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Pipoさんの読書ノート

ひっそりと静かな本
印象がひっそりと静かな本を集めました。題材が静かだったり、筆致が静かだったり…と、味わいのある本たちです。
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 8

沈黙博物館 (ちくま文庫)

著者 : 小川 洋子

出版社:筑摩書房

発売日:2004-06-10

評価 :

完了日 : 2008年11月16日

『博士の愛した数式』を映画で観て以来の、初小川小説です。柴田元幸さん『それは私です』で熱烈に紹介されていた作品。

舞台は日本ではない、どこかの国のどこかの村。「博物館技師(学芸員ではない)」の男性が、さびしい駅に降り立ちます。雇い主は大きな古いお屋敷に住む、年齢もはっきり分からない高齢の女性。自分の「所蔵品」をもとに博物館を作ってほしいという彼女の依頼を受けて、主人公は動き出します。

全てが霧の中で進んでいるようで、現実離れした雰囲気の中で物語は進みます。彼と外部をつなぐものは、時おり兄へ書く手紙のみ。庭師から「役に立つ」と手渡されたジャックナイフは事実、収蔵品の収集に役立つものの、これが不穏な動きに彼を巻き込みます。個人的には、終盤で彼が兄からもらった顕微鏡と、亡き母親の蔵書に思いをはせる場面が好きです。そこからつながる結末は、「あぁ…」と思いながらもこれしかないように思いました。彼と老女の娘、沈黙の誓いを立てる伝道師の見習い少年をめぐる、静かで細やかな描写も素敵です。無国籍がいい意味で生きている作品だと思いました。

それぞれの収蔵品をめぐる物語はレンツの『遺失物管理所』、悲壮感さえただよう想いはさだまさしさんの『博物館』という曲を思い出します。装丁はクラフト・エヴィング商會さん。霧の中で全ての音が吸い取られてしまうような作品の雰囲気がよく伝わるデザインです。新潮社クレスト・ブックスにそっと混ぜても誰もわからない(笑)、良質の淡くてほの甘、そしてほろ苦い物語で、この☆の数です。

-----[2008.10.26 未読リストアップ時のコメント]-----

柴田元幸さん『それは私です』で紹介されており、興味を持った本(小川さんは柴田さんのお気に入りの作家さんのよう)です。ストーリーにはミステリ仕立ての側面もあるようで、そこはちょっと私の好みとしては微妙なのですが、タイトルと文庫本の装丁が素敵な本ですので、お取り置きします。


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 5

不思議のひと触れ (シリーズ 奇想コレクション)

著者 : シオドア・スタージョン,大森 望

出版社:河出書房新社

発売日:2003-12-22

評価 :

完了日 : 2008年10月05日

表題作を含む、スタージョンの短編をまとめたものです。装丁の色合いも素敵な1冊。

デビュー作『高額保険』はわずか4ページの、トリックを使ったキレのある作品。終盤になんだか私の分かっていない仕掛けが1つ隠れていそうで…どなたかご教示願います(笑)。

表題作『不思議のひと触れ(原題"A Touch of Strange")』は短い時間の出来事として、素晴らしく静かで美しいです。月の出にやって来るという、お互いの相手を待ちながらの会話が、お芝居(上質なアニメ、朗読でも可)で見てみたいほどにロマンチック!『奇妙な触合い』の邦題ですでに知られた作品ですが、話の流れからみると『不思議の-』の圧勝です。「あえてこなれていない日本語にした」という訳のセンスに感動しました。

ちょっと不思議な子供の世界を描く『影よ、影よ、影の国』『タンディの物語』も、一見普通に構築された世界のなかに、「あれあれ…」と異世界が入り込んでくる構造で面白く読めました。

大森望さんと白石朗さんの訳はスタンダードながら、スタージョンの言葉のカタめな感じがよく残っていると思います。もう少しこなれた訳に…とエラそうにも思ってしまう点も少し。そうはいっても、2人のジャズ・ドラマーの人生の分かれ目を描いた『ぶわん・ばっ!』の訳では、プロのお仕事を楽しませていただきました。大変だっただろうなー(笑)。

不思議だけれども気持ち悪くも悲惨でもなく、ほんのり甘さの味わえる作品が楽しめましたので、この☆の数です。

-----[2008.10.2 未読リストアップ時のコメント]-----

『WEB本の雑誌』の『作家の読書道』9月ゲスト、穂村弘さんのチョイスからお取り置きです。久しぶりにSFにしようかと。何よりもタイトルがいいです。

もともと海外SFの邦題はロマンチックで大好きです。語感からして、日本語にはないものが多く、訳者さんのセンスとあいまって見事だなぁと思っています。ストーリーも探っておらず、ただ楽しみ。大森望さんの翻訳も、きちんと読んだ記憶がないので楽しみです。ただ、楽しみにしすぎると外すかも?


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 2

美女という災難―’08年版ベスト・エッセイ集

著者 :

出版社:文藝春秋

発売日:2008-08

評価 :

完了日 : 2008年09月28日

日本エッセイスト・クラブが選んだ54篇のエッセイ集です。

通して読んでみた感想は、「結構、拾いもの!」です。プロの文筆業のかた、文筆業ではないけれど文章の達者な有名人のかた、アマチュアのかたのエッセイが取り混ぜて選ばれており、そのテーマは千差万別。文章力レベルも高いです。トップバッターの鹿島茂さん『独裁者コレクション』には笑わせていただきました。「(旧)共産国支配者のグッズ集め」が趣味って…稀覯本だけじゃないのかよ(笑)。俳優の池辺良さんが飄々とした文章を書かれることは知りながら未読だったのですが、収録された『謝礼金三十円』で納得しました。柳家小満んさんの『人肌を乞う。』の俳句と噺をからめた語りの心地よさも見事です。表題はとある銀幕の大女優さんのエッセイ。美貌で片付けられないこととの格闘が、丁寧な筆致でつづられています。

アマチュアのかたの作品にも飽きを感じませんでした。おそらくトップアマ(プロの自負のあるかたもおられると思います。すみません:苦笑)。肉親とのお別れを描いたものが数篇あり、その筆致が細やかなことに驚きながらもしんみりします。それに、とあるハンセン病患者のかたの歌が、宮中歌会始で入選したものの、「欠席者の歌は詠まれない」ということについてつづった片尾幸子さん『鐘を撞いた人』にははっとさせられました。微妙に面白いながらもややこしい人たちを扱った菊池興安さん『新住民意識への嘆き』は、掲載誌が『捜査研究』と聞いて驚き!そんな雑誌、見てみたいー。

各著者の職業がさらりと添えられており、それぞれのバックグラウンドと合わせて、文章のさまざまな味わいを楽しめる本でした。応募資格も巻末に掲載されていますので、腕に覚えのあるかたは挑戦されてもいいと思います(笑)。

-----[2008.8.31 未読リストにアップ時のコメント]-----

9月のマイ目標本その①です。日本ペン・クラブ編のアンソロジーは知っていたものの、このシリーズは不覚にも知らず…未読コメントアップ時現在(8/31)には表紙画像がないのですが、安野光雅さんの表紙絵が素敵なシリーズです。今年版のテーマは…うーん、美女って災難?と美女でない私(でも常に鋭意努力中:笑)は思うのですが…。後ろをみると、総勢50余名分のエッセイが掲載。ちょっとお得で、よさそうだったもので(笑)。


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 2

記憶に残っていること―新潮クレスト・ブックス短篇小説ベスト・コレクション (Shinchosha CREST BOOKS)

著者 : デイヴィッド・ベズモーズギス

出版社:新潮社

発売日:2008-08

評価 :

完了日 : 2008年09月20日

クレスト・ブックス創刊10周年の記念アンソロジーです。書店で出会い頭に目が釘付け(笑)!『シェル・コレクター』の装丁に似た感じのデザインがすっきりと、少し哀しそうで素敵です。

もう、ジュンパ・ラヒリ『ピルザダさんが食事に来たころ(When Mr. Pirzada came to Dine)』が入っているだけで☆5つです(笑)。編者の堀江敏幸さん、グッジョブ!これは個人的に、彼女の一番素晴らしい短編だと思っているので…祖国の風雲急を告げる事態をじっとテレビで見つめる、ピルザダさんのやりきれない雰囲気と、それを見つめる「わたし」の心情が細やかに描かれ、もう見事としか言いようがありません。

収録作品を全部書いてしまいたいのですが、とりあえずラヒリの作品だけにします(笑)。ラヒリからイーユン・リー、アリステア・マクラウドと、中盤の盛り上げは見事!とはいえ、全体の流れがおろそかになっているというわけではなく、デイヴィッド・ベズモーズギスの作品のやりきれなさや、ベルンハルト・シュリンクの「ここでそれ、考えること?」と意表を突かれる題材…と、配置は絶妙です。まさに表題どおりのセレクト。読む速度がトップスピードに入りそうになるのを何度もこらえながらじっくり読み進めました(結構珍しい:笑)。訳文もこなれていて、流れるごとく美しいです。少しずつ訳者さんの持ち味が違いますが、一定のトーンで揃えられたような端正な印象を受けました。

クレスト・ブックスに収められた短編集からのセレクトなので、全巻グランドスラムでお読み、あるいはお持ちのかたは無視できるかとも思いますが、極上のアンソロジーとして違った味わいで楽しめます。ハッピーエンド好みのかたにはちょっと好みから外れてしまうものが多いかも…でも、よいお味の飲み物とともに、じっくり読みたい1冊です。


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1.manu (2008/09/20)
(笑)まだ読んでいないのですが、私も購入しました。イー・ユン・リーの一番好きな短編が入っていたもので。他のものも楽しみになってきました。大事に読みたい一冊です。
2.Pipo (2008/09/20)
manuさん、お運びありがとうございます。

この本は私には珍しく、「1日1編くらい」と本数制限して読了まで1週間かけました(笑)。リーの短編も、幕切れにかすかな軽やかさがあって見事でした。最後の1編を読み終わったときに、何だか「しまった!」と感じずにはいられなかったアンソロジーです。
 

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 25

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)

著者 : 川上 弘美

出版社:新潮社

発売日:2006-07

評価 :

完了日 : 2008年09月09日

『センセイの鞄』を書店に偵察に行き、なぜかこちらを(笑)。ファースト川上作品です。キュートな装丁に「軽やかなラブコメディーでしょう、これは!」と思って読み始めました。後で間違いに気づきますが…。

ニシノユキヒコ(漢字では「西野幸彦」)なる男性と、彼が恋愛をした女性(の一部)ごとのリレー短編集です。見た目まじめで清潔で男前、そこそこ堅い人生を送る男性。でも夕方の携帯は女性からの着信ばっかりで…と、実は軽い男?のニシノ氏。そんなオトコと付き合った女性たちの目線で、彼と、彼との恋愛が語られます。

各エピソードの並べかたが構成の妙だなぁ…と思いました。登場する女性とニシノ氏のお付き合いした時期が、微妙に他の女性とかぶったりして(笑)語られます。エピソードを機械的に時系列に並べちゃえば、ただニシノ氏を「ワルいやつだなー(笑)」と思って終わりでしょう。ですが、最初のエピソードで、それがすっと薄まっていく感じ…この構成はある意味卑怯かもしれませんが、ひとりの男性の面白哀しい、そしてちょっと切実なストーリーなんだ…と思える効果を出しています。

年齢はばらばらながら、ニシノ氏を語る女性たちがみなとても賢い印象を受けました。彼との出来事を厭うわけでもなく、懐かしさを含ませて淡々と静かに語ります。こういう女性たちを落とす彼は凄腕(笑)。それもみな、彼がときどき発する虚ろな台詞に、うわべだけではない何かを見てしまうからなのだろうと思います。もっとも、これも彼の手のひとつかもしれませんが…個人的にはバツイチ女性とニシノ氏と猫の微妙な三角関係のエピソード、「しんしん」をイチ押ししますが、年齢と恋愛観によっていろいろかと(笑)。

「こんな男性、お試しもアリ」と思うか、「即却下!」と思うかはすっぱり分かれる恋愛小説ですが、静かに熱を帯びて面白い作品だと思います。それに、こういう「主人公の出てこない」作品は私のツボ(確定:笑)なので、この☆の数です。


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 5

左近の桜

著者 : 長野 まゆみ

出版社:角川グループパブリッシング

発売日:2008-07-24

評価 :

完了日 : 2008年07月29日

ファースト長野作品です。雑誌の書評を見たときには気にとめなかったのですが、書店で見かけると、落ち着いた、抽象画の装丁がシックでしたので。それに、見返しと表題紙の色の美しいこと!

時代設定は現在より少し前かなと思います。主人公は「桜蔵」と書いて「さくら」と読む、高校生の男の子。家業は「わけありのお客さんを泊めるお宿」って(@_@)。番頭さんがお留守のときはお客さんを出迎えるなど、お宿の仕事を手伝うのですが、なんだか本来のお客さんとはちがう存在とコンタクトすることが多いようで…。

この「存在」というのが、京極夏彦さんの作品のようなポップな魑魅魍魎系ではなくて、もっと空気感のある、哀調を帯びた存在です。しかも、彼らにまとわりつかれる(というか口説かれてるぞ:笑)桜蔵くんの描写などはビジュアルにすれば(@_@)!だと思いますが、この色気を過剰じゃないタイミングで次につなぐワザが絶妙。それに、言葉運びが気品にあふれ、「牡丹灯籠」のような上品な色気を感じます。彼がそういった局面に遭遇しながらも意識はまっとうな高校生である(弟と彼女さんの存在が大きいと思う)ことと、周りの人物(父、母、居候、常連)それぞれが一癖持ちながらもあざとくないことが、物語に軽さを出していると思いました。それに、登場人物の動きが静かに描かれていて驚きます。まるで音が立たないような感じ。結構どたばたといろんなことが起こっているように思うんですが…。

桜で始まって桜で終わる、しっとりとした感触が幻想的な連作集です。それに、季節のお料理が見事な道具立てとなっている(個人的には、父の作るココアが実に優雅で美味しそうだと思う)のと、井伏鱒二の訳詞「勧酒」が効果的に使われているのが物語を下品にしない決め手でもあるのでしょう。最初、素材にちょっとひるんだ(笑)のですが、手腕で最後まで読まされた、という感じ。第一印象は☆が1つ少なかったのですが、あとからじんわりきた(笑)ので、この数です。


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 1

やまなし (画本宮沢賢治)

著者 : 宮沢 賢治,小林 敏也

出版社:パロル舎

発売日:1985-07

評価 :

完了日 : 2008年07月22日

まず、タイトルで「県?」(笑)。「クラムボン」でも「何??」(笑)。でも、マイ・ベスト宮沢賢治童話です。

水の底から水面を見上げてお話をする…というシチュエーションの、父ガニと子ガニの会話劇ですね。濁りのない水のゆらゆらゆれる感じと、差し込む光のきらきらゆれる感じがただただ美しいです。クラムボンの話だったり、お魚の話だったり…とさびしげでフシギなゆらめきも素敵。タイトルの「やまなし」は「おい、そこかよ!」というタイミングでの出番ですが、存在感もなかなかあります(笑)。

私が小学校の国語の時間で習ったときには、抽象画のような挿絵がこの本とはまた違った雰囲気で印象的でした。ああいうの、ないかなと探したのですが…一番雰囲気が近いのがこれかなぁ、という感じです。


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 3

クレーの絵本

著者 : パウル・クレー,谷川 俊太郎

出版社:講談社

発売日:1995-10

評価 :

完了日 : 2008年07月03日

画家パウル・クレーの絵画+谷川俊太郎の詩という豪華な詩画集です。

クレーは優しいタッチと色調の抽象画で知られますが、故郷で絵が描けなくなって隣国へ逃れ、病を得て絵筆を徐々に握れなくなる…という重荷を抱えた生涯を送った画家です。その哀しみが作品の根底にあって、あの色調(線描も素敵だけれど)になるのかなぁと思います。それに谷川さんの詩が見事にマッチ。というよりも、谷川さんはクレーの絵にインスパイアされて詩作を始められたということで、詩の原点に寄り添っている数々の詩が素敵です。子ども子どもせず、かといって美文調ではない、フツーにしゃべってもらえればそれで通じる言葉の調子が好きです。合唱曲にもありますが、私はこの詩画集をそのまま楽しむほうが好きかな(笑)。

自分で絵に抱いているイメージと、谷川さんの詩のイメージの違いや同じさかげんをいろいろと楽しめるので、この☆の数です。


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 1

エンジェルズ・ティアーズ

著者 : 山本 容子

出版社:講談社

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年06月30日

「エンジェルズ・アイ」と同じく、山本容子さんの画文集です。こちらはレクイエム(鎮魂歌)集。死者の魂の平安を祈るためのものなので、その詞は美しくも哀しいです。同梱のCDの歌もとても美しいのですが、心に切実な重いものを抱える人が聴いてはちょっと辛いものがあるのでは…と思うことしきりなんですよね、レクイエムって。どちらかといえば、響きを楽しむ余裕のある人向けでしょうか。ヨーロッパの人の「死」に対する考えを知るにはわかりやすいものだと思いますが…そっと手元に置いておくにはいい本です。


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 1

エンジェルズ・アイ

著者 : 山本 容子

出版社:講談社

発売日:1998-11

評価 :

完了日 : 2008年06月30日

一時、山本容子さんの版画をよく見ていました。クリーム色の紙にエッチング+彩色の、とても大胆だけど繊細な画風。ご本人の素敵なご容貌とあいまって、非常にセンスよく感じられたものでした。

これはヨーロッパに古くから伝わる歌を集めた画文集です。イタリアやフランスの田舎の舟歌や子守歌、キャロルが各地方の方言(日本の方言とはまた違うレベル)で歌われており、不思議な響きを山本さんのイメージで描かれた画集が素敵です。付属のCDは旧ユーゴご出身の歌手、ヤドランカさんのもので、声の透明感が素敵な作品です。

当時は「癒し」がブームで、この本もそんなコピーで売られていました。古いことばと歌の響きを楽しむ本であって、そういうぬるい言葉でくくってほしくないな…と思ったんですが、ぼんやり聴いてぱらぱらめくるのにほどよいので、当たらずとも遠からずなんでしょうね(苦笑)。


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 3

ミラノ霧の風景―須賀敦子コレクション (白水Uブックス―エッセイの小径)

著者 : 須賀 敦子

出版社:白水社

発売日:2001-11

評価 :

完了日 : 2008年06月29日

「コルシア書店の仲間たち」を読み終えたあと、どうも情報が足りないような気がして読み足しました。白水社のこのシリーズでは「コルシア‐」が先ですが、著作としてはこちらが先です。

須賀さんが研究のため渡られた1950年代のイタリア、主にミラノを数十年後に回想して描く形をとっています。日本人のイタリア滞在記は概して「ねぇ、聞いて聞いて!」と浮き立つような筆致で描かれているように思いますが、この作品はふーっとため息をつくように静かに語る口調が少し哀調を帯びていて、ゆっくりとページをめくらなければならないような気持ちになります。ミラノでの知人のことを語る際も、うわさ話をぺらぺらと語るというのではなく、言ってはいけないことを交えてそっと語るような寂しさをたたえているように感じます。引用されるイタリアの詩歌(この訳が素晴らしい)も、須賀さんが作者の人となりをご存じのうえで採りあげられているので、詩だけ読むよりも味わい深く迫ってきます。

もともと日本オリベッティの広報誌の連載だったそうで驚きました。確かに、昔の外資系企業の広報誌には素晴らしいものがありましたが(エッソの「エナジー」は父が関係者でもないのに集めていた)、上質なものを載せる目は国内より肥えていたんだなとも思いました。本当の大人のためのエッセイ…私にはまだ手ごわいなぁとも思いましたが、この☆の数です。


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 1

コルシア書店の仲間たち―須賀敦子コレクション (白水uブックス―エッセイの小径)

著者 : 須賀 敦子

出版社:白水社

発売日:2001-10

評価 :

完了日 : 2008年06月26日

マイ・ファースト須賀作品です。森まゆみさんの「その日暮らし」の中で、ご逝去について触れられていたのがきっかけとなりました。お名前を知りながらどういう作品を書かれるのか知らずにいましたので、この際ということで読みました。

須賀さんが数十年前に関わられたミラノの書店でお付き合いのあったみなさんについて書かれています。イタリアものといえば、華やかでスカーンと明るい国民性を描いたエッセイを思い浮かべますが、そういうものとはちょっと違う、わずかにささくれ立った印象を受けました。キリスト教の左派運動(微妙に分からないけど)に関わる、立場の難しい書店と、そこに出入りする仲間たち。みんな仲間として付き合うにはいい人たちなんだけど、大なり小なりWWⅡを挟んだ戦前・戦中・戦後の重みを背負っており、それがかげりを帯びた口調で語られます。シチリア生まれの女の子とドイツの男性が恋に落ちるエピソードが描かれた「家族」は中でもやりきれない。こんなやりとりはたくさんあったんだろうとは思うけど、あまりにも無神経だ…。

意気軒高に立ち上げられた書店のつながりが創立者や周囲、個人個人の問題もあって少しずつ崩れていくさまを、須賀さんはドライながらも愛着を持って描いていらっしゃいます。その筆致には受け止めにくいところもありますが、心に迫ってくるものがたくさんあります。

塩野七生さんの豪壮華麗な筆致、田丸公美子さんの軽やかアモーレな筆致とは方向が全く違いますので、新しい感覚を呼び起こされる思いでした。須賀作品を味わうにはもう何冊か読む必要があると思うので、とりあえずこの☆の数です。

[2008.6.26にアップした感想を並べなおしました]


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 1

夢織り女 (ハヤカワ文庫 FT (73))

著者 : ジェイン・ヨーレン,村上 博基

出版社:早川書房

発売日:1985-03

評価 :

完了日 : 2008年05月21日

マイ・ベストファンタジー小説です。「夢織り女」「月のリボン」「百番目の鳩」という短編集をまとめた本です。

表題作「夢織り女」は、「1ペニーで夢を織ってあげるよ」と道行く人に声をかけるおばあさんのお話です。彼女が求められて織る夢が語られます。どれも寓意に満ちており、短いけれどじんわり奥深い話が7つ続きます。ですが、この話を注文した人が受け止められるかというと…このあたりが非常にうまく、「現代のアンデルセン」と呼ばれる作者の面目躍如、といったところです。私は3番目の夢の「木の女房」が好きです。

「月のリボン」も短編集。表題の「月のリボン」は、家族に恵まれない主人公のシルヴァが見つけたお母さんの手紙と銀色のリボンは…というお話。月光にきらきらと光るリボンが印象に残っています。「サン・ソレイユ(Sans soleil)」は太陽に当たることができない若者の話。彼に恋する女性が現れ…切なさ炸裂のお話です。

「百番めの鳩」も切なさでは負けない(笑)。領主の婚礼のごちそうの材料にに100羽の鳩を献上しようとした猟師のお話。彼が最後に見つけた鳩は…あああ、撃っちゃいけない!誰か止めて(笑)!この短編集のおすすめは他に「約束」です。師匠の錬金術師を裏切った弟子の少年と、幼なじみの少女の話。もうこれだけでロマンチックエンジン全開なんですが(笑)、結末がいいんだなぁ、これが!

イラストを天野喜孝さんが手がけており、これが物語の雰囲気とマッチして非常に素晴らしいのです。少し物憂げで幽玄な雰囲気を盛り上げてくれます。なぜ画像データがないの(笑)。

ファンタジーといえば壮大な世界観を持った長い物語が多いのですが、ヨーレンの作品は小さなカットを描いているようで、後ろに広がる世界がとてつもなく広くて美しい(月光が似合うのです)ように思います。今でも大事に読んでしまう1冊です。だから誰がなんと言ってもこの☆の数です。


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 14

パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)

著者 : T.E. カーハート

出版社:新潮社

発売日:2001-11

評価 :

完了日 : 2008年05月21日

パリ市内の「セーヌ川左岸(リヴ・ゴーシュ)」といわれる地域にあるピアノの修理工房と、そこに出入りするようになったアメリカ人の著者のお付き合いを描いた作品です。ひょいとのぞいた工房はなかなか新参者が気軽に入れない雰囲気だったのですが、その中の若い職人さんと何とかやりとりができる機会ができ…。

「ピアノもの」といえば演奏家や作曲家がクローズアップされるものですが、この作品はそういったアーティストを描くのではなく、それを支えているピアノたちとピアノをこよなく愛する職人さん、著者を含むその周りの人々とのかかわりを描きます。このやりとりが素敵だったりするんですよね。ちょっと昔の「一見さんお断り」的なヨーロッパに足を踏み入れて戸惑うアメリカ人の著者を通した目が新鮮さ、温かさを等分に描いています。登場するピアノたちは現代のストロングなフルコンサート用のものではなく、プレイエルやガヴォー、エラールなどのひと昔もふた昔もまえの瀟洒なものばかり。柔らかで軽やかな音色が聞こえてきそうです。日本でも修復専門のかたはいらっしゃいますが、そういった見えそうで見えない、西洋音楽を支えるひとたちの愛情もあふれるごとく伝わってきます。

なかなか繊細なノンフィクションで素敵な気分になれるのでこの☆の数です。こんな幸せな時間が持てるんだったら、ピアノ習ってればよかったな…旅行に行ったら、この工房も思わず探してしまいそうだ!


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 11

停電の夜に (新潮クレスト・ブックス)

著者 : ジュンパ ラヒリ

出版社:新潮社

発売日:2000-08

評価 :

完了日 : 2008年05月20日

米国内で発表されるやいなや各賞を総なめした短編集です。数年前にペーパーバックを先行して読みました。著者のラヒリさんの写真が載っていましたが、これがインド系美貌のカタマリというビジュアルで仰天!才色兼備とはこのこと?

表題作はある停電の夜のこと。きしみを抱えた夫婦がお互いのことをぽつりぽつりと語り出します。饒舌に語るのではなく、どこかぎこちなく…外界の音が聞こえない、ぼうっとした明かりの中の情景です。殺伐としたわけではなく、かといって暖かさが包む…といった雰囲気とは微妙に距離のある雰囲気を細やかに描いていて上手いなぁと思いました。

ラヒリさんはインド系のルーツを持ち、ロンドン育ちでアメリカ在住。インドでもベンガル地方のルーツを持ってらっしゃるかたなんだろうな、と思います(その地方に材を取った短編がいくつかあるので)。個人的な好みは、主人公の家にご飯を食べに来る男性を描いた、「ピルザダさんが食事に来たころ」。食事の時に見るテレビで、遠い故郷の事変を見る姿が切ないです。ほかに「病気の通訳(原著ではこちらが表題作)」「三番目で最後の大陸」も素敵です。

訳者の小川高義さんの「ラヒリは俺の女!」的気合い(「翻訳文学ブックカフェ」でそう言われていたと思います)のもとに訳されただけあって(笑)、丁寧この上ない訳文で落ち着いて読めます。英語でも非常に知的で読みやすいのですが、文中にヒンドゥー語ともベンガル語ともつかない語があり、しかもそれがキーワードだったりするので非常に焦り(調べろよ:笑)、消化不良気味でした。ということで、この邦訳のみお読みになることをおすすめします。

いろいろ読んだ末に米文学から遠ざかってしまった私に、ひさびさに「やるなぁ、アメ文!」と思わせてくれた1冊なので、この☆の数とします。


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 2

調律師の恋

著者 : ダニエル=フィリップ・メイソン

出版社:角川書店

発売日:2003-07-31

評価 :

完了日 : 2008年05月19日

原題は"The Piano Tuner(ピアノ調律師)"です。これはペーパーバックから先に読みました。もたもたしているうちに訳書が出てショック!しかも邦題が邦題なので、微妙にネタばれ(ロマンチックでいいけれど:笑)。

大英帝国華やかなりし時代が舞台です。ロンドンでエラールというブランドのピアノの調律を請け負う主人公のもとに、ある依頼が届きます。「英領ビルマにあるエラールの調律をしてほしい」という、とんでもない依頼。しかも、依頼人は軍の中ではいわくつきの人物(優秀で風流を解するけど)。主人公は迷うのですが、最終的にはひとりビルマへ…と物語は進みます。

大海原を渡って英領ビルマの奥地(タイ・中国国境のあたり)へ…という物語はなかなか心躍るものなのだろう…と思うのですが、ビルマへ着くまでの前半の流れはいいにせよ、後半がよくないように思います。これは読んだ私が東洋人だからかなぁと思います。ビルマってイギリス人(著者はアメリカ人だからこっちも入れて)が考えているよりも距離は遠くないように感じるし、風俗もそんなにエキゾチックに感じない。鍵となる女性も、穏やかでミステリアスなキャラクターが西洋人的に、東洋人女性のステロタイプというか…ちょっと興ざめな感じがぬぐえませんでした。結末はどうなのかなぁ…翻訳に助けられているような気がします。作品の静かな雰囲気は好きなんですけど。

ちょっと期待しすぎて外してしまった感があるので、この☆の数です。ごめんなさい。


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 4

真珠の耳飾りの少女

著者 : トレイシー シュヴァリエ

出版社:白水社

発売日:2000-06

評価 :

完了日 : 2008年05月18日

映画でスマッシュヒットとなった作品です。最近、この絵のタイトルは「真珠の耳飾りの少女」なんですよね。個人的には以前よく使われていた「青いターバンの少女」のほうが好きなんですが…(笑)。舞台はオランダ、デルフトの町。売れっ子とはいえない画家、フェルメールの家へ女中奉公にでた少女の目から見た画家とその一家を描きます。

売れっ子とはいえない寡黙で研究熱心な画家と、子どもがたくさんいて、日々の生活に疲れたようなその妻。その間で働きながら、少女と画家の距離は近くなっていきます。恋愛感情で近くなってくるというんじゃなくて、画材の管理をさせてもらったり、とか。この近いようで近くないようで…という距離のとりかたが非常に上品なセクシーさで描かれているように思いました。全編を通じて大きな事件が起きるわけではなく、しっとりとひそやかにドラマが進みます。少女が画家の家を離れるときのエピソードも淡々としているようで、ドラマチックでいて…すっきりとした幕切れです。

フェルメールの作品にちなんだシーンがいくつも挿入されていますので、隠し絵を探していくような楽しみ方もできる本です。日本語版のあとがきには出てくる作品のリストが付いていますので、答えあわせにもなります(笑)。ペーパーバックも読みましたが、プレーンな英語ながらも非常に上品な筆致で、勢いに乗ればすらすらと読めるレベルのものだと思います。

上質な中編小説だと思いますので、この☆の数です。


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 1

吉行理恵レクイエム「青い部屋」

著者 : 吉行 理恵

出版社:文園社

発売日:2007-05

評価 :

完了日 : 2008年04月18日

吉行家の末娘・理恵さんの作品をお母様のあぐりさんがまとめた作品集です。吉行家の人々といえば、ドラマで有名なお母様のあぐりさん(と夫君のエイスケさん)、長男で作家の淳之介さん、長女で女優の和子さん、そしてこの理恵さんなのですが、末娘の理恵さんには「詩人・作家」という肩書きがあるにしろ、もうひとつはっきりとしたイメージがわきにくいので、どういう方かに興味があって読んでみました。

20代の頃の自費出版の詩集「青い部屋」からの抜粋、芥川賞受賞作「小さな貴婦人」、最後の作品となった「靖国通り」などがまとめられています。理恵さんの選んだ題材は決して華やかではない(自身と飼い猫といった身の回りの素材)し、しかも寡作のために、いつまでも読み継がれる作品となるのは難しいのかな…と思いますが、やや陰鬱さを帯びながらも清潔で端正な文章が非常に印象的でした。

また、理恵さんの作品だけではなく、巻頭にはあぐりさんの文章、「青い部屋」には淳之介さんの附記、巻末には和子さんの文章が寄せられています。それにしても、吉行家の人々の書く文章はやはりどこか似ているのです。

ひっそりと逝ってしまわれた(ように感じる)理恵さんの作品をじっくり味わえたのと、吉行家の人々がどういう風に理恵さんをとらえていらっしゃったのかがよく分かる本でした。

(2008/1/12にAmazonにアップしたレビューをこちらにお引越しさせ、一部書き直しました)


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 1

夜の語り部

著者 : ラフィク シャミ

出版社:西村書店

発売日:1996-04

評価 :

完了日 : 2008年03月14日

もう、装丁がラブリー以外の何ものでもないです(笑)。舞台はシリア。首都ダマスカスの下町に住む御者のおじいさんの口がきけなくなったため、友人たちがそれを治すためにあれやこれやと物語を語って聞かせる物語です。

友人たちの語る物語はもちろん昔話ではなく、現代の自分たちや身内に起こった物語なんですが、これがどれも素敵な加減で「アラビアンナイト」のような夢物語感をはらんでいます。ただただ自分や友人の身に起こったことをとつとつと語るのではなく、語って聞かせる詩情があるというか。おとぎ話よりももっと大人の話ですが、おとぎ話よりももっとやわらかい響きを持っているように思いました。シリアの下町のざわめきが気持ちいいほどに伝わってきます。

著者さんはシリアの生まれで旧西ドイツへ移住し、そちらで教育を受けられたかたなので、原著はドイツ語。翻訳は独文の松永さんなので安心して読めます。シリアといえば国際政治では非常に微妙な立場にある国ですが、文化の面からいえばとても懐が深くて豊かなんだなぁということをしみじみと知らされました(行ってみたい国トップ5くらいに入ってる)。


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 7

新潮クレスト・ブックス 遺失物管理所 (新潮クレスト・ブックス)

著者 : ジークフリート・レンツ

出版社:新潮社

発売日:2005-01-26

評価 :

完了日 : 2008年03月14日

初レンツ本です。クレスト・ブックスで翻訳が独文の松永さんといえば、もうそれだけで信頼してしまいます(笑)。装丁も素敵で、ただ飾っておくだけでもいい(笑)。鉄道会社の遺失物管理所(「忘れ物センター」よりもごつくていい響きです)に仕事を得たヘンリーと、その同僚たちの物語です。

題名からは窓際職場の重い空気の作品を想像したりもしましたが、ぱらぱらっとめくった他のレンツ作品よりも軽やかな作品だと思います。主人公のヘンリーは天然キャラの、明るい雰囲気を持った青年。自分の将来などはあんまり深刻に考えていないようでもあるけれど、日々きちんと仕事をこなしています。でも、それは他の同僚の「きちんとやる」とはちょっと外れたところなんですけど…軽やかに楽しそうです。ダンナがいる同僚の女性(もちろん年上だ)に「好きです」とか直球で言ってみたり。私の中のゲルマン民族とはちょっと遠いキャラクター造形のラブリーさで、思わずくすくす笑ってしまいます。

もう一人、遺失物のつながりでヘンリーと友人づきあいをするようになるフェードルという数学者が登場しますが、彼のエピソードはきらきらしているようで幕切れがなんだか切ないです。隠れた悪意が表に出る瞬間の鋭さを感じてしまいます。

とらえどころのない群像劇のように話が進むので、ストロングな作風を好まれるかたにはいまひとつかもしれませんが、私はこの軽やかで、静けさを感じさせる作風も嫌いではないのでこの☆の数です。


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