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mackinchanさんの読書ノート

ことばの本
 ことばの本ではない本がこの世に存在するのか分からないが、日本語や外国語などに関係がある本を集めてみよう。
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言葉を育てる―米原万里対談集 (ちくま文庫)

著者 : 米原 万里

出版社:筑摩書房

発売日:2008-09-10

評価 :

完了日 : 2008年11月25日

 米原万里の最新刊。
 亡くなってもこうやって出てくるからうれしい。他にもいっぱいあるはずじゃないかしら。
 どの話も面白く、妹さんとの話もとても面白い。お父さんが地下に潜伏していたという話は前にも書いてあったが、妹さんが共産党ですから座席は左側にしてください、といった話も面白い。
 小森陽一との関係もほとんど兄弟みたかったらしい。
 個人的にはロストロポーヴィチがウォシュレットを大好きになった話が面白かった。フランス人が何百年とビデとトイレを話していたのを天才の日本人が一緒にした、というのはとてもいい話だ。
 他にも言葉にまつわる話が満載だ。
 こんな文庫ならもっとたくさん出してほしい。
 抱きしめたくなる本だ。


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 1

ふしぎ日本語ゼミナール (生活人新書)

著者 : 金田一 秀穂

出版社:日本放送出版協会

発売日:2006-12

評価 :

完了日 : 2008年11月12日

 変わった問題のたて方をする人だと思う。
「一日いて帰った」は日帰りか一泊して帰ったかなどという問題が続く。「ネギの匂いをどう表現する」といって「青い匂い」か「辛い匂い」か「その他」かと答えさせる。僕には「ネギの匂いが濃い」とでもいうところだ。
 びっくりするのは次のように書いてあったことだ。
《日本語ブームというのがあって、テレビなどでは盛んに、日本語クイズのようなものが流されています。ナンタラとカンタラと正しいのはどちらか、とか、ドータラの語源はかとか、言葉についての関心が高いらしいのです。私もその一端を担っている部分があって、あまり言えないのですが、しかし、実を言うと、そういうことに私はあまり興味がありません。》
 う〜ん。


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 1

金田一京助と日本語の近代 (平凡社新書)

著者 : 安田 敏朗

出版社:平凡社

発売日:2008-08

評価 :

完了日 : 2008年11月10日

  金田一京助とはどんな人物だったのか?
 確か服部四郎が言語学会の会長になる前はずっと会長だったはずで、そのため、その後の会長は2年の任期になったはず。
 そして、どの辞書にも名前が載っていて、春彦さんだって「あまりできがよいとはいえない」などと書いていて、不思議だった。
 じっちゃんを泣かさないはずの孫は相変わらずだ。
 理論的には特に何も残していない。
 アイヌ語は知里幸恵さんや真志保さんや金成マツさんの力に寄るところが多い。もちろん、教科書に載っているのは金田一の話だけだが。
 先日、幸恵さんの話が「その時、歴史が動いた」で取り上げられていた。僕はどうしても京助が無理をさせたのではないか、という疑問を持たざるをえない。そんな取り上げられ方ではなかったが…。
 あと二十年もすれば金田一三代の功罪という本が出るだろう。
 


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ネーミングの言語学―ハリー・ポッターからドラゴンボールまで (開拓社言語・文化選書)

著者 : 窪薗 晴夫

出版社:開拓社

発売日:2008-10

評価 :

完了日 : 2008年10月27日

 マリリン・モンローがどうしてマリリン・モンローかという昔からよくある話。つまり、ミッキー・マウスと同じように頭韻を踏んでいるということを長々と書いてある。
 阪田寛夫の「サッちゃん」は謎だというのが全く理解できなかった。「さちこ」というのが言いにくいから「サッちゃん」というのだというが、「おかしいな サッちゃん」という時、そんなことを言っているのではない。
 子どもは自分の実名を知らない。だって、周りの人がみんな「サッちゃん」と呼ぶからである。誰が「さちこ」って呼び捨てにするだろうか。せいぜい「さちこちゃん」というくらいのものだ。
 周りから「サッちゃん」と呼ばれているから自分の本名を「サッちゃん」と思っているのは変だよねという話だ。
 僕は娘の友達に「パパ」と呼ばれていた。彼女の父親は「お父さん」と呼ばれていて、僕は「パパ」という名前の人だと思っていたからだ。隣のおじちゃんも「隣のおじちゃん」と彼女は呼んでいた。ずいぶん離れていたけれど、「隣のおじちゃん」という人だと思っていたのだ。
 これをわざわざ難しい話にすることはないだろうと思う。
 もう一つ「さかさ言葉」としているのも分からない。ジャズの人が「ズージャ」というふうに逆にすることを「ズージャ語」と著者は呼んでいるが、逆さではない。「ピアノ」は「ヤノピー」で、「マネージャー」は「ジャーマネ」で、つまり入れ替えてはいるが逆さまになっている訳ではない。「逆さにすると悪いニュアンスが付加されることが多い」というのも変だ。元々、やくざなどの隠語としてこうした倒置は行われていたので、最初から隠語だから悪い感じがするのだ。これを「ズージャ語」という必要などない。
 ちなみに井上ひさしは「ドサ回り」を「里回り」から来ているが、わざと悪くするために「トサ」としないで濁音の「ドサ」にしたと語っていた(『国語事件』かしら)。
 ということで、ちょっと期待外れの本ではあった。


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 1

世界の言語入門 (講談社現代新書)

著者 : 黒田 龍之助

出版社:講談社

発売日:2008-09-19

評価 :

完了日 : 2008年10月14日

 新聞広告に「言語学者」と書いてあって驚いた。大学を辞めているから肩書きがそうなったのだと思うが、龍之助さんの愛するC先生は「私は言語学者ではない」と言っているのだから、本人も肩身が狭いだろう。
 この本は町田健の『世界言語地図』よりははるかに面白い。自分の体験談がいっぱい入っていて面白い。おすすめだ。
 でも、自分が得意ではないロマンス語系の言語の記述は少し記述が劣る。
 悪口ではないのだが、スラヴ語学から来た人だというのがよく分かる。言語学から入った人とはテイストがやっぱり違うのだ。せっかくの本だからもう少し言語学の話を入れた方が面白かっただろうとも思う。例えば、アゼルバイジャン語とトルコ語の誤解の話は「偽りの友」と一般的にいわれる現象で、中国語と日本語の間にも多くある、などと書けばよかったのではないかと思う。
 コサ語の宣伝マンになってしまったと書いているが、吸着音の説明はとりあえず、「舌打ち音」(クリック)と説明(「舌を打つ」とは書いてある)してから、映画『ブッシュマン』の二カウさん(こちらは「サン諸語」)に特徴的な音で、と書いた方が分かりやすいかもしれない。コサ語で特徴的なのは吸着音が12種類はあるということだ。
 それから、Teach Yourselfに吸着音たっぷりの歌まで録音されているというが、世界的にはミリアム・マケバの「パタパタ」という曲で知られているし、マケバにはその名も「クリック・ソング」という歌がいっぱいある。
 この辺りが音声学でいじめられて育った言語学出身者とは違うと思った。
 ウェールズ語についていえば、「きかんしゃトーマス」で読めない駅名がいっぱい出てくるのはウェールズ語のせいだ、などと書けば分かりやすいかも。まあ、どうやって料理するかはいろいろだろうが。
 そうそう、「昔の偉大な言語学者は、立派な理論も」という前書きの後の例は少し奇妙だと思う。ソシュールはあくまで印欧語の比較言語学者だったのであって、サンスクリットだけを学ぼうとしたのではないし、サピアだって、インディアンの諸語の研究家だったのだから。
 写真があるが、もっと文字を見せてほしかった。切手にこだわらず、もっと違った方法があっtのでは?
 そうそう、言語の本を縦書きにするのはやっぱり難しいと思う。
 ということで、いい本で快挙というべきか。
 50カ国語を話すという西江雅之先生が書いてくださればいいのだけれど、興味はないとおっしゃるだろうな。
※11月にミリアム・マケバが亡くなった。しかし、便利な世の中でYouTubeでclick songなどと打てば聞くことができる。


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 1

あの頃、あの詩を (文春新書)

著者 :

出版社:文藝春秋

発売日:2007-12

評価 :

完了日 : 2008年09月29日

 鹿島茂が詩のアンソロジーを作っているとは思わなんだ。知らなんだ。
 教科書に載った詩を集めた、やっつけ仕事なのだが、好きな人にはたまらないだろう。
 これを読んでいると、鹿島はやっぱり年配だと思ってしまう。
 詩というものの好みというのが、若い頃に刷り込まれてしまうこともよく分かってくる。実に分かりやすい詩が多く、生活史も満載だ。
 棍棒でガーンとなぐりつけられたような感覚を得た詩というのが山村暮鳥の「一日のはじめに於て」なのだ。
《みろ
 太陽はいま世界のはてから上るところだ
 … 
 お早う
 お早うと
 (中略)
 此の言葉より人間の一日ははじまる》

 というものだが、これじゃ「ラジオ体操の歌」と変わらないと半可通は思ってしまう。
 全体を読んでいて日本人は貧しかったのだなと思った。
 未来を信じられたのだなと思った。信じるしかなかったのだなと思った。


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1.いっぷく (2008/10/08)
鹿島茂好きなので気になっていた本です。ホント鹿島さん色んなお仕事されてますよね…ハハ。
2.mackinchan (2008/10/08)
 コメントの少ない場所にありがとうございます。
 文学者だから、ここまではいいけれど、下の方も得意だし、企業家にも詳しいし、そうそう、小説も書いているし。昔はみんな「山のあなた」で感激していたもんな。
 

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 1

ニホン語、話せますか?

著者 : マーク・ピーターセン

出版社:新潮社

発売日:2004-04-22

評価 :

完了日 : 2008年09月26日

 誰も書いてないので書いておく。
 ご存知、ピーターセンの日本語の本である。
 英語についての著書はいっぱいあるが、日本語と日本について書いてある。
 昔、どうして読んだかというと、『ローマの休日』の謎が書かれていたからだ。
 二人はしてしまったのか、どうか、という話なのだ。
 スケベ心で読んでしまったのだけれど、読まなければよかったというのが本当だ。
 ということで、こう書くと読まずにはいられない人がいっぱいいると思う。
 ピーターセンはこんな風に解説しているが、他のアメリカ人はどう思っているのだろうか、というのが率直な気持ちである。

 なぜか鈴木孝夫先生の本が批判してある。「敢闘賞」などというものは欧米にはないという話だが、ある、というのだ。
 いずれにしろ「ない」という証明はカール・ポパーをまたなくても分かることだ。

 ということで、この本の著者が書いていることが全てではないと信じよう。


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 1

楔形文字入門 (講談社学術文庫)

著者 : 杉 勇

出版社:講談社

発売日:2006-01

評価 :

完了日 : 2008年09月01日

 長らく絶版になっていた本がこんな形で再版されるのはうれしい。
 教科書としても使える本である。
 他のを検索していて出てきたので、記念に書いておく。
 そうそう、「くさびがたもじ」と読んでいいのだけれど、「せっけい」とも「きっけい」ともいう。知ってました?


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 1

図説 アジア文字入門 (ふくろうの本/世界の文化)

著者 : 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

出版社:河出書房新社

発売日:2005-04-12

評価 :

完了日 : 2008年09月01日

 『地球文字探検家』と違って、こちらはAA研の偉い先生たちが書いて本。学術的なことがきれいな図版を使って語られている。
 アラビアでアラビア数字を使っていないことは時々、クイズにも出る時代になったが、この部分で面白かったのはゼロのことだ。
 zeroもcipherも「ゼロ」の意味をもつが、サンスクリット語のシューニャがアラビア語でsfir「空」となって、ラテン語されたzephirumが短くなってzeroとなり、sfirとほとんど同じ意味のcifraからcipherになったという話。つまり、ダブレットだったことになる。
 cipherが「暗号」の意味を持つようになったのは、元のアラビア語にあった意味ではなく、ヨーロッパの人が「ゼロ」に対して抱いた神秘や秘密なものへの恐れや驚きの名残だという。


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 1

小森陽一、ニホン語に出会う

著者 : 小森 陽一

出版社:大修館書店

発売日:2000-04

評価 :

完了日 : 2008年08月27日

 こんなにいい本に誰も感想を書いていないので書く。
 小森陽一は米原万里と同じプラハのロシア語学校に通っていた。帰ってから、日本語をみんなに笑われたことから、このタイトルがついている。
 何しろ、笑うのに対して文句を言った言葉が「ミナサン、ミナサンハ、僕ノニホン語ノ何ガオカシイノデショウカ?」だったのだ。ここから日本語は原文一致じゃないということに気づく。そして、自分が「吾輩」の猫と同じように相手の言葉は分かるが、言い返せない立場にあると分かって涙する。これが後の漱石研究家を生むきっかけになったのだから、何がいいか悪いか分からない。
 当然、「坊っちゃん」の話も出てくるのだが、坊ちゃんがいたずらされた「宿直」の意味というものを考えると、坊っちゃんの行動が近代天皇制の支配構造に違反するものだったことが分かるという。
 それにしても、いろいろな偶然が重なって国文科に進み、東大の先生になったところが感動的だ(別に東大の先生になったのが感動的な訳ではないが)。
 いずれにしろ、ことばの辞書的な意味だけで、「わかったつもり」になる危険性を指摘している。だって、この小説は「実存的な」などと言っていれば分かったような気になってきたんだもの。
 ことばに向き合うことの難しさを教えてくれるとてもいい本だ。
 ケネディ暗殺やプラハの春などでも微妙な立場になって、現代史に巻き込まれる。千野栄一先生の奥さんだったズデンカさんはこの頃、あちこちの八百屋で「あんたも大変だね」とかいって安くしてもらったというが、「祖国」がそんな状態に置かれるというのはどんな気持ちだろう。
 平和な時代の、日本に育って本当に感謝。


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 2

アイドルのウエストはなぜ58センチなのか―数のサブリミナル効果

著者 : 飯田 朝子

出版社:小学館

発売日:2008-02

評価 :

完了日 : 2008年08月27日

 8年8月8日8時8分に始まった北京五輪が終わった。
 で、こちらはすっかり数の専門家になった飯田朝子さんの新書。
 イチキュッパーなどにどうして日本人は弱いのかというような話が書かれている。確かに59センチだと本当は60なのに、という感じだし、57だとウソが見えてしまう。58なら誤差範囲かと思ってしまう。
 外国ならイチキュッパーではなく、199にするところだという。そういえば、昔、イタリアに家族旅行した時に、関空便は99800円で、成田便は10万円だった。日本でも文化の違いがある!
 僕らは学問をする時に新語を作ってはいけないと戒められたものだ。「数のサブリミナル効果」を「数リミナル効果」などというのはその意味でいただけない。
 面白かったのは「四捨五入」が西洋にはない、という話である。ただし、年齢について欧米では35になったからといって、40に近いと思うことはないという外国人の話を紹介しているが、僕だって、こんな数え方はしない。最近は年齢を聞かれると「毎年変わるから、覚えていない」なんて答えている。
 さて、面白かったのは「四捨五入」する時、エクセルなどでroundとするのだが、round offには丸くするために切り落とす、尖って出ている余分な部分をヤスリで削り落とすというイメージなんだそうだ。なるほど。
 そうそう、無限大を∞として表すのはてっきりメビウスの輪から来ていると思っていたが、その前から使われていて、8を横にしたものだという。
 ということで、パチパチ。


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 1

中国ビジネスはネーミングで決まる (平凡社新書) (平凡社新書)

著者 : 莫 邦富

出版社:平凡社

発売日:2008-07-15

評価 :

完了日 : 2008年08月27日

 カルピスはカウ・ピスに聞こえ、クリープは「虫酸の走る嫌な奴」という意味があって外国では売れない。
 同じように、中国でも日本の企業は日本のネーミングのままでは売れない。
 特に「同文異種」というか、「偽りの友人」が介在するからだ。「手紙」が「トイレットペーパー」というのは誰でも知っているだろうが、「鶏」は「伎」(売春婦)と同じ音なので、まずいという。だから、年賀状に描くなら雌鳥はダメという話だ。
 ソニーは台湾や香港で「新力」だったが、中国大陸では「索尼」と表現したが、こちらの方がよかったという話も面白かった。
 昔、NOVAという英会話学校があったが、これはスペイン語のNO VAで「動かなくなる」という意味がある。こうなることは分かっていた。そして、講師などがNOVAなし状態になってしまった。
 ということで、面白かったのだが、秋田、長野、愛知、京都、熊本などどの地名も既に登録されている偽装国家に対して、どうしてこんなに気をつかわなければならないのか? 
 やっぱりお金がほしいもんなぁ。


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煩悩の文法―体験を語りたがる人びとの欲望が日本語の文法システムをゆさぶる話 (ちくま新書)

著者 : 定延 利之

出版社:筑摩書房

発売日:2008-07

評価 :

完了日 : 2008年08月22日

 内容はよく分からないが、著者がテレビ的ではないとテレビ局の人にいわれた話が面白い。
 だって、「どちらの言い方もよく使われていますね。ということは、どちらもそれなりに自然で、正しいということです」という発言は視聴者を不安にさせるという。
 ここはやっぱり「正しい言い方は、これです。そっちはダメです。皆さん、間違えないように注意しましょう」と言わなければならない。
 だから、秀穂さんのような人が便利に使われているのだと思う。
 もう一つ、「度数余剰」が面白い。ある人が春子、夏子、秋子という三人の女性とこの順に結婚した場合に「ある人は生涯で奥さんが三回変わりました」という。変わったのは二回だけなのに。
 考えてみれば、「七転び八起き」なんていうのも同じ例なのかもしれない。だって、「七起き」でないとおかしいからだ。
 まあ、言葉は論理ではないから、いいのだけど、考えてみればこの本全体がそうした煩悩の中にあるように見える。


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 1

地球文字探険家

著者 : 浅葉 克己

出版社:二玄社

発売日:2004-06

評価 :

完了日 : 2008年08月22日

 北京五輪をみていて、絵文字が象形文字になっていて、面白いと思った。日本の時の絵文字もすばらしかったが、今回のはほのぼのとする。あの北京五輪で評価するべき唯一の点である。
 この本は文字をデザインとして考える本である。
 トンパ文字を大ヒットさせたのはこの人だ。なつかし系の象形文字である。この他にもロロ文字などが探検されている。贅沢なのは西夏文字の解読者の西田龍雄先生を同行させていることで、こんなにゴージャスな旅はない。
 ウディ・アレンの「おいしい生活」のポスターも出ていて、懐かしい本だ。
 


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 1

メアリー・ポピンズのイギリス―映画で学ぶ言語と文化

著者 : 野口 祐子

出版社:世界思想社

発売日:2008-03

評価 :

完了日 : 2008年08月12日

 ヒースロー空港からロンドン中心街に向かう途中、メリー・ポピンズが出てきそうな街を通る。
 既に『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』 (平凡社新書)という本があるのに、この本が出る積極的な理由が分からないけど、個々には面白いエッセイがある。
 それにしても、「スーパーかリフラジーリスティックエクスピアリドーシャス」が覚えられなかったという話はにわかに信じがたい。
 そうそう、ナニーという職業は分かりにくかったけど、今では「世界まるごと」だかという番組で、ナニーがきて子育ての問題を解決するのがあって、ようやく理解できたような気がする。
 魔法は使わなくてもいいから、うちに来てほしい。
 
 


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 1

食卓談義のイギリス文学―書物が語る社交の歴史

著者 :

出版社:彩流社

発売日:2006-08

評価 :

完了日 : 2008年08月09日

 イギリスには料理は存在しない。あるのはマナーだけだ。
 と思っていたら、どうやら談義はあるようだ。
 普通、料理関係の本を読んでいると、おいしい話がいっぱい出てきて、台所に立ちたくなるものだが、そんな気持ちには全くなれない本だ。
 面白かったのは、イタリアの「クルスカ・アカデミー」、フランスの「アカデミー・フランセーズ」にならってイギリスにも英語アカデミーを作ろうとしたのだけれど、できなかったという部分だ。
 日本でも国語審議会が言葉を審議しているが、なかなか楽しい議論にも、立派な結論にもならないが、これって日本だけのことじゃなかったのね。
 でも、イギリス人ってやっぱり変。


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 5

日本語練習帳 (岩波新書)

著者 : 大野 晋

出版社:岩波書店

発売日:1999-01

評価 :

完了日 : 2008年08月09日

 大野晋さんが亡くなった。最後までタミル語説を捨てずに亡くなった。冥福を祈るばかりである。いい学者だったのに、何かとりつかれたようだった。東大に残れなかったのがコンプレックスだったのか。
 ところで、岩波新書でベスト2で192万部も売れた、この本をちゃんと読んだ人はどれだけいるのだろうか?
 前から不思議でしかなかったのだけど、少なくとも僕は面白いとは思わなかったし、練習にもならなかった。最後まで読んだかも忘れてしまっている。
 読んで、ためになったという人がいたら、教えてください。


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 1

Dr.金田一&柴田理恵のことば診療所

著者 : 金田一 秀穂,柴田 理恵

出版社:明治書院

発売日:2006-04

評価 :

完了日 : 2008年08月09日

 秀穂さんには慣れた。
 柴田理恵にも慣れた。
 人間というものは恐ろしいもので、最初に見たときの衝撃というものを次第に忘れていくものらしい。
 悪いけど、柴田理恵は「富山の白雪姫」といってほしくない。
 悪いけど、金田一秀穂はじっちゃんを泣かさないでほしい。
 それにしても、病院に行って、この二人が出てきたら、どう反応すりゃいいのか?
 筒井康隆の「五郎八航空」的な世界が広がりそうだ。秀穂さんはWAHAHA本舗に入った方が似合っている。


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 1

言語学のたのしみ

著者 : 千野 栄一

出版社:大修館書店

発売日:1980-01

評価 :

完了日 : 2008年08月09日

 赤塚不二夫が亡くなったので、この本を紹介。
 この本にはまだ有名でなかった頃のタモリを言語学的に分析した「タモリの言語学」というエッセイが入っている。
 ただし、タモリの四カ国親善麻雀の芸を聞いたことがない人には分かりにくいかもしれない。
 もちろん、千野先生の他のエッセイもものすごく面白く、言語学に入門するには絶好の本である。


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 1

バイリンガルと言語障害 (シリーズ言語臨床事例集)

著者 : 日本聴能言語士協会

出版社:学苑社

発売日:2003-06

評価 :

完了日 : 2008年08月01日

 バイリンガル万歳!という人が多い。子どもにとってよくないよ、というと、バイリンガルじゃない者のひがみだととられて、話は終わってしまう。
 英語早期教育は大反対なのだが、その理由の一つがこれだ。言語障害になることがあるのだ。ただの障害だと思われて根本的な治療を受けていない子どもも多いのではと懸念する。
 この本を読み直して驚いたのは「セミリンガル」がすでに差別語として使いにくくなっていることだ。「セミリンガル」というのはどちらの言語も中途半端になってしまう人たちで、アイデンティティだって中途半端になってしまう。
 そうした警告の意味で興味深い本なのだが、言語の名前までがA語などと伏せられている部分があって、さすがに読みにくい。
 でも、読み終わると、バイリンガルでなくてよかったね、と思える本だ。


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1.Pipo (2008/08/01)
こんにちは。私の周りには外国語使いが結構いるのですが、みな口を揃えていうのが「第2言語以下のものが母語の能力を上回ることはありえない」です。私もそう思いますので、子供英語教室などはいかがなものかと。

言語がどっちつかずの人というのは環境の不整備というわけではなく、言語障害というアプローチになるのは寡聞にして知りませんでした。勉強になりました。
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