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Pipoさんの読書ノート

ノンフィクションも好き
実はノンフィクションも大好きで、硬軟とり混ぜて集めてみました。反則ですが対談集や新書も入れてます(笑)。
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 1

カツラーの秘密 (新潮文庫)

著者 : 小林 信也

出版社:新潮社

発売日:2004-03

評価 :

完了日 : 2008年11月24日

スポーツライター・作家の小林信也さんの、リアルカツラレポート本です。

初手からご自身の頭髪問題(20代後半~)に関して、リアルなお悩みをオープンにしてくださいます。いろいろ小技を試したあげくの失敗談は、オープンカーで海辺を走れないとか、海外や地方の小空港でプロペラ機に乗らないといけないときに困る、とか(笑)。とある有名メーカーに電話をしたら、すかさず営業マンが飛んできて、初期費用が100万円単位とは!それでも、やっぱりお悩み解決のためには…って、面白可笑しさ満載です。己を削って読者を楽しませる、芸人魂フルスロットル(ホントに悩んでいるかたにはちょっと酷かも?)。カツラKGBって…。

ご自身のカツラどたばた話だけではなく、リピーターにさせるための大手メーカーの戦略やカツラ業界の雰囲気や内幕(完全なクチコミ業界なので、顧客に対して横柄でもオッケーと感じられる、など)を大人の本らしく描いている点もキチンとしており、思わず「ふむふむ」とうなずいてしまいます。紆余曲折を経て、とあるメーカーの製品に落ち着きますが、ここはちょっと身びいきかな…。

巻末にはご自身が製品をオーダーする前に、メーカーに送られた質問のリストも掲載されており、ただ興味本位で読む読者さん(私か?)だけではなく、リアルにお悩み解決の糸口を求めておられるみなさんにも親切設計となっています。

「笑っちゃいかん!」と思いながらも頬のあたりがピクピクしてくるコミカルさと、きっちり情報ツールとしても使えるよさをあわせ持った本だと思いますので、この☆の数を。


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 1

博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)

著者 : サイモン ウィンチェスター

出版社:早川書房

発売日:2006-03

評価 :

完了日 : 2008年11月20日

英語圏の辞書では外せない辞書、『オックスフォード英語大辞典(OED)』編纂中のあるエピソードから、OEDの誕生を追ったノンフィクションです。原題は"The Professor and the Madman"でそのまま。副題は原題"A Tale of Murder, Insanity, and the Making of the Oxford English Dictionary"のほうがちょっと刺激的で面白いような…。

この辞書の編纂に大きく関わった2人の人物を中心に描かれます。1896年当時、編纂主幹であったマレー博士と、意見交換の相手、マイナー博士。この2人は20年来、手紙のやりとりをしていたものの、会ったことはないという。マレー博士が謝意を伝えるため、マイナー博士のもとを訪れると…滑り出しがあまりにもできすぎで、「これってミステリ?」と思いきりハヤカワの分類を見直してしまいました(笑)。

克明な筆致で、英国のノンフィクションはこのように書くのか…ということがよく分かります。情報量が多く、途中で中だるみ気味にも感じられるものの、この2人をめぐる事実と当時の時代背景がその時代の英語とともに、細かく解説されながら、話が進んでいきます(できれば、日本人向けに注釈をつけてほしいものも…)。また、各章の冒頭にキーワードになる単語が挙げられており、その単語がOEDの項目を丸ごと使っている(もちろん訳してあります)ので、OEDがどんな辞書か分からなくても、イメージをつかむことができると思います。第1章で引かれるmurder(殺人)の語源と定義は圧巻!訳は日本語としてはもたつく面があるものの正確で、読み進めるには特に引っかかりはありませんでした。

ウィンチェスターの作品は地質図を扱った『世界を変えた地図』で挫折したことがあり(笑)、警戒していたのですが、こちらは面白く読めました。装丁は平野甲賀さんの直球勝負。図書館でOEDの実物を見てこようかな、という気にさせる本(私だけ?)で、この☆の数です。


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5.まま (2008/11/25)
私も読みました。
シェイクスピアの時代には今私たちがイメージするような辞書が無かったとか、OEDを編纂するのにこれだけの時間と労力がかかったのだとか、詳しく書かれているのを見ると、圧倒されました。そういった人々のおかげで普通に辞書を調べることができるのですね。
それから、このマイナー博士のお話、それはそれで事実は小説よりも奇なりという言葉のとおりで、別な意味で圧倒されました。
6.Pipo (2008/11/26)
ままさん、こんにちは。お運びありがとうございます。

本当に中身の濃い本でした!OEDはフランスのアカデミーのような団体だけで練り上げて作ったと思っていましたので、多くの協力者に支えられたプロジェクトだったことを知って新鮮に感じました。あんな広告が新聞に折り込まれていたら…想像するとわくわくしますね。マイナー博士の逸話も、この辞書にまつわる「伝説」にふさわしいと思いながら読み終えました。

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 3

人の砂漠 (新潮文庫)

著者 : 沢木 耕太郎

出版社:新潮社

発売日:1980-12

評価 :

完了日 : 2008年11月14日

おそらく、ファースト沢木本です。沢木さんが『深夜特急』やスポーツライティングの書き手としてドカンと位置づけられる以前の、社会問題を扱ったルポルタージュ集です。

社会の誰もにものすごいインパクトを与える事件ではなくても、深く知っていけばショックを受ける事件を扱っています。最初の1編「おばあさんが死んだ」では、今でいうところのゴミ屋敷で孤独死した老女の家からもう1体、それもミイラ化した死体が出てきたという事件を、老女の遺したノートを元に追いかけます。今ではこういった問題は貧困問題のひとつでしょうが、この女性の一生に別の角度で当てられた視点に目をみはります。「棄てられた女たちのユートピア」では、あるTV番組の企画に乗ったものの、この番組が失敗に終わりそうな予感も克明に記されています。

他には場立ちや仕切り場のルポが収められており、今は存在しないであろう現場の空気が手に取るように分かる手腕は見事です。史記の「刺客列伝」にひっかけた「不敬列伝」などもなかなか静かに攻撃的で面白く読めました。最後の「鏡の調書」は、寸借詐欺の老女を扱ったもので、最初の「おばあさんが死んだ」と対をなすように作られています。

素材としては数十年前のもので時代を感じるはずなのに、作品から感じる空気がリアルで鮮烈。難しい語彙は使っていないのに、イメージを鮮明に描き出し、人の感情を揺さぶる言葉の使い方が絶妙なのでしょう。重松清さんが「私小説的」と評するのもうなずけます。かといって叙情的なフィクション転びでもなく、やっぱり沢木マジックなんだろうな、と思う1冊です。タイトルも絶妙。読んだ当時は☆5つでしたが、年月分だけひいてこの数です。


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1.anokeno (2008/11/14)
古い本というのでちょっとひきますが
読んでも酔うと思いました。
ありがとう
2.Pipo (2008/11/14)
anokenoさん、初めまして。お運びいただき、ありがとうございます。

この本のネタにはさすがに時代がかったものがあると思いますが、それに関わった人物の輪郭を浮かび上がらせるワザというのは古びていないと思います。

☆も大甘ででたらめなノートですが、またお越しいただければ嬉しいです。
 

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 1

鈴木亜久里の挫折―F1チーム破綻の真実 (文春文庫)

著者 : 赤井 邦彦

出版社:文藝春秋

発売日:2008-10-10

評価 :

完了日 : 2008年10月13日

文春文庫の10月新刊広告を見てすかさず購入(笑)。2006年にプライベートチームとしてF1参戦し、わずか2年で資金難のために撤退せざるをえなくなった、「スーパーアグリF1チーム」を追ったノンフィクションです。

鈴木亜久里さんの「F1チームのオーナーになる」という自分自身の夢と、「日本人ドライバーが羽ばたくためのシートを作る」という目的でこのプロジェクトはスタートします。もちろん、それは簡単なことではなく、ビジネスの側面を抜きには語れない。F1エントリーのための多額の供託金の調達法、技術のサポートを受けるメーカーとの関係など、ビジネスとしてのF1がどのようなものであるかがきちんと取材されており、興味深く読めました。

また、難しい状況の中でレースを成立させようとするドライバーやクルーの頑張りも熱く描かれており、現場は『プロジェクトX』な感じで熱血です(笑)。第1ドライバーの佐藤琢磨さんが非常にクールな大人の考えを持っており、彼の存在が大きかったのがよく分かります。第2ドライバーのライセンス剥奪や、立場の近いチームのコース内外のプレッシャーなど、F1のウラも見えて怖い(笑)。

こういうルポは判官びいきになりがちなのですが、擁護するべきところを擁護したのちに、鈴木さんサイドのビジネスセンスと読みの甘さを指摘しているというのもフェアで好感が持てました。うさんくさい「出資者」に振り回される様子、一時融資を申し出たソフトバンクのしたたかさ、技術協力したホンダの冷静な読みなど、さまざまな側面をコンパクトに理解できて面白く読めました。鈴木さん、外人のリップサービスをうのみにしちゃだめだよ(苦笑)。

ボリュームはそれほど大きくない本ですが、1つのプロジェクトが生まれてから破綻するまでを追ったスポーツノンフィクションとして、中身の濃い1冊だったのでこの☆の数です。


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 9

夏から夏へ

著者 : 佐藤 多佳子

出版社:集英社

発売日:2008-07

評価 :

完了日 : 2008年10月13日

『一瞬の風になれ』の佐藤多佳子さんによる、2007年の大阪世界陸上男子4×100mリレーの日本代表メンバーを追ったノンフィクション。この種目は今年の北京五輪ではマスコミ的にノーマークだったようで、特集番組を作るのにどこも苦労していたような(笑)。

世界陸上4×100mリレーの現場を追った第1部と、本番のトラックを離れた練習中の各メンバーを取材した第2部から構成されています。この本は、

①純然たるスポーツノンフィクションとしてこれ1冊だけ読む
②『一瞬の風になれ』を読んでから読む

と2種類の読みかたができると思います。①として読めば、細やかに取材されたノンフィクションではあるものの、取材者である佐藤さんの目線で語られた試合と練習が思いっきり応援モードに入っている(もちろん文章上は抑えていらっしゃいます:笑)ので、少し引いた目線で情報を欲しい場合には物足りないかもしれません。それでも、各選手や関係者の懐に飛び込んで温かい言葉を拾っていらっしゃる姿勢は素晴らしいです。②では、ずばり「『一瞬の-』取材ノート総まとめ」の感触です。『一瞬の-』に出てくる表現との共通点をいろいろと見つけられて面白く読みました。もちろんこの本は『一瞬の-』とつながる素材ではあるものの、全く別の企画・取材を行ったと考えていい作品です。でも、春高4継メンバーのキャラのかけらがあちこちに垣間見えるような気がして、ついついニヤッとしてしまいます。

きっぱりとした白の装丁と、クリーンな筆致が美しい本です。①、②のどちらの読み方も楽しめますが、時間があれば②をおすすめします。沢木耕太郎さん『深夜特急』と、取材ノートもまとめた『ミッドナイト・エクスプレス』の関係のような素敵な姉妹本で、この☆に。

-----[2008.9.25 未読リストにアップ時のコメント]-----

『一瞬の風になれ』を読んでいるときに存在を知り、途中で強制リタイヤしてこちらにしようかと思った(笑)本です。

『一瞬の-』を読んでしまったので、「これは誰々、これは…」と登場人物にリンクさせて読んでしまいそうです。ですが、これを引きずると、せっかくのノンフィクションも面白さ半減になるような気がしますので、ばしっと切り離して読めるようになるまでキープ、ということで。


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11.ryoukent (2008/10/21)
たなぞうのメンバーは最近5000番を越えました。
と言ってもたぶん常時実働してるのは500人くらいがいいところでしょう。
そう考えると、いかにもPoorなアクセスコントロールですよね。よほど予算が無いと見える。管理するのはText情報だけなのですから。たなぞうは文字以外は一切受け付けませんよね。
1TeraのHDが2万円以下で買える時代になんともおそまつ とは思いますがそれでも結構。
たなぞう好きです。
12.Pipo (2008/10/22)
ryoukentさん、おはようございます。たなぞうさんはよく見ればまだβ版なんですね。いつ実行版になるんだろ?と思いながら、「このままでもいいか」と(笑)。

他にも本の情報が整理できるサイトはあるんでしょう(あまり知らない)けど、私にはたなぞうがよく合っているようで、こんな感じで利用させていただいております。

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 2

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく (講談社文庫)

著者 : ランス アームストロング

出版社:講談社

発売日:2008-06-13

評価 :

完了日 : 2008年10月03日

今年の夏に読み残していたものを今読みました。自転車界の「鉄人」、ランス・アームストロングの自伝です。ツール・ド・フランス7連覇の英雄。でも、私は山岳のスペシャリスト、ミゲル・インデュラインのほうが好きでした(笑)。

彼が自転車界で栄光の絶頂にありながら癌の宣告を受け、常人では耐えられないような治療の末に復帰を果たしたことはあまりにも有名。自転車に対する情熱、闘病の苦しさと不屈の闘志、家族への愛もよくわかるよ…と思うのですが、文章として読ませる力が低い(笑)。稀有な才能の持ち主が、さらに稀有な闘病生活を語るのに思わず力がはいるのは理解します。ですが、1人称語りでヒートアップする部分が鼻につき、冷静に情報を得たい読み手(それは私:笑)には重たいのです。

これはおそらく口述筆記なのでしょう。執筆当時のアームストロングは30代初めで、自分の体験を熱っぽく語るのは仕方ない年齢だと思いますが、彼は誰かにインタビューしてもらって、その記事を本にまとめてもらったほうがいいタイプの人物だと思います。アメリカには『PLAYBOY』誌のインタビューなど、驚くほど素晴らしいインタビュアーがあまた育っているお国柄なのだから、そちらを選択したほうが硬派で質の高い本ができたような気がします。ただ、ライダーしか表現し得ないであろう、はっとするほど的確で見事な表現もあったりして、小説だったらばちっとはまるように思う部分が多々あったのはさすが、と思いました。

訳はアームストロングの喋り口調を文章にするのに苦労されていることがよくわかります。「この人、訳ヘタなの?」と一瞬思ったのですが、訳者あとがきを読むと、巧みな文章を書かれるかただというのがよくわかったので、そこが少し惜しい気もします。

邦題も素敵だと思いますが、原題"It's Not About the Bike"のとおり、アームストロングの人となりを描く作品であり、ライダーとしての彼とレースとの位置づけを知りたかった私としては、ターゲットが違ったのでこの☆の数とします。ごめんなさい。


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11.ryoukent (2008/10/08)
年齢のこと。
あまり気になさらないのは結構なことだと思います。

おっしゃるとおり、たなぞうのみんなはそのあたりの年齢層がいちばん多い様ですね。
最高年齢のかたはどなたかなぁ、とか時々あちこち見てるのですが、会社を定年退職された男性はいらっしゃるみたいで、そうなるとわたしもまだまだ若輩者です(笑)
12.Pipo (2008/10/09)
ryoukentさん、おはようございます。

「たなぞう」メンバー、幅広いですよね。10代はじめから大先輩、趣味から研究系とそれぞれに特徴があって、面白く拝見しています。私は本のラインナップに結構クセがある(と思う)ので、ノートにコメントをつけていただくたびに、「コメントいただいて嬉しいけど、なぜにこの本なんでしょうか?」とおっかなびっくりで拝見しています(笑)。

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 1

地球どこでも不思議旅 (集英社文庫)

著者 : 椎名 誠

出版社:集英社

発売日:1985-07

評価 :

完了日 : 2008年10月01日

『怪しい探検隊』シリーズとタメを張る、マイ・ベスト椎名旅行記です。集英社の新刊案内(2008年8月)に『エンタメ・ノンフ復刊』ということで掲載されていました。それにしても、「エンタメ・ノンフ」って『本の雑誌』で載ってた言葉のように思いましたが…パクりましたか、集英社さん(笑)。雑誌『週刊ポスト』『るるぶ』の連載をまとめたものです。

もう、楽しくてたまらないのはメキシコ編。アステカの遺跡でもサッカーでもなく、ずーっとメキシコプロレス、「ルチャ・リブレ」を見ている(笑)。その合い間にはアミーゴとテキーラ。一番先に覚える現地語はお約束の「ドス・セルベッサ(ビール2杯)」って…いいなー、人生楽しくって(笑)。中国編も面白いです。「ラーメンとギョーザ」という、日本的王道中華定食を求めて街をさまよう姿が可笑しすぎ!通訳の正しき中国青年、王さんが生真面目でいい味出してます。京都では京都タワーその他にひたすら機嫌が悪く、「うどん vs. そうめん」では圧倒的にうどん派ながら、そうめんにもグラッとくる瞬間が…どれも大人気なくも面白いです。ただバカバカしく面白いだけではなく、その土地土地に向けた真面目な思いがさしはさまれる瞬間もあって、それがピリッとエッセイのスパイスになっています。

いつものメンバーでどたばたと進んでいく旅エッセイですが、語り口の歯切れのよさと文章の構成のよさ、あざとくなく読めるバランスが好きな1冊です。手にした当時は☆5つだったのですが…そのあといろいろな旅行記も読みましたから、時間の経過分をひいて、この☆の数です。


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3.ryoukent (2008/10/01)
調べました。スマヌ同じ文庫本を読んでいました。

2007年03月22日に読了しています。わたしのPCにLocal読書DBがあって、それで調べて判った。
そんなDBあるんだったら最初から調べなさい! ごめんなさい謝罪ペコリ。

読んだのはPipoさんと同じ文庫版だけど、1982年にたぶん単行本が同じ題名ででているのだ。

「シルクロード」の音楽が「喜多郎」だったとか書いてあった。手数を掛けてスマヌでした。
4.Pipo (2008/10/01)
いえいえ、大した手間をかけてませんし。この本は1度版元が変わって、2000年に小学館からも単行本で出ていたみたいですね。しかもキュートな装丁で(笑)。

椎名さんのシルクロード話では「『月牙泉』というところでラクダに乗ったTV映像が素晴らしかったが、ヤラセだったので腹が立った(後日納得)」という話をよく覚えています。

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 1

ターシャの庭

著者 : ターシャ テューダー,リチャード・W. ブラウン

出版社:メディアファクトリー

発売日:2005-06

評価 :

完了日 : 2008年09月29日

先日ご逝去されたターシャ・テューダーさんの、米国バーモント州のご自宅の庭園を紹介した写真集です。

彼女を知ったのは吉野朔実さんのご本でした。「素敵な変わり者」と吉野さんが評されたとおり、『大草原の小さな家』とさして変わらぬような暮らしを送っていらっしゃいました。

四季折々の花や木の組み合わせが美しいのなんの!秋にたわわに実った小さなりんご、春の花の盛り…色彩の宝庫です。これが雑然と植え込まれているようで、とても計算された配置。『秘密の花園』ではなく、もっともっとオープンな感じが温かいです。個人的には、お花の配置、特にシャクヤクの使い方に驚きました。典型的な東洋の花なのに、こんなに合うんですね。イギリスの庭ともまた違った美しさ(近いとは思うけど)に見とれて、ただただページをめくってしまいます。ターシャさんファンにはおなじみ、コーギーのメギー(本名メーガン)もラブリーです!

解説も写真の妨げにならない分量で、ほどよく楽しめます。こういう暮らしを守るのは現代ではとても大変だったことは想像にかたくないのですが、それをなしとげた女性に敬意をこめて、この☆の数です。


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 2

パレオマニア―大英博物館からの13の旅 (集英社文庫)

著者 : 池澤 夏樹

出版社:集英社

発売日:2008-08

評価 :

完了日 : 2008年09月25日

「パレオマニア」とは聞きなれない響き…「古代(妄想)狂」という意味だそうです。池澤夏樹さんが、副題のとおり大英博物館の収蔵品にちなんだ旅を13の章立てで紹介した紀行文です。

最初はギリシャの女神の形の柱、「カリアティド」。博物館に収蔵されたとびきりの美女(「何人め」とか指定がある:笑)のふるさと、アテネへと舞台は移ります。続く舞台は四大文明からアジア、北中米など。取り上げられた収蔵品はうなるほどの通好みというほどではなく、意外とオーソドックス(手元の図録にほとんど掲載されていた)でした。まぁ、大英博物館の収蔵品はあまりにも有名なものばかりなので、既視感があるのは仕方ないかもしれませんが…。

スタイルは、収蔵品についてうんちくを傾けるというよりも、収蔵品がひきがねになっていろいろな考えが頭をよぎる…といった感じです。その土地の風土、食べ物の描き方がうまく、各地で旅の連れとなるかたがたがとても知的に素晴らしいかたばかりで、その物言いが池澤さんのひとり語りに深みを添えます。惜しむらくは、あまりに情緒的になりすぎてちょっとキザ(笑)。人称の使い方は減点です!

もう少し硬質な書きようだったら間違いなく☆5つだったのですが、タイトルを見ての第一印象と期待がちょっと上回ったかなとも思います…「内容○、筆致△」を冷静に考えてこの☆の数とします。ごめんなさい。

-----[2008.9.11 未読リストにアップ時のコメント]-----

ハードカバーで出版されたときに迷っていて、このたび文庫本で見つけました。

まず、「パレオマニア(paleomania:古代妄想狂)」という言葉があることに驚愕!私も古代ものは大好きですし、マニアではない(かもしれない)けれども、近くの展覧会には必ず足を運びます。金銀細工や陶磁器、その他いろいろ…の年月を過ごした美しさがたまりません。

この本は、「パレオマニア」を自称する池澤さんが大英博物館の収蔵品をヒントに、出土地をめぐる13の旅がつづられています。なんて贅沢な企画。装丁もシュメールの牡山羊(いいデザインのものを:笑)と、上品にまとめられています。

絶対読む鉄板本ですが、暫定的にこのノートへ。


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1.manu (2008/09/12)
こんにちは。
又しても…。(^.^)
私も古代もの大好きで、これもチェック入れておりました。
ここを拝見して、更に読みたくなってきたきたきた~(笑)
2.Pipo (2008/09/12)
manuさん、お運びありがとうございます。これ、私も文庫を見つけたときに「ヤバい!開いたら買っちゃう!」と思ってちょっとだけ避けました(笑)。

でも、ずっと前にAmazonで大英博物館の簡単な図録を買ってあり、「取り上げられている中にどれか載ってるものがあるのかな…」とすでに参照スタンバイ状態なんですけどね(笑)。
 

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 2

ヒエログリフがわかる絵本

著者 : ニール スペンサー,吉村 作治,クレア ソーン

出版社:創元社

発売日:2005-03

評価 :

完了日 : 2008年09月23日

古代エジプトの神聖文字、ヒエログリフの簡単な解説書です。

学生時代に「読めるはず!」とこの類の本を図書館で仕入れて勉強してみました。結果は…読めません(笑)。敗因は

①文字を知っても発音できない(語族の特徴)
②表記のシステムが洗練されていない(形は抜群に美しいのに)
③文法がある、という当たり前の事実を忘れていた

ということで…本日、展覧会のおみやげ売り場でこの本に出会い、リベンジできるか?と手に取りました(笑)。

リベンジできるかどうかは別として、大英博物館監修の、質実剛健で誠実な解説に好感を持ちます。見開きで簡単な名詞や文と、解説の例文が見開きで美しくレイアウトされており、持っているだけでも楽しくなります。

ヒエログリフの読み方に関する本は意外とたくさん出版されているのですが、その中ではコンパクトでとっつきやすく、しかも中身も伴っている本だと思いますのでこの☆の数です。


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 1

徳川慶喜家の子ども部屋 (角川文庫)

著者 : 榊原 喜佐子

出版社:角川書店

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年09月22日

タイトルのとおり、東京、小石川の通称「第六天」と呼ばれた徳川慶喜邸で育った筆者が、家族とそこで暮らした思い出をつづる本です。

筆者は徳川慶喜のお孫さん。お母さまは有栖川宮家の最後のお姫さまで、お姉さまは高松宮妃、喜久子さんです。もう、付属のお屋敷見取り図がすごい(笑)。日光江戸村?東映太秦映画村?と思ってしまう、現代日本ではありえないスケールのお屋敷。ここをお母さまがご当主として、家令(執事さん)をはじめ、多くの使用人を取り仕切る日々です。筆者の喜佐子さんは妹さんなので、その中をお姫さまとしてのびのびと暮らす日々。お姉さまは幼い頃から「雲の上にあがるかただから」ということで別格扱いだった…などのセレブライフいろいろが、文章のすみずみからよくわかります。

喜佐子さんがずーっとセレブな生活と気分に浸っているかといえばそうではなく、お姉さまのお考えで「何でも自分でできるように」との突然の生活の変化にとまどったり、「坂の下に住む」、自分とほとんど年齢の違わない子たちのことを考えてしんみりする場面も描かれています。ご結婚されてから戦争をはさんで、まったくの世間知らずということを身をもって知ってご苦労なさったことも、率直に語っておられます。ややキレイな思い出になっているな…とも思いますが(笑)。

個人的には、学習院の先生に「並ぶ者のいない鎖鎌の達人」がいた、というくだりがヒットです(笑)。ちょっと見てみたいー!

日本の筋金入りのセレブライフが、いやみなく生き生きと描かれており、「すげえなぁー」と思った1冊でした。

☆ 思い出本ですが、「ノンフィクション」のノートにもアップします。


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1.少将奈胡ン (2008/09/24)
すばらしいなぁ。元祖セレブ?
Pipoさんの感想を読んで、読んでみたくなりました。
2.Pipo (2008/09/24)
少将奈胡ンさん、お運びありがとうございます。『一瞬の風になれ』の節はありがとうございました。夏に読了しました!

この本は成金テイストは全くなくて、本当にその中で育った人の目線から描かれているので、いやみなく「ほほー」と感心しながら楽しめる本ですよ。
 

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 2

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)

著者 : 松本 仁一

出版社:岩波書店

発売日:2008-08

評価 :

完了日 : 2008年09月15日

『カラシニコフⅠ・Ⅱ』で夢に出てくるほどの衝撃(苦笑)を受け、ノックアウトされてしまった書き手、松本仁一さんの新聞連載・コラムをまとめ、加筆した作品です。

最初には「最も恵まれた独立」といわれたはずのジンバブエの惨憺たる現在が語られます。そこにあるのは独立を勝ち取った「英雄」であるはずの政府首脳の腐敗。それが指摘されると旧宗主国や自分の出身部族以外を「敵」に仕立て上げて批判をかわそうとする…これはジンバブエだけではなく、他のアフリカ諸国でも同じこと。壊れようとする国の実情が、事実に徹した淡々とした筆致で描かれます。

2010年サッカーW杯を控えた南アフリカ共和国も、その例にもれません。治安維持システムが崩壊寸前の様子がリアルで、FIFAが(最悪の場合の)代替地を打診するわけだ…とちょっと思います。他に、アフリカをめぐるお金の流れが変わってきていることに「これは事実として止められないけど、いいことなのか」と考え込んでみたり、それでも国を立て直そうとする人たちに拍手を送ったり…と、偏りなく情報が盛り込まれている構成です。

『カラシニコフ』で免疫ができているのか、読んでいてアタマの中がぐらぐらすることは少なかったのですが、やはり沈んだ気持ちにはなります。もう、全てのもとは小難しい思想じゃなくて、「欲」なんだよなぁ…そこをコントロールできるかどうかだよ?との思いを強くします。

コンパクトなレポートなので読みやすかったのですが、もう少し他の体裁でガッツリ読みたかったとも思いますので、この☆の数です。


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 2

ザ・ホテル―扉の向こうに隠された世界 (文春文庫)

著者 : ジェフリー ロビンソン

出版社:文藝春秋

発売日:1999-11

評価 :

完了日 : 2008年08月29日

原題は"The Hotel"。ロンドンのど真ん中、メイフェア地区にある名門ホテル「クラリッジ」で働く人々と彼らが扱う宿泊客を追ったノンフィクションです。

イギリスで最高の格式を誇るホテルの内幕が描かれます。とびきりの著名人・名士ばかりのお客のわがままともいえる注文ににこやかに答え、それをブリーフィングで共有し、しかも売り上げをにらみながら部屋を売る…ホテルの日常がきびきびとした筆致で克明に記されており、アメリカ式の「ガーッとやってしまう」よりも、「粛々とことを運ぶ」という感じが目立ちます。椅子だけの役員ミーティングで、女性役員に席をまず譲るというのがヨーロッパだなぁ(笑)。ロイヤルスイートの予約は電話じゃダメで、まず支配人あてに丁重なお手紙を…というルールも見事。スノッブ過ぎてイヤな方もいらっしゃるでしょうが、私はこういう敷居の高い世界をちらちらのぞくのは嫌いではないので、面白く読めました。

映画や他の本でいえば三谷幸喜「The有頂天ホテル」のとびきりシックな日常版…の雰囲気かなぁと思い、VIPの饗応などは西川恵「エリゼ宮の食卓」、スタッフの鷹揚で実は几帳面なイギリス的態度がヘレーン・ハンフ「チャリング・クロス街84番地」(ただし、クラリッジのスタッフはイギリス人ベースながらもコスモポリタン)…のエッセンスを感じる作品です。訳は英語のノンフィクションライティングによくあるぎこちない感じがそのまま出ているので、もう少しこなれたものでもいいかとも思いますが、許容範囲。

ホテルに泊まるときは備え付けのパジャマや、ちょこっとしたアメニティなどが使えるだけでハッピーになってしまう身なので(笑)、こんなところに泊まるチャンスは生涯ない(と思う)。もう、チェックインの瞬間に頭のてっぺんからつま先まで見られて「私どもでご満足いただけるのやら」とかチクッと言われてしまいそう…(笑)。

ホテルも巨大チェーン業界ですし、今のクラリッジでは、この本に描かれた当時のようなルールやサービスとも変わっているのかもしれません。でも、この微妙に時代のかった敷居の高い、豊かな雰囲気を感じるにはいい本です。実はかなり前に第1章だけ読んでおり、その間に、上に挙げたような、似た雰囲気の味わえるのものをいくつか読んでしまったもので、この☆です。ごめんなさい。


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 1

アメリカズカップのテクノロジー

著者 : 宮田 秀明

出版社:東京大学出版会

発売日:2000-06

評価 :

完了日 : 2008年08月24日

世界で最高に豪奢で無駄で精緻なヨットレース、「アメリカズ・カップ」!参加各国がシンジケートを組んで資金と技術を湯水のごとくつぎ込み、しかも得られるものは、優美ではあるがただの銀のカップ(予選のスポンサー、ルイ・ヴィトンのケース付き)と名誉のみ…というこの世界最大の酔狂なヨットレースに、日本が参加していた時期があります(家人が「いよいよ日本がエントリーする!」と熱狂していて私にもそれが伝染した)。その艇設計に関わった研究者のかたの記録本です。

理系の研究者さんの手になる本だけあって、テクノロジーの部分はもちろんのこと、開発以外のチームマネジメントなども端正に書かれています。レースのルールがきちんと分かった本はこれが初めて(笑)。いっぽうで、才能を各界から結集して機会を与え、伸ばしていくようなチーム作りには日本の教育や企業は向いていない、ともチクリ(結局、優秀な大学院生を何人も休学させてつぎ込まざるを得ない、など)。開発側のかたなので、敗因などに「艇が悪いのではなく…」のような書き方もないわけではないのですが、それはF1やオートバイなど、他のスポーツにだってよくあることなので許して(筆致の誠実さがそうさせるように思います)読みました。

結局、日本はバブル後の不景気がたたって撤退してしまいます…お金の問題が第一ですが、ヨーロッパのお遊びの根本にある、豪奢なおバカ全開っぷりが日本人には合わなかったのかもしれません。人としてのいい悪いは別にして、私はこういうエレガントな無駄は結構好きなので、少し残念です。

控えめながら造本もきちんとしており、好感の持てる端正な本です。しかも、手になじむ絶妙な厚さ!ここまで設計ずみ?ってことはないのですが…。それに、中古で譲ってくださったかたから「大事にしていただければ」とのメモが添えられていたので、微妙にお気に入りです(笑)。大事にしちゃいますわよ♪


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 1

Sports Graphic Numberベスト・セレクション〈1〉 (文春文庫PLUS)

著者 :

出版社:文藝春秋

発売日:2003-04

評価 :

完了日 : 2008年08月16日

書店で目当てのスポーツ本を立ち読みしたところ、いまいちだったので(笑)急遽こちらに…スポーツグラフィック誌「ナンバー」の記事の傑作選、第1巻です。

オープニングの「ナンバー」立ち上げの話からしてドラマチック(笑)。「優れた文筆家に毎週スポーツを見させて鍛えよう」とか…当時はスポーツ記事を書ける人といえば、大部分がスポーツ新聞の記者さんだったので、そういうライティングとは違ったものを育てようとする志を感じました。

オープニングは山際淳司さん「江夏の21球」。久しぶりにきちんと読んで、19球目から始まっていたのを忘れていた(笑)。もともとは山際さんサイドの企画ではなく、「ナンバー」からの企画だったとか。配球と攻撃の戦略描写は、「おおきく振りかぶって」の阿部くんのクールな戦略を思い出します。

力道山の朝鮮半島でのルーツを追った「追跡!力道山(井出耕也)」も、ある程度知っていた事実ながら新鮮に読めました。「普通の一日(沢木耕太郎)」は、ヱスビー食品陸上部監督となった瀬古利彦氏を追ったものですが、故中村清監督の存在の異様な重たさが印象的でした。F1ドライバー、アイルトン・セナの最期のレースをレポートした「伝説の完結(西山平夫)」は「彼の死は必然だった」と示唆する語り口が詩的ながらもちょっと強引?な印象。サッカーものなら、アトランタ五輪を描いた「断層(金子達仁)」よりも、日韓戦の重みを描いた「東京、ソウル、ドーハ(鈴木洋史)」が緻密でおすすめです。

ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞の受賞作品も掲載されていますが、意外と完成度が高くて驚きました。収録された3本のうち、2本が自分のことを描いているので、当事者しか知りえない面白さもありますが、このスタイルは2本目以降辛いでしょうね。いろいろ読ませていただいて、この☆の数です。


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 6

察知力 (幻冬舎新書)

著者 : 中村 俊輔

出版社:幻冬舎

発売日:2008-05

評価 :

完了日 : 2008年08月11日

サッカーに「海外組」という呼びかたができて久しいのですが、その中でも今、「あー、ほんとに海外組!」と唯一呼べるのではないかという、セルティック・中村俊輔の著書です。

タイトルは松井秀喜の「不動心」に揃えて狙ってるんじゃないの、出版社さん?と思ってちょっと微妙なネーミングです。ですが、内容は超人的なフィジカルアーンドタレント自慢記…ではなく、今までの自分のやってきたことをとつとつと並べるような印象です。それはどちらかといえば「コツコツ、まじめに」テイスト。フィジカルなものに偏らず、技術的なものをノートにまとめたりすることで思考力を伸ばしていく。年齢を重ねるにつれて磨かれ、「賢い」プレイヤーたりえるツボはそこなんだと思います。

中村選手のインタビュー記事はいろいろ読みましたが、若いころは語彙の少なさやポジショニングもからめてのナーバスな面が目立ち、それほど面白いとは思いませんでした。ですが、このごろの彼のインタビューは持ち前のクレバーさ、視野の広さが出ており、非常に面白い。そのあたりは、自分の考えを外に伝える力に乏しかった中田英寿氏とはえらい違いだ(彼は結局、金子達仁氏にしか伝えられなかったから:笑)。こんな人がもう3人ほど出てくれば、日本のサッカーはもっと前へ進めるのに…まぁ、時間のかかることですし、気長に待ちます。

別に昨日、反町ジャパンが予選敗退したから…というんじゃないんですが(笑)、大部分のJリーガーは努力の方向を微妙に間違っているんじゃないかと思うことと、地道ながんばりはやはり輝くということが(ベタですが)よくわかる本なので、この☆の数です。ノンフィクション本としては装丁も許し難いのですが、新書のシリーズだから…しぶしぶ許します。それと、彼のポスト現役生活のために、少ないけど印税で貢献。


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1.manu (2008/08/11)
ドーハの悲劇からマイアミの奇跡をリアルタイムで見、更に奇跡の世代を応援していた私は、最近すっかりサッカー離れしております。(ちなみに俊ちゃんより小野ファンでした。汗)「28年目のハーフタイム」を昔読み、そして最近NHKの特集で西野さん側の取材を見て、中々複雑なものがありました。今じゃすっかりテニスファンだったりもしますが(汗)、中村には少しでも長く現役を続けて欲しいなぁ。
2.Pipo (2008/08/11)
manuさん、お運びありがとうございます。スポーツの中で、この頃はややサッカー寄りです(笑)。私もドーハ、マイアミ、ジョホールバルと釘付けで見てました。小野君のプレースタイルも素敵ですね。

サッカーは野球よりも、一家言持ちたがるヒトが多いようで(笑)、同じ試合を描いたルポでも切り口が千差万別。初めはどの視点から読めばいいの?って感じでした。優れた書き手も選手もじっくり育ってほしい分野だと思っています。
 

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 4

オリンピア―ナチスの森で (集英社文庫)

著者 : 沢木 耕太郎

出版社:集英社

発売日:2007-07

評価 :

完了日 : 2008年08月07日

ハードカバーのときに「どうしようかな」と迷っていたものを、今年の「ナツイチ」の帯にひかれて購入。ベルリン・オリンピックの記録映画を撮影したレニ・リーフェンシュタール監督へのインタビューをメインに、ベルリン・オリンピック出場者へのインタビューをからめて当時を追うルポです。

まず、表紙が劇的。ブランデンブルク門の上の青銅の馬です。「この像を戴いた帝国は…」というエピソードが塩野七生さんの作品で何度かとりあげられていたので、余計に劇的だなぁと思ってしまいます。

リーフェンシュタール監督は、その代表作の製作時がナチス・ドイツの全盛期と重なっていることもあり、その才能の評価がものすごく分かれる人物。事前に「安直なインタビューには応じない」と申し渡されていたこともあり、沢木さんのインタビューもどこか尖った感触です。そんな中、「あの映画には…」との発言を引き出すところはお見事(当時、国際的にほぼ無視されていた事実らしい)。そこで沢木さんの手腕と筆力にまずガン、とやられる(笑)。そこからは当時の日本側出場者についてのインタビューを織り込みながら進み…開会式から時系列で進んでいきます。ものすごい情報量がうまくコントロールされて描かれており、飽きさせません。うまいところで遠景と近景が切り替わったりして、いい情報が出てくるんですよね。筆致は落ち着いているものの、「やばい、沢木マジックに乗せられてるぞ!」と思いながら、目が離せなくなる感触はいつものとおりです。

この作品は連作集になる予定…とずっと聞いていたので、いつ続きが出るのかと楽しみにしていたのですが、「あとがき」「文庫版あとがき」で衝撃が走る(笑)!ですが、この作品もベースが約30年前の作品に膨大な取材を加えて…ということですので、そこはそれでもオッケーかと。どうも沢木作品には甘くていけません。

この文庫を買ったときに、書店員さんがストラップをくれなかったので☆ひとつ引こうかと思ったのですが(目で訴えたのに:笑)、やっぱりそれとこれとは別で、この☆の数です。


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 2

ナスカ・砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯 (文春文庫)

著者 : 楠田 枝里子

出版社:文藝春秋

発売日:2006-02

評価 :

完了日 : 2008年08月06日

もともとはハードカバーで読みました。楠田さんが「ナスカの地上絵」の研究者、マリア・ライヘ女史(故人)にお会いになったときのインタビューをまとめたものです。

楠田さんご自身が地上絵に興味を持たれたのをきっかけに、ペルーの砂漠で地上絵を研究する、孤高の学者であったライヘ女史に会いに行こうと思い立ちます。ペルーに降り立った直後の激烈な高山病(微妙に気づかない)、風俗、名高い「クイ」の完食(完食プロセスの写真つき)などなど…どたばたっぷりをきわめて知的に、ユーモアをたたえた筆致で描かれています。

ライヘ女史がもともと教師としてペルーへ来たこと、地上絵に魅せられるようになったいきさつなども、きめ細かく知的に、ほどよく軽やかなタッチで描かれており、非常に美しい文章を書かれることに驚きました。地上絵に関するライヘ女史の説は有力なものではありませんが、それになぞらえた終わりかたなどは夢のようで、南半球の星空が見えてくるようです。

楠田さんといえば「実はロボット」とか、「『世界まる見え!テレビ特捜部』の、ハイテンションでヘンなひと」の印象の強いかたですが(笑)、こんなに素敵なエッセイを書かれるかたなのだから、詩情あふれるサイエンスライターとしてもっと活躍してほしいのに…と心から思ったものでした。今からでも遅くありませんので、ぜひお願いしたいものです。


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3.manu (2008/08/11)
まだアップしておりませんが、こちらで興味を持って早速購入。凄く面白い本を有難うございました。
購入したその日に、たまたま読んでいた別の本でも楠田さんのエッセイを薦める内容のものがありまして、なんだか縁を感じた1冊でもありました。
こういう縁ってありますよねぇ。
4.Pipo (2008/08/11)
manuさん、たびたびありがとうございます。楠田さんの本は、読まなきゃ人生の損です(笑)。端正で、しかもロマンチックなその語り口があまり知られていないのはすごく残念!楠田さん、もっとこちらをアピールしてくださいませ(笑)。

本を選ぶときは自分の直感で電波を拾っていました(笑)が、今はmanuさんをはじめ「たなぞう」の皆さんが手伝ってくださるので、出会いの喜びが増えています。ありがとうございます。

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 4

光の教会―安藤忠雄の現場

著者 : 平松 剛

出版社:建築資料研究社

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年08月05日

ずっと読みたいなと思ってそのままにしておいた本です。古本市で格安で出ていたので購入(笑)。安藤忠雄さんの代表作のひとつともいえる、大阪府茨木市の小さな教会、通称「光の教会」の建築過程を追ったノンフィクションです。

信徒さんである、ある新聞記者さんが依頼を持ちかけるところから始まります。あまりの予算の少なさに、安藤さんサイドは最初渋る。それは気まぐれではなく、単にその予算では引き受けてくれる施工会社がないから…そこから、押したり引いたり、突然ガーッと進んだり…牧師さんや信徒さんの希望どおり、クリスマスのミサを新しい教会で開けるのか?と悪戦苦闘の日々がつづられます。

安藤さん、安藤事務所の若手担当者さん、依頼した教会側の牧師さん、施工会社の社長さんと現場監督さん、構造設計を担当した建築事務所さん、当時の建築事情(幕張メッセの建設時期と重なってしまい、工事の職人さんが集められない、とか)とまんべんなく取材が行われており、非常にきまじめな筆致でまとめられています。テクニカルな解説もそんなに重くない。惜しむらくは、解説図のレイアウトがいまひとつよくないことと、なんだか理系の論文調の表現が多く、読んでいて微妙に退屈…「オシムの言葉」の木村元彦さんのような、クールながらも起伏のある感じが欲しいと思いましたが、理系のライターさんの書く文章で、ここまで売ったらオッケーかとも思います(初版発行後1年で5刷までかかっている!)。参考文献の一覧は、読みたい本をその中からピックアップできましたし、律儀な感じで合格です(笑)。装丁は和田誠さん。安藤さんの製作中のイラストですが、ちょーっと仕掛けがあってラブリーです(笑)。

建築に関しては、気がつくと安藤本ばかり読んでいるような気がします(笑)。隈健吾さんに代表される、ポスト安藤の優秀な建築家さんはたくさんいるのに、彼らをうまく紹介した本が少ない(「GA」とか読めばいいんでしょうが、まあそれはそれで:笑)。もったいないことです。建築家さんの活躍する場自体が減っているようにも思いますが、それだけじゃなくて書き手の問題でもあると思います。その道のライターさんのがんばりを期待したいと思います。


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 1

バンコクの妻と娘 (文春文庫 (269‐2))

著者 : 近藤 紘一

出版社:文芸春秋

発売日:1985-01

評価 :

完了日 : 2008年08月01日

mackinchanさんの「バイリンガルと言語障害」の感想を読んで思い出した本(その2)です。前巻で日本暮らしを始めた娘さん、ユンさんの進路問題がメインになります。

彼女も10代後半で、進路を考えないといけなくなっている年齢。ですが、学校(彼女の希望をいれて在日フランス人学校)の勉強に難問が生じています。彼女がベトナム語+フランス語+日本語のミックスで生活しているので、どれも高度に理解できずにフラストレーションのたまる環境に追いやられていることに、父親の近藤さん(当時バンコク赴任中)は気づいていない。そこに、フランス人の校長先生からの「どの言語も彼女の思考の道具にはなりえていない!進路以前に、どの言語かを完璧に身につけさせるように!」と厳しい叱責の長いお手紙が届きます。これが非常に本質をついていて印象的。安易なちゃんぽん言語使いに警鐘を鳴らしていることに感銘を受けるとともに、「日本の校長先生、こんなこと言えるか?」と思ってしまいます。もう、この部分だけ読んであとは無視してもいい(笑)。

この部分があまりにも素晴らしいので残りを覚えていない(笑)のですが、外国語を自分でもちょっとだけ扱うようになったいま、身にしみて感じるエッセンスがつまっていました。


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