎、らくだ、悋気の火の玉

続編の『プラス100選』あり。


この感想へのコメント

1.ようちん (2008/06/10)
こんにちは♪
おお、落語もの、すごいですね~この演目。
素人な私でも、聞いたことのある演目がいくつかありますね。あ、「愛宕山」「はてなの茶碗」、朝ドラちりとてちんでも出てましたね。ハローbreezeさんお薦めの「芝浜」。そうですね、今はCDで気軽に聴く事ができていいですね。父も欲しがっていますよ。
2.ハローbreeze (2008/06/10)
こんにちは♪
ちりとてちんの貫地谷しほりさんは、なかなか上手でしたね。
落語には、ほのぼのとした面白さを感じます。
今のお笑いの人たちの芸は、人の欠点ばかり突いたり、叩いたり、下品なものが多すぎて、どうも落ち着きません。
 

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 65

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

著者 : 佐藤 多佳子

出版社:新潮社

発売日:2000-05

評価 :

完了日 : 2008年06月09日

ほっとできる小説。読み終わり、すこしだけ勇気がもらえた。殺人事件はおこらない。

登場人物一人ひとりの造形がいい。生き生きとした姿が頭の中で映像となる。

主人公は落語家・今昔亭三つ葉。
人前で自分自身を表現できずに悩んでいる4人が、彼のもとに落語を習いに集まってくる。
三つ葉をはじめ、出てくる人みんながとても個性的。
すったもんだあって、泣き笑いのサゲで終わる。

世間の波に溺れそうな4人は、自分の悪いところばかり気にしている。幽体離脱して自分を客観視できれば、才能を秘めていることに気付くだろうに。
三つ葉も彼らに落語を教えることを通して、自分の短気で頑固な性格を変化させていく。
不器用な5人がどうなるのか。もうちょっと知りたいと思うところで物語は終わる。

1997年刊行。「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第一位の作品。


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 1

パリからの紅茶の話

著者 : 戸塚 真弓

出版社:中央公論新社

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年06月08日

フランス人の紅茶の楽しみ方を書いたエッセイだと思って読み始めたが、そうではなかった。
マリナ・ド・ブルボンやマリアージュ・フレール、それとフォションなど、フランス経由の紅茶店がとても素敵なので、フランス人と紅茶の関係を知りたかったのだが。

でも、驚いたことに、フランス人はそもそもお茶をほとんど飲まないそうだ。フランス人はコーヒーだと。たまに紅茶が好きだという人がいても、香りや味をプラスしたものであることが多いという。パリの水道水は紅茶には不向きだということもあるそうだ。

この本は、パリに住む著者・戸塚真弓さんが語る、大好きな紅茶の話。パリの茶店で飲む、烏龍茶の話もある。
戸塚さんが愛飲するのは、ユンパナ茶園のダージリン。やはり、単一茶園のブレンドされていない上等な茶葉が好みとのこと。
お茶を飲みながら、ヨーロッパにお茶が伝わったころに思いを馳せる。

もし、お茶とコーヒーがなかったらどうだろう。
ひどくあじけない生活が想像される。
どちらも、のどの渇きを癒すだけの飲み物ではない。心にも作用するから。





この感想へのコメント

1.KUMI (2008/06/09)
きゃ~!ダメダメ~
考えられないです。お茶とコーヒーがないなんて!!
お茶とセットでついてくるものが、またいいんですよね。
お菓子、会話、本、音楽、空想・・・
イギリスの方がお茶の時間を大切にする気持ちは、なんとなくわかります。追われるばかりじゃなく、楽しむ♪
そんな風に時間を使いこなせるお国柄に憬れますね~☆
(ゴメン!この本はイギリスじゃなく、パリの本でした♪)
2.ハローbreeze (2008/06/09)
前略 KUMIさん、元気ですか?
暑かったり、寒かったり、落ち着かない時期。
それこそお茶でも飲んでリラックス~ですね。
お茶やコーヒーとセットのもの。私の一番は甘いもの。最近フレンチ・トーストにハマってます。焼き上がるちょっと前に、砂糖をまぶしカラメリゼして仕上げます。

イギリスでもフランスでも、欧州の文化には私も興味津々。
琴欧洲優勝バンザイ!(欧州ちがい、失礼しました)
 

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 6

笑酔亭梅寿謎解噺

著者 : 田中 啓文

出版社:集英社

発売日:2004-12

評価 :

完了日 : 2008年06月07日

コミカルでライトな上方落語ミステリー7篇。

ユーモアがあり、人情にあふれ、軽い謎解きもあって、とても楽しい。

落語家は、流暢な語り口やアナウンサーのように通る声を持っていても「面白い」とか「うまい」といわれるとは限らない。

この物語の主人公・星祭竜二は、髪型が黄色の鶏冠(とさか)頭で、何遍も警察のごやっかいになっている札付きの悪。
元担任教師の紹介で無理やり落語家の師匠に弟子入りさせられた。

しかし、世間からはみ出しかけた主人公は、どうやら才能があるようだ。
師匠の破天荒さや兄弟子のいびりに辟易しながらも、徐々に「古典落語」の面白さに惹かれていくところが嬉しい。

悪いことばかりしてきたからこそ、周りの人々からかけられる情を、より強く感じることができるのかもしれない。それが、芸の肥やしになるのだろう。

今後の竜二の活躍にも期待したい。
続編も読んでみよう。


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1.べる (2008/06/08)
このシリーズ大好きです。梅寿のキャラがなんとも言えずいいですよね~。竜二とのかけあいも好きなんです。私は今三作目を図書館予約中です^^
2.ハローbreeze (2008/06/08)
べるさん、こんにちは♪
ほんと、面白いですね、梅寿師匠。殴り方はちょっと加減すべきですが。
確かべるさんのノートだったと思いますが、愛川晶さんの『道具屋殺人事件』を知ったのがきっかけで、落語ミステリーを読み始めました。
今、佐藤多佳子さんの『しゃべれどもしゃべれども』を読んでいます。
 

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 2

2008本格ミステリ・ベスト10

著者 : 探偵小説研究会

出版社:原書房

発売日:2007-12

評価 :

完了日 : 2008年06月05日

2006年11月から2007年10月までに発行された本格ミステリ小説の新刊作品を対象にした、国内・国外ベスト・ランキングを掲載。
ほかにも、有栖川有栖さんインタビュー、新本格作家3世代座談会、装幀大賞、国内ミステリゲームなど内容豊富。

私が読みたかったのは、ベスト・ランキング本の書評。
私が読んだ作品についての、探偵小説研究会やアンケート回答者の書評をみたかった。

書評を読んでの感想は、隔靴掻痒。
あらすじは、わりと詳しく書かれている。だから、あらすじから、自分の好きなタイプの作品をある程度選び出すことはできるかな、とは思えた。

結局、本誌はマニア向けのイメージ。また、書評にはバイアスがかかっているように感じてしまった。作家インタビューや座談会を掲載するには、やむを得ないとは思う。


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 3

破弾 (中公文庫)

著者 : 堂場 瞬一

出版社:中央公論新社

発売日:2005-01

評価 :

完了日 : 2008年06月05日

刑事・鳴沢了シリーズ第2弾。
第1弾『雪虫』がいまひとつだったので、この『破弾』は読むのをためらっていた。でも、読んでみると十分に惹きこまれた。

主人公・鳴沢は
1年前、故郷新潟での事件が原因で、県警を辞める。
法を遵守することにより、祖父を死に追い込んでしまった。
罪の意識を背負った彼は故郷も捨て、悩んだ末、警視庁に入る。そして、多摩署に配属された。

だが、ここでまたひとつ事件を解決することにより、新たな重荷を背負うことになってしまう。

これでもかこれでもか、と試練が鳴沢に降りかかる。真っ直ぐに生きようとすればするほど、人間は苦しむことになるのか。しかし、真っ直ぐに生きたいと考える人間は、妥協したり、割り切ったりすれば、やはり後悔するに違いない。どちらにしても救われないのかとやるせない想いに捕らわれた。

罪を贖いながら生きていく。罪の中には、誰かを愛してはいけない、という一項も入っている。そんなふうに心を凍らせてしまった鳴沢。付き合いだしたばかりの同僚の女性刑事にも、別れを告げる。

虚しさを残し、シリーズは続く。
彼が今後どんな事件にかかわり、その凍った心を溶かしていくのか。それともさらに辛い試練が待ち受けているのか。続編を読みたくなった。


この感想へのコメント

1.小梅 (2008/07/13)
こんばんは。小梅です。
最近、本屋さんに『久遠』という鳴沢了シリーズの新作が上下2巻で並んでるんですけど、帯をチラ見したら、なにやらシリーズが完結してしまったような気がするんですが・・・。私も早く読まねば。
2.ハローbreeze (2008/07/13)
小梅さん、今晩は☆
完結というのは、悲しいような嬉しいような複雑な心境になります。
私は今、複数のシリーズものを並行して読んでいるので、追い切れない焦りもあるものですから。
『スペンサー・シリーズ』も34作ですよね。
 

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 4

避暑地の猫 (講談社文庫)

著者 : 宮本 輝

出版社:講談社

発売日:1988-03

評価 :

完了日 : 2008年06月03日

夏の軽井沢。森の中のサイクリング。ミルクを流したような霧。
しかし、この本は、そんな避暑地の軽井沢からは連想できない、背徳の物語。

3400坪の敷地に建つ、財閥の別荘。別荘番の息子は地下室を見つける。妖しげな匂い。

美と醜。善と悪。底無しの退廃と虚無だけが生み出す特殊なエネルギー。少年の目を通して、腐敗していく人間の内奥を暴き出す。読者の心を錯乱する。

信じていたものが崩れていく。主人公の少年の苦悩を知り、息を飲む。
救いはないのかと、打ちのめされる。

終盤に刑事が打ち明けた、母親の司法解剖結果。
どう解釈すればよいのだろうか。


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 1

風街詩人 (新潮文庫)

著者 : 松本 隆

出版社:新潮社

発売日:1986-05

評価 :

完了日 : 2008年06月02日

<はっぴいえんど>後の作品。
詩、エッセイ、レコード・レビュー、小説を収録。

永井博さんのイラスト集を観て、大瀧詠一さんの歌を聴いて、次は松本隆さんの詞の世界を覗いてみたくなった。
そのため『A LONG VACATION』のイメージを浮かべて読み始めたが、まったく違う世界だった。
最後に収録されている小説以外は、1975年までの作品だったから。


この感想へのコメント

2.ハローbreeze (2008/06/03)
青春時代でしたね。
いい歌詞だなぁ、と作詞家をみるときまって、松本隆。
映画や青春ドラマの一場面を連想させたり、ファンタジーだったり、リゾートだったり、多才ですよね。洗練された感じが好きです。
3.フィリップ・まろ (2008/06/03)
近頃は便利になっちゃって、当時の映像がそのままネットで配信されるのですから、甘チョロ50代の僕みたいな男がいきなり青春時代に帰れてしまう。違法配信かもしれないけれど、僕などは大いに恩恵に蒙っています。では今夜は『赤いスートピー』でも歌詞を味わいながら再生してみますか。

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 43

カシオペアの丘で(下)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

完了日 : 2008年05月31日


とても悲しい物語。

理屈では正しいことでも、ひとの気持ちは納得しない。
正論ばかりで攻めたてられると、反撥してしまう。
だから、よけいに切なくなる。苦しくなる。

過去のつらい記憶が、心の傷になっている人々。
思い出すと、いまだに痛み、血を流す。
人はだれでも、そんな傷を負っているのではないだろうか。
忘れたいと願っても、脳裏を離れない。
この傷を癒すにはどうすればいいのか、と悩みつづけている。

ゆるすことさえできれば……

春。雪がゆっくりと解けだす。

静かな暮らし。贅沢なことができるわけでなくても、花が咲いたらきれいだと思い、炊きたてのご飯をおいしいと思う、そんな暮らしが幸せ、とひとりの女性が思う。

テーマは平凡だが、永遠のもの。
この物語の人々のように「ゆるす」ことができれば、どんなにいいだろう。
わかっているけれど、簡単にできることではない。
自分の過去を振り返っても、後悔することばかり。
人生というのは「ゆるす」ことを学ぶ時間でもあるのだろうか。


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 1

Time goes by・・・

著者 : 永井博

出版社:ぶんか社

発売日:2008-03-03

評価 :

完了日 : 2008年05月31日

あれから 27年。

大瀧詠一のアルバム『A LONG VACATION』を買ってから、もう27年が過ぎた。一番好きなアルバム。
もちろんCDではなく、LPレコードだった。そのアルバム・ジャケットのイラストを描いたのが
永井博さん。
絵と音楽のすてきなコラボレーションだった。

実際に行った、グァムやカリフォルニアの旅行よりも、LP『A LONG VACATION』を買ったころの記憶の方が鮮明によみがえる。

この本は、永井博さんの作品集(画集)。
ページを捲ると1枚目が『A LONG VACATION』のジャケットの絵だった。とても懐かしい。
『A LONG VACATION』『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』『EACH TIME』のCDをかけながら、1枚1枚ていねいに観ていった。至福のとき。

1枚の絵に目がとまる。
波打ち際、ピンク色の浜。
真っ青な空。高い位置からの陽ざし。
海風で傾いたパームツリーに立てかけられた、2枚のサーフボード。
サーフキャリアをつけた赤い2BOXカーがとまっている。
なんと、あの当時すごく流行ったマツダのファミリアだ。
永井さんの描く車は、古いアメリカの車がほとんど。それなのに、真っ赤なファミリアが描かれている。永井さんの遊び心が描かせたサービスカットに、嬉しくなった。懐かしい潮風を感じた。

Time goes by...

時は過ぎても、永井博さん、大瀧詠一さんの作品はいつまでも忘れない。


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6.ハローbreeze (2008/06/10)
iPodに『大瀧詠一』入れました。
NEWアルバム出ないですね~、出してほしいです。
そういえば『幸せな結末』のシングルCDが、見つかりません。キムタク、松たか子主演のドラマ主題歌です。
逆に『EACH TIME』は2枚ありました。持っているのを忘れて買っちゃったみたいです。
7.ようちん (2008/06/10)
『幸せな結末』ありましたね。たしか、先月頃昼間再放送していて、偶然曲を耳にして驚きました。あれ?大瀧さん?あ、そうだったなぁ・・・と。
>『EACH TIME』は2枚ありました
あはは、そうゆうこと本やまんがではよくしますよ。レコードやCDではしたことないですねぇ(高いから!)
本の感想から随分はずれてしまいましたが、とても懐かしく楽しい会話でした♪ありがとうございました♪

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 48

カシオペアの丘で(上)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

完了日 : 2008年05月30日

つらい話。


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 1

図説 日本の職人 (ふくろうの本)

著者 : 神山 典士,杉全 泰

出版社:河出書房新社

発売日:2007-10

評価 :

完了日 : 2008年05月27日


日本全国から、至高の手技を持つ名工30人を紹介している。

小樽ガラス、南部鉄器、江戸桶、箱根寄木細工、甲州印伝、尾張七宝、京唐紙、萩焼、宮古上布……

「用の美」を生み出す、職人の技、そして生き方。生み出す物への情熱と矜持。気高く、崇高さを漂わせている。

購入したお客様に
「この商品の感想は10年使ってからお聞かせください」と話す職人がいた。10年経つとよさがでるとのこと。実にかっこいい。

ただ、昨今、伝統工芸の跡継ぎ問題などもよく耳にする。
この素晴らしい技術がいつまでも伝承されることを願わずにいられない。

この本を読んでいて、かつてドイツで設立されたバウハウスの理念を思い出した。
日本の職人技と工業デザイナーとの機能的・合理的融合が、今後はとても重要になるのではないだろうか。
人を魅了する見事な物を作り出しているのは間違いない。しかし、今後は伝統に縛られすぎずに、世界的に求められる物も生み出してほしい。

最後にこの本のちょっと残念なところ。
図説というだけあって写真は豊富だが、芸術的な写真が多い。
カタログ的に商品のよく見える写真をもっと掲載してほしかった。
価格もあると良かったのだが、職人についての本なのだからそれは無粋か。



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 1

たとえ朝が来ても―約束の街〈2〉 (角川文庫)

著者 : 北方 謙三

出版社:角川書店

発売日:1996-10

評価 :

完了日 : 2008年05月27日


約束の街シリーズ第2弾。

気にくわない街だが、読者として訪れると妙に落ちつく。

うわべだけリゾートづらした、海岸沿いの街。なぜか事件を引き寄せる。

今回のテーマは「友」
友と思っていた男が、1億の金を奪い、消えた。主人公は、男の別れた妻子が住む街を訪れる。
北方さんの初期作品『友よ、静かに瞑れ』と同じテーマ。

街には、とっつきにくいが魅力的な人がいる。小説家が飼う犬までも、魅力的だ。彼ら、街の人間同士のかかわり合い方が、主人公の考え方に影響を与えていく。当然、北方さんから読者への問いかけでもあるのだろう。
「お前にとって友とは?」
あらためて、友の定義を考えさせられる。

ストーリーは、鑿あとの残る木彫のよう。荒々しく、力強い。
小道具は、なにかを暗示するメタファー。酒、煙草、車、ビリヤード……

虚飾の街は、男を惹きつける。
12年ぶりの再読。



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 2

ちょっと古びたものが好き

著者 : 岸本葉子

出版社:バジリコ

発売日:2008-03-06

評価 :

完了日 : 2008年05月26日

≪そでの紹介文≫
マンションで一人暮らす岸本さんは、
時を経た気配のあるものを身近に置いている。
骨董的価値では計れないけれど、どこか安心。ささやかな幸せを運んでくれる。
オールドノリタケのティー碗で飲むお茶。
引き戸のある横浜家具のキャビネット。
赤い漆の飯器は一人用。母から受け継いだ古伊万里や香蘭社の小皿。
そこに、ほんのり流れるのは、もしかしたら、なつかしい昭和の時間かもしれません。
一人暮らしやマンション住まいを彩る、ヒント満載の生活&ものエッセイ

紹介文にはこのように書かれていますが、それだけではなかった。
祖母や母親から受け継いだものについて語りながら、お二人の人生にも触れている。
そして、自分のこれまでを振り返る。岸本さんは2001年に虫垂がんの手術をされたそうだ。

傷物の器を買ったことも一度ならずある。
ひびが入っているので、汁物は入れられない。水につけただけで、割れるおそれがある器。でも、愛おしい。
骨董店などで手に入れた「ちょっと古びたもの」に対する、やさしいまなざし。
家族を大切に思ってきた、岸本さんの気持ちがあふれている。

私は、30年前に父から譲り受けた腕時計を愛用している。父が2年ほど使ったものをくれた。
その後、自分でも何本か買った。しかし、父からもらったものが今でも一番のお気に入り。結局、そればかりつけている。
この本を読んで「ちょっと古びた」両親を、あらためて大事にしなければと思った。


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 1

ハッピーデイズ

著者 : ローラン グラフ

出版社:角川書店

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年05月25日

アントワーヌは18歳で、墓地と墓石を買った。

18歳で、ふつうに満ち足りた人生というものの構成要素を、ほぼすべて経験した。恋も仕事も、理想も野望も、失望も倦怠も。人生に驚きなんてもう無くなってしまった、と思った。あとは、特別な野心など持つことなく、淡々と生き、やがて起こるべきことに備えようと決意したから、墓を買ったのだ。

35歳のとき、名づけ親が亡くなり、遺産を相続した。そして離婚した。遺産はおよそ50年生活できる金額だった。
まもなく、私営老人養護施設「ハッピーデイズ」に入居した。老人と一緒に暮らし始めた。職員ではなく、あくまで入居者として。
老人たちを観察し、死に至るまで傍らにいて見届けたい。命が消失することの何たるかを理解したい、という実験的な目的もあった。

そんなアントワーヌが、末期がん患者ミレイユに出逢った。彼女が死を迎えるまで寄り添った、アントワーヌが見出したものは……

主人公が何を見出したかは書かれていない。文章にすると、かえって陳腐だったかもしれない。

訳者あとがきに、急逝した哲学者の池田晶子さんの言葉があった。
この言葉が、アントワーヌの見出したものにかなり近いのではないか。

ラストシーン。時が過ぎていた。歳をとったアントワーヌは何を思っているだろう。

この作品は世界各国で人気を博し、ジョニー・デップが映画化するそうだ。


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1.ハローbreeze (2008/05/28)
今晩は。
ようちんさんからのコメントには何も問題はないです。
ただ、私の配慮が足りなかったということです。反省するとともに
ようちんさんのご希望通り、コメントは一応削除しますね。
これに懲りずに、また時々コメントください。
2.ようちん (2008/05/30)
ハローbreezeさん、こんばんわ。
お気遣いありがとうございました。これからも、気軽にお邪魔いたしますので、今後も宜しくお願いいたします♪
 

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一瞬で心をつかむできる人の文章術―1日たった15分10日間で上達!

著者 : 高橋 フミアキ

出版社:コスモトゥーワン

発売日:2007-11

評価 :

完了日 : 2008年05月24日

もう少しましな感想文が書けないものか?
そんなことを悩んでいたとき、この本の新聞広告が目にとまった。

ただ読むだけではうまく書けないよなぁ。
「心をつかむ文章」となると、なおさら難しい。才能が必要なのでは……
活字離れの時代、まあ読むだけでもいいか。気楽にと思いながらも、緊張してページを開いた。

でも、ちょっと驚き。読んだら、なんとなく書けそうな気がしてきた。あくまで予感だけかもしれないけれど……
疑っていたが、実にやさしくわかりやすい。例文もあって、とっても親切。
ふだん持ち歩く手帳に、要点を箇条書きした。いつでもすぐに見れるように。

この感想文が、本書読書後に書いた最初の文章。
読み返してみると、やっぱりヘタでがっかり。一朝一夕にいくわけないか。
今後もたなぞうで感想文をたくさん書いて鍛えよう。


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白いプラスティックのフォーク―食は自分を作ったか

著者 : 片岡 義男

出版社:日本放送出版協会

発売日:2005-10

評価 :

完了日 : 2008年05月23日

パッケージからひとつかみ取って、無造作に置かれた、白いプラスティックのフォーク。
その写真を表紙にしているこの本には、どんなことが書かれているのだろう。
手にした直後、そんな疑問がわいた。

副題を見れば、「食は自分を作ったか」と書かれている。
フォークと食、確固たる関係。だが、日本人だったら箸と食だろう。そこをフォーク、しかもプラスティックとしたところになにか意味があるのだろうか。そんな疑問とともに読み始めた。

内容は、占領下から現在に至るまでの日本において、著者が体験してきた「食」について書いたエッセーのようなものだった。
たとえば、キャンベルのスープ、砂糖、カルピス、オムライス、ナポリタン、チョコレート、マヨネーズなど。
彼のスタイル通り、対象となるものへの批判はない。体験したものを、そのまま忠実に伝えようとして書かれている。

結局、読んでいる私は、片岡義男というフィルターを通してそれらを見ることになった。
もちろん、知っていたり、食べたことのあるものもある。
しかし、それらの「食べもの」のポジションが、私の認識とは微妙にずれている。
時と場所の違いが一因だろう。

この「ずれ」を感じたとき、表紙の写真の意味が少しだけわかったように思えた。
ある食べものが、過去のある時期に得ていた価値観。今でこそ、ありがた味が薄れたかも知れないが……


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