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保名さんの読書ノート

読了本
【予告なく、ネタばらし的表現は闊歩する】
心に浮かんだ散文or独断と偏見な感想
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 17

占星術殺人事件 (講談社文庫)

著者 : 島田 荘司

出版社:講談社

発売日:1987-07

評価 :

記入日 : 2008年05月16日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】
                                                                     
文庫本、500頁未満と云う事で僕は軽い気持ちで手に取ったのですが…大作でした。作者の並々ならぬ情熱を感じましたね。
勿論、いろいろな意味で、ですが。

トリックについてですが、僕は某漫画を愛読していた人間なので驚くものではなかったです。ただ、よく伏線とミスリードがばらまかれているな、と感じました。
しかし、ミステリファンなら意外と多くの人があの漫画に目を通しているんじゃないかな…と思うのですが。特にこれからの未来世代のミステリファンはこの小説の前に漫画の方に当たる傾向がありそうなので、それは少し不安でもありますね。


キャラクター作りについて数点。
作中、探偵がさんざんホームズ批判を繰り広げる場面があるのですが、読者として主役のデフォを考えると、やはりホームズ像に行きつくのではないかと思います。本人(探偵)は嫌がってますがね。助手役はさほどワトソン君していたとは思いませんでしたが(称賛の有無云々の前に、別行動が多かったのが影響しているのだと思われますが)
それほど探偵を見ている頁数が少ないからでしょうか、探偵の強烈な頭脳も奇抜な性格も、読み手に伝わりにくいように感じました。言いかえれば、人間的にぐい、と物語に引き込まれる魅力ですかね。
始終物語(事件)を追うのに必死で、その部分が偏ってる様な気がしました。勿論皆無では無いですが、これからシリーズを通して読もうかどうかその面で悩む人も多い作品じゃないでしょうか。

僕個人の印象としては、目が眩みそうな本格派トリックが天秤の片方に乗っているのに対し、反対に乗っているキャラクターの面が荒削りな感じがしましたかね。非常にバランスが悪いな、と。そこが点数を引いた1つ目のポイントです。
それぞれの場面の言い回し等はウィットに富んでいたり、ハッとさせられたりして面白かったんですが。

二つ目に点数を引いた理由は、正直読みにくかったからですね。初めて島田さんの世界に触れるのに、このとっつき難さは如何なものかと。
冒頭の手記で疎遠になった方も数多くおられるだろうな…と思ったのです。書店で目的無く・評判も知らず手に取った人がこの作品を買っていく確率は中々低いんじゃないでしょうか。もう帯はついてませんしね。
もう一つ、少しだけミスリード(その中にはヒントも含まれてはいますが)のための中だるみを感じたのも読みにくい要因ですね。挑戦状の後の部を読みながら、凄い徒労感に襲われました。徒労感と云うか、虚しさですね。読んできたものがやけに長く、遠くに感じられました。
さまざまな理由で、個人的には、読後の今もすっきりしない感じが払拭されず、まだ物語の未解決の時代をさまよってる様な気分です。もう少しスマートに出来た筈…とも思いながら、まぁ、作者もこうせざるを得なかった部分は大いにあるのだろうと納得しています(デビュー作ですしね)

以上の理由で星を三つにしてみた次第です。反論があればどうぞお聞かせ下さい。僕も島田マニアの方々のご意見を伺ってみたいですので。是非お願いします。

手記も事件の情報もまるで海の様で、細部を説明しすぎて全体のイメージが湧き難い感じを僕は受けました。島田さんは難しいですね(恐らくそのように全体像を読者・推理者に見せないことがこの本において犯人・作者の最大の目的だったのでしょうが)
最後にもう一つ返ってこない問いかけをするのならば、「犯人は本当にそのような絶対の確証がない事をするだろうか?(だって僕のような捻くれ者がいたら一巻の終わりですよ)そして、それが他人に見破れ無いものだろうか?」ですかね。その点においても、ホームズを思わせました。探偵には不本意でしょうが、ね(笑)

ああ、…ここで問題がもう一つあります。「僕は御手洗シリーズを今後読むだろうか。」
――そういう、問題です。(個人の話ですが、小説は読者の“それ”が全てですよ)

とりとめもなく長々と書いてしまい、失礼。


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 1

廻廊にて (新潮文庫 つ 3-2)

著者 : 辻 邦生

出版社:新潮社

発売日:1973-05

評価 :

記入日 : 2008年05月16日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】
僕が高校1年生だった頃、国語教師に叩きつけられた本の一つですね。(他は村上春樹の3部作、太宰治作品、『フーコーの振り子』etc.…)
その際に書いた原稿用紙5枚の感想文の一部を今更載せてみました。あまりにも御粗末な文章で恐縮ですが、僕の足跡として残しておきたいと思います。
今考えると、その教師も僕も滅茶苦茶な人間ですね(笑)
---

「一人の人間が生きていた。その時代、その世界に間違いなく生きていた」そう言いきることはとても簡単で、それを証明するのはひどく難しい。幻想でも気が狂っているのでもなく、そう言い切ることは。

マーシャとアンドレ。幼い二人が甘く痛い愛に落ちたのは何一つおかしくなかったのだと思う。思えば、互いの存在は幼い頃に感じた「死」の感覚によって成り立っていたのかもしれない。
ただ、片方は死を「黒々とした大きな壁」として受けとり、それ故に生の輝きを望んだ。そうしてもう片方は「死の間際のギリギリの喜び」として生の輝きを、死によって望んだ。それだけにすぎないのだと思った。

マーシャの絵画の存在を成り立たせるものは、恐らくこの「死を恐れる生の輝き」なのではないだろうか。そして描き出されるそれは、恍惚たる「黒々としたもの」は「死」のイメージだったのではないか。
マーシャの絵画はアンドレの「死を望む生の輝き」に触れることによって、徐々に別の世界の扉を開けていく。美しく、禍々しく、愛おしく、そして悲しい。
実際の死という現実よりも、彼女にとって最も衝撃だったのは「心の中でもあの人が終っていく」と感じた、その空間に充満する死臭をその人のものだと確信できたその時であろう。確かにその時、彼女自身がその人の―自分の中を含む全ての世界での―終わりを確信したのだろう。彼女にとってそれが、全てだったのかもしれない。

何かを失うことと、何かを手に入れることはよく似ていて、もしかしたらこの世界では表裏一体なのかも知れない。

後半になると、事態は急速に進んでいってしまう。まるで、読者である自分と、語り手を置いて行くように。否、もしかすると生の時間が彼女が追いつけない程速く駆けていったのかもしれない。滝の水が流れるように、様々な時間が彼女の中を流れ、落ちていくのを感じた。

最後に彼女は「ある時」の啓示によって「死」を受け止めることになった。純粋に、澄んで、何ものにも訪れる、精神の昇華というにふさわしい「死」を唐突に、そして感覚的に理解したのだった。
その瞬間のために時を過ごしてきたのではないだろうか。--そして、それは同時に彼女にとっての「芸術」では、なかったのだろうか。

「自分という人間が、そこに確かに存在していた」という生と死の存在の意味の為に。
それならば、僕たちが、生きてそこに存在していたという証拠は一体何なのだろうか。
僕たちはその昇華を悟る瞬間までに、答えを見つけられるのだろうか。


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 2

新ハムレット (新潮文庫)

著者 : 太宰 治

出版社:新潮社

発売日:1974-03

評価 :

記入日 : 2008年05月11日

本の中に含まれる短編の質に全体的なバラつきがある気がする。
まぁ、それが短編集の良いところであり悪いところでもあるでしょうが…(全作買えばバランスが取れる、一冊に低いものが集まらない)

やはり表題でもあるように、『新ハムレット』が中々良かったと思います。ラストが僕好みという点もありますが。
ただ、何となく最初のところ辺りがダラダラ、茫洋とした印象を抱きました。
恐らく作者らしいスパイスが色々盛り込まれていたのでしょうが、何分原作を読んでないのが痛い。感覚では「此処が太宰テイストだろうか」とあたりはつけられるのですが。時間がある時に手を伸ばそうと思います。
死なないための不純さと、生きていくための非不純さ(ただの純、ではない…貫くべき信念の様なものか)
……それが、ラストのそれぞれの言動に見えたのに心を掴まれましたね。ラストがなければ、全員ただの打算的なエゴイストとして心に残ったと思います。

その他の短編についてはあまり書くようなことが思い出せません。すっかり僕の記憶力が低下しているせいだと思います。


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 1

ジンクス・ショップへようこそ―ブギーポップ・スタッカート (電撃文庫)

著者 : 上遠野 浩平,緒方 剛志

出版社:メディアワークス

発売日:2003-03

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

事件の全容を見るのは作者と読者のみ。
事件の結末を知るのは“世界の敵”と“ブギーポップ”だけ。――


“スイッチ・スタンス”
彼女は自らが自由の権利と世界の頂点を得るためにその能力を使ってきた。

“シェイム・フェイス”
彼は全くの善人ではなかった。だが、ある人のためならば、と全てを排除するためだけにその能力を使ってきた。

“ホワイト・ライオッド”
彼はただ、人を殺す自らの快楽を得るだけのために、自分の尊敬する人を殺すためにその能力を使ってきた。

“ギミー・シェルター”
己の安全と平和を守るためだけにその能力を使ってきた。

“オキシジェン”
彼はまるでその名の通り、存在が希薄だった。だが、この世で最もな劇物だった。
彼は“ジンクスショップ”を利用し、“運命”の糸を見続けていた。鮮血に染まる全ての糸を。
ジンクスを売る、彼はまるで全世界の支配者の様な存在、能力……――


運命を操ろうとする者と、それを眺める者と、それを断ち切る者たちが奏でる。
君の人生が一つの曲ならば、“死神・ブギーポップ”は入りこんできた小刻みな断音符≪ノイズ≫
これは、スタッカートだらけのチグハグな耳障りな交響曲。


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 3

ブギーポップ・オーバードライブ歪曲王 (電撃文庫 (0321))

著者 : 上遠野 浩平,緒方 剛志

出版社:メディアワークス

発売日:1999-02

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

――世界は終わるのか、
 そう問いかけられた気がした。

――何が世界を終わらすのか。
世界の終わり、そして終わらない日々。
世界を壊していくのは、“悪い”という一般常識では無い。すべての、人間、そう私達だ。-違うまい?
人間は罪悪感や何気ない残酷さで、傷をつけている。自分では全く気付かぬ内に自分自身につけている。

深い奥底の気持ちが、傷を歪みにかえ、「なくしたい」「ゆるしたい」と全てを心の別人格“歪曲王”に押し付けてしまう。本当は悪くもなく、憎まれてもいないというのに。
歪曲王、すなわち傷の歪みは、何か自身の大切なものの歪みにすぎない。

他人の傷、何かの歪みをなおそうと、本当は歪曲王自身が罪悪感を負っていて、他は敵しかいないと思いこんでいたりする。つまり、歪んですらいるのだ。
傷以上の“本体”は、歪みや傷、目をそらしたいものを見据えて、それらをちゃんと“くぐり抜ける”
そうして、また先の長い道へ出る。
心の中にひっそりと、そして消える。そのためだけに。
---
当時の文章力最悪ですね。今も進歩はありませんが。
自分の汚い字を見ながら、「歪」っていう字は「不」と「正」から出来てるんだな、と思いました。
正しいものが必ずしも正しくないとするならば、正しくないものも正しくないとは限らないじゃないか。――そんな時代だと思う。


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 9

名探偵の呪縛 (講談社文庫)

著者 : 東野 圭吾

出版社:講談社

発売日:1996-10

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

――本格推理小説とは何か?

事件は須く解かれ解体され解剖されるために存在するのか。
ではこれは、予定調和の喜劇にすぎないのか。
生死すらかけた茶番なのか。

物語の存在意義とは何か。
その中で生きる者の存在理由は、価値は何だ。

この鉄壁の城を崩したのは、一体誰か。
「WHO DONE IT ?」

世界<本格推理小説>は、求めるものによって生み出され続ける。
それは、――その条件は全て“御都合主義”によって成り立つものでしかない、虚構の机上の空論にすぎずとも。



――望む限り、「名探偵」は繰り返される。


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 7

クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識 (講談社ノベルス)

著者 : 西尾 維新,take

出版社:講談社

発売日:2002-05

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばらし的表現は闊歩する】

たとえばもともと人間は、殺人鬼で。それはぼくも例外ではなく。誰もが、自分と繋がる鏡≪物語≫を一つや二つは有していて。それ故人間は生きてゆけるのだと、それでもほとんどの人間はそんなことを気付いてもいない。
――だから人間は死ぬのだと。
――それ故に人間は殺人者だと。
――そのため、人々は殺人を忌み嫌うのかと。
ただ、それだけ。
――世界は全てザレゴトで、それ故に傑作で、おかげで歪んでしまっているのだと。

だから…ぼくは――――……

京都で出会ったぼくの鏡の殺人鬼。
ぼくは彼で彼は僕。それこそまさに≠の方程式。


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 4

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

著者 : take

出版社:講談社

発売日:2005-02-08

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

言葉さえ、無意味。
名前は根拠のないただの符号。
戯れ言<ザレゴト>は通用しない。
終われない、終わり。
先のない、幕開け。
物語は進行する。否、喪失は加速する。
まるで世界など、あたもかもはじめからなかったかの様に。
まるで始まりなど、此処には存在しうるはずがないと云わんばかりに。此処など、どこにも無い。

終わりがない、始まり。
始まりのない、終わり。

物語など、世界などとうに破綻し切っていて。
ぼくの精神≪ココロ≫や志≪アタマ≫など、疾うに終わり≪壊れ≫斬っていて。

それは終幕の開幕か、はたまた始まりの帰還か。


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 7

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

著者 : 延原 謙,コナン・ドイル

出版社:新潮社

発売日:1953-03

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

シャーロック・ホームズにおける「正典(カノン)」と呼ばれるものは、ひとまとめにしてこの一冊だけ登録することに。
一時期、かなり熱狂的にはまったおかげで、新潮社はもちろん、創元推理文庫やその他の文庫も集めてしまったので、登録すると重複してやっかいな事に…。(訳者が違うと若干脚色が変わっておもしろいため)

読みやすくて、面白い。それがホームズの良いところだと思います。推理小説としてのアプローチだけでなく、いろいろな方面から楽しめる作品だと思います。
推理小説が苦手な人でも、ホームズは意外と読めると思うのですが……どうなんでしょう。数点はホラーチックなものもあるので気をつけねばなりませんが。

個人的に好きな短編。
マイナーですが、『-帰還』「犯人は二人」や『-事件簿』「三人ガリデブ」などが好きです。ホームズの人間的な一面が垣間見えるので、より一層彼を奇抜な存在としてとらえることができる気がする。
他には、『-冒険』「オレンジの種五つ」なども好きです。

色々な訳者さんがいますが、僕は延原さんが好きですね。そうやって色々読んでも面白いです。トリックが犯人が分かっていても、再読に堪えます。
できればこれから新潮社で読まれる方は是非、改版(?)された方をお読みになる事をお勧めします。改版前のものは字が小さく、突っつき難い感じを感じる恐れがありますので…。

素敵な霧と謎の街、ロンドンへの旅にようこそ!


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1.Tetchy (2008/05/10)
この短編集はまさに粒ぞろいですね!
ミステリを読みたい少年少女にぜひともお勧めしたい1冊です。
私は大人になって再読したんですが、その時は「あれっ、ホームズの推理ってけっこう荒唐無稽だぞ!?」と思ってしまいました。
それでも今読むに耐えうる本であることは間違いありません。
2.保名 (2008/05/11)
粒ぞろいです!老若男女、古今東西のミステリを読みたい人に是非お勧めして回りたい。
僕も賛成です。ロジックの乱暴なところや穴、読者への情報開示がフェアではないとか。
今は論理・フェアを求めたものが幅を利かせてますが、それすらも飛び越えて現在でも受け入れられる名作ではないかと。寧ろそこすら他では許されない特権・魅力ではないかと思うのは少々贔屓過ぎでしょうか(笑)
どの時代、何度でも読んで欲しいです。
 

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 4

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

著者 : take

出版社:講談社

発売日:2005-06-07

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】



「一 ÷ 一」を一。
「一足す一は、一 ≪ゼロ≫ 。」


裏の裏は表。
裏の裏の裏は裏。

じゃあ、表の表の裏は―――?

崩壊は加速する、喪失が崩れて駆け抜けて逝く。


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 4

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

著者 : 西尾 維新

出版社:講談社

発売日:2005-11-08

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】


大団円。
されども、――――――『終わり』は終わらない。





終われ無い物語という世界の中で諾々と続いて行くのが生ならば。
幕切れに意味が持てると云うのだろうか。
(「ただ、生きる」――それは、諦念の彼方に見える不知火にも、思えた)

「そうやって、生きたくなんか、ないんだよ」
「でも、生きなきゃならない。少なくとも、“ぼく”らは」


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 4

零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)

著者 : take

出版社:講談社

発売日:2004-02-06

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】


「人を殺す」
ただ、彼らにとってはそれだけのことにすぎず、それが“彼ら”にとっては禍々しい己の仕事であるが故に、これは起こった。

家族を最も愛する“彼”はそれ故に最高並の「殺人鬼」であり、兄であったし。
最悪級の「殺人鬼」にして最上の殺人技術を持つ“彼”は、いくら言えども大切な弟であったし。
「殺人鬼」として目覚めたばかりの“彼女”は何だかんだ言ってもそういう性質でしかない、それでも大事な新しい末の妹で。

結局のところ「死」には『悪』は必要なかったのだ。
必要なのは、ただ『流血と刃物』と――――。

結局、所詮それだけ。

それ故、彼らは『合格』で『不合格』で『失格』であった。
それだけが、多分恐らく、偽りようもない事実≪コト≫であって。


「絶対的な真実なんてどこにもないんだ、なぁ、そうだろう?――――全てを赤に塗り潰す、最強よ。」
「合否なんて人間にゃ、関係ないね」


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 30

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:1998-09

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

――――物語りは、何時から始まっていたんだ。


あの時の。
君の心が痛んで病んで、
苦しいから必要ない(いらない)と云うなら。
僕が、君の。
心を切りとって、僕がもらってやろう。

しかし、
いくら返してほしいと君が云っても、
 ――――返してはやらないよ。


昭和27年夏。
 墓の町の眩暈坂(戻橋)


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 29

魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:1999-09

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

――みつしり、と。

 僕は僕と云う、
 私は私と云う、
 君は君と云う、
カラッポな匣。

しかし、そこに入れられるモノは、在るというのだろうか?
(人間なぞ、所詮は欠落や空洞を抱えて生きるしか術を持たぬのかも知れぬ、)


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 16

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:2000-09

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

今回は、覚え書きが煽り文句を目指した一文だったので、それだけを書記。
ネタばらし的表現は無いつもり。


井戸の中の狂骨は、
 一体誰の悪夢≪夢≫を視る?


つべこべ言うよりこの一文に感想を詰め込みました。


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 8

李陵・山月記 (新潮文庫)

著者 : 中島 敦

出版社:新潮社

発売日:1969-05

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

特に山月記は何度読んでも良い。いつ読んでも良い。数ある名作の中でも、これぞ「名作」と言わしめて良いと思う。
漢文様の硬質にして高貴な文体と、何より特徴的な音韻を踏む様な心地よさが味わえる。
文体だけでなく、他の作品では中々お目にかかれない問題提起、そしてその結論までの過程を表した内容。
最近では、この様な人間性の壁に葛藤し懊悩する人は少ない気がする。しかし、この話に触れればおのずと、その人間がぶつかるべき問題に気づくことができると思う。
正直、教科書に掲載されている小説には、選考されたのが不思議な作品があると思うが、山月記は納得できる。
読まれたことがない人には、流し読みや一読だけでもしてほしい。琴線に触れるものがあると思う。


しかし読む人によっては、山月記以外の短編は結構きついものもあるかもしれない。中島敦作品でも全然漢文調じゃないものもあるし。
(他の短編集等も考慮すると)


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 13

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

著者 : 京極 夏彦

出版社:講談社

発売日:2002-09

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

――蜘蛛の糸と云うのはだね、
振りほどけないのだよ。
もし、逃れようとするならば、

その蜘蛛ごと殺すしかないのさ。


全てを絡め取るのは蜘蛛の糸だろうか。
それとも、人の私利(エゴイズム)だろうか。
はたまた、悪意、だろうか。

絡め、絡まれ、絡め取られて――もう、動けない。


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 6

小僧の神様・城の崎にて (新潮文庫)

著者 : 志賀 直哉

出版社:新潮社

発売日:2000

評価 :

記入日 : 2008年05月10日

短編小説の神様(だったか。記憶が曖昧ですが)と謳われる小説家の、短編でも秀逸な作品が『小僧の神様』だと聞かされ、手に取ってみた。

小僧の神様は凄い評価高いけど、しかしさっぱり僕には良さは分からなかった。何だろう……あっさりしすぎてるからか?皮肉が足りないからか?
しかし、確かこの話の終わりの部分が面白いオチだったのが………うん、あれは良かった。
荒唐無稽で無く、実際にありそうな形で書いていく……っていう作風なんだろうか?

私的に『小僧の神様』より『城の崎にて』の方が好み。
療養という何処か停滞したような時間の中で、生と死が流れていくという感じが…、あっさりとした風体の良さが、難しい問題を読みやすく理解しやすい作品に仕上げたんじゃないかと。
しかしややインパクトは弱めかと僕は思う……。

他に数編日記の様な小説が入っていて。エッセイ形態も苦手だが、苦手だ…この人の人間性が苦手だ……
「城の崎にて」の他に良かったなと思ったのは……
タイトルは忘れたが、気のきかない妻と口やかましい夫の話。皮肉な部分と微笑ましい部分、面白さがあって短いし読んでて楽しい作品だと思う。

全体的に、つらつらと自分が思った事・見た事などをそのまま書いてるに近いんじゃ無いだろうか。良く言えば、あっさりしてる。悪く言えば、主題が見つかり難い作品が多い?
そんなイメージを受けた。
『小僧の神様』を勧められず、「『城の崎にて』がすばらしいよ!」とすすめられていたら、この本の評価はもっと高かったかも知れない。
暗夜行路とかの方を先に読んだ方が良かったかな……(未読)


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3.Tetchy (2008/05/11)
私は志賀直哉を読破したわけではなく、きちんと読んだのも実はこれ一冊なんです(^^ヾ
けっこう好きなんですなんて書いていて、誤解を招いたようで申し訳ないm(__)m
志賀直哉との出会いは当時高校の国語の模試に出てた「出来事」という短編で、それが妙に印象に残ったのが最初でした。
4.保名 (2008/05/11)
そうなんですか。
いやいや、僕の方こそ早とちりしてしまい申し訳ないです(汗)
志賀直哉との出会いは高校時代が多いんでしょうか。僕も先生に勧められたのは高校の時でした。無精して中々読まなかったんですがね(苦笑)
「出来事」ですか。志賀直哉に今度向き合う時にはチェックしてみます!ありがとうございました^^

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 4

サイコロジカル〈下〉曳かれ者の小唄 (講談社ノベルス)

著者 : 西尾 維新,take

出版社:講談社

発売日:2002-11

評価 :

記入日 : 2008年05月08日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

グリーングリーングリーン
徹頭徹尾破壊者を破壊したのは何か。
“破壊者”が破壊したのはあの生命は誰か。

大泥棒より、ディアフレンズへ
身代りだってなんのそので代行します。
彼女は一体何を盗みにきたという。

「黙ってみていろ“デッドブルー”!」
誰がダレにあてたもの?
謎解き明かすそれすらもザレゴトで。
本当に大丈夫かこの世界。その答えは精神世界のなかにすら無いけれど。

さぁ、戯言の晩餐会のメインといこうか。


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 5

サイコロジカル〈上〉兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)

著者 : 西尾 維新,take

出版社:講談社

発売日:2002-11

評価 :

記入日 : 2008年05月08日

【予告なく、ネタばれ的表現は闊歩する】

これをザレゴトと云わずに何になる?さしずめ、天才は朽ち果て意味が無い。
何かにおいて、必ず、そう必ず欠けている。
人間とは無能、ならば、
 普通も無能。天才≪バケモノ≫も、その能力故に無能でしか、無く。

普通と無能と才能と天才は決してイコールで結べないイコール。


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