たなぞう

WEB本の雑誌

Pipoさん > 読書ノート

Pipoさんの読書ノート

思い出し書き: たまにこぼれてくる記憶
「マイクラシックス」ライト版です。たまにぱっと脳のなかからこぼれてくるものの、ディテールを覚えていなくて(笑)。だから感想も短く…著者さんと作品のファンのみなさん、申し訳ありません。当時は面白く読んでましたので…。
<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

 

みんなの感想を読む
 1

やまなし (画本宮沢賢治)

著者 : 宮沢 賢治,小林 敏也

出版社:パロル舎

発売日:1985-07

評価 :

完了日 : 2008年07月22日

まず、タイトルで「県?」(笑)。「クラムボン」でも「何??」(笑)。でも、マイ・ベスト宮沢賢治童話です。

水の底から水面を見上げてお話をする…というシチュエーションの、父ガニと子ガニの会話劇ですね。濁りのない水のゆらゆらゆれる感じと、差し込む光のきらきらゆれる感じがただただ美しいです。クラムボンの話だったり、お魚の話だったり…とさびしげでフシギなゆらめきも素敵。タイトルの「やまなし」は「おい、そこかよ!」というタイミングでの出番ですが、存在感もなかなかあります(笑)。

私が小学校の国語の時間で習ったときには、抽象画のような挿絵がこの本とはまた違った雰囲気で印象的でした。ああいうの、ないかなと探したのですが…一番雰囲気が近いのがこれかなぁ、という感じです。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

めぞん一刻 1 新装版 (1) (ビッグコミックス)

著者 : 高橋 留美子

出版社:小学館

発売日:2007-04-27

評価 :

完了日 : 2008年07月21日

ドラマの宣伝をやってて思い出したので書きます(笑)。マイ・ベスト下宿もののうち1冊(あとひとつは吉村明美さん「麒麟館グラフィティー」)。こちらは新装版ですが、小学校6年生のときに、回し読みがクラスで大ブームになって先生に怒られかけた思い出の本です。供給源はもちろん私。

クラシカルな下宿、一刻館に住むことになった青年、五代くんと大家さんの音無響子さんの2人のストーリーです。高橋さんの作品はどれも1巻目から、「これ、うまくいかないわけがないでしょう?」という展開なのですが、この作品はそのテンポが絶妙にじれったくていいです。一刻館のほかの住人さんも絶妙にヘンでいいのですが、響子さんが飼っている犬の名前を呼ぶタイミングが絶妙で、五代くんがいつもそれにひるんでしまうという、デリケートな感じが見事です。

確か、春のときのドラマの宣伝では新聞に「携帯もなかったときの…」とキャッチコピーが書かれていたのですが、「本質はそこではない!」と暴れそうになりました(キャストも微妙:笑)。時代感があってもなくても王道ラブストーリー、そんな作品です。


この感想へのコメント

1.Tetchy (2008/07/21)
これ、私も夢中で読みました!
でも今考えると音無響子さんみたいな女性って、女性の眼から見て、「こんな人、いないわよ」みたいな男性の理想のお嫁さん像だったような気がします。
でもそれを女性である高橋留美子さんが書いてあるわけだし・・・。
う~ん、どうなんでしょう?
2.Pipo (2008/07/21)
Tetchyさん、お運びいただきありがとうございます。

当時は「響子さん=大人の女の人」とコドモゴコロに単純に思ったことと、青年誌の作品だったことで、自分のデータにない世界を夢中に楽しんだんだろうと思います。今は「こんなヒト、いねーよ」と速攻で返せる(笑)。

高橋さんは男性誌でレギュラー連載を持たれる女性作家さんのはしりだと思いますが、ご指摘のとおりその男子目線の源は、私も微妙に気になりますね(笑)。
 

みんなの感想を読む
 1

カナンの試練 (角川文庫―トワイライト・サーガ)

著者 : 栗本 薫

出版社:角川書店

発売日:1986-06

評価 :

完了日 : 2008年07月17日

闇王国の王位継承権第1位を持ちながらも諸国を放浪しなければならなくなった第2王子、ゼフィール王子と草原の勇者、ヴァン・カルスの物語の続巻です。こちらも基本的に1話完結。でも、前巻より異国を放浪している感触の強いストーリー運びです。

王子とカルスの関係は、あくまでも主従で、友情もなけりゃ甘美なものもほとんどない(笑)。だだっ子に文句を言いながらも秘密のことがあるもんだからついていく勇者…がちょっとこっけいです。この秘密は、今ならライトノベルの某人気シリーズなテイストでちょっとポピュラーですけど、悲痛な局面もあって、そこが栗本テイスト。

表紙は前巻に引き続き、王子の肖像を違うアングルで。美しいんですが、前巻ほどのインパクトはないかなぁ…。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

カローンの蜘蛛 (角川文庫―トワイライト・サーガ)

著者 : 栗本 薫

出版社:角川書店

発売日:1986-06

評価 :

完了日 : 2008年07月17日

「グイン・サーガ」に追いつくのをあきらめた頃に読みました(笑)。闇王国の第2王子、ゼフィール王子と草原の勇者、ヴァン・カルスの物語です。

舞台は「グイン・サーガ」にかすったような地名が多いので、共通の世界観のもとに作られたシリーズ(だと思う)の印象を持っている作品です。危機に遭ってヴァン・カルスの力を借りなければならなくなった王子は、禁忌の秘密をカルスに漏らして王家を追われ、それを聞いたカルスは王子から離れられなくなり(これはキケンな方向ではない:笑)…と2人は諸国を放浪します。

基本的に1話完結。「グイン-」よりも物語がコンパクトにまとまっている印象を受け、読みやすい作品でした。何よりも表紙が王子の肖像でギクッとするほど美しく(本当ですよ)、「ゼフィール(西風)」というミステリアスな名前とともに印象に残っている本です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

セイレーン (1980年)

著者 : 栗本 薫

出版社:早川書房

発売日:1980-06

評価 :

完了日 : 2008年07月17日

おそらく、ファースト栗本作品。思い切りSFです。表題作は宇宙を舞台にした、「セイレーン」と呼ばれる存在と、それに関わった人びとの物語。3話くらいのオムニバスです。

SFで「セイレーン」や「サイレンの魔女」とか呼ばれるものは、たいてい未確認の生物か海賊団(あるいは傭兵団)なのですが、これは何とも言えない存在。見た、感じた人が運命を静かにある方向へ向けていく…といった物語で、すごく新鮮で不思議な感触でした。でも不快ではありません。こういったミステリアスな感じはほかの栗本作品でも共通しているように思いました。

もう1編収録されている、「Running with the wolf」も面白く読めました。異形の子供たちがどんどん生まれてくる未来社会。そこにただひとり取り残された「ノーマルな」男性が彼らと行動をともにせざるを得なくなり…微妙に「アイ・アム・レジェンド」な感じかもしれません。結末で主人公が思い当たることは…内容と全く関係のなさそうでありそうな響きのタイトル(誰かの曲らしいです)が印象的で、今でも疾走感のある作品を読むと「『Running with the wolf』って感じだなぁ」と思い返してしまう、インパクトのあるタイトルです。マイ・ベストタイトル賞かもしれません。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

聖戦ヴァンデ〈下〉

著者 : 藤本 ひとみ

出版社:角川書店

発売日:1997-03

評価 :

完了日 : 2008年07月10日

下巻は、内乱の鎮圧がいよいよ本格的になってきます。かつての上官、アンリ子爵掃討に向かう革命軍のラザール・オッシュに「追うのはやめなよ!」と念じることしきり(任務だから仕方ないのに:笑)。アンリ子爵の側でも、盟友が負傷したりして立場がどんどん上になっていき、ついにはこちらの指揮官になってしまったりしちゃうんですよね…がんばってほしいんだけど、情勢はどんどん不利になっていきます。要衝を奪われ、領地を追われ…と敗走の度合いも増してくるのが読んでいて辛いです。

衝撃だったのは、革命軍が捕虜を処刑する方法です。大河ロワールにボロ船を浮かべ、捕虜をぎっちり詰めて撃沈させるとは!死神以下だよ?といわんばかりの革命のダークサイドを見て戦慄しました。

史実では、ヴァンデ戦争はアンリ子爵が指揮官をつとめたのちも少し続くのですが、この作品ではアンリ子爵の代で終わっています。ちょっと終盤はどうかしら…と思う点があるので減点(笑)。ですが、次にはさまれる、この内乱を生き抜いた主な登場人物について簡潔に描かれる場面にぎくっとし、なんだか「革命っていってもなぁ…」と日本人の私としては一抹のむなしさも感じます。

フランス革命のアナザーストーリーとしてはよい出来の作品だと思いますので、この☆の数です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

聖戦ヴァンデ〈上〉

著者 : 藤本 ひとみ

出版社:角川書店

発売日:1997-03

評価 :

完了日 : 2008年07月10日

藤本さんの「マリー・アントワネット」を読んだので、藤本作品で好きなものを(笑)。国王ルイ16世夫妻処刑後に、ロワール地方でものすごい王党派の反乱が起こります。その反乱、「ヴァンデ戦争」を扱った作品です。

2人の軍人が主人公です。1人は超名門貴族の若者、アンリ・ド・ラ・ロシュジャクラン子爵。王家のブルーの上着を着る、国王親衛隊の将校です(「ベルばら」のオスカルと同じ)。もう1人はその副官、ラザール・オッシュ。彼は平民出身の優秀な軍人。王家が崩壊した瞬間から、この2人が敵味方に分かれなければならなくなってしまいます。この別れがクールであってまた切ない!「我は王軍、友は叛軍(←講談社文庫「ダルタニャン物語」のシリーズより)」のテーマはやっぱりいいんだわー。

領地に帰ったアンリ子爵は革命をある程度認めながらも、やはり王に仕えた身として納得いくはずもなく、貴族有志とともにルイ17世擁立を目指して反乱勢力を(ややなしくずし的に)束ねることになり…と物語は進みます。

この反乱は本土でもあまり語られない傾向らしく、読んだときは衝撃でした。「それって内戦だよ!」という激烈さ。でも、よく考えたら、あんなにフランスは広いんだから、花のパリだけの問題で収まらないのは当然です。そういうことを見せてくれた点で、この☆の数です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

ドラコニア綺譚集 (河出文庫)

著者 : 渋澤 龍彦

出版社:河出書房新社

発売日:1989-06

評価 :

完了日 : 2008年07月06日

渋澤作品は学生の頃に何作か読みました。長髪にサングラス、書物ぎっちりの書斎といったビジュアル、それにサドetc.の翻訳で「キケンなモノカキ」のイメージがあるかたですが、私が読んだ限りでは、そんなイメージではなく、筆致もきわめて知的で博覧強記の作家さん(荒俣宏さんが近いと思いますが、荒俣さんよりビジュアルがセクシーな感じ:笑)という印象のまま終わっています。

この本はご自分の周りの世界を「ドラコニア」としゃれて名づけ、ちょっとフシギな語り口の話をまとめたものです。「ファンタジー」じゃなくて、「幻想譚」と漢字でいきたい1冊です。ホラーでも何でもありませんが、夜読むのにいい空気感をたたえた筆運びです。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

ワイルド・スワン〈下〉

著者 : ユン チアン

出版社:講談社

発売日:1993-01

評価 :

完了日 : 2008年07月02日

下巻は主に、毛沢東による文化大革命の時期が描かれます。インテリ教育をうけた著者からみれば、無知な子供の紅衛兵が街をわがもの顔で走り回る、ブルジョア階級出身者に対する密告社会は耐えがたいものだったようで、これがことこまかに語られます。

前巻で紹介されるとおり、著者の家族はある意味「戦前のセレブ」だったため、この革命には承服しかねることも多いようです。ただ、他の資料をみるに、戦前の中国にはぎょっとするような習慣や制度があったりしますので、社会を何とかしなければいけない…という考えがああいう形で働いたこともわかります。だから、どちらの肩を持つ、ということは私はありません(笑)。

2冊揃えておくとインパクトのある本棚になります。後年の「マオ」は評価が分かれますが、この本の衝撃は年月が経ってもこの☆の数です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 4

ワイルド・スワン〈上〉

著者 : ユン チアン

出版社:講談社

発売日:1993-01

評価 :

完了日 : 2008年07月02日

手に取ったのは学生のギリギリ終わりか社会人になりたての頃で、鴻が「ワイルド・スワン」と訳されているセンスに即買い(笑)。ロック鳥のような怪鳥のイメージを持っていた私としては、「なんと優美なイメージだ!」とそこでまずしびれた本です。

祖母・母親・作者の3代にわたる、近~現代の中国の激動を描く作品です。冒頭のシーンはお祖母さんの纏足がとても痛そう…なぜにそこまでするかなぁと思うのですが、それが慣習というものだから逆らうのは大変なことでしょう。基本的に著者の生まれた家は河南の大金持ちの家なので、祖父母、父母の代からつきあいのある軍閥の幹部など、歴史上の人物がばんばん出てきます。著者もそういった中のお嬢さまとしてそういった人たちと付き合います。

近代の中国が著者にとってはある意味のノスタルジーとともに描かれていますので、歴史的に面白く読めます。ですが、これはおそらく、魯迅が最も嫌い、「文学の力で正さねば」と感じた中国でもあるのでしょう。インパクトのある装丁と内容に、年月が経ってもこの☆の数です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

エンジェルズ・ティアーズ

著者 : 山本 容子

出版社:講談社

発売日:2000-12

評価 :

完了日 : 2008年06月30日

「エンジェルズ・アイ」と同じく、山本容子さんの画文集です。こちらはレクイエム(鎮魂歌)集。死者の魂の平安を祈るためのものなので、その詞は美しくも哀しいです。同梱のCDの歌もとても美しいのですが、心に切実な重いものを抱える人が聴いてはちょっと辛いものがあるのでは…と思うことしきりなんですよね、レクイエムって。どちらかといえば、響きを楽しむ余裕のある人向けでしょうか。ヨーロッパの人の「死」に対する考えを知るにはわかりやすいものだと思いますが…そっと手元に置いておくにはいい本です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

エンジェルズ・アイ

著者 : 山本 容子

出版社:講談社

発売日:1998-11

評価 :

完了日 : 2008年06月30日

一時、山本容子さんの版画をよく見ていました。クリーム色の紙にエッチング+彩色の、とても大胆だけど繊細な画風。ご本人の素敵なご容貌とあいまって、非常にセンスよく感じられたものでした。

これはヨーロッパに古くから伝わる歌を集めた画文集です。イタリアやフランスの田舎の舟歌や子守歌、キャロルが各地方の方言(日本の方言とはまた違うレベル)で歌われており、不思議な響きを山本さんのイメージで描かれた画集が素敵です。付属のCDは旧ユーゴご出身の歌手、ヤドランカさんのもので、声の透明感が素敵な作品です。

当時は「癒し」がブームで、この本もそんなコピーで売られていました。古いことばと歌の響きを楽しむ本であって、そういうぬるい言葉でくくってほしくないな…と思ったんですが、ぼんやり聴いてぱらぱらめくるのにほどよいので、当たらずとも遠からずなんでしょうね(苦笑)。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

著者 : 伊丹 十三

出版社:文藝春秋

発売日:1976-01

評価 :

完了日 : 2008年06月26日

伊丹十三さんはすっかり過去の人となってしまったきらいがありますが、映画監督の面だけでなく、エッセイストとしても非常に評価の高かったかたです。

東京オリンピック前後の年にヨーロッパに滞在されたときの経験をあれこれと書かれています。今よりはもっとスノビッシュで、日本人を寄せ付けない、ある意味イヤミなヨーロッパ(笑)。それが伊丹さんの皮肉を含んだ筆運びで描かれます。彼は当時俳優さんで、オーディションを受け続ける日々だったようで、映画のエピソードもちらほらと。「北京の55日」に出演されたときのエピソードも書かれています。

伊丹さんのシニカルな部分がそんなに嫌ではなく、面白く読めた記憶が残っている、そんな本です。


この感想へのコメント

3.mackinchan (2008/06/26)
 スパゲティをゆでるたびに「アルデンテ」を思い出します。そして伊丹十三を思い出します。
 今は誰でも知っている言葉ですが、伊丹十三だけで雑学が誇れた時代があったのです。
 タキシードも買ってかっこよくなろうと思っていたのに、全然違った人生を歩み、タキシードの似合わない人間になってしまいました。
4.Pipo (2008/06/26)
mackinchanさん、たびたびありがとうございます。

全くのうろ覚えで恐縮なのですが、私はこのエッセイに出てきた「婦人用の長手袋」が憧れでした。ヨーロッパのご婦人がたのきりりとした、しかし華やかなたたずまいが目に浮かんでくるようで、「いつかは私も!」と身のほど知らずにも思ったものでした(まだいけると密かに思ってますけど:笑)。

もっと読む(4件)

 

みんなの感想を読む
 3

だいじょうぶマイ・フレンド (集英社文庫)

著者 : 村上 龍

出版社:集英社

発売日:1985-10

評価 :

完了日 : 2008年06月25日

マイ・ファースト村上龍作品だったと思います。タキシードを着たスーパーマン(トマトがダメ)と、女の子が「ミミミ」さんという名前と、ラストシーンしか記憶がないです(笑)。日差しがさんさんと差していて、白いプラスチックっぽいイメージの作品だったような気がします。あと、映画ではP.オトゥール(ピーター・フォンダの誤りでした。きゃろるさん、ありがとうございます)がこのスーパーマンにキャスティングされてて、「すげーなぁ」と思ったけど大コケした(笑)。

[2008.6.25アップの感想を一部訂正しました]


この感想へのコメント

3.きゃろる (2008/06/26)
Pipoさん、すみません。単純な私は、同じピーターつながりで、出てたのはフォンダだけど、最初のオファーはオトゥールなんだと理解したのでした。ごめんなさい。
村上龍は確かに時代を捉えるのが巧いですね。
「限りなく」は私的には腐ったメロンが印象的でした。だって、メロンを食べずに腐らせることが子ども心にうらやましく、そしてその纏わりつく匂いを妙にリアルに感じたのでした。(腐ったメロンの匂いは知っていたのですね)
4.Pipo (2008/06/26)
きゃろるさん、たびたびありがとうございます。

「ピーター」の件は、お気になさらずに(笑)。私も感想を書いていて、「オトゥール?フォーク?フォンダだっけ…セラーズかも?」と当てずっぽうで書いて外しただけですので。調べればよかった…すみません。いずれにせよ、龍さんは名だたるビッグネームに声をかけていらしたんでしょうね。

今度は「半島を出よ」にでも挑戦してみようかな、と思っています。

もっと読む(4件)

 

みんなの感想を読む
 3

イリュージョン (集英社文庫 ハ 3-1)

著者 : リチャード・バック,村上 龍,Richard Bach

出版社:集英社

発売日:1981-03

評価 :

完了日 : 2008年06月24日

自称「救世主」の怪しいパイロット(「飛行士」といったほうがいいかも)のおじさんのお話です。どこからともなくやってきて、不思議な言葉と時間をまわりに与え、ふわりとどこかへ行ってしまう…ほんとうにオトナのおとぎ話のような1編です。「かもめのジョナサン」の切迫した感覚よりは落ち着いており、読みやすかった覚えがあります。村上龍さんの訳が意外と達者なのに驚いた本です。

学生時代に、わりと長い間「通学の友」としてかばんの中に入っていました。今読むとどんな感じになってるかな…と時々思う本です。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

チェックメイト 後編 コバルト文庫 あ 2-17 ブラックキャット 4

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:2003-12

評価 :

完了日 : 2008年06月21日

「ブラック・キャット」シリーズ、ほんとの最終巻です(笑)。オペレーション「チェックメイト」の決行日が近づいてくるわけですが、それにかかわる人物すべてに、「意外な事態」が少しずつ起こってきます。これは不測の事態であったり、個人レベルでの計画変更であったりして、当初の計画とはちょっと変質してくる。でも走り出した計画を止めるわけには行かず、ソフトランディングの可能性も考えられず…と新井さんの物語ににしてはハードな感じです。「星へ行く船」シリーズの「通りすがりのレイディ」にちょっと似ているかもしれません。

とはいっても、黒木さんとその相手がライフルのスコープをはさんで対峙するとか、キャットが千秋を傷つけるなどといった緊迫感あふれる(ある意味かっこいい)ドラマチックさとは違う、甘やかさを含んだ緊迫感ですね。舞台となるある部屋での、この終盤は非常にドラマチックで美しゅうございますー。それにどかーんと花を添えちゃうのが山崎刑事だ(笑)。バッド・エンディングもありかなと思いましたが、これでよい終わりかただと思います。キャットがある欠点を抱える理由、千秋をパートナーに選んだ理由が明かされますが、これも新井さんらしい味付けです。

この作品を読んだのは本当に久しぶりなのですが、お茶やお食事のシーンが多いことにあらためて気づきました。この間読んだ、阿川佐和子さんの「スープ・オペラ」の温かさに通じるように思います。後書きも楽しく読みました。山崎刑事は新井作品のキャラの中で、唯一ライフデザインができているキャラだそうで、「そうなの?」という小ネタが書かれており、新井作品をもう一度読んでもいいかな、と思いました(機会があればね:笑)。「もしも御縁がありましたならば。/いつの日か、また、お目にかかりましょう―。」という締めも懐かしく本を閉じました。

クライムノベルとすればヤワな部類のストーリーテリングですが、むやみに人が死なない(ちょっと例外があるけど)点が私の好みでもあるのでこの☆の数です。ありがとうございました。

☆感想をシリーズで並べておきたいので、「たまにこぼれてくる記憶」のノートにもアップします。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 2

チェックメイト〈前編〉―ブラック・キャット〈4〉 (コバルト文庫)

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:2003-12

評価 :

完了日 : 2008年06月21日

検索で偶然知った、「ブラック・キャット」シリーズの完結編です。急遽、今月(2008年6月)の課題図書に繰り入れました。シリーズ刊行からほぼ20年って…その時生まれた子どもが成人するぞ(笑)。まぁ、高千穂遥さんの「「ダーティーぺア」も書店で見かけたことですし、いいか。

前作「キャスリング」の終盤で、キャットと黒木さんが「待っている」ことのトリガーが引かれた直後から話は始まります。ある人物が、ある催しを装って2人(+千秋)のもとに乗り込んでこようとします。2人は「赤の他人」千秋をそのリスクから守ろうとするのですが…千秋が引き下がるはずはなく…あらゆる意味での「チェックメイト(将棋の『王手』)」をかけたオペレーションが始まります。

この、お互いの存在をかけたオペレーション(どちらかというとミッションですが)が始まったのとは別に、この動きにからむヤツがいる。そう、「壊し屋」、山崎刑事ですー。「こいつ、本当に公務員試験通ったのか?」とツッコミまくりの天才的な天然っぷりで事件にかかわっていくさまが、前作よりパワーアップしていて笑えます。アホだなー。でも、ある意味優秀?黒木さんがひげを伸ばしている理由がまぬけでいいです(笑)。

細かいところは忘れていましたが、シリーズのストーリーの大筋を覚えていたことに驚きながら読み進めました。地の文がもっと子ども子どもした語り口のように記憶していましたが、おおむね違和感を感じませんでした。カッコ書きの新井さんツッコミが懐かしくもあり、若干煩わしかったりしますが、これは自分の好みが変わったのであって、新井さんテイストということでいいかと思いました。テンポもスピーディーとはいわないまでも軽快で、以下次号!とうまく運ぶ作品です。

☆感想をシリーズで並べておきたいので、「たまにこぼれてくる記憶」のノートにもアップします。


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

キャスリング〈後編〉 (コバルト文庫―ブラック・キャット)

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:1994-12

評価 :

完了日 : 2008年06月21日

「ブラック・キャット」シリーズ第3弾の下巻です。キャットのプロジェクトが明らかになるとともに、首飾り事件も大詰めを迎えます。王妃さまとキャットの関係、今までの危なっかしいプロジェクト、恋人でもない黒木さんがなぜキャットと組んでいるかなど、細かくはないにしても謎がほどけていきます。どうする、千秋さん?山崎刑事もどたばたと活躍します。

後書きで新井さんが「(山崎刑事が大けがをしたりして)登場人物がどんどん減ってくるので、物語が続きません。で、終わることにしました」といったようなことを書いておられ、「それでも何とかおさめるのが作家さんでしょ?だらだら続けなくてもいいけどさー」と思ったりしました。今考えると、新井さんのユーモアだったんでしょうけどね。

構成もきちんとしていると思いますので、結構好きな巻です。「この巻で終わり」と本当に思いこんで長い年月が経ちましたので、完結編「チェックメイト」が出版されていたことを知って驚きました。どこに置いたか忘れてしまった女子学生スピリッツ(紛失していないことを祈る:笑)を探し出して読むか否か、どうする、私?

[2008.6.12にアップした感想を並べなおしました]


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

キャスリング〈前編〉 (コバルト文庫―ブラックキャット)

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:1994-12

評価 :

完了日 : 2008年06月20日

怪盗団「ブラック・キャット」シリーズ第3弾。あまりのタイムラグに、「このシリーズは2作で終わり」と思いこんでいました。発売されていたのを見つけた当時は驚き。しかも、少女マンガテイストの表紙で…(苦笑)。

「キャスリング」は(陣を固めるための)駒のすり替え(正確には交代)をいいます。今度のターゲットは某国の王妃さまの首飾りですから、2種類あるキャスリングのうちでも、クイーンのキャスリング。

このころには「ブラック・キャット」はその派手な仕事っぷりでメディアでも有名になっており、どんどん動きにくくなってくるんじゃないかと思うんですが…キャットの狙いはブツではない、ということがはっきりしてきます。彼女が「何かを待っている」というシチュエーションはちらちらと今までに出てきているのですが、このプロジェクトの輪郭がはっきりしてくる巻です。物語の展開としてはスピード感もあり、ちょっとハードボイルドテイストで、結構好きです。

[2008.6.12にアップした感想を並べなおしました]


この感想へのコメント


みんなの感想を読む
 1

ブラック・キャット (2) (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:1985-09

評価 :

完了日 : 2008年06月20日

「ブラック・キャット」シリーズ第2弾。副題が「ナイト・フォーク」という粋なネーミングで好き(笑)。このシリーズはチェスがキーワードで行くんだね…と面白く感じました。実際に駒をさわったのはずっとずっとあとです。

「ナイト・フォーク」というとおり、ターゲットはナイト(将棋の桂馬)の動きになぞらえ、メインとサブがあります。何がメインで何がサブで…といったことはキャットのアタマの中にはあるようでも、千秋にはよくわからない。そんなとき、千秋と出会ったある少年は彼の資質ゆえにあらゆる方面から目をつけられていて…とSF+ミステリ調の展開。結末も新井さんのホーム、SFテイストでファンタジックかもしれません。クライムノベルというより、すっきりとしたかわいいオチの話です。

[2008.6.12にアップした感想を並べなおしました]


この感想へのコメント

<前のページ 1  2  3  4  次のページ>

Copyright c 2006 WEB本の雑誌 All rights reserved.