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深夜プラス1 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 18‐1))
著者 : ギャビン・ライアル,菊池 光
出版社:早川書房
発売日:1976-04
評価 :
完了日 : 2008年10月25日
3度目の再読。
先日、たなぞう会員の方からこの作品ついてのご質問があったので、読み返してみた。
'80年代に読んだときの評価は、星5つに近い4つだった。
まずは背表紙のあらすじ。
ルイス・ケインの引き受けた仕事は、マガンハルトという男を車で定刻までにリヒテンシュタインへ送り届けることだった。だがフランス警察が男を追っており、さらに彼が生きたまま目的地へ着くのを喜ばない連中もおり、名うてのガンマンを差し向けてきた! 執拗な攻撃をかいくぐり、ケインの車は闇の中を疾駆する! 熱気をはらんで展開する非常な男の世界を描いて、1965年CWA(英国推理作家協会)最優秀英国作品賞を受賞した冒険アクションの名作。
ストーリーはとてもシンプル。
注目すべきは、登場人物たちの造形である。
特に主人公ケインの倫理観。このジャンルの主人公たちに多いのだが、自分のルールというものを頑固に守る。危険度や、報酬の多寡は関係ない。己のルールからはずれないことが重要なのである。
さらに銃や車、酒や煙草などの大道具・小道具の選択。それらを持つ人物の性格を窺わせる大事な役を果たす。
それと相棒役がいい。ガンマン・ハーヴェイはアルコール中毒なのだが、きっちりと仕事をこなす主人公との対比が面白い。
これらの手法は、同ジャンルの現代作家たちが今では広く取り入れている。
本書は、このようなハードボイルド手法が熟成を重ねていたころの作品。古典というほど古くはないが、進化の途上にあった名作といえると思う。
こういう作品を読むと思い浮かぶものがある。とりとめもなく書くと、
トヨタ2000GT、ハコスカGT-R
ダーティー・ハリーのマグナム44
ライカM3
パティック・フィリップ・カラトラバ
スティーブン・スピルバーグの監督デビュー作の映画「激突」
ショーン・コネリーがボンド役の映画「007シリーズ」
古伊万里
名刀といわれる日本刀
アナログのレコード・プレイヤー
古典落語、浪曲・広沢虎造の石松金比羅代参
それぞれ、通の方やマニアの方にとっての名品、名作、名演。
今では彼らの評価・感想が広くいきわたり、それらは一般の人にも素晴らしいものとして認知されているかもしれない。
ただここで疑問に思うのは、もし何も知らない若い世代が彼らの高評価の声を聞きかじっただけで手をだしたらどうなるだろう、ということだ。
この『深夜プラス1』も名作だ。それは間違いない。
ただし、現代の、エンターテインメント小説や手の込んだプロットを持つ作品しか読んだことのない若者だと、ひょっとしたら違った感想を持つかもしれない。
面白いのは同じだが、面白さの種類が違うのだ。
この感想へのコメント
| 1.ようちん (2008/10/30) |
ふむふむ、そうでしたか。
このタイトルを見て「あれ?どこかで見たなぁ」と、思い本棚を調べたら、ありました!ダンナの本でした。深い記憶を手繰って出てきた感想が 「シトロエンが出てきて、映画のトランスポーターみたいだった」とのこと。ほんとでしょうか?私はミステリーかホラーかと思っておりました・・・機会があったら読んでみます! |
| 2.ハローbreeze (2008/10/30) |
ミステリ要素もありますが、「冒険小説」が近いでしょうか。この作品をモチーフにしたような映画も結構あるみたいです。
日本冒険小説協会会長でコメディアンの内藤陳さんが、協会公認酒場「深夜+1」を歌舞伎町でやっています。店名にするくらい、この作品は冒険小説好きを刺激する何かを持っているようです。でも、女性には合わないかも。
内藤陳さんは『読まずに死ねるか!』という面白本指南書も出しています。 |
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