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ハローbreezeさんの読書ノート

心に残る、文芸・エッセイ
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みんなの感想を読む
 61

映画篇

著者 : 金城 一紀

出版社:集英社

発売日:2007-07

評価 :

記入日 : 2008年07月24日


映画をテーマにした5つの短編連作。

「映画」の魅力を再確認させてくれる1冊。
観たことのない作品はもちろん、観たことのある作品でさえもう一度観たくなった。

5篇それぞれが独立した物語だが、ところどころでリンクしている。そして、最終話の『ローマの休日』上映会には各話の登場人物が集まってくる。

一番印象に残ったこと。
文学部の教授が教えてくれたこと。
主人公が好きな映画として『ショーシャンクの空に』をあげたときだった。
ストーリーの背後に隠された意味、メタファーのいくつかを話したようだ。残念ながら、話の内容は一部しか書かれていない。
この映画は観たことがあるが、ただただ面白い映画だったと記憶しているだけ。
メタファーについて調べた上でもう一度見直してみたくなった。

ストーリーの背景に隠された意味を考える。その意義は、人を好きになったときにも当てはまる。教授の優しい言葉が記憶に残った。


この感想へのコメント

3.ようちん (2008/07/25)
こんばんわ♪
この作品、私も似子さんと一緒で、「気になる読みたい本」のうちの1冊です。なかなか前に進まず、埋もれかけていますが・・・
「ショーシャンクの空に」未鑑賞です。でも、家には何故かビデオがあります・・・う~ん
それぞれのお話が少しづつつながって、最後にみんなが集まる、というと、映画「ラブ・アクチュアリー」を思い出しました。ああ、早く読みたいなぁ~♪
4.べる (2008/07/25)
こんにちは。この作品で金城さんにはまりました。今年一番他の人にお薦めしたい一冊です。

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 8

愛しの座敷わらし

著者 : 荻原 浩

出版社:朝日新聞出版

発売日:2008-04-04

評価 :

記入日 : 2008年07月17日


田舎の営業所に左遷された、大手食品メーカー勤務の高橋晃一、47歳。
専業主婦の妻・史子、中学2年生の長女・梓美、小学4年生の長男・智也、母の澄代との5人暮らし。

晃一がリフォームされているとはいえ、築103年の古民家を気に入ってしまった。
駅もスーパーも学校も思いっきり遠い。もちろんコンビニもないのに。
それでもなんとか家族の反対を押し切って引っ越した。

ところが、この家にはおかっぱ頭で紺がすりの着物を着た、5歳くらいの「座敷わらし」が住みついていた!

一人ひとりが悩みを抱えている家族。ギクシャクした家族関係。
田舎暮らしの中、座敷わらしに出会ったことがきっかけになり、徐々に家族の絆を取り戻していく。

座敷わらしがとっても可愛らしい。
長男が座敷わらしと遊ぶ場面はなんとも微笑ましい。
都会とは違った時間の流れ方。スローライフ。
人が生活するには、本当はそういう場所がいいのだろうが……

都会で忙しく働き、家族サービスしていないお父さんというのはよくある設定だが、現実に多いのだからしかたないか。
お父さんの苦労は身につまされるが、家族関係の修復はそんな簡単なものじゃないぞ、とも感じた。


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 2

ちょっと古びたものが好き

著者 : 岸本葉子

出版社:バジリコ

発売日:2008-03-06

評価 :

記入日 : 2008年06月28日

≪そでの紹介文≫
マンションで一人暮らす岸本さんは、
時を経た気配のあるものを身近に置いている。
骨董的価値では計れないけれど、どこか安心。ささやかな幸せを運んでくれる。
オールドノリタケのティー碗で飲むお茶。
引き戸のある横浜家具のキャビネット。
赤い漆の飯器は一人用。母から受け継いだ古伊万里や香蘭社の小皿。
そこに、ほんのり流れるのは、もしかしたら、なつかしい昭和の時間かもしれません。
一人暮らしやマンション住まいを彩る、ヒント満載の生活&ものエッセイ

紹介文にはこのように書かれていますが、それだけではなかった。
祖母や母親から受け継いだものについて語りながら、お二人の人生にも触れている。
そして、自分のこれまでを振り返る。岸本さんは2001年に虫垂がんの手術をされたそうだ。

傷物の器を買ったことも一度ならずある。
ひびが入っているので、汁物は入れられない。水につけただけで、割れるおそれがある器。でも、愛おしい。
骨董店などで手に入れた「ちょっと古びたもの」に対する、やさしいまなざし。
家族を大切に思ってきた、岸本さんの気持ちがあふれている。

私は、30年前に父から譲り受けた腕時計を愛用している。父が2年ほど使ったものをくれた。
その後、自分でも何本か買った。しかし、父からもらったものが今でも一番のお気に入り。結局、そればかりつけている。
この本を読んで「ちょっと古びた」両親を、あらためて大事にしなければと思った。


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 1

図説日本の職人 (ふくろうの本)

著者 : 神山 典士,杉全 泰

出版社:河出書房新社

発売日:2007-10

評価 :

記入日 : 2008年06月28日

日本全国から、至高の手技を持つ名工30人を紹介している。

小樽ガラス、南部鉄器、江戸桶、箱根寄木細工、甲州印伝、尾張七宝、京唐紙、萩焼、宮古上布……

「用の美」を生み出す、職人の技、そして生き方。生み出す物への情熱と矜持。気高く、崇高さを漂わせている。

購入したお客様に
「この商品の感想は10年使ってからお聞かせください」と話す職人がいた。10年経つとよさがでるとのこと。実にかっこいい。

ただ、昨今、伝統工芸の跡継ぎ問題などもよく耳にする。
この素晴らしい技術がいつまでも伝承されることを願わずにいられない。

この本を読んでいて、かつてドイツで設立されたバウハウスの理念を思い出した。
日本の職人技と工業デザイナーとの機能的・合理的融合が、今後はとても重要になるのではないだろうか。
人を魅了する見事な物を作り出しているのは間違いない。しかし、今後は伝統に縛られすぎずに、世界的に求められる物も生み出してほしい。

最後にこの本のちょっと残念なところ。
図説というだけあって写真は豊富だが、芸術的な写真が多い。
カタログ的に商品のよく見える写真をもっと掲載してほしかった。
価格もあると良かったのだが、職人についての本なのだからそれは無粋か。



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 1

謎の午後を歩く

著者 : 片岡 義男

出版社:フリースタイル

発売日:2002-05

評価 :

記入日 : 2008年06月28日

片岡さん撮影の写真とその説明。ちょっと哲学的。
5つの章とあとがきの構成。
たとえば、
1.オランダから届いた紅茶。パッケージの箱を写真に撮る。紅茶の空き箱という存在。それを見ている自分。自分の存在とは?

2.片岡さんの個人的なハワイ。祖父、父。

3.被写体としての本の魅力。
4.被写体としての雑誌の魅力。切り抜く。

5.花を写す。自分とはなにか?

被写体に関して、片岡さんはなんの評価もするわけではない。ただその存在をそのまま撮るだけ。
ものの存在に視線を向ければ、人それぞれなにかを感じる。
俗にいえば「きれい」だとか「変なかたち」とか。それを見た人特有の捉えかたがある。
それを感じている自分の存在は?

なにかを見て、感じたとき、見て感じている自分という人を客観的に見てみよう、とこの本を読んで考えた。

被写体となった本の中に、
エドワード・ホッパーとデイヴィッド・ホックニーの画集があった。2人とも好きな画家だ。
好きなのはホッパーの『ナイトホークス』。
ホックニーのプールの画。
これらの画集を今度探してみよう。


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 9

ブルーベリー

著者 : 重松清

出版社:光文社

発売日:2008-04-22

評価 :

記入日 : 2008年06月25日


甘いけれど、★★★★★。でも、でも……

だから、急いでみんなの評価を見た。
予想通り、あまり評価は高くない。感想も渋い。

やっぱりなぁ~、と納得するも、ちょっと残念。

実はこの作品、主人公と同じ世代の読者で、1980年代はじめの東京を知らないと、面白さが大きくスポイルされてしまうと思う。
重松清さんは人気作家なので、この作品も多くの若い世代が読むだろう。でも、それはちょっと厳しいかもしれない。

ちなみに主人公は1963年(昭和38年)生まれ。
東京の大学に合格し、上京した1981年から話は始まる。

具体的に出てくる「もの」をピックアップしてみる。
・代々木公園の竹の子族
・レコード・プレイヤー、カセットデッキ
・寺尾聰の『リフレクションズ』
・大滝詠一の『ロング・バケーション』
・大滝詠一の歌う「恋するカレン」
・ファラーのホップサック
・トップサイダーのデッキシューズ
・ウォークマン(カセットの)
・「ふぞろいの林檎たち」
・『エースをねらえ!』
・ボートハウスの水色のトレーナー
・シップス、シーズ、クルーズ
・ボルグ、マッケンロー、コナーズ
・タッキーニ、エレッセ
・ハマトラ
・ブッシュマンのニカウさん
・ホイチョイ・プロダクションの『見栄講座』
・ボブ・マーリー

これらの「もの」のいくつかが、ストーリー上、大切な役目を果たしている。

世代がジャストミートならば、きっと楽しい。
懐かしいし、ちょっと甘酸っぱい。ブルーベリーだから……


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26.ハローbreeze (2008/07/02)
すごい、限定解除試験で取ったんですね!
その難易度を考えると、合格したときの
ryoukentさんの喜び度合いが想像できます。
それに今のバイクより、あの頃のバイクの方がよくないですか?
そういえば、その頃、村上もとかさんの『熱風の虎』という
バイク・レース漫画に夢中でした。ドゥカティ、モトグッチ、それとバンビーンOCRというロータリーのスーパーバイクも登場しました。主人公がなにに乗っていたかは思い出せません。


27.ryoukent (2008/07/02)
そうです限定解除です!
当時(たしか1977~78年でした)の合格率は5%に満たなかったと思います。二俣川試験場にくる多くの人が常連状態になって、20回くらい通ってやっととれた、というのが平均的でしたね。だから知り合いが受かったら宴会になったりしてた。そこで多くの仲間とも知り合えたし。
『熱風の虎』は、うーん知りません。でも ドカ、モトグッチ、バンビーンはもちろん知ってます。

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 58

八日目の蝉

著者 : 角田 光代

出版社:中央公論新社

発売日:2007-03

評価 :

記入日 : 2008年06月16日

2008年本屋大賞 第6位の作品。

読んでいると、様々な思いが次々に浮かんできた。それなのに、その思いを掬い取り、文字にしようとすると出てこない。

物語の中でおきる誘拐事件の原因は、不倫。
実によくある話で、はじめは陳腐に思い、嫌悪感を持った。しかし、読みすすめるうちに、赤ちゃんを誘拐した女に同情していた。子供を埋めない体になった女が見つめる、この上なく可愛い赤ちゃん。その対比が切なかった。

不倫から始まった、女の不幸。しかし、彼女に誘拐され育てられていた時点での、子供は幸せだったのでは? 本当の両親に育てられていたら、どうだったか? 浮気する父親、家事のできない母親のもとでは、不幸だったかもしれない。しかし、両親がそうなったのは父親が浮気をしたからであり、それさえなければよい家庭が築けていたか?
堂々巡りをはじめる思考に、暗澹たる気分にさせられた。

大学生になった子供・恵理菜が、不倫、妊娠する。
かつて自分を誘拐した、父親の不倫相手であった女と同じことをしている。理性ではいけないことだとわかっていながら、気持ちの整理ができないことを実感として知る。

この物語には、ほかにも多くの悩みを抱えた女性が登場する。「ふつうの家庭」というのは、そんなにも手に入れにくいものなのだろうか?


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 57

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

著者 : 佐藤 多佳子

出版社:新潮社

発売日:2000-05

評価 :

記入日 : 2008年06月09日

ほっとできる小説。読み終わり、すこしだけ勇気がもらえた。殺人事件はおこらない。

登場人物一人ひとりの造形がいい。生き生きとした姿が頭の中で映像となる。

主人公は落語家・今昔亭三つ葉。
人前で自分自身を表現できずに悩んでいる4人が、彼のもとに落語を習いに集まってくる。
三つ葉をはじめ、出てくる人みんながとても個性的。
すったもんだあって、泣き笑いのサゲで終わる。

世間の波に溺れそうな4人は、自分の悪いところばかり気にしている。幽体離脱して自分を客観視できれば、才能を秘めていることに気付くだろうに。
三つ葉も彼らに落語を教えることを通して、自分の短気で頑固な性格を変化させていく。
不器用な5人がどうなるのか。もうちょっと知りたいと思うところで物語は終わる。

1997年刊行。「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第一位の作品。


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 3

避暑地の猫 (講談社文庫)

著者 : 宮本 輝

出版社:講談社

発売日:1988-03

評価 :

記入日 : 2008年06月03日

夏の軽井沢。森の中のサイクリング。ミルクを流したような霧。
しかし、この本は、そんな避暑地の軽井沢からは連想できない、背徳の物語。

3400坪の敷地に建つ、財閥の別荘。別荘番の息子は地下室を見つける。妖しげな匂い。

美と醜。善と悪。底無しの退廃と虚無だけが生み出す特殊なエネルギー。少年の目を通して、腐敗していく人間の内奥を暴き出す。読者の心を錯乱する。

信じていたものが崩れていく。主人公の少年の苦悩を知り、息を飲む。
救いはないのかと、打ちのめされる。

終盤に刑事が打ち明けた、母親の司法解剖結果。
どう解釈すればよいのだろうか。


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 38

カシオペアの丘で(下)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

記入日 : 2008年05月31日

とても悲しい物語。

理屈では正しいことでも、ひとの気持ちは納得しない。
正論ばかりで攻めたてられると、反撥してしまう。
だから、よけいに切なくなる。苦しくなる。

過去のつらい記憶が、心の傷になっている人々。
思い出すと、いまだに痛み、血を流す。
人はだれでも、そんな傷を負っているのではないだろうか。
忘れたいと願っても、脳裏を離れない。
この傷を癒すにはどうすればいいのか、と悩みつづけている。

ゆるすことさえできれば……

春。雪がゆっくりと解けだす。

静かな暮らし。贅沢なことができるわけでなくても、花が咲いたらきれいだと思い、炊きたてのご飯をおいしいと思う、そんな暮らしが幸せ、とひとりの女性が思う。

テーマは平凡だが、永遠のもの。
この物語の人々のように「ゆるす」ことができれば、どんなにいいだろう。
わかっているけれど、簡単にできることではない。
自分の過去を振り返っても、後悔することばかり。
人生というのは「ゆるす」ことを学ぶ時間でもあるのだろうか。


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 42

カシオペアの丘で(上)

著者 : 重松 清

出版社:講談社

発売日:2007-05-31

評価 :

記入日 : 2008年05月30日

つらい話。


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 1

ハッピーデイズ

著者 : ローラン・グラフ,工藤 妙子

出版社:角川書店

発売日:2008-02

評価 :

記入日 : 2008年05月28日

アントワーヌは18歳で、墓地と墓石を買った。

18歳で、ふつうに満ち足りた人生というものの構成要素を、ほぼすべて経験した。恋も仕事も、理想も野望も、失望も倦怠も。人生に驚きなんてもう無くなってしまった、と思った。あとは、特別な野心など持つことなく、淡々と生き、やがて起こるべきことに備えようと決意したから、墓を買ったのだ。

35歳のとき、名づけ親が亡くなり、遺産を相続した。そして離婚した。遺産はおよそ50年生活できる金額だった。
まもなく、私営老人養護施設「ハッピーデイズ」に入居した。老人と一緒に暮らし始めた。職員ではなく、あくまで入居者として。
老人たちを観察し、死に至るまで傍らにいて見届けたい。命が消失することの何たるかを理解したい、という実験的な目的もあった。

そんなアントワーヌが、末期がん患者ミレイユに出逢った。彼女が死を迎えるまで寄り添った、アントワーヌが見出したものは……

主人公が何を見出したかは書かれていない。文章にすると、かえって陳腐だったかもしれない。

訳者あとがきに、急逝した哲学者の池田晶子さんの言葉があった。
この言葉が、アントワーヌの見出したものにかなり近いのではないか。

ラストシーン。時が過ぎていた。歳をとったアントワーヌは何を思っているだろう。

この作品は世界各国で人気を博し、ジョニー・デップが映画化するそうだ。


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1.ハローbreeze (2008/05/28)
今晩は。
ようちんさんからのコメントには何も問題はないです。
ただ、私の配慮が足りなかったということです。反省するとともに
ようちんさんのご希望通り、コメントは一応削除しますね。
これに懲りずに、また時々コメントください。
2.ようちん (2008/05/30)
ハローbreezeさん、こんばんわ。
お気遣いありがとうございました。これからも、気軽にお邪魔いたしますので、今後も宜しくお願いいたします♪
 

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 2

白いプラスティックのフォーク―食は自分を作ったか

著者 : 片岡 義男

出版社:日本放送出版協会

発売日:2005-10

評価 :

記入日 : 2008年05月24日

パッケージからひとつかみ取って、無造作に置かれた、白いプラスティックのフォーク。
その写真を表紙にしているこの本には、どんなことが書かれているのだろう。
手にした直後、そんな疑問がわいた。

副題を見れば、「食は自分を作ったか」と書かれている。
フォークと食、確固たる関係。だが、日本人だったら箸と食だろう。そこをフォーク、しかもプラスティックとしたところになにか意味があるのだろうか。そんな疑問とともに読み始めた。

内容は、占領下から現在に至るまでの日本において、著者が体験してきた「食」について書いたエッセーのようなものだった。
たとえば、キャンベルのスープ、砂糖、カルピス、オムライス、ナポリタン、チョコレート、マヨネーズなど。
彼のスタイル通り、対象となるものへの批判はない。体験したものを、そのまま忠実に伝えようとして書かれている。

結局、読んでいる私は、片岡義男というフィルターを通してそれらを見ることになった。
もちろん、知っていたり、食べたことのあるものもある。
しかし、それらの「食べもの」のポジションが、私の認識とは微妙にずれている。
時と場所の違いが一因だろう。

この「ずれ」を感じたとき、表紙の写真の意味が少しだけわかったように思えた。
ある食べものが、過去のある時期に得ていた価値観。今でこそ、ありがた味が薄れたかも知れないが……


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 5

恋文 (新潮文庫)

著者 : 連城 三紀彦

出版社:新潮社

発売日:1987-08

評価 :

記入日 : 2008年05月21日

不器用な愛を綴った5編。いつまでも心に残る作品。

1.恋文 渡部篤郎、水野美紀、和久井映見で、5年前?にTVドラマ化された。
Do As Infinityの主題歌『柊』にも胸を打たれた。
白血病で死ぬ前に一目会いたいと10年ぶりに訪ねてくる元彼女。その女の最後を看取りたいと家出し、離婚してくれという夫。その女を見舞い、夫と彼女の結婚式のために、ラブレターよといって離婚届を渡す年上の妻。

2.紅き唇 結婚3ヶ月目で死んでしまった妻。その妻の母親と同居することになった主人公。

3.十三年目の子守歌 離婚して料亭を営む実家に暮らす35歳の俺。旅行から帰宅した50半ばの母親が、俺より4つ歳下の男を連れてきた。再婚した!?

4.ピエロ 美容院を経営する妻と、優しさの塊のような夫。同窓会で再会した男に心ゆれる妻……

5.私の叔父さん 40代の売れっ子カメラマン。20年前、19歳の姪からの告白に、心と裏腹の答えを返した。郷里に帰り結婚した姪は2年後、事故で死ぬ。
そして、今、姪の娘が訪ねて来た。

5編とも「恋」をテーマにした物語だが、それだけではない。物語の終盤に、行動の謎、そして秘めていた気持ちが解き明かされる。この作品は、恋の謎をミステリーとして書いているよう。
真実がわかったとき、哀しさ、切なさが、胸に染み込んでくる。

直木賞受賞作。4年ぶりの再読。


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 1

四重奏(カルテット) (KADOKAWA新文芸)

著者 : 永倉 万治

出版社:角川書店

発売日:1996-04

評価 :

記入日 : 2008年05月20日

ロードムービーみたいな、ロード・ストーリー。

イタリア国境の町ヴェンティミリア。海沿いの小さなレストランで出会った4人の日本人(男2人、女2人)と、関西弁で話す不思議な老画家アントニオ。
4人は、体調を崩して倒れたアントニオを家まで送ることになった。しかし、住んでいるのは車で3時間もかかる南仏プロヴァンスのR村。さらに、老人の車は半世紀前のポンコツ車、シトロエン2CVだった。
たいへんなドライブだったが、丘を越えた所は一面のラベンダー畑だった。薄紫色に圧倒され、風に乗った芳香に包み込まれる。
それぞれが事情を抱えた旅だったが、偶然の出会いから訪れることになったプロヴァンスの村で、新たな希望を見出す。
再会、恋、失恋、そして豊穣なプロヴァンスでのひととき。

ちょうど、日本のバブルがはじけた頃の話。時期は初夏なので、今頃読むには最適、素敵な旅を満喫できた。
ちょっとした情景描写にさえ、いっきに想像はプロヴァンスに飛んだ。
この手の話には必ず、みんなで食事するシーンが登場する。こういうシーンは大好き。ハーブの香る庭で、美味しそうな料理やワイン、みんなの笑い声が聞こえてくる。人生に乾杯!
やっぱり「旅」には人を癒す力があるのか? 苦悩を乗り越えられるくらいに、人を強くするのだろうか?
代官山で再会する4人。どうか、上手くいきますように。DONBEEも地ビールも、そしてイタリア生活も。

この本は、ようちんさんからのご紹介。


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1.ようちん (2008/05/21)
あーーー!そうですか~♪
ハローbreezeさん、感想ありがとうございます♪
知人が、とてもこの作品を気に入っていて、何度も何度も読み返していると聞いていました。だから、でもでも、永倉万治氏は一つもよんだことがなかったので自信がなかったのですが・・・ハローさん、ありがとうございました。次回こそ、本作品にトライ!です
2.ハローbreeze (2008/05/21)
こちらこそ、ありがとう♪
私も永倉さん、初めてでしたが、とても楽しい話でしたよ♪
今の季節、読むには最適ですね。

最近TVでも、NHKの街歩き番組や、TBSの『世界ウルルン滞在記』などで、ヨーロッパ編だとよく観ています。

映像を観ておくと、こういう小説舞台の風景を想像しやすくなって、うまいぐあいだなぁ、と悦に入っています。
 

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 8

『求めない』 加島祥造

著者 : 加島 祥造

出版社:小学館

発売日:2007-06-29

評価 :

記入日 : 2008年05月13日

 

「求めない―――」

その居心地・・・・・
その効能、可能性・・・・・

そんなことを、あらためて考えさせてくれる詩集。

ルーティンな生活の中、この詩集を偶然手にでき、
ほんのひとときでも立ち止まれたのは良かった。

理性と本能。2つのバランス。偏っていないか?

でも、そんなことさえも考えず、
ただ自然の中に身を置き、一瞬でも何も求めない「無」になれれば・・・・


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 14

沈黙 (新潮文庫)

著者 : 遠藤 周作

出版社:新潮社

発売日:1981-10

評価 :

記入日 : 2008年03月09日

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 9

氷点 (下) (角川文庫)

著者 : 三浦 綾子

出版社:角川書店

発売日:1982-01

評価 :

記入日 : 2008年03月09日

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2.ハローbreeze (2008/03/12)
こんにちは、ようちんさん♪
運命と思えることをお持ちであるというのは羨ましいです。
ミステリーの殺人事件ばかり続けて読んだあとには、合い間にこのような作品を読んでリセットしています。
これは大昔に読みました。『続 氷点』も引き込まれました。『塩狩峠』も感動です。
3.ようちん (2008/03/14)
ハローbreezeさん 度々、こんにちは♪
三浦綾子さん、学生時代にはまって何冊か読みました。
「塩狩峠」 最後のシーンを思い出すだけで、涙が・・・
まひるのの塩狩峠、彼女がその場所に辿り着いたその時・・・
学生時代に読むことが出来て、本当によかったと思える作品です。そうですね、ミステリーのあとには、気持ちのリセットで読み返すのもいいですよね!

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 15

氷点 (〔正〕 上) (角川文庫 (5025))

著者 : 三浦 綾子

出版社:角川書店

発売日:1982-01

評価 :

記入日 : 2008年03月09日

人が生まれながらに背負う原罪について考えさせられた。
遠藤周作著『沈黙』もキリスト教をテーマに書かれています。
また宮部みゆき著『楽園』は最後の部分で違った視点からの考えを述べられています。


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 1

愛の領分 (文春文庫)

著者 : 藤田 宜永

出版社:文藝春秋

発売日:2004-06

評価 :

記入日 : 2008年03月09日

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