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Pipoさんの読書ノート

思い出し書き: たまにこぼれてくる記憶
「マイクラシックス」ライト版です。たまにぱっと脳のなかからこぼれてくるものの、ディテールを覚えていなくて(笑)。だから感想も短く…著者さんと作品のファンのみなさん、申し訳ありません。当時は面白く読んでましたので…。
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 1

ブラックキャット (1) (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

著者 : 新井 素子

出版社:集英社

発売日:1984-01

評価 :

完了日 : 2008年06月20日

ちょっと検索をしているときに思い出しました(笑)。新井さんの作品は友人につきあって「星へ行く船」シリーズを読んでいたかな…という記憶ですが、このシリーズはちゃんと自発的に読みました(笑)。

身寄りのない女の子、千秋が「ある服装で、ちょっとだけ走ってほしい」とあでやかな美女に声をかけられます。「イニシャルが"C"で始まるエカテリーナもあるのよ」とのたまう美女、通称キャット。寡黙だけど射撃の名人、黒木さん。この2人、日本人を名乗るけれども、どう考えても不自然。目的もわからないけど、悪い人じゃなさそう…と彼女がある計画に関わっていきます。

この3人は天才的なスキルと背中合わせの欠点を持っているという設定で、クライムノベルとしては結構私の好物でした。事件のたびに何か派手に壊していく(あるいは大けがをする)クラッシャー、山崎刑事も結構いい。でも、話の展開が人情話すぎてちょっとぬるいんですよね…すでにケンリック読んじゃってたからかな(笑)。というわけでこの☆です。

[2008.6.12にアップした感想を並べなおしました]


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1.manu (2008/06/13)
素晴らしく懐かしいですねぇ。
新井素子さんは、高校の時にかなりの作品を読みました。
今思うとライトノベルの先駆けなのでしょうが、当時は読みやすくて、バカバカしくて(誉めてます)という小説が目新しくて好きでしたねぇ。
数年前に友人が、いきなりブラックキャットを再読し始めたという話を聞いていたのですが、結局ラストまで読んだのかなぁ。ちなみに私は2作目までで止まってました。(汗)
2.Pipo (2008/06/13)
manuさん、コメントありがとうございます。私も感想をアップしていて懐かしさに浸りました。第1巻を手に取ったのは高校生前後、「キャスリング(下)」は社会人○年生のときですもの~(笑)。

新井さんの作品はラブリーで軽やかな筆致が魅力でしたね。今でも楽しめるかしら…よし、「チェックメイト」を読もうと、今決めました(笑)。
 

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 1

詳注版シャーロック・ホームズ全集 (8) (ちくま文庫)

著者 : コナン・ドイル,ベアリング‐グールド

出版社:筑摩書房

発売日:1997-12

評価 :

完了日 : 2008年06月18日

「踊る人形」はマイ・ファーストホームズ(笑)。「ルパンを読めばやっぱりホームズ!」と子供版を併せて読んでいました。

「踊る人形」の謎自体はポーの「黄金虫」と同様のネタですが、解くプロセスが理知的に描かれており、こちらのほうが好きでした。暗号(超初歩)ってこうやって作るんだ!ということが子供心に印象的でした。

作品としては、ワトソンとホームズのやりとりが硬く、いかにもイギリス調だったので、もうひとつ乗り切れずに終わりました。キーワードの劇的さや人物関係など、私はルブランの「ルパン」のほうが好き(笑)。

この本は詳細な注がついており、シャーロキアンにはおすすめですが、プロットを追うだけでよかった私としてはこの☆の数です。ごめんなさい。


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 1

奇岩城 (新潮文庫―ルパン傑作集)

著者 : モーリス・ルブラン,堀口 大学

出版社:新潮社

発売日:1959-11

評価 :

完了日 : 2008年06月18日

マイ・ファーストリアルルパン(笑)。何せ、「ルパンⅢ世」のほうがコンタクト年齢が早かったからなー。怪盗アルセーヌ・ルパン第1作です。

若い女性2人の住まう屋敷に賊が侵入し、賊にねらいを定めた年上の女性、レイモンドの銃声が響いたあとは…と導入がふるっています。「どこが『奇岩城』なの?」と思わせながら、じわじわと進みます。フランス語の謎解きもいいです。少年探偵、ムッシュー・イジドール・ボートルレはちょっとこまっしゃくれてて嫌だけど(笑)。謎を解いた末の幕切れはドラマチックで、「どうしてそうなるのかなー」としんみりしたものです。ディテールは結構忘れているのですが、印象はとても強い作品だったのでこの☆の数です。


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1.Tetchy (2008/06/18)
これは面白い作品でしたね。
私は小学生の時に初めて読んだので、この少年探偵がとてつもなく頭がいい友達に映り、尊敬の眼差しで読んでました。
たしか、部屋に隠れてて、誰かが忍び寄ってくるシーンがあったように記憶してますが、これがひたすら怖かった。
もしかしたら私の恐怖の原初体験かもしれません。
2.Pipo (2008/06/18)
Tetchyさん、初めまして。お運びいただき、ありがとうございます。

私も小学生の時に読んだ作品です。華麗な道具立てと雰囲気にやられ、「813」など数作品に手を伸ばしました。

ご指摘のシーンを含めて、この作品は薄暗い中で進むイメージばかり残っていて、太陽の光の記憶がないんですよね(笑)。今考えれば、イジドール君の物言いも、フランス語のクセがわからずに「気取ってる」と思っていただけかも…印象の強い作品です。
 

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 2

レベッカのお買いもの日記〈1〉 (ヴィレッジブックス)

著者 : ソフィー キンセラ

出版社:ソニーマガジンズ

発売日:2003-03

評価 :

完了日 : 2008年06月18日

「ブリジット・ジョーンズの日記」と同じジャンル、シングルトンものの"Shopaholic"シリーズの邦訳本です。原題のほうが断然いいと思いますが、どぎつすぎるんでしょうかね(笑)。

働く女性、レベッカのお財布はいつも火の車。銀行からの「残高が足りません」のレターが来ても、ショウウィンドウの素敵なお洋服を見れば、それを着た素敵な自分の妄想がスパークし、ついついお店へ…よくわかります(銀行やカード会社から怒られたことはないけれど:笑)。買うときの高揚感のみを楽しむ、「病んでいる」買い物中毒ではないけれども、軽やかにヤバい(笑)。ルームメイトに冷ややかに見られながらも、「お金持ちの彼氏つくってクリュッグで乾杯するのよー」ともう、女子妄想スパークでただただ笑ってしまいます。

ペーパーバックもこの訳本も、ちょっとくらい出てくるブランドがわからなくても、さらさらと読めてしまうスピードを持っています。「ブリジット」よりも湿り気がなくて好きです。ただ、間に挟まれる銀行からのレターがかもし出す緊迫感が、原著のほうがリアルです。日本の銀行からのお知らせ文は、なんだかリアル味に欠けるんですよね。

軽やかで面白いんですが、最初に読んだときの面白さがちょっと薄れてきているので、この☆の数です。ごめんなさい。


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 1

オードリー・ヘップバーンのおしゃれレッスン (集英社文庫)

著者 : 大橋 歩

出版社:集英社

発売日:2005-12

評価 :

完了日 : 2008年06月16日

リアルタイムでA.ヘプバーンの映画を見た世代ではないので、彼女が映画女優さんとしてどうかというより、私はあのスレンダーさを存分に生かした(バレエダンサーを目指してらしたけど、リフトしてくれるパートナーがいなかったほど背の高いかただった)着こなしが見事だなぁといつも思っていました。それがたとえスタイリストさんの作り出したものであっても、それを沿わせるのは彼女の才能以外のなにものでもないでしょう。

大橋さんのさらりとした解説にあるように、彼女の着こなしはとてもシンプル。色数を抑え、靴とベルトを同色で。コートの袖が短めならロングの手袋でバランスを…など、クラシカルでシンプルな美しさを追求しています。ジャクリーン・ケネディのおしゃれと似ているようにも思いますが、もっと普通のアイテムを組み合わせており、しかもクリーンな感じ。セーターとパンツの組み合わせなど、すごく現代風で素敵でした。

彼女のようなプロポーションにはほど遠いですが(笑)、いろいろと楽しませていただいた1冊です。オードリーファンのかたには大雑把で物足りないと思いますが、気楽にぱらぱらめくって十分楽しめる1冊です。


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 1

吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1

著者 : レ・ファニュ

出版社:東京創元社

発売日:1970-04

評価 :

完了日 : 2008年06月13日

10年近く前に、意外と有名なのによく知らない存在「カーミラ」のことが気になって読んでみました。

女吸血鬼の代名詞として名高いタイトルロールですが、物語自体は短編。彼女の存在も直接に描かれるというよりは「お城についてる幽霊さん」という感じで静かな描き方をされており、意外とあっさりしています。画家ムンクの作品に「吸血鬼」という、赤毛の女吸血鬼が獲物の男性をがーっと抱え込んでいる構図の作品がありますが、そんな感じではなく(笑)、むしろポーの「リジイア」やデュ・モーリアの「レベッカ」のような、静かにひやりとした(しかもあまり嫌悪感を感じさせない冷たさ)印象を受けました。

他の短編もひっそりと優雅で美しかったのですが、なぜかさらりと通してしまった本でした。


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1.Solaris (2008/06/13)
小学生の時に読みました。内容はそんなに覚えていないんですが、確かにあっさりしてますよね。怖いっていうイメージは読む前で、読んだ後にはすっかり消えていました。吸血鬼は噛むのにどうして「カミーラ」じゃなくて「カーミラ」なんだろうという疑問が今でもありますけど…。
2.Pipo (2008/06/13)
Solarisさん、初めまして。お運びいただき、ありがとうございます。

「カーミラ」、私もずっと違和感がありました。読み方は時代や人によって違いが出ますが、そんなに変わるかなぁ…と思ったままでした。この機会に綴りを調べ、"Carmilla"だと知って納得です(笑)。主人公の少女の回想という形を取っていることが、怖さを薄めているんでしょうね。

旧作、新作あわせた乱雑なノートですが、またお越しいただければ嬉しいです。
 

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 1

吸血鬼ハンター“D” 新版 (朝日文庫 き 18-1 ソノラマセレクション 吸血鬼ハンター 1)

著者 : 菊地 秀行

出版社:朝日新聞社出版局

発売日:2007-12

評価 :

完了日 : 2008年06月13日

マイ・ベスト流れ者小説(ライトノベル部門)です。遙かな未来。人間と吸血鬼の混血「ダンピール」の吸血鬼ハンター、通称"D"のシリーズ第1弾です。

「西部劇テイスト」とよくいわれた作品なのですが、読んだ当時はそんなに感じませんでした。ですが、いま思い返すとそのまんま(笑)。吸血鬼に目をつけられた少女、ドリスが村の入り口でDに勝負を挑み、…と物語が進みます。西部劇+妖魔テイストの不思議な世界観を、菊地秀行さん(弟さんがあの菊地成孔さんと聞いて驚いた)のきらびやかな筆致で楽しめます。

表紙がびっくりするほど美しく、そっちのほうでやられてしまったのか(笑)、結構揃えて楽しんでました。でも、もうシリーズには追いつけないです(笑)。


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 1

ジョイ・ラック・クラブ (ヴィレッジブックス)

著者 : エィミ タン

出版社:ソニーマガジンズ

発売日:2005-04

評価 :

完了日 : 2008年06月09日

学生時代の、まだ米文学にわりと浸っていた頃に読みました。joyが「喜」、luckが「福」。アメリカへ移住して家族を作った中国人女性4人のグループの名前がタイトルになっています。この中の1人が亡くなり、残りの3人が、その娘世代へ自分たちの今までの人生を語る…といった組み立てです。

麻雀の卓を囲んでおしゃべりしていた4人の過去は決して平坦ではありません。望まぬ結婚や貧しさなど、乗り越えたいものが数々あります。やっとの思いで米国へ渡り、「幸せな」家族を作っても、子ども世代は親の話す言葉(ここでは中国語)を理解せず、ため息ばかり出る…これは米国の移民だけではなく、自分とルーツを異にする子どもを持った人なら必ずぶち当たる壁で、そこがうまく描かれているなと思いました。子ども世代も順調にサクセスストーリーを歩んでいるかというとそうでもなく、離婚や子育てといった現代社会の悩みを抱えています。この2つの話の流れのからみが非常にバランスよく、どちらに肩入れするわけでもなく最後まで読めました。主人公にあたる子ども世代の女性が母のルーツを追おうとする展開は、ちょっとありきたりっぽいかもしれませんが、これしかないようにも思います。

ヴィレッジブックスで改版されていて懐かしくなりました。カバーもラブリー(笑)。年月が過ぎた分、☆ひとつ引きますが、今でもちゃんと読めば☆5つ、そんな本です。

[2008.6.9にアップした感想を並べなおしました]


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 7

貧乏サヴァラン (ちくま文庫)

著者 : 森 茉莉

出版社:筑摩書房

発売日:1998-01

評価 :

完了日 : 2008年06月08日

まず、タイトルが見事!森鷗外のお嬢さん、茉莉さんの日々の暮らし、食に関するエッセイです。

鷗外の愛娘であった茉莉さんの感性は、鷗外の滞欧経験によって作られています。実際の茉莉さんの生活は存じ上げませんが、ご本から察する限りでは決して裕福ではないように感じます。それをご自身の感性が彩っているのがよく分かります。お薬のガラス瓶やテレビの緞帳といった家の中の小物、味に関する感性の細やかさを存分に発揮されており、それが独特の筆致で描かれています。

同じ文豪のお嬢さんであった幸田文さんのストイックな感じとは対照的なエッセイです。背筋がすっと伸びた「心は錦」の感じが共通していて、私はどちらも好みですが。


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 1

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

著者 : エドガー・ライス バローズ

出版社:東京創元社

発売日:1999-06

評価 :

完了日 : 2008年06月04日

マイ・ファーストSF本(マンガとアニメを除く)。たぶん、「姫」なタイトルにひかれて手に取ったんでしょう(笑)。火星に降り立った地球人のカーターが、火星人どうしの争いに巻き込まれて…という「火星の英雄カーター」シリーズの最初の巻です。

新鮮だったのは、火星の人類がタコ型ではなくてしかも2つの人種があること!馬までいたことが衝撃(笑)!この本は表紙からして劇的なイラストなのですが、私が最初に読んだ子供バージョンはイラストが和田誠さんテイストで、ゆるくへにゃっとした火星の馬が爆笑ものでした。

カーターさんはこれから火星でどんどん出世していくという「○○島耕作」も真っ青というサクセスストーリーで、子供心に「まったくの異世界でそれは可能なの?」と思ったのですが、それはそれとしたわくわく感が楽しめた本でした。だから今でもSFをぽつぽつ読むのかな、と思います。当時の衝撃は☆5つなのですが、今は落ち着いて読めるのでこの☆の数です。


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 1

アド・バード

著者 : 椎名 誠

出版社:集英社

発売日:1990-03

評価 :

完了日 : 2008年05月28日

たむらしげるさんの表紙イラストがファンタジックでとても素敵です。当時、椎名さんの初のSFということで読みました。

舞台設定が独特でちょっと驚きました。未来は未来なんですが、「広告に支配された世界」。生物を含め、何でもかんでもにゴテゴテと広告の文字と音声がついており、静けさのない世界。違和感あるよなぁ…と思ったんですが、今から考えると、現代だってそんなもの。今度の北京オリンピックでも、ナショナルチームのロゴが禁止になるらしく、スポンサーロゴはいいのかよ!って感じ(これはIOCの理屈がヘンだと思う)ですし。そんな世界を、幼い兄弟が行方不明のお父さんを捜して駆け抜ける…といった物語です。

兄弟と彼らをめぐる人の関係はちょっと「未来少年コナン」っぽいなぁと思いましたが、ちょっと例にひくものが見あたらなくて、そのままずんずん読み進めました。今だったら、宮部みゆきさんの「ブレイブ・ストーリー」から勇者と不思議な力系の設定を抜いたやつかな?とも思います。結末は温かくもあり、切なくもあり…。ちょうどよいと思います。ハードSFではなく、SF+冒険+ほんのりファンタジーという感じでこの☆の数です。時間の経過があったので、☆が減ってしまいました。ごめんなさい。


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 1

毛糸に恋した (幻冬舎文庫)

著者 : 群 ようこ

出版社:幻冬舎

発売日:1997-04

評価 :

完了日 : 2008年05月27日

時にはすっとぼけ、時にはちょっとしんみり寂しい、群さんの初期のエッセイ集です。

タイトルどおり、編みものがお得意だったようで、編みものにまつわるご家族(特にお母さま)の思い出を記しておられます。古いセーターをほぐしたラーメン状の毛糸にやかんやお鍋の蒸気をあて、よれよれをのばして群さんや弟さんのセーターを作られる…私の子供の頃にぎりぎりセーフで残っていた情景かなぁとも思います。1本の糸と2本の針から着るものができていく過程は私も大好きでした(友人の彼氏へのプレゼントを代わりに何着も仕上げたこともある:泣)し、古い糸に新しい糸を足して引きそろえると、また風合いが違ってくるさまも楽しい。この感覚は今でも着るものを選ぶときのものさしのひとつとして確実に残っています。今の群さんのエッセイからは伝わって来にくい部分ですが、着るものについてのエッセイを読むと確実にこのあたりのバックグラウンドが生きているんですよね。安くてぺらっとしたものには手厳しいし、仕立ての用語がきっちり出てくる(その一方で某ブートキャンプとか入隊してらっしゃるし:笑)。

ディテールはあまり記憶にないのですが、群さんを作ったものの根っこが「私と同じ!」と共感してうれしくなってしまった本でした。


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 1

玉人 (新潮文庫)

著者 : 宮城谷 昌光

出版社:新潮社

発売日:1999-05

評価 :

完了日 : 2008年05月25日

宮城谷さんといえば、「介子推」「重耳」など、ちょっとひねった視点から中国史上の人物を描いた長編小説を思い浮かべるのですが、これは女性(というか男女の仲の深さ)をテーマとした6篇の短編集です。タイトルの「玉人」がいいですね。「玉(ぎょく)のように美しきひと」って、うーん、ロマンチックだわー(笑)。

お話はどれも、非常に品よいセクシーさ(とはいっても軽いお色気ではないので、読んでて「うわーっ!」とじたばたしてしまうこともしばしば:笑)と謎めいた雰囲気が素敵な短編集です。ミステリーというより、不思議な運命の織りなす物語という印象を受けました。英雄はひとりも出てこず、ほんとうに宮城谷さんの作品?と思ってしまう感じですね。どの短編が好きかというのは甲乙つけがたく…まとめて楽しんでいただきたい本です。


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 12

アルジャーノンに花束を

著者 : ダニエル キイス,小尾 芙佐

出版社:早川書房

発売日:1989-04

評価 :

完了日 : 2008年05月16日

あまりに有名なダニエル・キイスの出世作。学生の頃に読んで、友人の間でも回してました。ストーリーテリングが見事でしたが、ちょうど真ん中で結末が読めるところが玉にキズなんですよね(苦笑)。ちなみに涙はこぼれませんでした。「何とかならないのかなぁ…」とは思ったのですが。

当時目を見張ったのが、訳者の小尾芙佐さんの見事なまでの翻訳。「これ、原文どうなってんの?」と書店の洋書売り場へダッシュしました(笑)が、原文は意外とフツーで拍子抜けしたものでした(チャーリーのスピーチレベルのアップダウンを日本語訳ほど極端にしていないので)。訳者さんで当時すごいと思ったのは、この小尾さんと、トニー・ケンリックの訳をやってらした上田公子さん。私の心の師(笑)。

当時☆5つだったのですが、現在はいろいろ読んだためか、こんな感じ…というところです。ファンのかたも多い本ですのに、ごめんなさい。


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 3

一千一秒物語 (新潮文庫)

著者 : 稲垣 足穂

出版社:新潮社

発売日:1969-12

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

表題作は粋でキラキラした、かわいらしいショートショート集です。クラフト・エヴィング商會さんの作品などはこの世界をそのまま写し取ってらっしゃるように思います。お月様や土星さんがモダンなバーをふらふら歩いている様子が印象に残っています。大人の童話、といった趣ですが、年齢層を問わずファンタジックでおすすめです。それ以外は読んだときに結構驚いた(コドモだったもので:笑)ものの、今となってはちょっと印象にない…。


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 1

ブライト・ライツ、ビッグ・シティ

著者 : ジェイ マキナニー,高橋 源一郎

出版社:新潮社

発売日:1988-01

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

高橋源一郎さんの最初で最後の翻訳書(笑)。マイケル・J・フォックス主演で映画化もされており、当時は最もエッジイなアメリカ文学でした。ちゃんと読んでればアメ文にどっぷりはまったかもしれないなぁ…後日、完璧なまでに誤訳もない、高橋さん渾身の訳と聞いて驚きました。もっとまじめに読んでいればよかったかも?


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 1

モルグ街の殺人事件 (岩波少年文庫 (556))

著者 : エドガー・アラン・ポー,金原 瑞人,Edgar Allan Poe

出版社:岩波書店

発売日:2002-08

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

「史上初の密室殺人モノ」らしいのですが、子供だった私でも、オチに「それアリ?」とある意味衝撃を受けた作品(笑)。中盤までは息詰まる感じで読めるんだけどなぁ…と今でも思います。謎解きでは「黄金虫」のほうが上かもしれません。路線では「黒猫」「アッシャー家の崩壊」のほうが好きです。


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 2

黒衣の花嫁 (ハヤカワ・ミステリ文庫 10-4)

著者 : コーネル・ウールリッチ

出版社:早川書房

発売日:1983-01

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

「私はニック・キリーンの妻よ!」という言葉を残して人を殺していく、黒いドレスの女性。「ニック・キリーン」って誰?と被害者の周りには全く覚えのない名前…最初に「少年少女ミステリ集」のようなもので読み、しかも日本社会にどっぷり使った私には、アメリカの銃事情やこの女性の感情があまりに遠いものだったので、あんまり印象に残っていません。でも、アイリッシュ/ウールリッチの話運びの見事さは飲み込んだらしく、恐ろしい速さで読んでいたことを思い出します。


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 3

さらば愛しき女よ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-2))

著者 : レイモンド・チャンドラー,清水 俊二

出版社:早川書房

発売日:1976-04

評価 :

完了日 : 2008年05月13日

例の「タフでなければ」を探し求めて手に取った1冊。しかも根本から間違っており、たどり着いたのは「ギムレット」のほう(笑)。でも、原題の"Farewell, My Lovery"が美しいので許そうと思いました。モノクロの劇画っぽい印象の作品でしたが、私はフィリップ・マーロウよりもダシール・ハメットの作出した探偵、サム・スペードのほうが好みでした。

この本も村上春樹さんの新訳で出るそうですが、村上さん訳の「ロング・グッドバイ」をチラ見したかぎりでは、清水さん訳のほうが雰囲気が合っているように思う(マーロウの階級のひとは村上訳のようなしゃべりかたをしないと思う)ので、私はたぶん読まない(笑)。


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 3

大江戸美味草紙(むまそうし) (新潮文庫)

著者 : 杉浦 日向子

出版社:新潮社

発売日:2001-05

評価 :

完了日 : 2008年05月04日

花のお江戸の季節の味を、杉浦さんが解説されたエッセイ集です。各ページのつくりは江戸時代の草紙ものの体裁のように、木版の枠囲み調で雰囲気たっぷり。当時の風俗画と杉浦さん自身の手になる漫画で、すっと世界に入っていけます。

江戸市民が親しんだ味は、今とは似て非なるもの。数の子の値打ちは今とは全く違うし、初鰹ラプソディーで江戸中が大騒ぎになっていたわけではない。新米や甘いもの、お酒のたしなみなども、軽やかな川柳を交えて紹介されていて、落ち着いていながらもとても楽しい。杉浦さんの江戸文化への造詣の深さが心地よく響きます。おまけにお腹もすいてくる(笑)。

食べ物に重きを置かれていますが、当時の江戸風俗をさらりと紹介されており、「江戸もの」好きの私にはたまらん1冊です。


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