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ケロちゃんさんの読書ノート

英語に関するアレコレ
英語好き、語学好きが気に入ったオタク本
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 1

やっぱり、誤訳だったのか!―欠陥翻訳時評

著者 : 別宮 貞徳

出版社:ジャパンタイムズ

発売日:1996-11

評価 :

完了日 : 2008年04月03日

『翻訳の世界』に連載された『欠陥翻訳時評』というコラムを一冊にまとめたもの。

日本語で書かれているのが大部分であるが、原著は英語なため、そこだけ横書きである。その結果、この本を縦にしたり横にしたり忙しく読んだ。

まな板にのった翻訳者の皆さんの身の縮むような思いを体験できる。そして、著者の勇気ある物言いに
「なにもそこまで言わなくても…」と最初は戸惑う。
なにしろ、
「無学無知無恥無責任、無謀無理無茶無分別」
とメッタ打ちである。

しかし、しかしである。ここまで真剣に翻訳した本をじっくりと、原著と対応させながら読んでもらえるなんて、翻訳者冥利につきないだろうか。

しかも、著者は匿名でなく、実名で、責任の所在を明らかにし、なおかつ、氏の思う試訳を載せている。影でこそこそするのではなく、正面きって、堂々と、間違いに「間違ってますよ」と問うている。これこそが、正真正銘の議論のあり方ではないか?

やはり『翻訳の世界』なんて、その道のプロとか、その道を目指す人が読むような雑誌に連載されたコラムであるから、英語の単語もちょっと難しく、文章も長い。じっくり本文を読んで、自分ならどう訳すかな?なんて考えながら読むと、数独なんかよりずっと頭も使う。総合病院での長い待ち時間なんかにどうだろうか。

例を一つ。
(誤訳)
それ以来、彼は船嫌いになった。しかし、集めた標本を貯えることは忘れなかった。
(本文)
...he was shipwrecked -- but didn't forget to try to save the specimens he had collected...
(試訳)
船が難破した。しかし彼は収集していた標本を救い出すのを忘れなかった。

「翻訳にはある程度の頭のよさ、というか推理力、思考力がなければならないことは事実です。一読してつじつまの合わないことを平気で書いている欠陥訳が出てくる原因は、まさしくそこにあります。欠陥翻訳者は、英語ができないのもさることながら、それ以上に、あるいはそれ以前に頭が悪い」
とズバリ言ってくれている。

恥ずかしながら、apparentlyは「明らかに」だと思っていて「見たところでは…らしい」なんて意味だとは、本書を読むまで知らなかったし、elusiveを「とらえどころがない」なんて訳語をあてては困る、「入手が難しい」「珍しい」もおさえとけ、なんて言われて、初めて知った。

なんとなく、予習をしないで、文学講読の講義に出席して、自分は指名されずに、友だちが教授に問い詰められて困っているのを見ているような、妙な気持ちになる一冊だ。


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字幕の中に人生 (白水Uブックス―エッセイの小径)

著者 : 戸田 奈津子

出版社:白水社

発売日:1997-06

評価 :

完了日 : 2008年03月28日

映画字幕の大御所である戸田奈津子さんから、英語の力をつけたい人、翻訳の道に進みたい人へ、心温かいアドバイスに満ちた贈り物。

英語の力をつけたい人には
「文章を書いてごらんなさい」
翻訳の道に進みたい人には
「『外国語に自信がある』だけでは足りない。日本語の力が問われる」
字幕翻訳者を目指す人には
「映画のジャンルは多種多様。この世の森羅万象を一人で相手にすることになる。旺盛な好奇心を持ちつづけたい。『この仕事、知っていてソンをすることはない』」

外国映画に字幕をつけ出した黎明期の話が面白い。
一般の日本人として、新橋の芸者さんを集めてリサーチ。その後、縦一行十文字、となったという。

あの独特の字幕の字体も、半世紀以上をかけて改良に改良を重ねて、読みやすい現在の形になったことや、あの字幕の字体を書く人も、十数人しかいないことも初めて知った。

よく知られている話だが、戸田奈津子さんをはじめ、字幕翻訳をされる方々は、翻訳する映画を計3回見ただけであるということだ。最初に見て、全体のイメージをつかみ、台本にスラッシュを入れながら字幕の区切りをつける「箱書き」と呼ばれる作業を行う。一週間かけて翻訳し、二度目に見て、画面の細かい動きやディテールを合わせて翻訳のチェックをし、三度目は完成版を作るための最終チェックを行う。最初に一度観ただけで翻訳に取り掛かる、という神業を成し遂げているからこそ、年間の字幕翻訳映画が数十本という数がこなせるのかもしれない。

なるほどな、と思った例をひとつ。
"Good night, Manhattan! Say good night, Jack."
"Good night, Jack!"
「おやすみ、マンハッタン!ジャック、おやすみと言えよ。」
「ジャック、おやすみ!」
(『フィッシャー・キング』1991年)
ネイティブはここでクスリと笑う。「おやすみ」とだけ言えばいいものを、ジャック本人は、「ジャック、おやすみ!」と復唱しているからである。

ユーモアを交えたセリフを翻訳する際、日本で通用するジョークを転用して使用した例をあげて、数年後にはこの翻訳はまったくわからなくなってしまうだろうということを述べている。

「言葉は生きものである。『旬』に食べなければ、味が変わってしまうのだ」

の言葉に、視界に入っては消え、入っては消えする字幕、あくまでも本編の映画をより面白く見るための存在である字幕に一生を捧げる戸田氏の意気込みを感じる。


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ニューヨーク発・生録英語―思わず膝打つ生きた英語表現とアメリカ社会のありのままの姿 (アルク新書)

著者 : 八巻 由利子

出版社:アルク

発売日:1999-01

評価 :

完了日 : 2008年03月23日

アルクの"English Journal"に連載された記事を一冊にまとめた。ニューヨークに暮らす筆者が、生活の場面で見聞きした表現を事細かに記している。

学校で習わないような、いかにも「ネイティブ」な表現がたくさん紹介されているのがいい。
たとえば、「英語を話せる」と言う場合、
"I can speak English."ではなく、
"I speak English."と言うのだという。
前者は、英語がただ話せるのではなく、「うまく」話せることを意味し、後者は、英語が意思疎通に不自由ないくらいに、そこそこ話せることを意味する。それを日本語に直訳して、「日本語を話します」とルームメイト募集の張り紙に書いているアメリカ人の例をあげ、「日本語を話せます」と書いていたら、かなりの日本語ができる、と見ている。

覚えていて損はない表現として、
"hilarious"(ものすごくおもしろい)
"lucrative"(儲かる)
"diplomatic"(愛想の良い)
も挙げている。これらは英語圏に住んでいるからこそ、しょっちゅう見聞きする単語であろう。日本に住んで英語を勉強していると、ついつい
「おもしろい=funny」
「儲かる=profitable」
「愛想のいい=friendly」
と変換してしまうから、時折こうやって生の英語を失敗例と共に教えてくれるこんな本はありがたい。

読み進めていくうち、筆者の気の強さ、というか、プライドの高さが鼻についてくる。
休暇先で、同行した一行がスペイン語圏から来たため、旅行中ずっとスペイン語漬けになる。自分を無視されたように感じ、朝食の席で爆発して怒鳴り散らす。
「なんで私の前でスペイン語を使うの?この国は英語を話す国でしょ!」
または、「ケーキの味にうるさい私」こと筆者が、「大枚をはたくのだから失敗したくないと思い」、ケーキ屋のショーウィンドーで、
"May I help you?"(何を差し上げましょう?)と愛想よく聞いてくれる店員を無視しつづけてケーキを吟味していた。一緒に行った友人から
"You are rude and sneaky!"(無礼で陰険だ)と非難されて、その言い方が気に食わず頭に来て、店員に"No, thank you."と言って店を出てしまう。
別の店でも同様のことをして、別の友人からも非難されて、やっと筆者は気付くのである。"May I help you?"は会話の始まりであり、何らかの意思表示をしないのは無礼であると。
日本人が店に入って店員に声をかけられても無視して店内を見て回ったり、メニューをじっと見ているのは、
"It's a classic Japanese attitude."(典型的な日本人の態度だ)といわれているらしい。
いくぶん血の気の多い筆者のようだが、親切心に溢れていて、まだ決めかねている時や、ただ見ているだけのときは、こう言ったら良いと教えてくれる。
"I haven't decided yet."(まだ決まっていません)
"I'm just looking."(ただ見てるだけです)

生活のペースが速く、さまざまな文化的背景を持つ人々が暮らすニューヨークに住んでいると、自分が何か不利益を被ったり、いわれのない非難を受けたりしたとき、即座に抗議したり不快の意思表示をしないと、その不当なことがまかり通ってしまうから、筆者はこのように気が強くなっていったのかもしれない。筆者の鼻っ柱の強さに辟易しつつも、筆者と共に怒り、なるほどな、と思い、ニューヨークに短期滞在した気分が味わえる。


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アメリカ英語背景辞典

著者 : 渋谷 彰久

出版社:小学館

発売日:1994-11

評価 :

完了日 : 2008年03月19日

辞典には載っていないけれど、アメリカ人には一般常識となっている事柄を事細かに載せている一冊。アメリカの新聞に実際に載った表現を出典、由来とともに書いているので、暇つぶしのつもりでぱらぱらめくっていたら、あっという間に時間がたってしまう。

たとえば、Langley(ラングレー)。
CIAの本部がある地名のことだが、CIAの別名として知られている。霞ヶ関が国会議事堂を示すのと似ている。

または、"I'm from Missouri."(わたしはミズーリの出身です)
ミズーリ州の人は疑い深く、証拠を見ないと信用しない、らしい。そこで、このセリフを言うと、「わたしは疑い深いのです。証拠を見せて」という意味になるという。

また、映画や新聞を読んでいて、いつも悩んでいた聖書やシェークスピアからの引用もたっぷり載っているので、気になっていたあんな表現やこんな表現を調べるのにも向いている。

日本語にも、辞書には載っていないけれど、多くの人にとって常識となっていることがある。
「その手は桑名の焼きハマグリ」
「当たり前だのクラッカー」
「尾張名古屋は城で持つ」
「結構毛だらけ、猫灰だらけ」
古い例だが、こういうことを知らないと、古い日本映画は楽しめないかもしれない。新聞や小説、日常会話でも、こんな辞書に載っていない常識に、ひとひねり加えられて登場する。

アメリカのことを本で読みながら、ひるがえって、自分の住む日本と日本語のことを考える。外国語を学ぶ楽しみって、こんなところにある。


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アメリカの小学校の宿題・ミニテストをやってみる―生の教材で英語を学ぶ (CD BOOK)

著者 : 平山 篤,Steve Morgan

出版社:ベレ出版

発売日:2006-12

評価 :

完了日 : 2008年03月19日

ユニークな視点で数々の英語学習に関する本を出版しているベレ出版の本。

タイトルのとおり、アメリカの小学校で生徒が受けるであろう先生の説明とミニテストが載っている。CDもついているので、リスニングにも役立つ。

社会、数学、英語、理科の4科目を、アメリカの小学生になったつもりで解いてみるのもおもしろい。

たとえば、数学。次の数を「英語」で音読してみる。
0.4731
答えは、Zero point four seven three one。

理科なら
"What three things do plants combine to make sugar?"(糖を作るために植物が組み合わす3つのものは何か?)
答えは、light, carbon dioxide, water。

基本事項や簡単な概念からはじまって、結構むずかしいことまで網羅している。本書が提唱している理念、Study through English. (英語を通して勉強する)は、知りたい話題を英語で学ぶことから、英語も、知識も得られるお得な勉強法であると思う。


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